チャートを分析する際、基本のテクニカルツールに加え、ハーモニックパターンも併せて使うと相場環境がよく見えることがあります。フィボナッチのツールを使っている方なら、ハーモニックパターンが「何か特別な手法」でないことをすぐに理解できると思います。ここではハーモニックパターンの長所をシェアします。I will share pros and cons of harmonic pattern trading.
ハーモニックパターンを使い続けたい長所♪~(´ε` )
Awesome aspects of trading using harmonic patterns
追記:この記事が長いので、後半部分を別途に投稿し、記事の最後にリンクを掲載しています。
FXを学び始めたころ、他の受講生さんがハーモニックパターンの画像を投稿してディスカッションをしているのをみて、「そんなことまで知らなければ相場で勝てないのか(?_?)」と、FXトレードの壁の高さを実感したのを思い出します。それでも、「フィボナッチを知れば、ハーモニックは怖くない」という言葉を信じて、ハーモニックパターンに挑戦。フィボナッチという点と縦軸が、ハーモニックパターンという線と横軸としてつながった瞬間から、今に至ります。ちょっと長くなるのですがお付き合いください。
ハーモニックパターンはどの時間足でも使える!(^▽^)/
ハーモニックパターンは、1分足、5分足、15分足、30分足、1時間足、4時間足、日足、週足、月足といった、MT4で表示される標準の時間足すべてで形成され、インジケータ-でも検出されます。
スキャルピングには、5分足で出るパターン、デイトレなら、1時間足や4時間足のパターン、スイングなら、日足以上の長期足のパターンというように、自分のトレードスタイルに合わせて、使うことができます。まさに、どの時間足でもノープロブレム(No problem)で使え、シナリオ作りに役に立っています。
ハーモニックパターンの潜在的反転エリアが効く!(´∀`)
検出されるハーモニックパターンのPRZ(潜在的反転ゾーン/エリア *下記参照)は、フィボナッチのレベルにもどついています。
2018年5月のSPXでは、きれいなピンク色のガートレーが完成しました。そのガートレーの中に小さな買いのブルーのバタフライも同時に形成されました。
2つの買いパターンができる価格帯では、当然ながら買いに優位性があります。売り方は手じまいや利確の目安にし、買い方は新規エントリーのポイントとして利用します。結果的に、SPXは大きく上昇するというプライスアクションを見せてくれました。
なお、ハーモニックパターンは逆張り手法という言葉も目にするのですが、実際のところ、エントリーポイントを探るだけではなく、すでにポジションを持っている場合には、ハーモニックパターンが完成する地点が利確や手じまいの目安地点になります。
ハーモニックパターンのPRZが、ピボットポイント、移動平均線、サポレジなどが集まる節目(コンフルエンスのエリア)に重なると、ハーモニックパターンの威力は倍増します。ローソク足の動きやオシレーターの動きを見てエントリーを判断すること可能ですが、点と点がつながってくるハーモニックだと、完成地点のD地点だけではなく、B地点からD地点までのフィボナッチプロジェクションのレベルも計測してくれるので、その比率が黄金比率であれば、エントリーや利確の判断がさらにわかりやすくなります。
チャートパターンに根拠を追加してくれる ( ゚Д゚)
例えば、2本の平行ラインに収まるような値動きになると、その上限や下限で次のプライスアクションを待ってエントリーを判断すると思います。チャートパターンには、フラッグやペナントなどがありますね。
サポートとレジスタンスだけを理解しているのと異なり、フィボナッチレベルから計測されるPRZが加わりますので、たとえレンジになり、上下にプライスアクションが活発になっても、そこは節目であるという根拠が加わります。
チャートパターンを学ぶ際、ハーモニックパターン、そしてエリオット波動もつながっていることを知っておくといいかもしれませんね。例えば、ABCDパターンといってもバリエーションがあり、それが出てくる場所によっては、調整波と推進波の両方の意味があることなどを説明しています。
リスク vs リワードがよい。天底を取るための武器 (○´3`)ノ
上記の「ハーモニックパターンの潜在的反転エリアが効く!(´∀`) 」の項と関連していますが、ハーモニックパターンは、天底が取れるトレード手法だと聞いたことがあると思います。そして何より、ハーモニックパターンは、リスクリワード(報酬比率)を最適化してくれる有能なツールなんですね。
