今週の動きは、引き続きドルインデックスが上昇し、ユーロドルは下げ。ドル円は、木曜日に日足25MAで売りの「A・サイファーパターン」で下落し、金曜日も106.52円がレジスタンスとなっています。今週末、お待たせ感のあったニュージーランドドルは、NZDUSD、EURNZD、NZDJPYなど合わせてチャート分析をしておくといいかもしれませんね。NZ dollar may begin a rally.
強いドルの副作用?60-80ピップス動いた後を考える
Strong USD may bring a move in USDHKD and USDCNH.
(注:この記事は2019年8月31日に投稿していたものです)
まず最初に、ネットでも見かけるアノマリー。2018年4月に「アノマリー:月の満ち欠け(新月満月)と相場 Anomaly –Moon phases and the markets」という記事を投稿したのを思い出しました。トレーディングビューには月の満ち欠けのインジケーターがあるという内容でしたが、8月30日から週明けにかけて、アノマリーは重なるようです。ひとつ目は30日の金曜日に新月を迎えたこと。
2つ目は30日にジブリの映画が放映されたということ。3つ目は月曜日は米市場がお休み。4つ目は「2日新甫(しんぽ)は荒れる)」という相場の格言。でも意識しすぎると目線にぶれが出るので、テクニカル分析をしっかりしていきましょう。
8月17日の「資源国通貨のニュージーランドドルとゴールドの動きに注目!?NZ dollar and gold in focus」からしばらく時間が経ちました。ドルが強いことなどもあり、下落トレンドを続けていましたが、31日にようやく年ピボットS1に到着。まだまだ下落だろうと、気を緩めたら、アッパーカットを食らうため、ニュージーランドドルの動きには注目しておいて損はないと思います。
大きな節目や年足20MAなど見逃せないテクニカル要素
NZDUSDの週足チャートのサイファー・シャークのコンビネーション
17日に投稿していた買いのサイファーパターンから、ずるずると下げてシャークパターンになりました。日足のチャート分析で見ていたように、NZDUSDは年足ピボットポイントS1の方を意識しての下落が継続しました。
月末締め、金曜日の手じまいと重なって反発していますね。ブローカーによっては、年足ピボットポイントS1の価格が異なるのでまだ微妙にタッチしていないように見えますが、NZDJPYやニュージーランドドル指数を見ると、安易にNZDUSDをショートできない場面のようです。
NZDJPYの週足チャートのスリードライブパターン
このペアもここから売るにはちょっと待った!という感じで、次のプライスアクションを見ていく必要があります。
以前投稿しておいたEURNZD(ユーロニュージーランドドル)の日足の売りのガートレーが居座り、ポンドニュージーランドドル(GBPNZD)にも売りのブラックスワンが長期足で居座っている状況ですので、徐々にニュージーランドドルを買うという根拠が揃ってきていますね。
ニュージーランドドル指数(NZドルインデックス)
年足ピボットポイントS1に到達でバタフライパターンになります。
AUDNZDのブラックスワンと年ピボット
ユーロドルのフィボナッチプロジェクション1.618-ドルインデックスの$99.428
画像中、オレンジの2つのフィボナッチプロジェクションの1.618%の辺りに価格がいます。1.618%が揃うのは面白いですね。また、後60Pipsほどで、年足ピボットポイントS1がありますので、月曜日以降、戻りの反発から、この60ピップスほどを攻めてくる可能性は十分にありますね。
ユーロドルは、赤のトライアングルの下限、緑のチャネルの下限も、年足ピボットポイントS1の手前で控えているので、相当の節目になりそうです。
反対にドルインデックスは、ユーロドルと同じ値幅上昇すると、$99.428に年足ピボットポイントR1があります。
ドル円は106.3円あたりにいる年足20MA! ‐ 60-80ピップスは上昇!?
