テクニカルに忠実なポンドドル:マルチタイムフレーム分析も活用してステップアップPart 2♪

この記事は、「テクニカルに忠実なポンドドル:マルチタイムフレーム分析も活用してステップアップ♪」の続編となります。大きな時間足から小さな時間足のチャートを見て、相場の方向性や環境を認識する基本をシェアしましたが、引き続きPart 2でも、GBPUSDにご登場いただいて、探索していきたいと思います。

ビーストなポンドさんですが、テクニカルには弱いそう

Refresher: Beast Sterling has various harmonic patterns. 

マルチタイムフレーム分析に付け足したいテクニカル分析ツール

マルチタイムフレーム分析の最初の記事では、見ている時間足の移動平均線の傾きから相場がどちらに向いているのかという基本的なアプローチを探索しました。移動平均線だけでも環境を認識することができるほか、小さな時間足に大きな時間足の移動平均線を一緒に表示させることで森と木が一緒に視覚的に理解できることがわかりましたよね。そして何より、基本は、大きな時間足の方が小さな時間足よりも威力を持つということです。

ただ、移動平均線だけでなく、他の要素を取り入れるともっとよくチャートが見えてくるのではないだろうか?

そう思いますよね?

サポートとレジスタンス、キーレベル(節目)

マルチタイムフレーム分析の最初の記事で見た15分足のチャートに、水色のラインを引いていたのを覚えていますか?価格が反応したサポートのラインになります。

GBPUSD Daily Chart ポンドドル日足のサポレジ 26 Dec 2022

こちらはGBPUSDの日足のチャート。水色のラインは15分足で引いておいたラインと同じものです。特に画像左側を見ると、この価格ラインが意識されたようなローソク足になっているのがわかりますよね。サポートとレジスタンスも、基本は同じで、大きな時間足のサポレジの方が、小さな時間足のサポレジよりも威力があります。

そして、次に見えてくるのが$1.19560と表示された青いライン。S3とついているのが見えますね。これは年ピボットポイントのサポート3というレベルになります。言い換えると、ポンドドルは、今年1月と2月に年足ピボットポイントの$1.36462をテストして以来、サポートのレベル3まで続落し、9月にようやく反転を始めたという環境です。

年ピボットS3のある$1.19560は、日足チャートを見てもそれなりに意識されているプライスアクションになっているのがわかります。年足ピボットイントは、デイ、ウィークリー、マンスリーよりも大きな時間足のものですので最強ラインとなります。自分ではどの価格ラインにエッジがあるのかわからないという場合、このデイ、ウィークリー、マンスリー、イヤリーの4つのピボットポイントを表示することから始めてみてください。ピボットポイントに到達すると必ずプライスアクションが出るのがわかります。

サポレジを語るなら、ピボットポイントはかなり重要なテクニカルツールです。関連記事は下にまとめてありますのでぜひご参照ください。

フィボナッチエクステンションとフィボナッチエクスパンション

こちらは、日足のチャートで見える9月の最安値からの初動の動きを使い、フィボナッチツール2つを付け足したものになります。

9月の最安値と、そこから反転を始めて10月の頭につけた高値を使って描画したものが濃紺のフィボナッチエクステンション。

9月の最安値、そこから反転上昇して付けた10月最初の高値、そしてその高値から下落して付けた押し安値という一つの山を使って描画したものが、茶色のFEと表示されているフィボナッチエクスパンションになります。

この2つに共通しているのは、トレンド転換をした初動の動きから価格がどこまで伸びるのかを示唆してくれていることです。移動平均線は遅行指標ですが、フィボナッチは先行指標でしたよね。これらのフィボナッチツールから見えてくることがたくさんあります。

まず、10月に押し安値を付けてから上昇する過程で、フィボナッチエクステンションのレベル1.272%や1.618%で、きれいに反応しているのがわかります。さらに、年足ピボットS3のある$1.19560は、フィボナッチエクステンションの1.382%とほぼ重なっているほか、先ほど15分足で見た水色のラインは、フィボナッチエクスパンションの方のFE100%とほぼ重なってますよね。不思議というか、なるほどねぇというか。。。

もう少し細かく見ていきましょう。マルチタイムフレーム分析の最初の記事に掲載した1時間足の青いボックスの部分を覚えていますか?

