水曜日に投稿したユーロドルの5-0パターン。一旦50ピップスほど下落しましたが、その後上昇してきましたね。このプライスアクションから、次のターゲットが見えてきます。SP500には再び売りのブラックスワンが登場しているのですが、センチメントが傾いている相場では、どんどんハーモニックパターンに登場してもらいつつ、狙った場所でのプライスアクションを待つ方が賢明のようです。
5-0パターンのPRZを突き抜けた時、もう1つのPRZを見てみる
A last push is coming for EURUS and WTI?
半値戻しを代表する5-0パターンって何者?
5-0パターンの成立条件を復習しよう
7日の水曜日に投稿していた売りの5-0パターンから、約50ピップスほど下落し、4時間足の25MAで支えられる格好で再度上昇してきました。当初掲載していた5-0パターンにあったPRZは、$1.1827。金曜日の終値は$1.18287。うーん、微妙ですね。
5-0パターンで下落トレンドを継続しなかったので、ハーモニックパターンは使えないではないか?
確かに、金曜日のプライスアクションの結果、日足では陽線ですね。ユーロドルは来週もどんどん上昇し、高値を更新する動きになるのでは?という絵柄にも見えますが、そうなるかどうかはわからない相場ではないでしょうか?
少しだけ、5-0パターンを復習してみましょう。5-0パターンの基本は、直近の高値と安値の半値戻しとなるフィボナッチリトレースメントの50%で、逆数ABCDパターンとなること。逆数ABCDパターンは聞きなれないかもしれませんが、画像を見ていただくと何となくでも理解していただけると思います。
これは5-0パターンの成立条件の基本を示したものです。(引用元ココスタ)
ひとつ目の条件は、5-0パターンが完成するD地点は、BとCを使ったフィボナッチリトレースメントの50%の地点となること。
二つ目の条件は、CからDへの上昇の動きが、AからBへの上昇の動きと等しい値幅であること、つまりAB=CDとなれば理想的な成立条件となります。
一連の値動きを見てみると、XからAまで下落した価格が、Bという高値更新の動きを見せます。高値更新なので上昇トレンド継続なのか?と思わせるのですが、Aという安値をさらに更新してから逆走し、Cという安値を付けます。
Bで高値を付けたにもかからず、C間で強烈に下げて安値を付ける。でも、Cから再び上昇し始めるという厄介な動きですよね。ただ、画像にある5-0パターンのフォーメーションを少しでも覚えていると、このAからB、BからCへの値動きから、Bへの半値戻しの辺りで5-0パターンができるのでは?と想定できるようになります。
これは、現在のユーロドルの4時間足。
まず、緑の短いラインは水曜日に投稿した5-0パターンのPRZです。5-0パターンの検出直後に価格が反応し、本来のPRZであった$1.18207まで微妙にタッチせずに一旦下落しましたね。その後、再び上昇して金曜日には$1.18287で終えています。
ここで画像に描画したブルーの太いラインに注目します。先ほど見た5-0パターンの成立条件の画像と照らし合わせると見えてくるものがあります。水曜日に投稿した5-0パターンのPRZは、高値に対するフィボナッチリトレースメントの50%の地点でした。5-0パターンの成立条件のひとつ目はクリアしていたわけですね。
そして、AからBへの値幅と同じ値幅をCからDに求めるとブルーのラインで見えるように$1.18713あたりになります。つまり、AB=CDはまだ完成していないので、二つ目の条件が成立していなかったことになります。
それなら、やっぱり5-0パターンは使えないのんじゃないの?そう思われると思います。
5-0パターンのPRZにはフィボナッチリトレースメント61.8%も含めて考えよう
そして、ここで思い出したいのが、5-0パターンにはもう一つのPRZがあるということ。5-0パターンが完成すると、そのまま律儀に反応してトレンド転換する場合と、その時の相場のセンチメント、他の要因、キーレベルとなるピボットなどとの位置関係などにより、フィボナッチリトレースメントの50%を超えてくる場合があるということです。
もう一つのPRZとは、フィボナッチリトレースメントレベルの50%に追加して、フィボナッチリトレースメントの60%、またはフィボナッチの主要な数値である61.8%の地点を含めたゾーンです。
ユーロドルの場合、リアルな相場で、5-0パターンの次のD地点の候補がテストされようとしており、非常に勉強になる相場です。5-0パターンが検出された場合、フィボナッチリトレースメントの50%と61.8%のエリアを1つのPRZと捉え、ここに、テクニカル
分析の基本であるピボット、移動平均線なども存在するかといったことも合わせて見ておくとよいです。
これは、ユーロドルの同じ4時間足のチャート。金曜日の閉場間際にバタフライパターンが検出されたのですが、バタフライパターンのPRZが、先ほど触れたAB=CDが成立する場所と高値に対するフィボナッチリトレースメントの61.8%(画像中は38.2%)とほぼ重なっているのが見えますよね。
なお、週明け、バタフライのPRZから下落しても、トレンドが続かない場合は、次のシナリオを考えることができます。その場合、下げてきても、再び上昇し、大きなガートレーパターンへと発展する可能性です。これについては週の間のプライスアクションを見てアップデートします。
WTI原油の5-0パターン
まとめ:下落トレンドが続いて横向きになった後、買いの5-0パターンとして検出される5-0パターンは、いわゆる逆三尊(インバース・ヘッドアンドショルダーズパターン)と関連するなど、トレンドの立ち上がりに一役買うパターンです。ただ、5-0パターンという名前の通り、フィボナッチリトレースメントの50%できっちり反転しトレンド転換するかどうかはその時の相場環境によることがあるます。
例えば、現在のユーロドルは、5-0パターンが出た後再び上昇し、次のPRZである61.8%まで上昇する可能性があります。さらに、5-0パターンが検出された後、そのPRZがことごとく突破されてなかなかトレンド転換しない場合は、バットパターンやシャークパターンなどに向けて、トレンドを継続するというシグナルにもなることには留意しておきます。
さらに、WTI原油で、ユーロドルと逆の買いの5-0パターンが出ているのは気になりますよね。一時的なニュース(ハリケーンとか)や指標で原油だけが単独で短期的に買われることを示唆しているのかもしれませんが。。。
ユーロドルは、バタフライで下落するのであれば、その後のプライスアクションを見ていきます。キーレベルは、サポートは$1.17440、レジスタンスは$1.19160。この価格帯で横向きのレンジ相場になる可能性もありますが、チャート上から消えたハーモニックパターンのPRZがやっぱり有効だったという相場は何度も目にしますので、安易なエントリーには気を付けたいですね。
その他の参考記事
5-0パターンとシャークパターンの関係など、新種のハーモニックパターンも参考にしてみください。
「ハーモニックトレード Part3 (続編)新種のハーモニック: シャークとスリードライブ(Shark & 3Drive)」