例えば、NZDUSDは、日足と週足で検出されていた買いのバットパターンから反発。日足という長期の動きを示唆するパターンなので、安値にストップを移動して、数日放置することは可能です。
仮にこのまま急落しても、同値撤退となりロスを抑えられます。
日足に限らず、1時間足、4時間足、または5分足でも登場するハーモニックパターンですので、PRZから反転し始めるとストップをきつくすることでロスを最小限に抑えることができます。
また、このNZSUSDの場合、売りのポジションを持っているトレーダーであれば、手仕舞い・利確のポイントにも使うはずです。
A. 先行指標フィボナッチ&ハーモニック VS 遅行指標の移動平均線
相場の格言には、「頭と尻尾はくれてやれ」とあります。ハーモニックパターンで「天底を取る」ということは、いったいどういうことなのでしょうか? 下記は、2019年6月以降のドル円の4時間足のチャートです。ドル円は、ABCとチャネル内で動いた後、買いのブラックスワンが検出され、反転してきていますよね。
移動平均線20MAが下向きのため、下落トレンド継続という目線です。ここで、グランビルの法則と、その解説に出てくる「移動平均線との乖離」を思い出してください。
この乖離している場面では、目線が下向きなのですが、短期的な買いも入ってきます。グランビルの法則では、「買いの4番目」と記載されていることが多いです。
そして、ここから実際に価格が反発し、赤の矢印のように移動平均線を上抜けてくると、市場は、「買い?」、「いや、移動平均線は下がっているからまだ下落だろう?」と、目線が交錯し、売りと買いが攻防する場面になります。
このドル円では、上にブレイクしていますが、売り買いが交錯が激しい時は、もう一度下がるが安値を割らない、いわゆる逆三尊(インバースヘッドアンドショルダーズパターン)やダブルボトムを形成するか、レンジになったりします。
B.ドル円の1時間足で見るハーモニックのPRZと移動平均線
その後、濃紺で記したダブルボトムのネックラインを上抜けて、移動平均線にプルバック(リターンムーブ)を入れてから上昇しています。このリターンムーブが、よく聞く「N字」の動きです。
そして、上側の濃紺のラインは、4時間足のチャートで4時間足の20MAを上抜るという動きが出た場所です。ここで、注目したいのが、右のブルーのボックスで示した値幅です。
移動平均線は遅行指標です。そのため、移動平均線だけを頼りにエントリーすると、出遅れてしまい、それが意味するのはストップの幅が広くなることです。濃紺で記したダブルボトムのネックラインを上抜けた後のリターンムーブからのエントリーを見ても、ストップはまだ広いですよね。
ハーモニックパターンだと、すでにPRZがあり、このピンクのボックスの下部で、すでにエントリー、あるいは、ダブルボトムの右側の安値が切りあがるのを再確認してからエントリーしていることになります。
なお、まだ下落トレンドという相場環境なので、ハーモニックパターンが検出された直後の一発目の反発で上昇した後に再度下落してくることは当然あります。それでも、ダブルボトムの右側の安値が形成されるときに、5分足や1分足などで買いのバットやガートレーパターンが検出されるもしょっちゅうですので、そうなれば、さらに買いの根拠が増えます。
ハーモニックパターン、ダブルボトムといったチャートパターンなど、根拠が増えるような今回のドル円の相場では、「いよいよ、来たかな?じゃあ、あとは、ハーモニックにお任せ~」という風に、きついストップを味方にして、ハーモニックが示すターゲットまでポジションを保有することになるわけです。
もちろん、ここではハーモニックパターンだけについて話していますが、オシレーターのダイバージェンス&ヒデゥンダイバージェンス、年ピボットなどが集まる節目とPRZの重なりなど、他のテクニカル要素を一緒に見ておけば、鬼に金棒ですね。
ハーモニックトレードで必ず使われる言葉、PRZについて
PRZは、Potential Reversal Zone((潜在的反転ゾーン)を意味します。ハーモニックパターンが形成され、その構成要素であるXABCDのD地点は、価格の反転エリアになります。上昇トレンドであれば下落に転ずる可能性、下降トレンドであれば上昇に転ずる可能性を示唆してくれます。
PRZの幅が広くなることもありますが、「自分が尻尾にいる」「高値掴みや突っ込み売りのリスクがある場面にいる」といったリスクを検知するのにも役に立ちます。そして何より、ハーモニックパターンが検出されると、必ずと言っていいほど、強烈な反転のプライスアクションが出ます。
続編「ハーモニックパターントレードのメリット(続編) Harmonic patterns advantages」もご参照ください。