エリオット波動とハーモニック Part3:推進波とブラックスワン(Impulsive wave & Blackswan)

エリオット波動とハーモニックパターンをテーマとした記事のPart 3です。短期足、長期足に関わらず、トレンドの出ている相場でも、もちろん、ハーモニックパターンが形成されます。ここでは、トレンドを形成している推進波に対して検出されるブラックスワンにスポットライトを当てて探索していきます。鍵はやはりフィボナッチ数値ですが、エリオット波動とも相性がよいのが少し見えてきます。

エクストリーム(極端)なセンチメントと共に現れる

推進波を築き、トレンドが出ている相場で遭遇するハーモニックパターンには、Part 1で見たABCDパターンのほか、クラブ、ディープクラブ、バタフライなど延長タイプのハーモニックパターンがありますが、ここではこのブログでもよく登場していただくブラックスワンパターンを見ていきます。クラブなど延長タイプのパターンについては、下記のハーモニックトレード Part 2をご参照ください。

推進波に出てくるブラックスワンとエリオット波動

ゴールドに出ていたブラックスワンパターン

Gold 4-hour chart 16 June 2019

6月16日投稿の「ゴールドのローソク足とハーモニックパターンが語るもの。Gold’s wicked candlestick!」で掲載したゴールドのチャートです。

このブログによく登場してくれる割には、あまりその役割を理解していなかったのですが、ブラックスワンが使っているABCDの各点とその形状をよく見ると、1-2-3-4-5という5波からなる推進波を築いているのがなんとなく見えますよね。

このゴールドのチャートでは、ブラックスワンパターンが、最初に検出されたときのプライスアクションは結構な上ひげローソク足となっています。では、実際、ブラックスワンとエリオット波動がどういう関係にあるのか見ていきましょう。

ブラックスワンが推進波を計測してくれると思われるシンプルなケース

上記の画像ではわかりづらいので、下記に同じ期間のチャートを描画しなおしています。

A. ゴールドの4時間足のエリオット波動分析

画像中にも記載しておりますが、まず、ブルーのブラックスワンで描画されているX地点の手前の安値、X地点そのもの、そしてX地点の右側にある安値のA地点が形成するひと山を使ってピンクで示したようにフィボナッチエクスパンションを引きます。

次に、X地点とA地点を使った薄い緑色のフィボナッチプロジェクションも引いてみます。この2つのフィボナッチの2.618%が重なるエリアで、ブラックスワンが完成しています。(トレーディングビューのチャートでは、少しずれて2.82%と表記されています。)

この時のブラックスワンパターンに描画されているフィボナッチ比率を見ると、あることが思い出されます。

Part 1のABCDパターンの項で触れたのですが、エリオット波動のガイドラインには、「第3波は、通常、第1波の1.618倍、勢いがあれば2.618倍まで伸びる」とあります。

つまり、赤で示した5波からなる推進波全体が、ひとまわり大きいオレンジの推進波の第3波である可能性が想定できます。ブルーのブラックスワンは、このひとまわりおおきいオレンジの推進波の第3波が終了したことを教えてくれていた可能性がありますね。確かに、ゴールドはその後、少しプルバックしてまた上昇しています。

B.カナダドル円のエリオット波動分析

カナダドル円はABC調整波?

このカナダドル円のチャートは、7月6日の「ドル指数のシャークパターン、ドル円のブラックスワン、ユーロドルのAB=CDパターンとハーモニックパターンが大活躍」に投稿していたものです。

チャネル内でブラックスワンが出ています。ゴールドと同じように、このブラックスワンが出ている波は5波から構成される小さな推進波に見えますよね。

このフォーメーションで見えるのは、チャネルの起点である安値から反発した際につけた最初の高値がA、その後下げて付けた切り上げ安値がB、そしてブラックスワンのいる波をCとするABC調整波の可能性です。

今後は、チャネル内の動きは、単なるABC調整波で、この小さな推進波が、いわゆる5波を持つ意地悪なC波にすぎないだけなのか?あるいは、この小さなブラックスワンのでている推進波が、第3波となるのか?を見ていくことになるのだろうと思います。

なお、ブラックスワンパターンが、必ずしも上記のケースに当てはまらない場合もあります。続きは、「エリオット波動とハーモニック Part3(続編)推進波とブラックスワン Impulsive wave Blackswan」でご覧ください。

Exit mobile version