今週のプライスアクションは非常に興味深く、チャート分析や相場そのものを学べる絶好の機会になっているようです。US30(ダウキャッシュ)の動きだけでなく、目を向けておきたい他のチャートもあります。Goldはフィボナッチリトレースメント78.6%をトライするか?今の状況をサクッとシェアします。
以前にも見たことがあるダークホースがいる相場
The price action of GER 30 may be an indicator of what to come.
水平線やラインと呼ばれる節目:ベーシックなテクニカル分析を理解しよう
EURUSDのガートレーからのその後
先週検出されていたブリッシュガートレーパターンから吹き上げて横向きになってしまったユーロドル。高値を切り下げ、安値も切り下げている状況でチャネル(いわゆる下降フラッグパターン)が形成されている。ユーロドルの当面のレジスタンスは、$1.22666ですが、このチャネルを上抜けて、$1.22666を再びトライするか、それとも今週の動きでヘッドアンドショルダーズパターンを形成するのかに注目です。ヘッドアンドショルダーズパターンの場合、ディープなプルバックを開始すると想定しています。
節目でのプライスアクションが顕著だったAUDUSDは、先週記載したUSDCADと合わせてみておきたいペアかもしれません。AUDUSDのキーレベルは$0.77234で、USDCADは、$1.20671。USDCADの場合、この大きな節目でトリプルボトムのようになっており、下に抜けない限り押し目からの上昇も考えられます。
ドル円は、先週触れていた109円前半で、USDCADと似たようなトリプルボトムになっています。なぜここで支えられているのかというと、この辺りに日足の20MAが走っているのが理由の一つかもしれません。現在、4時間足でブリッシュシャークパターンが検出されているので、ぶれなければドル円は買い目線も考慮です。
WTI原油は$69.65到達
先週触れていたWTI原油。キーレベルの$69.65を超えて、想定通り$70を攻めてきましたね。で、ここで思い出しておきたいのが、先週検出されていたベアリッシュなスリードライブパターン。
現在は消えていますが、そのPRZ(潜在的反転ゾーン)の上限は、週足のボリンジャーバンドの2シグマと重なる$70ドルあたりだったので、気を付けたいですね。頭から抜けてしまって、気が緩んだ時にWTIが動き出す可能性があります。当時のスリードライブから見えていたターゲットは、$68.41、$66ドルあたりでしたが、さらに弓を引っ張ったようになっているので、$60前半まで下げる可能性がありますね。
そして、これに合わせて、USDCADとCADJPYなどカナダドルがらみのペアは引き続き注目するに値します。CADJPYには週足で、ベアリッシュディープクラブパターンが居座る相場です。カナダドルのロングが崩れるシナリオは引き続きオンです。
ゴールドのフィボナッチ78.6%
同じコモディティのゴールドは、$1922.70あたりまで吹き上げる可能性について触れていました。まず、6月の高値と4日の安値を使ってフィボナッチを引いてみてください。引く方向はどちらでも構いません。$1903あたりにフィボナッチリトレースメントレベルの78.6%(または100-78.6=21.4%)が出てくると思います。
この$1903あたりには、日足と月足のボリンジャーバンドの1シグマ、4時間足のボリンジャーバンドの2シグマが走っており、一定の節目となります。
そして、ここで週足にズームアウトしてみてください。今度は一回り大きな高値と安値を見てみます。昨年8月の高値と今年3月の安値を使ったフィボナッチリトレースメントレベルを見ると$1920あたりにフィボナッチリトレースメントレベルの61.8%が出てきます。言い換えれば、先ほどの$1903から$1920あたりは、フィボナッチやボリンジャーバンドなどから見える節目になっていることがわかります。確かに、先週は、ローソク足がベアリッシュになって終わっていましたね。
なお、昨年8月からのチャートの足跡(パターン)を見てみると、8月からの下げは勢いのある推進波ではなくジグザグしています。むしろ、今年3月からの上昇の方が勢いのある波の形です。少し気になりますよね。
先ほど見た昨年8月の高値と今年3月の安値を使ったフィボナッチリトレースメントレベルをもう一度見てみてみると、フィボナッチリトレースメントレベルの78.6%が$1985にあります。この$1985は、年足ピボットポイントから見ても大きな節目です。
ゴールドの場合、ここまで先に上昇するのか、それとも、$1807.07という最強ラインまで大きくプルバックしてから、再び上昇するのかはわかりませんが、$1920、$1985は大きな節目であることを覚えておくといいですね。
シルバーのベアリッシュガートレーパターン
ゴールド、WTI原油、シルバーというコモディティで考えらえるシナリオは、これらが大きく崩れる可能性です。仮にそうなった場合、引き続き、米ドルの動きに注目です。
DJI:リターンムーブからの逆走でトップアウト?
