エリオット波動の基本: チャネルの使い方 -Elliott Wave basics: Using a channel

チャートパターンを学ぶ際に必ず目にする「フラッグパターン」。2本の平行線の中に価格が収まっている相場では、この「フラッグ」を下抜けるか、上抜けるかを見ていると思います。「フラッグ」は、別名「チャネル」といいます。エリオット波動分析で必ず使う「チャネル」を見ていきます。Elliott Wave analysis uses a channel drawing and currently AUDUSD may be showing an example of the next short term ABC pull back to get ready for the larger third wave impulsive wave.

推進波も調整波もチャネルと相性がよい – エリオット波動分析

Channel and Elliott Wave Analysis

エリオット波動分析では、1-2-3-4-5と5波から形成されるImpulsive Wave (インパルシブ・ウェーブ:推進波)と、その5波で形成されたトレンドに対するABCのCorrective Wave(コレクティブ・ウェーブ:調整波)を持って、ひとつのサイクルと捉えます。

チャネリングテクニークで引くチャネルとは?

大切なことは、推進波と調整波の両方に、チャネルを活用することです。英語ではチャネリング・テクニークと呼んでいます。特に調整波の場合、チャネルという言葉を知らなくても、チャート上にいつも現れるチャートパターンを学ぶ時、「下降フラッグ」や「上昇フラッグ」というパターンも目にしたことがあると思います。調整波の場合のチャネルは、チャートパターンの1つである「フラッグ」と基本的には同じです。

エリオット波動分析では、2本の平行線から形成されるフラッグ内に収まる動きを、「チャネル内のABC調整波」や、「チャネル内のジグザグ調整波」となるかを見ています。MT4にはチャネルを引いてくれるインジケーターもありますので、参考にしてみてください。

AUDUSDを使ったABC調整波とチャネルの例

今週のAUDUSDの反発の動きは、きれいなインパルシブな波(推進波)です。勢いよく伸びており、これはもしかしてトレンド転換か?と思わせる動きですね。また、立ち上がりの小さな山を使ったフィボナッチエクステンションは4.618%まで驚異的に伸びています。ここで気を付けたいのが、上がっているからと、ここからすぐにロングをするのではなく、押し目を待つというスタンスです。

1時間足にズームインしています。

エリオット波動分析の1-2-3-4-5と5つの波から構成される推進波の後、ABCと3波からなる調整波が形成されるというガイドラインを考慮すると、この場面で、次に成立しそうだと考えられるのはABCという3波から形成される調整波、いわゆるプルバック(戻し)の動きで押し目をつけるかどうかということになります。

理想は、ピンクのようなジグザグした動き。ABCとチャネル内をジグザグに動いて下落し、直近の高値と安値を使ったフィボナッチリトレースメントの50%や61.8%などで下げ止まるかが焦点となります。

言い換えれば、今までの直近の勢いのある上昇は、初動の第1波であり、これから下げてくるであろうピンクのラインのような動きは第2波になるのではないかということになります。このABCの調整波が成立すると、期待できるのは、さらに大きなレベルでの第3波での上昇です。

このピンクで示したチャネル内のABCという調整の動きは、言い換えれば「上昇フラグ」のことです。このフラグの上限のラインを上にブレイクすれば、押し目をつけたと判断するということになります。

エリオット波動と相性の良い「61.8%ハーモニックパターン」

チャネルが形成され始めた時に意識したいのが、エリオット波動と相性の良い「61.8ハーモニックパターン」です。このパターンは、MT4などではほとんど提供されていませんが、重要なパターンであるには理由があります。

エリオット波動のガイドラインでは、「第2波は、第1波のフィボナッチリトレースメントの50%や61.8%までプルバックする」と記載されています。まず、ブルーで示した61.8パターンのD地点のエリアには、日足の20MAがいます。ここで支えられると日足のボリンジャーバンド1、あるいは2まで、日足という長期レベルで伸びるということが想定できます。

このピンクのラインに沿って落ちてくるABCが第2波であるならば、このABCの終点で完成する買いのハーモニックパターンのPRZ(潜在的反転ゾーン)の下にストップを置けばよいということになります。そのあと、価格は第3波として、上昇してくれるという優位性が高まるからです。

浅いプルバックだと、38.2%のリトレースメントのエリア0.763あたりに1時間の20MAも走っています。日足の20MAより上にあるので、このまま買いの勢いが強ければここで反転して上昇していってしまうかもしれません。

それでも、上がってまた下げてきたら、日足の20MAまで下げるのを待つというように視点を定め、5分足や15分足の短期足で発生するアップダウンに振り回されないようにしたいです。大口が長期で買いの仕込みをしたのであれば、5分足などの短期足の動きよりは、日足や4時間足の節目を意識し、あとは想定通り上昇するのを見守っている状況だと思います。

ABCが2回繰り返されるダブルジグザグ

オレンジのガートレーパターンは、プルバックが深くなり、ABCが2回繰り返されるダブルジグザグとなる場合です。日足20MAを下抜けすることになりますので、売り目線のトレーダーがいることになります。長い下落が続いた後ですので、まだ戻り売りの視点を持っているトレーダーがいると思います。

オレンジのガートレーが効くと、戻りが深いためフィボナッチエクステンションのターゲットも伸びることになりそうです。いわゆる弓を引いたときに思いっきり引いた方が、矢の飛ぶ距離が違いますよね?同じ原理だと思います。

仮にオレンジのガートレーまで落ちてきても、深く下げてきたからとあわてないで、チャネルが機能することを確認し、RSIやストキャスなどにダイバージェンスが出始めたら、再び反発するところで、買いという目線になります。ショートのスクイーズが始まれば、売りで参入してきたトレーダーのポジションが解消され、価格はさらに上がっていくという可能性があります。AUDUSDのチャートを見ていただくと、何となくわかるような気になりませんか?

普段目にされている下降フラグや上昇フラグ=チャネル内のジグザグが、形成されている場所によっては、絶好のエントリーポイントとなります。こうしたチャネルの上限や下限に、フィボナッチの主要なレベルやピボットポイントが重なってくると、コンフルエンス(節目)のエリアとなります。さらに、こうした節目の場所に、61.8%を使う特殊なハーモニックパターンが検出されると、エントリーを考慮するに値します。

AUDUSDは、日足で買いのブラックスワンのが出ていたので、日足レベルで3波の上昇となると、相当な値幅です。仮に、大きく第3波を築いて上げてきた場合、そのプルバックのABC=第4波をまた想定することになります。その場合は、上記の1時間足で見た第1波と第2波をチャネルで結んで、第4波の始まるところをあらかじめ検討を付けることになります。

下落してくる価格の動きに合わせて、買いのガートレーやバットパターン、さらには移動平均線やピボットなどのキーレベルが重なるエリアが絞られると、再び、第5波の分を買いトレードしていくことになります。

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