ドルインデックス(DXY:ドル指数)はチャート分析に必須の仲間 ‐DXY is a must-have

ドルの強さを示してくれるDXY。EURUSDと基本的には相反する動きをみせますが、DXYは、USDJPY、金、原油とも関係しているようで、今週の動きは注目に値します。キーのサポートまではドル売りという目線になっていますが、ドルインデックスを見る理由と今のチャートを見てみます。

テクニカル分析:ドルインデックス(DXY:ドル指数)

Technical Analysis: DXY

(注:この記事は2018年1月28日に投稿していたものです)

FXトレードの基本:米ドルの強弱を知る

このブログでもよく使うドルインデックス(ドル指数またはDollar Index、DXY)という言葉。これはいったい何ですか?と思われたかもしれません。ドルインデックスは、ユーロ、ポンド、スイスフランなど主要通貨に対する米ドルの価値を示してくれています。ドルインデックスを形成する通貨の割合は以下のようになります。

  • Euro:57.6% weight
  • Japanese yen: 13.6% weight
  • Pound sterling:11.9% weight
  • Canadian dollar:9.1% weight
  • Swedish krona:4.2% weight
  • Swiss franc:3.6% weight (引用元:Wikipedia

ドルインデックスを構成する通貨で一番ウェイトを占めているのは、ユーロです。そのため、DXYは、EURUSDと反対の動きを見せることがほとんどです。

また、初心者の方は、わかりやすいドルストレート(対ドルペア)であるEURUSD、GBPUSD、USDCHF、AUDUSD、NZDUSDでトレードを始めることを勧められると思います。なぜなら、ドルが買われてドル高になると、ドルとペアになっている通貨は下落に傾く傾向が顕著に出るからです。その一方、ユーロ円や豪ドル円などのクロス円では、円が絡んでくるので、必ずそうはならないこともあります。例えば、EURJPYは、EURUSDとUSDJPYの掛け算通貨となります。

トレーディングビューで、DXYと入力してみてください。そして、年ピボットなどを表示させると、新しい発見があるはずです。そして何より、ドルインデックスは、FXトレードで米ドルの強さを見るだけに使うのではないんですね。ゴールドの取引、ドル円のトレード、原油の取引、株式の取引などでもとても役に立ちます。なぜなら、相場はつながっており、投資家や投機家の資金のローテーションがあるからです。

ドルインデックス(DXY:ドル指数)の今の動き

これは、ドルインデックスの週足です。

2008年の安値から2017年の高値に対するフィボナッチリトレースメントのレベルを見ると、38.2%の91.05と50%の87.16の間にいます。

87.337あたりに引いた赤いラインは、年ピボットポイントS1です。

画像左側を見ると2回ほどダブルトップを作ったレジスタンスのエリアにも到達しており、この辺りではこの過去のレジスタンスがサポートとなる、つまりロールリバーサル(役割転換)する可能性があります。このような意識されたエリアでは、プライスアクションが活発になる可能性がありますね。

日足だと、下から上がってくるトレンドラインと、年ピボットポイントS1を前に、一旦グレーのフィボナッチプロジェクションの1.618%のエリアで、下ひげを付けています。1.618はフィボナッチの主要な数値ですので、意識されていますね。

ここで考えられるのは、一旦反発して上昇する、あるいはこのままずるずると年ピボットポイントS1まで行くと、どちらにも動く可能性があることです。そのため、エントリーを控えて様子見をします。

DXY and WTI: ドルインデックスと原油

ドルが強くなると、原油が下がると聞くことはありますが、WTI原油はレジスタンスエリアに来ています。まだ上昇圧力が残っているかもしれず、週足でぱっと見で、逆三尊でネックライン上抜けのようにも見えます。

日足だと、直近の上昇は、フィボナッチエクスパンション、フィボナッチプロジェクション共に、フィボナッチの主要な数値に到達しており、年ピボットポイントのR1はすでにヒットしています。

72ドル少し上の年ピボットR2を狙うのかはわかりませんが、投機筋のポジションは買いが膨らんでいる状態でもあります。

ドルインデックスの動きと一緒に見るの他の要素

ドルインデックスは、原油のほか、ゴールド、ユーロ、ドル円の動きを分析するためにも使います。例えば、米金利が下げているのに、連動するはずの米ドル(ドルインデックス)が下がってこないなど、乖離や相場のゆがみがあるかを検討するのにも役に立ちます。

トレードの上級者や米ドルの投機筋のポジションも確認するでしょう。例えば、米ドル、ユーロ、ゴールド、円などのポジション動向を見て、チャート上の動きと何かずれを感じる時、何かが起こる可能性などを想定できます。現在、円売りのポジションは、先週のドル円の下落にかかわらず、以前として膨らんだままという環境です。

今のリアルな相場で見た場合のドルインデックス

トランプ大統領の演説がある1月31日までにドルがどの位置にいるかが鍵となりそうです。仮に、水曜日にDXYが、年ピボットポイントS1に到達していれば、ドルが爆上げするシナリオ、逆に、水曜日までに、今の価格帯から大きなプルバックをして、直近高値あたりにいれば、年ピボットS1まで爆下げというシナリオが描けます。

年ピボットポイントS1を下に抜けてしまった場合、DXYは、2017年までの上げを大きく調整するのか?ということになり、EURUSDなどはさらに上昇し、原油はチャネルの上限まで目指し、ドル円もさらに円高に振れるのかもしれません。DXYの週足で引いた赤いトレンドラインがフィボナッチリトレースメントの61.8%あたり、83ドル前半を走りますので、ここが次のターゲットとなります。

そして、水曜日までの動きで、何かしらハーモニックパターンが検知されれば鬼に金棒かもしれません。総じて、今週は、年ピボットポイントS1と価格の位置関係を見つつ、往復びんたを食らう危険な価格帯にいることを認識しておく必要がありそうです。

エリオット波動から考えられるDXYの動き

上記の画像中央の高値から、12345と5波を築いているようにも見えます。チャート内右下の青のパターンは、フィボで目安を出すために描画しています。この青のパターンのABCDが、小さな123と推進波のような動きをしているようにも見えます。

これが正しい場合、この小さな波の中で、次に想定できるのは、第4波としての反発。それが終了すれば、最終の第5波を形成するために下げる動きになることが考えられます。下向きの赤のチャネルにも注目ください。チャネル下限で下げ止まるかも注目したいところです。

また、この第5波が終了するということは、画面中央からの大きな12345波からなる一回り大きな親波の5波も終了となるので、次の動きは、ドル買いの上昇という可能性もあります。

ただし、5波はエクステンションとして長く続くことがあるようです。DJIA(ダウ)も、もどしては上げて、もどしては上げと、延々と続いているように見えます。EURUSDはDXYとは逆です。よく見ると、上昇12345波を形成しているように見えたりしませんか?

1.27あたりには、週足800MAがかぶさってくる大きなレジスタンスを控えているので、ここをヒットすると、トレンド転換かという重要な局面を迎えつつあります。

ハーモニックパターンのPRZ突き抜けで踏み台となっても焦らない!Let’s the markets do a talk」で書いたのですが、EURUSDなども直近では、DXYと反対の方向にトライアングルか、チャネルを築いてもう少し上を目指すと考えています。ユーロドルの場合は、トライアングルからの上抜けは、最後のThrust(吹き上げ)といわれるので、次のレジスタンスには注意です。

EURUSDで見た場合、金曜日の終値から、週足800MAのある大きなレジスタンスまで約250PIPS。この値幅の間でもみ合い、アップ、ダウンのドラマが展開されるのを想定しています。

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