通貨、金・原油などのコモディティ、金利など相関や連動の基本とドル円のトランプラリーの立役者 – Correlation

今回のテーマである相関性とは、トレードを学び始めると必ず出会う言葉ではないでしょうか?FXトレードをするうえで、相関性を知っておくと有利ですし、相関性と一言でいってももいろんな相関性があることも頭の隅に置いておきたいです。メモ書きとなりますが、シェアします。

ザ・相場という森を知る:トランプラリーを演出したのは誰?

Technical analysis:Correlation – Who’s set the stage for a Trump Rally?

ドル円やユーロドルをトレードしていると、必ずチェックするのが、NFP(米雇用統計)や金利政策発表など経済指標やイベントですよね。こうした指標発表やイベントの結果は、短期的に価格を動かしますが、例えば、NFPがよくてもドル円が結果的に下落に転じたりすることがあります。

よく聞くのが、「木を見て森を見ず」ということわざ。ある意味、経済指標やイベントは「木」であり、先に、大きな「森」を見ておくと、短期的なスパイクを付けたひげのローソク足などの値動きに焦らず対応できるという優位性があります。その「森」を理解するうえで知っておきたいことのひとつが相関性。相関関係、連動ともいわれるものをサクッとみておきましょう。

トレードセットアップの前に使いたい「スパイス」

通貨の相関性

FXの場合、最初に教わるのが、DXY(ドルインデックス・ドル指数)で米ドルの強弱を見るということ。そして、ドルインデックスを構成するユーロの比率が大きいため、EURUSDが、DXYと正反対の動きをすることがほとんどです。例えば、EURUSDが上がれば、ドルインデックスは下がります。また、EURUSDとUSDCHFが逆相関にあったり、AUDUSDとNZDUSDが似たような動きをすること、そして、AUDUSDが上昇すれば、USDCADは下がるというようにAUDUSDとUSDCADが逆相関になるということも学びます。

ドルインデックスについては、「ドルインデックス(DXY)はチャート分析に必須の仲間 ‐DXY is a must-have in FX trading」をご参照ください。

通貨と資源の相関性

資源国通貨と言えば、カナダドル、豪ドル、NZドル、そしてポンドが代表的ですよね。ご存知のように、カナダドルはWTI原油と連動し、ポンドはブレント原油と相関関係にあります。このほか、ニュージーランドドルは乳製品、豪ドルは鉄鉱石、南アフリカ共和国のランドはプラチナなどの資源と連動しています。

通貨のチャートと同じように、こうしたコモディティのチャートでも、テクニカル分析ができるほか、ハーモニックパターンも適用できます。FXトレードで資源国通貨を扱う場合は、資源が上昇トレンドなのか、下落トレンドなのか、レンジなのかなど、どちらに向いているのかを理解しておくと、大まかな絵を描くことができます。そして何より、例えば、豪ドルと鉄鉱石というように、資源と通貨の価格が乖離している場合は、むしろトレードチャンスです。

通貨と株式指数

ドル円が日経225、SP500やダウと連動しているということもよく聞きますね。また、ポンドが上昇すれば、FTSE100が下がり、ユーロが上昇すれば、DAXが下がるということもニュースなどで耳にすることがあります。ですが、注意したいのは、連動が崩れ、乖離が発生する、あるいは逆相関にあるものが相関して動いた場合、通貨や株式に影響を与える他の要因に動きが出ている可能性もあります。

通貨と通貨インデックス

いわゆるドル指数(DXY)などと他の通貨の連動です。例えば、ドル円が下がっている相場ではドル売り、円買いという絵が見えますが、ドルインデックスは上昇しているというつじつまが合わない場面にも遭遇します。こういう時、経済指標があったり、何かがきっかけで、ドルインデックスでウェイトの高いユーロが売られているためにドルインデックスが上昇しているといった背景を垣間見ることができます。また、DXYのほか、円指数のJXY、豪ドル指数のAXYなどがあり、これらのチャートのテクニカル分析で、価格が年ピボットなど節目にいる場合、ニュースに関係なく、その通貨がプライスアクションを出すことがあります。

USDJPY、VIX、GOLD、CHF: ドル円、スイスフラン、恐怖指数、金の相関

これらの相関性も重要ですね。VIX(恐怖指数)が上がり、円やスイスフランが買われれば、金も買われるという、いわゆる安全資産(セーフヘイブン)のアセットの連動です。ただし、円を買って、金も買って、株式が買われるという乖離も存在します。2019年の夏に向けての相場は、ゴールドとSPXなどが一緒に上昇している相場でした。

通貨と金利

これは、はずせませんね。例えば、ドル円やポンドドルなど、米国の経済指標の発表が良くても、その結果とは反対の方向に走ったりする場面がしばしばあります。その背後には、金利の動きがあるからです。金利が下がれば、経済指標がよくても結果的に、それについていかざるをえなくなります。

ドル円に限らず、ユーロ、ポンド、豪ドルなどについて、私がたまにブログ記事で金利のチャートを掲載しているのをご存知だと思いますが、金利のチャートを分析しないでは、通貨の目先の動きにとらわれてしまいます。ドル円のトレードで見るべき金利や連動の見極め方については、「今日からできる!金利&ハーモニックでドル円攻略」で学ぶことができます。

同じカテゴリーでも、違うシンボル・銘柄

例えば原油でも、WTIとBrentなどの価格がずれたり、離れたりすることがあります。このずれを生かしたアービトラージなど聞いたことがあると思います。同じように、Bitcoin Cash、Ethereum、Bitcoinなど仮想通貨にも、アービトラージがあるとは奥が深いですね。原油とカナダドルの裁定取引や、資源と通貨を総合的に学びたい方は、上記のメニューからコモディティ関連の講座をご参照ください。

相関性のくずれ(乖離)が生み出したドル円のトランプラリー ♪

トレードのセットアップを考えるときに、気にとめておきたいのが、通貨、コモディティ、金利との相関性が崩れていないかを見ることです。例えば、ドルに関係する米国の金利が上がっているのに、ドル円が、未だにサポートエリアで攻防しているという場面があれば、ドル円を売っていいのか?ちょっと考えますよね。サポートのブレイクを期待して、売りを仕掛けることは、突っ込み売りにほかならないと判断できます。

米金利のチャート

トランプラリーとなったドル円とですが、なぜ?というのはこの画像を見ていただければわかると思います。

まずは、大統領選の前あたりから、上昇していたものがあります。米国の金利です。

ドル円のチャート

ドル円はそれに追いつこうとし、大きな下ヒゲを出して上昇しました。この現象は、トランプ大統領が当選し、いったん下がったドル円が、反発してトランプラリーを開始した一つの根拠となっています。

逆に言うと、連動する通貨と金利が乖離している場合にはトレードチャンスがあるという見方ができます。

今回のドル円のようにショートに傾いている場合、ロング目線に切り替えるトレーダーが増えるたびに、ストップをひっかけて上昇する可能性があったという感じです。

NZドル、豪ドルと連動する資源達とトレードセットアップの例 

追記:下記はニュージーランドドルと連動する資源のチャートを見てトレードセットアップを判断するといった内容の過去記事です。関心があればご覧ください。

ニュージーランドドルと連動するコモディティ、テクニカル分析、ハーモニックパターン – 資源国通貨と相関性(PART1)

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