ユーロドルのバタフライ, ドル円のサイファー EURUSD’s Butterfly, USDJPY’s Cypher

38.2%戻しが完了していない状況で、108円ミドルまでの上昇を考慮しつつも、米金利の上昇と一緒に吹き上がってきたドル円。フィボのレベルで買いが参入したDJIなどの株式。窓を埋めに売りに売りまくったスイスフラン。USDJPY not only completed an overdue retracement to the minimum of 38.2% but also it exceeded it. US stocks appear to be held by resistance after a rally last week. Charts show interesting insights right now.

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(注:この記事は2018年4月29日に投稿していたものです)

サポートとハーモニックパターンがある通貨ペア

EURUSDの異なるハーモニックパターン

ユーロドルの短期足の買いのバタフライパターンは、長期足のブラックスワンと逆行する環境にあります。

現在は、日足の200MAと年ピボットミドル値がいい感じでサポートしています。ユーロドルの場合、日足では買いパターンですが、週足には、大きな売りのブラックスワンパターンがいることは忘れてはいけませんね。

 

以前からあるブラックスワンの割に、ストレートに落ちてこず、PRZの上限までまだ上にスペースがあります。

ピンクで記した12345という波が正しく、現在の下落を第4波とするならば、下落の動きは、第1波の価格帯と重ならない場所で下げ止まることが必要になります。

第1波と重なって、下に抜けると、トレンド転換という目安になりますが、現状、年ピボットのミドル値でも止められているのと、小さい下落の波では伸び切っているので、今すぐにここからEURUSDをショートするにはリスクが高そうです。

EURUSDのバタフライのPRZ(潜在的反転ゾーン)の下限であるフィボナッチプロジェクションの1.618が1.20割れのレベルにありますが、その手前に200MAもいるのと、現在の価格帯はABCDが等しくなるレベルにもあるため、一定のコンフルエンスのエリアです。そのため1.20あたりまでズトンと落ちてくるかどうか微妙なので気を付けたい場面であることに変わりはなさそうです。

AUDUSDとEURUSDも非常に微妙なエリアにいますので、突っ込み売りでアッパーカットを食らう前にショートは手じまいの方が得策のようです。

GBPUSDも同じです。どのペアも、直近の下落の波を細かく見るとフィボナッチエクステンションは4.618-5.0のエリアにいますので、突っ込み売りを避けたい理由になります。おそらく下に行くように誘った後、急激な跳ね返しで、下ひげを付けて、上昇に転換という嫌な動きも想定されます。

ドル円のフィボナッチ

USDJPYについては、先週、円のフューチャーズが、最低でも38.2%のレベルまでリトレースメントが完了していないことを記載しましたが、50%リトレースメントまで丁寧に下げてきてくれましたね。

円を売る勢いが継続したので、当初の想定ターゲットであった108-108.50円は余裕でクリアしてくれた形です。ドル円は、10年債の金利にも連動し、ドル買いの方向に動いていますね。

現在、円のフューチャーズは月ピボットのS2、50%戻しレベル、フィボナッチの1.618など節目にいることは間違いないですが、もう一段下のレベルまでさがるとダブルボトムのようになります。

ドル円は、当初の予定の108円ミドルをクリアしてくれましたが、FOMCを前に非常に微妙なエリアにいます。こういうのは嫌ですよね。

このまま週足の25MAと100MAがレジスタンスとなり、そこで木曜日に出現したガートレーパターンの親戚のサイファーが有効となり、このまま下落か、あるいは、110円あたりの節目をきちんとつけに来るかという場面です。

チャートをよく見るとグレーのボックスのあたりには、年ピボットミドル値のほか、日足200MAと週足の25MA など、いろいろな移動平均線が上からかぶさってきています。週足20MAは下向きのままです。

想定できるシナリオは、FOMCまでにグレーのボックスまで上がってきていると、78.6%を使うサイファーのPRZ(潜在的反転ゾーン)を上に抜けることになりますが、次の88.6%という戻しレベルには、年ピボットなどの節目があるため、目線は下です。

その反対に、FOMCまでに107円ミドルあたりまで下げてきていると、サポートで押し目買いを考えているトレーダーに支えられて上げてくる可能性があります。ドル円の今の動きは、リスクオフ、オンに関係なく、10年債と連動しているので、ぜひ10年債の動きに注目してください。

青のチャネルが中途半端になっていますがこれが下がってくるあたりもレジスタンスとなるので、ドル円、120円を目指すぞと買いポジションを増やすことよりも、いったんこの辺りでのプライスアクションを見る方がよさそうです。

なお、ドルインデックスも日足200MAと年ピボットミドル値で結局は抑えられており、直近のラリーに対してリトレースを入れてくる可能性がありますので、ドルの高値掴みは要注意という場面です。

