13日に投稿したEURGBPの相場環境について、その後のアップデートです。今日は英国で政府のEU離脱案に対する投票がありますが、チャートには買いの5.0パターンだけでなく、他の買いのパターンが登場。移動平均線、ライン、水平線を使ったトレーダーご用達のテクニカル分析の基本がちりばめられた相場環境となって来ているように見えますね。The Parliament will vote on Prime Minister’s Brexit deal today and this is an update to the last post regarding EURGBP.
移動平均線やライン・水平線を使うトレーダーご用達相場?
Moving averages, lines, support & resistance:A potential textbook setup
(注:この記事は2019年1月15日に投稿していたものです)
EURGBP:テクニカル分析の基本ツールを使う
ユーロポンドの相場分析の初回の記事、「ユーロポンド:テクニカルとハーモニックからのシナリオ作り EURGBP analysis (Part 1)」をご参照ください。
13日に投稿したユーロポンドの売りのシャークパターンで見えたのは、PRZ(潜在的反転ゾーン)が上の方にあること。シャークパターンで使うフィボナッチプロジェクションの1.128%が表示されているレベルまで反発する可能性があります。
また、ハーモニックパターンを使う使わないにかかわらず、トレード手法を学ぶ際に、テクニカル分析の基本として必ず習得しなければいけないのが、自分がトレードする通貨ペアが下落トレンドにいるのか、上昇トレンドにいるのか、それともレンジかという環境認識をチャート上で行うことです。
EURGBPは週足など長期足のチャートでは、アップトレンドですので目線は上。日足では、2017年の高値と2018年の安値の間でレンジという判断もできます。
移動平均線:日足20MA、週足20MA、月足20MAが上から順番に並んでおり、まだ買い目線が優勢という相場環境になります。
サポートとレジスタンス:0.88984あたりを走るラインは、2011年からサポートになったりレジスタンスになったりと長期にわたり効いており、おまけにこの価格が、今年のピボットポイントとなっています。
ここが再度エッジのあるラインとして意識されているならば、1時間足、15分足で、ローソク足が安値を切り上げるか、RSIなどがダイバージェンスを付けているかなどを確認しているトレーダーが多いと思います。また今週のウィークリーピボットのS1は、0.8879で、ここでダブルボトムのようになるか?水平線やラインを使うトレーダーにとって、今の相場環境は嬉しい環境なのかもしれません。
ボリンジャーバンド:日足のボリンジャーバンドのマイナス2シグマをはみだしているという相場環境。グランビルの法則として、日足の20MAまで価格が戻される可能性があります。一時間足の下げトレンドが、大きな時間足でいう買いの押し目を形成しているという判断にもつながります。
フィボナッチ:11月13日の安値と1月3日の高値を結んだフィボナッチリトレースメントレベルの50%
ローソク足:1時間足ではやや安値を切り上げ、同じ値幅のローソク足が並んでいる=レンジ。4時間足では明けの明星か包足を形成する可能性あり。
RSI・ストキャスティクス:4時間足では、11月の安値に対して今日の価格は上にあるにもかかわらず、オシレーターは売られすぎでヒデゥンダイバージェンスにも見えます。そのため、トレンド継続を示唆している可能性がありそうです。
EURGBP:ハーモニックパターンを組み合わせる
買い目線のシナリオ
テクニカル分析の基本から、相場環境が見えたら、次にハーモニックパターンを適用できるか見ていきます。裁量トレードで自分でパターンを描画することができるトレーダーさんも多いと思いますが、ここで鬼に金棒となるのが、ハーモニックパターン自動検出ツール!自分が想定するパターンが、検出されるとうれしくなりますよね。
この5-0パターンは週足でも検出されています。
また、5-0パターンに気を取られていた間に、ふと4時間足のチャートを見ると、なんと、サイファーパターンという仲間も登場!EURGBPのブルにとっては心強い見方ですね。
サポレジエリア、ライン、フィボナッチリトレースメントレベルなど多くのトレーダーが意識しているであろう節目で、価格が同じ方向に進むことを示唆するハーモニックパターンが1つではなく2つ出現。威力は絶大そうです。
上記で見たように、ここからEURGBPが反転するのであれば、緑のチャネルをブレイクして、もともとの売りのシャークのPRZがある1.128のレベルまで上昇すると仮定できます。
さらに、前回のPar1の記事で触れていたガートレーとサイファーの可能性も思い出しておきます。ここまで上昇すると、2017年の高値に対する78.6%の戻りとなります。
フィボナッチ78.6%について