ドル円は、木曜日までの上昇で、売りの「A・サイファーパターン」が出て下落しましたが、反発するのであれば、日足25MAが走る金曜日の高値が最初のレジスタンスですが、今月レジスタンスとして機能した106.66円あたりには、9月のマンスリーピボットが新たに引かれます。金曜日の高値を抜けると、次のレジスタンスは、106.60-90円から、107.162円あたり。
なお、MT4で表示できるチャートは月足までで年足がないですね。そのため、普段あまり見ないかもしれませんが、ドル円の106.3円あたりには、年足で見た20MAが走っています。日足20MAは年足20MAの下にいる格好ですが、週足の20MAは108円半ばあたりにあるため、日足20MAが年足20MAを上にクロスしだすと日足レベルで、週足20MAまでの上昇トレンドになる可能性もあります。
その一方、買いのブラックスワンパターンの最初のターゲットはヒットしているほか、このパターンのPRZ(潜在的反転ゾーン)の下限は104.996円です。
短期的に上昇する可能性も十分ありますが、9月のマンスリーピボットや8月に形成されたレジスタンスがあるほか、円買いの動きがさらに出るか?まずは月曜日のプライスアクションを見ていきます。
ポンドドルは、買いのブラックスワンでも60-80ピップスは余裕を見たいところ
ポンドドルは、「ポンドの動きに注目!ドル円とゴールドの動きを演出した立役者にはハーモニックパターン!US10Y was a joker」で見ていたバタフライパターンで下落した後、反発し上昇したのですが、4時間足200MAがレジスタンスとなり、結局、水曜日は上昇を帳消しする動きになりましたね。
その後の下落は、ジグザグとなり、金曜日には、日足の20MAと25MAが重なるエリアで、買いのブラックスワンが出ています。なお、このブラックスワンのPRZ(潜在的反転ゾーン)の下限は1.20775。今の価格帯から下げるのであれば約80ピップスほど値幅があります。
投稿していたポンド・カナダドル(GBPCAD)の売りのサイファーは効いていますが、伸びが続かずレンジで一休み。ポンドニュージーランドドル(GBPNZD)は、上記のニュージーランドドルの項で見たように売りのブラックスワンが居座っています。
ポンドオージー(GBPAUD)は月曜日までに出ていた売りのABCDパターンから下げて、上下に荒れている環境です。ポンドスイスフラン(GBPCHF)には、火曜日に売りの61.8%パターンが出てからレンジ。ポンドの場合、対ドルでは買いパターンですが、それ以外の通貨ペアで売りパターンが出ている環境です。
このことから、少し見えるのは、ドルはあと少ししたら、いったん売られるか?という可能性です。
USDHKD(米ドル・香港ドル)はこのままA・サイファーで上昇?
このチャートの一番上の濃紺のラインは、ペグのある価格上限。その手前で上げどまっているのが見えますよね。そして、記載した水色の点線は週足20MA、ちょっと見ずらいですが、ピンクの点線は日足20MA。
移動平均線だけを見ると週足20MAの上に日足20MAがある環境です。金曜日にでたA・サイファーパターンからの反発が強烈な下ひげローソク足を演出。
A・サイファーのフィボナッチプロジェクション1.618は、チャートの上部にある年足ピボットポイントR1と重なります。まさかのペグをブレイク?まさかだと思いますが、ちょっと気になるチャートです。同様にUSDCNH(米ドル・中国元)のチャートは、アップトレンドであり、中国元安が続く可能性がありますね。
コモディティ:ゴールドのチャネル、$1529.42、$1530.50の来週のピボットポイント
ゴールドは、月曜日の高値と木曜日の高値を結んで引けるチャネルの下限を金曜日に再度トライ。ここで、買いのブラックスワンが出ているのですが、PRZ(潜在的反転ゾーン)の下限は、$1504。
ゴールドの場合、月曜日の下げが、チャネル内のABCであれば、もうひと上げあってもおかしくない環境に見えます。来週前半にドルとドル円が買われる間、ユーロドル、ポンドドルと一緒にゴールドもいったん下げてくれるとわかりやすいですね。その後は、ユーロドルの節目到達などが想定できるので、ここで、ドルの急落など、リスクありな動きになり、ゴールドにもまた動きが出る可能性も考慮です。
ゴールドは、大きな下落へのフィボナッチリトレースメントの61.8%を目指すのであれば、ターゲットは$1583です。あともう少しですよね。
米国債:1.541%がまたレジスタンス
今週は上昇を試みているものの、30日には、1.541%できれいに落とされていますよね。またトライするのであれば、勢いのある動きで赤のトレンドラインを上に抜けてほしいところです。赤のラインで引いたように、少し上昇する動き、あるいはこのまま下げる動きのどちらも想定できる場面のようです。
なお、米30年債には買いの5-0パターンが出ており、下げ止まっている状態。そのため、買いが続けば金利は下がります。いずれにしても、国債の買いが再開かという非常に重要な場面です。そのトリガーはおそらく米株式の動きかもしれませんね。米国株式については別途投稿します。
まとめ:上記で述べたのですが、ニュージーランドドルの動きには注目。ドル円、ユーロドルなど節目まで後ちょっとのピップスという場面。ユーロドルなど節目を下抜けるのであれば、ローソク足の実体が抜けるのを確認したいところです。
中国元、香港ドルの対ドルのチャートは、ドルがさらに強くなるような動きを見せる可能性がありますよね。元安や香港ドルのペグを上にブレイクするとなると相当なニュース(米中貿易戦争関連)になり、これが副作用で、株式に影響が出てもおかしくないというシナリオを少しだけでも持っておくと、焦らないかもです。まさかだとは思いますが、FXのアジア時間から、火曜日に再開する株式のNYセッションまでは時差がありますので、気を付けたいところです。そして、なにより、来週は、アノマリーな週明けとなります。