こちらではボックスを少し横長にしましたが、同じ個所のチャートになります。この青いボックス内で、長期(日足)、中期(4時間)、短期(1時間)のMAがパーフェクトオーダーっぽくなり、日足の20MAがレジスタンスになって、下落したという経緯がありました。

黄色いボックスをご覧ください。ウィークリーピボット$1.2234と先ほどのフィボナッチエクステンションの1.618%がほぼ重なっているのが見えると思います。

ウィークリーピボットは、週頭に絶対に見ておきたいピボットポイントです。ウィークリーピボットを交えたプライスアクションは明確ですよね。16日に何度か抑えられ、19日には上抜きをトライしましたが、強烈な上ひげローソクが出て再び抑え込まれます。翌20日にもトライしましたがウィークリーピボットに届かず、逆に手前のフィボナッチエクステンションの1.618%の方で押さえられ、長い上ひげローソクに。そして、再びトライするのですが、21日には移動平均線がパーフェクトオーダーっぽくなり、下落に転じています。

何が言えるかというと、ウィークリーピボットというエッジのあるラインに何度も抑えられ、フィボナッチエクステンションの1.618%というわき役がレジスタンスの手助けをし、さらに、移動平均線が徐々にパーフェクトオーダーっぽくなってきたあたりから、これは売り?というシナリオを考えることができたということになります。こういう場所がエッジのあるエントリーポイントになります。

フィボナッチリトレースメント

ポンドドルは、月足や週足のチャートを見ると、高値と安値を切り下げているダウントレンドを継続しています。今の時点で明確なのは、反発上昇というプライスアクションが出ていることです。だとすると、ダウントレンド中の戻り高値を付ける反発上昇の動きではないか?というシナリオが描けます。あるいは、最安値を付けてダウントレンドを終了しかけている初動の動きというシナリオも描けるのですが、週足レベルの話なので結果を知るにはまだまだ時間がかかります。

こちらは週足のチャートになります。先ほどは、フィボナッチエクステンションとフィボナッチエクスパンションで、反発上昇の動きのターゲットを見てみました。でも、ダウントレンド継続で戻り高値を付けるプライスアクションということを考えると、何か欠けてませんか?

そう、フィボナッチリトレースメントです。この画像には、2021年前半の高値と2022年9月の安値を使ったフィボナッチリトレースメントを引いています。画像右側にピンクで表示されているのがフィボナッチリトレースメントのレベルになります。

先ほどの年ピボットS3を上に超えて、半値戻しのフィボナッチリトレースメント50%を達成しているのがわかりますよね。画像では、一番浅いリトレースメント38.2%が61.8%と表示されています。

なお、ダウントレンドが終了しているわけではないので、この画像では、フィボナッチリトレースメントを安値から高値に向かって引いています。つまり、ダウントレンドが継続するのであれば、何れは安値を割ってくることが前提になるので、それから先のターゲットを知るために安値から高値に向かって引いています。フィボナッチをどちらに向かって引くかに正解不正解はありません。

ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドは、必ず表示させている基本のテクニカルツールです。デフォルト値の20で十分ですが、ボリンジャーバンドも、移動平均線と同じく、大きな時間足のものを小さな時間足に表示することができるのをご存知だと思います。

こちらはGBPUSDの4時間足。ピンクの点線で描画しているのは日足のボリンジャーバンドになります。そして、先ほどの年ピボットS3の辺りにご注目ください。

ボリンジャーバンドの2シグマがこの年ピボットポイントを支える感じで横向きになりつつあります。この年ピボットS3のあるラインとボリンジャーバンドの2シグマが、サポートの役割を果たす可能性があるということになります。

