今週の動きを振り返ると、13日にドル円やSP500など米株式の急騰があったものの、それ以降、ドル円はレンジ、米株式は下げに転落。ゴールドも強烈な陰線が出たのですが、レンジになっています。ダウなどはチャネㇽを下にブレイクし、急騰でリターンムーブというテクニカル分析のお手本のような動きでした。ドル円の値幅を見てもわかるように、引き続き、ボラティリティは高い相場になりそうですね。A sharp rally in SP500 and US30 resulted in a return move, only to find themselves declining further. Volatility is still with us.
鉄板サポートやフィボプロジェクション2.618%
GBPUSD and USDJPY bounced an anticipated, respecting key fibonacci ratio and yearly pivot levels
(注:この記事は2019年8月17日に投稿していたものです)
ハーモニックで動きが出そうなNZドルに注目
ドル円は買いのハーモニックパターンで反転
ドル円の場合、米株式などが下落で安全資産のための円買いが進んでいると判断できるのですが、火曜日以降はレンジです。
画像中の、XからDまでのフィボナッチプロジェクションのレベルは2.618%を超えて、反転。
ハーモニックパターンを使っていなくても、強烈なサポートエリアに来たので、売りを仕掛けてはいけない場面でしたね。この反転で、8月1日からの下落に対するフィボナッチリトレースメントのレベル38.2%までの戻しを達成しています。
今後のシナリオは、1)上昇の起点となった安値まで深く戻してくる動きで、105.3円あたりでサポートされる動き、2)日足の20MAが下りてくる107.162円あたりまで上昇して、売りが参入するため、一旦下落してくる可能性、3)ハーモニックパターンが示す107.85円あたりまで上昇する動き。この場合でも、先に下げてから、N字のようにABCと上昇するなど、下げの動きには警戒したいところです。
ポンドドルは約140ピップス、ユーロポンド、ポンドカナダドルも大きく動く!
先週の投稿からバタフライと年ピボットS1から反転し、上昇中。途中で売りの勢力に押されましたが、1.2043あたりでダブルボトムとなり、そこからは安値を切り上げてきて、上にブレイクしました。この動きに合わせて、ユーロポンドは出ていた売りのブラックスワンから、下落。
ポンド・カナダドル(GBPCAD)は、週足のABCDパターンで強烈に反転。ポンドドルは、下げてきて押しを付ければ、ターゲットは$1.221あたり。なお、深い押し目となると、1.2096-70あたりまで下げてくる可能性もあるので、月曜日以降プライアクションを見ていきます。
ユーロドルは日足20MA下抜けで、キーレベルは$1.10518あたり
ユーロドルの動きは、トライアングル(三角持ち合い)を形成し、一旦下抜けたのですが、再度上昇して、かなり荒れていたのですが、日足20MAを下に抜けてからは、ずるずると落ちてきました。
日足20MAが週足20MAと25MAの下にあるので、目線は下向き。意識したいレベルは$1.10518辺り。ここでのプライスアクションを見ていきます。8月頭の安値を下抜けすると、ターゲットは$1.09875辺り。その後は、年足ピボットS1がある$1.09250。なお、この年足ピボットポイントS1まで到達する前に、$1.09875あたりで反転する可能性も考慮しています。
8月3日投稿の「ドル円チャネルブレイク、ユーロドルの3ドライブパターン、ドルスイスの5-0パターン- Volatility’s back」以降、同じスリードライブパターンが居座っておりますので、チェックしてみてください。
週足のNZDUSDのチャートに見える買いのサイファーパターン
日足のチャートに見える買いのブラックスワン
日足で見ると、買いのブラックスワンで反発して、その安値に対して、高値と安値が重なるジグザグとした動きを見せています。直近の下ひげローソク足の出た安値を割らないと、反発も想定される場面です。年ピボットS1まではまだ値幅があるので、売りが継続する可能性もあります。
ニュージーランドドルと連動する資源(コモディティ)の1つはすでに上昇に転換
Commodities for NZ Dollar 17 Aug NZドルと連動する資源の1つ
ニュージーランドドルに注目した理由は、上記のように長期足でハーモニックパターンが検出されていることに加え、連動する資源(コモディティ)がとっくに上昇に転じていることです。通貨と連動するのは金利ということは知られていますね。金利が下がり、今週、米国と英国では逆イールドという現象が一瞬発生しましたね。