以前から注目しているDJIとUS30(ダウキャッシュ)のプライスアクション。今週のプライスアクションから、DJIがトップアウト(Topped out)した可能性が高まっているように見えます。DJIの場合は$34,757あたりの年足ピボットR1、US30は$34,590.74の節目を超えようとトライするのですが、何度も戻されています。なお、US30フューチャーズは、$34499.40が節目となっており、これがレジスタンスとして機能するかに注目です。
NDX(ナスダック)とSPXは上昇していますので、徐々に、指数間でのダイバージェンスが出始めているような相場でもあります。先週の投稿のDJIのチャートも併せて見てみてください。
昨日のプライスアクションは強烈でしたね。ただ、窓を開けてしまったので、今日はこれを埋めに行く可能性があります。
この窓埋めの動きに合わせてSPXのキャッシュ(US500)が、まだタッチしていない年足ピボットR1の$4262.59をヒットしに上昇してくると想定しています。
なお、SPXのキャッシュであるES1については、$4276あたりに年足ピボットR1がありますが、その手前の$4234.50がフィボナッチから見える大きな節目です。$4276をヒットしても、すぐに$4234.50まで逆走する可能性があるかもしれないきわどい相場環境のようです。
こちらは、US500のフューチャーズ。ブラックスワンですね。まだヒットしてないので、やはり上昇してくるでしょう。
さらに、直近高値に対するフィボナッチリトレースメントレベルの78.6%をヒットしてなかったので気になっていたUS100のナスダックキャッシュはこのレベルをヒットし、現在は、最後の砦であるフィボナッチリトレースメントレベルの88.6%にいます。
ダウ、ナスダック、SP500が揃っていないダイバージェンスの相場であり、このことから、ダウが、SPXが年足ピボットR1をヒットするのを待っている間横向きの動きをしているようにも見えます。あるいは、ダウもナスダックと同じで最後の砦の88.6%まで上昇してから再び押し戻される可能性もあり、もう少し様子見です。
その他、スモールキャップの指数もダイバージェンスが出ています。例えばRussell 2000とRussell 1000。Russell 2000は、すでに年足ピボットR1をヒットして下落中。Russell 1000の方はSPXと同じで、R1を目指しているような相場です。
ダークホースなGER30
そして、お題にあるダークホース。GER30はMT4でも見えるドイツ株式指数キャッシュのチャートになりますが、チャート上に居座っている$15,725.23を今週月曜日にようやくヒットしてくれました。これをヒットするのにずいぶん時間がかかりました。
ここでダブルトップのようになり、下落しています。ずいぶん前に、GER30の下落がリードしていたことがあったと記憶しています。だとすると、GER30が株式指数全体の動きを「すでに」リードしている可能性があります。
とりわけ株式指数が、きわどいプライスアクションを継続している最中ですので、ギャップアップしているVIXやVVIX、きわどいプライスアクションのXLF(金融セレクト・セクター SPDRファンド)も一緒に見ておきましょう。
先週のお題だった椅子取りゲーム。XLFやKBEなどの金融から、テクノロジー(ナスダック)に資金を移動するなど、ビッグボーイズがローテーションを続けているように見えますが、指数間にちぐはぐした動きが出てき始めると、弾けた時のショックが大きい可能性があるのではないでしょうか?このような場面では、リスク管理をしっかりとしたいですね。
最後に:スーパームーンから、日食、そして新月。神秘的な天体の動きのサイクルが気になる方はいらっしゃるかと思います。このブログでもトレーディングビューにムーンフェイズのインジケーターについての記事「アノマリー:月の満ち欠け(新月満月)と相場 Anomaly –Moon phases and the markets」をずいぶん前に投稿しました。月のサイクルだけでトレードはしずらいですが、インジケーターがある以上、使っている人がいるのでしょう。
新しいサイクルを迎えた今日、ド派手なプライスアクションが出るのかわかりません。嫌なことに明日からは週末になります。この週末をまたいで何か動きが出るのかもわかりませんが、Sell in Mayにならなかったからと油断している時こそ、気を付けたい相場のようです。