確かにチャートの左側でも年ピボットS3がレジスタンスからサポートへと役割を変えている(ロールリバーサル)しているのが確認できるので、ここまで落ちてくれば、反発を試みる一定のプライスアクションがあるとシナリオに書けますよね。

ボリンジャーバンドもデフォルト値が20なので、移動平均線の20MAと同じような感覚で数値を変えることができるというのは便利ではないでしょうか?余談になりますが、ドル円が150円台を付けた時には、日足や週足のボリンジャーバンド2シグマを飛び越えているようなプライスアクションでしたので、結果、その反動も大きく、ボリンジャーバンドの中に戻ってきていますよね。

ハーモニックパターン(自動で現れてくれますよ?)

マルチタイムフレーム分析で、移動平均線の傾きだけではなく、上位足のボリバンの2シグマの場所、ピボットポイント、フィボナッチが示すキーレベルなど他の要素を追加することで、リアルなチャートの環境がかなりよく見えてくるのですが、もう一つ追加することが可能なツールがあります。

こちらは4時間足のチャート。マルチタイムフレーム分析の先の記事では、月足にブリッシュなブラックスワンががいましたが、この4時間足と日足にいるサイファーパターンは、意味深ですよね。

サイファーパターンは、ガートレーパターンと同じくフィボナッチリトレースメント78.6%を使うパターンです。どのチャートでも、MT4上にハーモニックパターンが登場したら、すぐに反応するのですが、このサイファーパターンのPRZ(潜在的反転ゾーン)は、年ピボットS3の近くにあります。

ということは、この年ピボットS3の辺りは、ハーモニックパターンのPRZも重なっているので、かなり強力なサポートエリアになるというシナリオが描けます。

また、先ほどもみたように、4時間足の20MAがまだ下向きですので、今の場所からすぐに上昇しても、20MAがレジスタンスになり、この年ピボットS3まで下落してくるというシナリオも描けます。

こちらは1時間足のチャートになります。年ピボットS3の辺りを黄色のボックスで示しています。

1時間足には、サイファーパターンではなくブラックスワンパターンが登場しているのですが、これらのハーモニックパターンに共通しているのは、GBPUSDの上昇を示唆していることです。

ただ、先ほどと同じく、4時間足の20MAがレジスタンスになり、年ピボットS3まで先に下落してから反転というシナリオが描けます。

ハーモニックパターンは、チャート分析にエッジを与えてくれるツールの1つですが、まずは、基本ありき。マルチタイムフレーム分析の先の記事で見たように、移動平均線、サポートやレジスタンスという節目、フィボナッチ、ボリンジャーバンドなど基本のテクニカル分析ツールの使い方を習得することが先決です。これらのツールにオシレーターから見えるダイバージェンスやヒドゥンダイバージェンスなども併せることもできますが、これは長くなるので、また次回かな。

ポンドドルのマルチタイムフレーム分析から見えることは、短期足では下落しているものの、年ピボットS3を含めた強力なサポートエリアに迫っていること。4時間の20MAと1時間20MAがレジスタンスになっており、上昇するなら、1時間足の20MAが上向き、4時間20MAというレジスタンスを上に抜けることが必要のようです。なお、これらを満たしても、次のレジスタンスは日足20MA。ハーモニックパターンを付け足して見えるのは、日足20MAあたりまで反発上昇する可能性はありますが、年ピボットS3の辺りまで先に下げてから上昇というシナリオもありです。

フィボナッチが示すキーレベルと、年足ピボットポイントのある価格ラインなどが重なるとそのエリアは、市場参加者が意識する節目(コンフルエンス)となります。ポンドは値動きが荒いですが、フィボナッチなどのテクニカル分析から見える節目では忠実に反応するので、チャート分析にはおススメかもしれません。笑

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