同じように、ニュージーランドの金利も下がっているのですが、フィボナッチを使ってはじき出すレベルに価格が近くなってくるといったん目線をフラットにしたい場面です。資源(コモディティ)と資源国通貨の間に乖離がある時は、チャンス相場と学んだのを覚えています。
ユーロニュージー(EURNZD)の売りのガートレーは必見の価値あり
日足と週足なので、PRZ(潜在的反転ゾーン)の幅が広いため、ここからすぐにショートは難しいですが、上昇してきた場合は、4時間足と1時間足で、高値に対するフィボナッチリトレースメントのレベル、さらにそれらの時間足で売りのハーモニックパターンが出るかどうかを見ていきます。
資源国通貨であるニュージーランドドルには過去にも触れていますのでご参照ください。
「ニュージーランドドルと連動するコモディティ、テクニカル分析、ハーモニックパターン – 資源国通貨と相関性(Part1)」
コモディティ:ゴールドのチャネルとプライスアクション
ゴールドは、前回の投稿と同じく、チャートを見た方がわかりやすいと思います。チャネル上限で、週足では上ひげローソク足ですが、日足では下ひげも出ており、少し買い圧力もある攻防の様子が見えます。
ゴールドの場合、MACDやRSIは徐々にダイバージェンスとなっています。強烈な陰線が出たのですが、じりじりともどしています。
また、金曜日の下落を見てみてください。5波からなる推進波に見えます。これが5波であれば、初動の下落の動きとなり、下落に向けた第1波が完成することが想定されます。
だとすると、1つ目のシナリオは、金曜日後半の反発はABCの調整波で第2波を形成していること。高値更新がなければ、下落開始か、少なくとも最近の上昇に対するプルバックを入れてくるというシナリオです。
2つ目のシナリオは、金曜日の高値と、$1529.42を上抜ければ、水色のボックスで示したエリアまで上昇するというシナリオ。ここには、前回の投稿で記載したように、大きな下落に対するフィボナッチリトレースメントのレベルがあります。この場合、このエリアに到達すれば、手じまいをするなど、上ひげローソク足が出る可能性には注意しておいた方がよさそうですね。
株式指数SP500のリターンムーブなどプライスアクション
SP500のキーレベルは$2911のエリア
SP500、US30は、チャネル内でABCという上昇をするかを見ていましたよね。8月11日の「ボラティリティのある相場ほどチャートパターンが明確 Volatility creates chart patterns」をご参照ください。
現在の様子:急騰後の下落は、5波からなる推進波に見えます。また、1時間足などでは、ダウのキャッシュであるUS30や、EU50にも売りのブラックスワンが出ています。
水色のボックスのエリアには、$2911という意識されている価格レベルと、$2904.50というフィボナッチリトレースメントの50%、つまり半値戻しのレベルがあります。
週後半の反撃が、この急騰した際の高値に対する戻しを付けているに過ぎないのだと仮定すると、月曜日には少し上昇して、水色のボックスのエリアをきちんとヒットした後、今出ている売りのハーモニックパターンに従い、下げてくる可能性があることがまず想定されます。
SP500の場合、キーレベルは、$2911、$2843と$2811。
そして、こういう場面では、シナリオは増えてきます。なぜなら、日足20MAは、週足20MAの上にいる相場環境ですので、日足20MAが週足20MAの下に潜り込む(クロスする)までは、吹き上げる可能性が十分にあるからです。さらに、センチメントが売りに傾き過ぎていることも背景にあります。
ちょっとわかりづらいかもしれませんが、お付き合いください。
- シナリオ1:ピンクのガートレパターンを想定。このパターンのC地点の候補ができそうなエリアは、赤紫の小さいチャネル下限か、年足ピボットのミドル値のある$2843-2846あたり。ここまで下げてきて、今週急騰した時につけた高値に対するオレンジのフィボナッチリトレースメントレベルの78.6%まで上昇してピンクのガートレーを完成する可能性
- シナリオ2:このガートレーのD地点が伸びて、バタフライとなる可能性。バタフライは描画していませんが、この場合、上抜けする青いエリアや、$2911という価格レベルが、ロールリバーサル(レジサポ転換)してサポートとなり、7月からの大きな下落に対するフィボナッチリトレースメントレベルの78.6%がある$2977あたりまで上昇する可能性。つまり、今月のマンスリーピボットを再度試し、この辺りで薄緑のガートレーができるシナリオです。特に、急騰でつけた高値は、7月からの下落に対する61.8%で押さえられており、78.6%などの深いリトレース(戻し)を達成していないことが根拠となります。
- シナリオ3:安値更新かと見せかけて切り返す嫌なパターン。どういうことですか?