テクニカル分析に必須のツールであるフィボナッチの使い方を学び、いざMT4で使ってみると、76.4%というリトレースメントレベルがデフォルトで設定されていると思います。ただし、78.6%のフィボナッチリトレースメントレベルを使うガートレーパターンが、トレーダーの間で広く認識されていることを考えると、76.4%より、78.6%を意識した方がよさそうです。双方のレベルの間にはそれほど差はないのですが、基本は78.6%ですね。また、78.6は、61.8の平方根です。
ハーモニックパターンを使ったトレードという視点から見た場合、EURGBPが今日の価格帯から反転し上昇すれば、サイファー(ピンク)か、ガートレー(グリーン)のパターンまで上昇することが想定できます。
実際にオートハーモニックインジケーターで検出されるかどうかを探ることになります。そして、都合の良いことに、一番上の画像にあるように、もともとの売りのシャークが示していたPRZ(潜在的反転ゾーン)の上限は、フィボナッチプロジェクション1.128のレベルで、今回、EURGBPが上昇してできるであろうサイファーやガートレーの完成する78.6%のレベルとほぼ合致します。
さらに、ここには、年ピボットポイントのR1という鬼のレジスタンスがいます。その結果、EURGBPが爆上げしても、年ピボットR1は、利確に都合の良いターゲットとなります。強烈なプライスアクションが展開されることが想定されますね。
この後の想定航路=年ピボット+5.0パターン+サイファーパターンで買い ⇒ 年ピボットR1 + ガートレーとサイファーパターン + シャークのPRZのあるフィボナッチプロジェクション1.128レベル ⇒ 上ひげローソク足の出現など活発なプライスアクションで売りの可能性
レンジ継続か売りのシナリオ
今の時点では、移動平均線、フィボナッチ、ライン・水平線などのテクニカル分析だけを使っているトレーダーの目線と、ハーモニックパターンを使っているトレーダーの目線が、EURGBPの買いでほぼ一致している相場環境です。
ただし、前回の投稿に記載したように絶対がないのが相場です。売りのシャークパターンが素直に効いて、このまま下げを継続する可能性も十分にあると思います。
Part 1で掲載していたチャネル上限まで上昇してもそこからブレイクできるかできないかなど、反発のレベルを見ていきます。特に日足の20MAの走るエリアには、水色の抜けたトレンドラインがあります。ここで抑えられると、また下げてくる可能性もあるためこの辺りのプライスアクションはしっかりとみていきたいです。
EURGBP:ファンダなど価格を動かす要因
すでにトレード歴があり、テクニカル分析やハーモニックを学んでいる方なら、通貨や株式などチャート上では見えないが、価格を動かす要因があることをご存知だと思います。ファンダメンタルズと呼ばれる景気動向や金利政策などがあります。ブレクジット関連、要人発言などのニュースは、短期的に価格を動かし、スパイク(上ひげなど荒い動き)を作りますが、それ以前に、ディーラーや機関投資家が見ているであろうもっと大きな森があります。
ドラギ総裁の会見
ブレクジットの議会投票に関心が集まっていますが、今日はECBのドラギ総裁のスピーチ(=ユーロ圏のファンダ関連)もあります。EURUSDやEURAUDを見ると、4時間足で買いのブラックスワンが検出されており、ユーロは短期的には上がってくる可能性があります。一時的な反発でスパイクとなって終わる可能性もありますし、あるいは、これがユーロ買いのきっかけとなる可能性もありますね。EURGBPについては、ブレグジットの投票結果が出る前に買いとなるきっかけになる可能性もありますね。
GILT(英国債10年物)
チャート分析の基本を学ぶとそのスキルは、通貨だけでなく、株式指数、原油、金などのコモディティなど、あらゆるチャートで使えます。今日の主役はポンドですので、機関投資家が見ているであろう英国債10年物のチャートを見てみます。
昨日と今日のプライスアクションを見てみてください。チャネル下限で、今年の年ピボットに当たり、反発しています。
このチャートは価格で表示されていますので、価格が上がるということは、英国10年金利は下げることになります。このまま英国債が買われ続けると、金利が下がるので、ポンドは下げとなり、EURGBPでユーロが上がるという目線とつじつまが合います。また、ドイツ国債なども合わせて見ておくと、ユーロの動きの森が見えますが、上級者レベルとなりますので、余力があれば考慮するということになります。
COT:ポジション動向
皮肉にも、そして、残念ながら、米政府一部閉鎖のため、12月中旬以降、投機筋のポジション動向は発表されていません。プロの投資家はポジション動向を必ず見るそうです。ここしばらくはデータが入手できないため、おそらくプロは、テクニカル分析やハーモニックパターンのほか、他の指標データなどを頼りにしていると思います。
VIX:恐怖指数
円を取引する、金を取引する、相場のセンチメントを見るなど、見ておきたいのがVIX(恐怖指数)です。市場参加者は、リスクがないと判断しているように見え、恐怖指数はまだ下げ余地がありそうです。