米10年債のチャートにいるブラックスワン

10年債の価格のチャートは、ずっと出ていたブラックスワンでようやく1.618という比率まで到達後、週足はハンマー形状のローソク足が出ています。

日足でもRSIなどをご覧いただくと、ダイバージェンスのように見えます。

AUDUSDのスリードライブパターン

画像中の蛍光黄緑のチャネル内でジグザグしていますね。

チャネル下限とスリードライブパターンのPRZが重なるエリアに注目です。

 

 

サポートエリアを超えるか?気になるスイスフラン

スイスフランについては、ハーモニックパターンが示唆するスイスフランの強弱を記載した先週の投稿「CHF may be back to the centre stage? スイスフランがそろそろ目を覚ます?」もご参照ください。

あともう少しで窓が完全に埋まります。CHFのフューチャーズはもう少しだけ下にスペースがあるので、きちんと窓を埋めるのであれば、ここまで下げる可能性があり、USDCHFなどは短期で跳ね上がって来て先週の高値をトライする可能性もあります。

決着がつかないんですが、フィボナッチはうそをつかないでしょう。

つまり、どれも、サポートやレジスタンにいそうで、もうひと上げ、もうひと下げありそうな歯がゆく、嫌なエリアにいて、その上FOMCということですので、アップダウンで振り回されないようにしたいですね。

Commodities: 資源・コモディティ

Goldのサポートとレジスタンス

ゴールドは、レジスタンスとサポートが明確になっています。レジスタンスをブレイクすれば、ターゲットは50%リトレースメントレベルで、1430-1480ドルエリアです。

画像中の紫のボックスエリアを見ると、ここは2007年10月の押し安値と2011年の高値のフィボナッチの50%と、1998年あたりの安値と2011年の高値を結んだ61.8%(つまり38.2%)の重なるエリアです。

ここで下げ止まっているんですよね。ここが発射台になるかどうか、気になりますね。

株式指数などのハーモニックとレジスタンス

まだ何となくリスクオン、リスクオフが、明確になっていない中、米金利の動きがドルを引っ張った週です。ダウ、SPX、Nasdaqなどメジャーなインデックスは引き続き警戒するべき値動きをしているように見えます。先週書いた2つのシナリオはまだ有効で、現在、ブルとベアが攻防しているのが見えると思います。DJIは、以前から書いているように、週足のチャネルの上限ラインが意識されてチャネル内に戻ってきていること。

先週は、フィボナッチのレベルでダブルボトムのようになり、上がってきました。ダウがもみ合いのようになって上に行くと目線があると思いますが、よく見ると、4月2日には、2月9日の安値をヒゲで更新している状況で、上値が重いという絵柄が継続しています。

15分足で見ると、バットとガートレーの間のパターンで、マンスリーのピボットと赤のチャネルの上限で抑えられています。月曜日、そして、FOMCまでに、紫のボックスで表示した38.2とあるレベルの24462-25000あたりまで上げてくる可能性はあります。

問題は、ここでベアが参入するかどうかを見極めることだと思います。あるいは先週のラリーはすでに終了して、このまま下げる可能性もありますね。

なぜベア目線になるのかというと、ダウやSPXを構成する個別の銘柄が不思議な動きをしているためです。先週テク株関連の決算もあり、Amazonなどは絶好調でしたね。それでも、株は行き場を失ったように、失速。

Facebookは、決算が良かったにもかかわらず、とんだ先にフィボエクステンションが待ち受け、結果的に、日足できれいな売りのガートレーが出ています。Intel、Netflix、Microsoftも失速し、結果下げてきています。

インテルは窓を埋めて反転して上がっていかず、窓を下に抜けてきている状態です。残るはAppleですが、小さい波でフィボナッチエクステンションのマックスレベルはすでに下抜けしているので、決算で反発仕上がる可能性は十分ありますが、そのあと、買いが付いていくかどうかです。

つまり、決算を見越して、株式市場に何かリスクがあるような動きをしているのがすでに複数のテク株や金融株などで繰り返されているのがわかります。引き続きJPMorganやCitiは売りの5.0で止められれて上がってこれない状況ですので、相場を押し上げるのを何かが遮っているように見えます。正直なところ、不気味です。

その他個別銘柄で、アマゾン株のフィボナッチのレジスタンス、フェイスブックのガートレーパターンと一目の雲というレジスタンス、インテル株のレジスタンスとフィボナッチレベル、ネットフリックスのチャネルなど、気になるチャートはたくさんあります。

まとめ:先週に引き続き、投機筋のポジション動向からすると、EURUSDの売り、ドル指数の買いは優位性がありますが、これまで売られ続けてきたスイスフランと円がどう出てくるかにも注目しているトレーダーも多いのではないでしょうか?

FOMCは短期的に価格を上下に振るような要素になるかもしれませんが、木を見て森を見ずとならないように、大きな絵では、市場が株式市場に潜むリスクを認識し始めている可能性があること、そして、リスクオフに傾く可能性があることは忘れたくないですね。

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