意識されている$2811という節目まで、深く下げてきて、画像中では緑の矢印のような動きを見せます。そして、「これって、ヘッドアンドショルダーズ?それなら、ネックラインを割って、$2811もさらに割るだろう」と期待し、実際にローソク足が割ってくる可能性もあります。ですが、その後、切り返してくるパターンのことです。
この場合、オレンジのネンスターパターンか、オレンジのネンスターパターンと似たような航路をたどりつつこのパターンのD地点まで行かずに、途中で止まり、ピンクのガートレーと同じD地点で止まって、サイファーパターンになる可能性があります。サイファーの場合、試されるのは、やはり、$2911のエリアです。ネンスターパターンであれば、7月からの大きな下落に対するフィボナッチリトレースメントレベルの78.6%のある$2977あたりとなります。
こういった下げそうで切り返すパターンは、一番嫌なパターンで意地悪い動きですが、過去に何度も出てきているチャートパターンですので、気を付けたいところです。また、市場のセンチメントは売りに傾いていて、売られ過ぎの様相もありますので、売り続ける目線でいいのかどうか判断を迫られる場面がもうすぐやってくると思います。
「SPX’s awesome Gartley & Buttefly – SPXは、ガートレーとバタフライで一旦反発!」のダウの所を見てみてください。なんだか似たようなチャートパターンになりつつあるようにも見えます。
- シナリオ4:4時間足20MAと今週のウィークリーピボットのあった$2874のエリアまで軽くプルバックして、さらにずるずると落ち、今週の急騰後と同じく、また急騰する可能性。この場合も、$2911のレベルを超えるのか、抑えられるのかを見ていきます。
- シナリオ5:現在の売りのブラックスワンが機能し、素直に下落再開というシナリオ。
なお、赤紫のチャネル内の動きだけを見ると、金曜日の終値は、Aにすぎず、下げればB、さらにCとして高値を付けるために、もう一度ジグザグする可能性があるとも考えられます。チャートの左にある青のチャネルと同じような動き方をする可能性もあります。ここで、気になるのは、今週の急騰後につけた高値からの下落が5波からなる推進波の形をしていることです。この推進波への戻しを付けている調整波にすぎないなら、次は下落の動き再開という目線になります。
「シナリオが多い=ボラティリティのため上下する=目線を一方向への動きに固定してしまうと往復びんたを食らう可能性のある気を付けないといけない相場」
今の価格帯からプルバックして下げてきた場合、ドル円が同期で下げてくる可能性がありますが、大きく吹き上げると、ドル円の買いのブラックスワンとつじつまが合います。この場合、ドルを買って円を売るので、ゴールドが売りに傾く可能性も優位になってきそうです。来週の動きはすごく重要そうです。SP500などの今出ているブラックスワンからのプライスアクションを見るしかないですね。また、アップデートします。