テクニカル分析から見えるドル円の動き:基本を復習してステップアップ♪

今年のトレード環境はすごく学びの多い環境ではなかったでしょうか?ボラの高いドル円について、テクニカル分析の基本も交えて復習をしてみたこの記事をしばらくここにピンしておきます。最後にはおまけの動画付きです。笑

過去を振り返ってお宝発見!

Refresher: Without technical Analysis, trades will not be successful. 

あなたの相場を先読みするスキル > 誰かの後付け解釈

これまでこのブログでは、リアルな相場環境に登場するハーモニックパターンとテクニカル分析を中心にシェアしてきました。中でも、NFPやFOMCなどのイベントや経済指標を前にハーモニックパターンが登場した場合、結果に関係なくハーモニックパターンに従うこともありましたよね。

そして、この間の日銀の事実上の利上げの動きで、ドン下げしたドル円。イベントがあったので、これが引き金になってこうしたプライスアクションが起きたという解釈も理にはかないますが、それよりもだいぶ前から、このブログでよく登場する「ザ・伸び切りゾーン」にいて、プルバックしてほしかったキーレベルに到達するのを待っていた環境です。

先日の記事で記載したように、ドル円は、レンジのような動きから、日足の移動平均線の20MAをヒットした後、日銀のイベントでドン下げ。そして、待っていたキーレベルの132.486円をヒットしてくれました。そして、すでに記載していたのが次のシナリオ。「ホワイトスワンのPRZ(潜在的反転ゾーン)があるのは、キーレベルの132.486円よりも下。意味深ですよね。このまま移動平均線に押されて、ここから下落する可能性もあります。」さらに、イベント前は、2020年3月の安値と2022年10月の高値を使ったフィボナッチリトレースメントの38.2%の地点、つまり最も浅いフィボナッチリトレースメントレベルをヒットしていなかった状態です。

さて、このティール色の段落ですが、さらっと読み流すと、「そうなんだね。」で終わりそうですよね。

ですが、実は、トレードに慣れ過ぎてついつい忘れること、そう、気付きを得ることがたくさん詰まっておるんですよ。

移動平均線(MA)

USDJPY Day Chart Moving Average ドル円の20MA 22 Dec 2022まず目に入るのが、移動平均線という言葉。ドル円の日足のチャートを開いて見ていただくと一目瞭然ですが、日足の移動平均線の20MAが上から垂れており、15日以降、ローソク足が抑え込まれているのがわかりますよね。これがいわゆる相場の環境を認識するうえでの1つのヒントでした。

そして、ここで一歩踏み込むと、日足のチャートにある他の長期移動平均線のうち、200MAは、下から上がってきている環境でもありました。言い換えると、この200MAがサポートになって、上昇を試みていたのが12月頭からの動きです。短期と長期の移動平均線に挟まれて、右上がりのジグザグ下動きを継続していたということになります。

移動平均線は、その時間足のトレンドを示唆してくれる優れたツールです。設定値は、市場参加者の多くが使っている設定値で構いません。

チャートパターン

次に見えてくるのが、「短期と長期の移動平均線に挟まれて、右上がりのジグザグ下動きを継続していた」こと。右上がりのジグザグとした動きというのがポイントのようです。

こちらはドル円の4時間足のチャート。先ほどの日足のチャートから直近の動きにズームインしています。

右上がりのジグザグとした動きに水色のチャネルを描画しています。安値と高値はキリ上がったけれど、方向性のないままのプライスアクションを見せ、その後、日銀のイベントでチャネルを下に抜けた格好です。

テクニカル分析の1つにチャートパターンがあります。ヘッドアンドショルダーズパターンやフラグ(チャネル)、ウェッジ、三角持ち合いなど代表的なパターンはご存知だと思います。

何が言いたいかというと、移動平均線に挟まれた12月頭からの動きは、方向性のないレンジ。ただし、右上がりのチャネルパターンを形成している様相。それなら、チャネルの下限ラインを下抜ける=「ワン・モア・ダウン(One More Down)」のシナリオを描けたということです。

キーレベル(節目)、サポレジ、最強ライン

次に見えてくるのが132.486円という具体的な価格レベル。「これ、何でわかるんっすか?」って言われるかもしれませんが、この価格、このブログで何度もご登場いただいているピボットポイントです。といっても、デイ、ウィークリー、マンスリーではなく、イヤリーです。つまり、年足で見た場合の2022年のピボットポイントのR3(レジスタンス3)ということになります。

ドル円の場合、ここしばらくの記事で書いていたように、このキーレベルをヒットしないまま、ずるずると12月の日銀のイベントの日まで過ごしてきたわけです。

また、ドルインデックス(DXY)を見るとわかりますが、ドルインデックスは、プルバックして下落したプライスアクションで、すでにプルバックのターゲットとなっていたキーレベルをヒットしておりました。

いいかえると、ドルインデックスの動きよりも浅いプルバックのままだったドル円が、このキーレベルをヒットする手助けをしてくれたのが日銀です。笑 この価格レベルをヒットするのを待っていた人にとっては、Welcomeなイベントだったのかもしれません。

ピボットポイントはかなり重要なテクニカルツールです。トレードで必ず使うサポートとレジスタンスを構成する要素の一つとなります。「ピボットポイントを知らずに、ライン・水平線を引くなかれ – Pivot is a vital tool」の記事で探索しておりますので、ぜひご参照ください。

フィボナッチ

先ほどのティール色の段落にあるもう一つのヒントは、この部分。「さらに、イベント前は、2020年3月の安値と2022年10月の高値を使ったフィボナッチリトレースメントの38.2%の地点、つまり最も浅いフィボナッチリトレースメントレベルをヒットしていなかった状態です。」

上記の年ピボットの所で少し触れましたが、ドルインデックスは、高値と安値を使ったフィボナッチリトレースメントレベルの38.2%をすでにヒットしていた状態。その一方、ドル円はこのレベルさえヒットできずにいました。

一度チャートを開いて、この高値と安値を使ってフィボナッチを引いていただきたいのですが、面白いですねぇ。フィボナッチリトレースメントレベルの38.2%と、年ピボットの132.486円が同じ場所にあることが見えてきませんか?

