ハーモニックトレード Part 4: ブラックスワンとホワイトスワン

このブログでもよく出てくるブラックスワンとホワイトスワンというハーモニックパターン。小さな時間足から大きな時間足まで、ほぼ毎日のように検出されるパターンです。ここでは成立条件などをシェアしています。

フィボナッチのプロジェクションとリトレースメントが鍵

Harmonic patterns: Blackswan and Whiteswan

ブラックスワンの事例

USDJPY Bullish Blackswan ドル円ブリッシュブラックスワン 28 Dec 2022こちらはドル円の日足に居座るブラックスワンになります。反転することを示唆しているブリッシュなパターンですね。

ここ数日の記事で復習していますが、ドル円は、ここしばらくの上昇トレンドにあった「ザ・伸び切りゾーン」をヒットして、プルバックし、安値に対するフィボナッチリトレースメントのレベル38.2%を達成している環境です。

キーレベルが押し目になるかという場面で登場していますね。

ブラックスワンの成立条件

こちらがブラックスワンの形とフィボナッチの比率を示したものになります。このブログにたまに登場するスリードライブ(3 Drive) パターンに似ていますよね。

この画像に見えるのは、1.128、1.382、2.618、2.0のほか、0.236、0.5というフィボナッチ数値。1.128はシャークパターンや変形バットパターンでも使う鬼のフィボナッチ数値ですよね。

このパターンをチャート上で自分で描画しようと思えばできるのですが、そのためには、フィボナッチプロジェクションの使い方を理解しておくことが大切になります。

フィボナッチプロジェクションを使うとはどういうことかというと、B地点は、XからAに向かって引いたフィボナッチが示すプロジェクションの比率1.382-2.618%。同じように、Dは、XからAに向かって引いたフィボナッチが示すプロジェクションの1.128-2.618%になります。

さらに、Dは、BからCに向かって引いたフィボナッチプロジェクションの1.128(1.13)-2.0ということになります。

実は、このパターン、おかしな点がひとつあります。何かわかりますか?

先ほど見たXからAに向かってフィボナッチを引いて出したBとDにご注目ください。Bは、Xを超えているのですが、Dよりも下にあります。Dの方がXからより離れた場所にありますよね。だとすると、Dの完成地点にある1.128-2.618という成立条件のうち、1.128という数値はおかしいことになりませんか?

さらに、Bの方は、1.382-2.618となっています。Xより遠いDの最小値が1.128、Xにより近いBの最小値が1.382。腑に落ちない比率であることは確かですね。この辺り、下記ご紹介の講義で説明してくれているので、ご参照ください。

ホワイトスワンの事例

こちらは12月の初週に出ていたホワイトスワンになります。

この時点では、どちらかというと、このパターンのPRZ(潜在的反転ゾーン)と年ピボットポイントが構成するキーレベルがあるエリアまできっちりと下げてきてくれることを待っていたことを記事にしていました。

が、ご記憶に新しいかと思います。日銀のイベントが手助けっぽくなって、このエリアまでドン下げしてくれましたよね。

ホワイトスワンの成立条件

こちらがホワイトスワンに必要なフィボナッチ数値になります。ブラックスワンと何が違うのかというと、ブラックスワンはBとDがXを超えてくる、いわば延長タイプのパターンですが、ホワイトスワンはBとDがXに対してリトレースするタイプのパターンになります。

そのため、フィボナッチ数値も、0.382、0.724、0.5、0.886といったリトレースメントに使う数値が目につきますよね。

ホワイトスワンが、オートハーモニックで検出される場合、PRZ(潜在的反転ゾーン)を形成するDはフィボナッチリトレースメントのレベル88.6%となります。なお、このホワイトスワンも、ブラックスワン同様、不思議な数値が潜んでいるんです。

どれかわかりますか?

Xに対するBのリトレースメントレベルに38.2とあります。Xに対するDのリトレースメントレベルにも38.2とあります。ということは、BとDは、Xに対して同じ場所までリトレースする、つまり同じ価格レベルで並ぶということになりますよね。でも、Dは、Bに対してリトレースするので、Bに並んだり、超えてくることはありません。ちょっと不思議ですが、この38.2というのは少し外して考えた方がよさそうですね。

フィボナッチ数値の逆数でつながるスワンパターン

こちらの画像は、左がホワイトスワンで、右がブラックスワンを白湯反転にひっくり返したものです。

何が見えてくるかというと、それぞれのスワンパターンにあるフィボナッチ数値が逆数関係にあるということです。面白いですよね。

フィボナッチの逆数は、他のハーモニックパターンでも使います。例えば、5-0パターンや逆数ABCDパターンになります。逆数を使うABCDパターン、5-0パターンは、トレンドの初動に現れるパターンです。

また、よくあるのが、フィボナッチリトレースメントの88.6%を使うバットパターンのPRZ(潜在的反転ゾーン)がブレイクされて、変形バットを形成する場合、変形バットのPRZはフィボナッチプロジェクションの1.13%となります。88.6と1.13は逆数にありますよね。

まとめると、ブラックスワンというパターンは、調整波や推進波で、伸びている値動きに対して頻繁に検出されるパターンです。例えば、その調整波が形成されている1時間足の値動きが、上位の日足のトレンドに対するカウンタ―トレンド(戻り高値や押し目を付ける動き)の動きである場合を想定すると見えてきます。

日足の下落トレンドに対して、1時間足で反発上昇しているような相場では、この1時間足で、推進波⇒押し目⇒推進波という動きがあります。この時に調整波の形によりますが、ABCのうち、5つの波からなる最後のC波が伸び切ってくると、ブラックスワンが出てきます。言い換えると、1時間足では、推進波に出るブラックスワン、日足では、調整波に出るブラックスワンということになります。

ホワイトスワンは、トレンドに逆らうカウンタートレンドの値動きに対して、押し目や戻り売りの場所を示唆してくれるパターンです。ホワイトスワンが機能する事例は結構ありますが、現在は、ドル円が素直に反応して、反転していますよね。なお、ドル円には、消えたホワイトスワンがいた同じ時間足に、買いを示唆するブラックスワンが登場しております。

ガートレーやバタフライパターンといったベーシックなハーモニックパターンと異なるブラックスワンとホワイトスワン。そして逆数関係にあるフィボナッチ数値を使った5-0パターンなどもありますよね。3ドライブパターンも含めたこれらのハーモニックパターンについてご関心があれば、ぜひ講義を除いてみてください。

力強いトレンドを捉える波形ハーモニック

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