フィボナッチリトレースメントから見える価格レベルと、年ピボットのある価格レベルがこれだけマジで近いと、このレベルまできっちりと下げてくるプライスアクションをシナリオに入れることができるわけです。言い換えると、買いで参入するなら、このレベルでのプライスアクションを待ってからということになります。

テクニカル分析:フィボナッチ、サポレジ、MAなどが重なるコンフルエンス(節目)の見つけ方 – Confluence」や、フィボナッチのターゲットについて書いた「フィボナッチに忠実なドル円、キーレベルとブラックスワン/5-0パターンで上昇しているナスダックとSP500」の記事もご参照ください。

ハーモニックパターン

そして、まだまだありますよね。「ホワイトスワンのPRZ(潜在的反転ゾーン)があるのは、キーレベルの132.486円よりも下。意味深ですよね。このまま移動平均線に押されて、ここから下落する可能性もあります。」の部分になります。

ホワイトスワンに限らず、ハーモニックパターンが登場した際、そのパターンは、反転する可能性のある価格レベルを描画してくれます。ハーモニックパターンに反応してすぐに反転していく場合と、ハーモニックパターンが示すPRZ(潜在的反転ゾーン)まできっちりとヒットしてくる場合があります。

注意しておきたいのは、次の新しいパターンが描画されたので、最初に出ていたパターンが消えてしまっても、この最初のパターンのPRZが優位性をキープしていることです。言い換えると、消えたハーモニックパターンのゴーストが威力を発揮するということです。

ここで見えるのは、ドル円は、最強ラインのキーレベルの132.486円をヒットして、それを下抜けていますが、このホワイトスワンが示していた131.883円をズブッと刺して、反転していることです。

そして、上記のドル円のチャートにいるのが新しく出てきたブラックスワンというハーモニックパターン。同じく、キーレベルの辺りにPRZがありますよね。ここまですぐに下落するかは別の問題です。このパターンで一度跳ね上がる可能a性がありますが、年ピボットのR2とR3の間にある128.243円とほぼ同じ場所にあるので、この辺りにもラインを引いておくといいですね。

12月17日の「ホワイトスワンに従うドル円、ブラックスワンが居座るユーロドル、Goldはキーレベルをヒット!」をご参照ください。

円の内部要因

こちらは、実戦トレーディングカレッジ -「1日たった500円」トレードの悩みに終止符を打つで公開されたドル円の動きの背景にある「スパイス」を解説したもの。無料で公開されているのでシェアします。

建玉明細から見えてくる円に関する数値から、直近のドル円の下落を想定できたということになります。これに、いつものテクニカル分析やハーモニックパターンを組み合わせることで、かなりエッジのあるエントリーを実行することができたのではないかな。

まとめ:負けトレードをウェルカムするサイクルから抜け出そう

私達が見ているドル円などのチャートは、世界中の個人トレーダーや機関投資家が見ています。

どこにエッジのあるエントリーポイントがあるのか?どうしたら、チャートをもっとわかりやすく理解できるのか?

色々考えて、ツールの設定値を変えたりするかもしれませんが、チャート分析は、シンプル・イズ・ベスト。今でもよりどころとされているテクニカル分析の基本を侮らないのがベストのようです。移動平均線が下向きでレジスタンスになっている、フィボナッチリトレースメントのレベルが浅いまま、年足ピボットのR(レジスタンス)レベルを飛び越えて上昇してきた背景があるといったテクニカル分析の基本ツールから見えることはたくさんあります。

そして、こうした基本から見える相場の環境に、優位性を付け足してくれるのが、ハーモニックパターン。ドル円には、高値を付ける前に売りを示唆するハーモニックパターンが居座っていましたよね。

こうした要素を全て合わせると、今回のドン下げという吹き下げるような動き(スラスト)が、遅かれ早かれいつかは発生することは、ある程度シナリオに入れることができた環境ではなかったでしょうか?

あと少しで2022年も終わります。ドル円が一日で4-5円動くボラティリティの高い環境であるほか、米株式指数も、すでに天井を付けてダウントレンドを継続している様相です。短期的には、サンタラリーがあるかもしれませんが、問題はその後ですよね。FXや株式指数に限らず、ゴールド、シルバー、原油、クリプトなども、テクニカルの基本が大切です。もちろんハーモニックパターンも通用します。

年末年始は、今年のトレードを振り返り、新年に向けてスキルアップできる期間です。このブログのメニューにあるお宝講座では、いろんな講座を紹介しています。私自身、この記事を書いていて、基本をおろそかにしていたのを実感しました。チャート分析は、難しくとらえる必要はありません。最初は覚えることがたくさんありますが、それぞれの点がつながってきます。これらの講座はそのスピードを高めてくれる優れた講座です。ぜひご参照ください。

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