相場の格言などを見ていて、数字を使った格言に出会うことがあります。例えば、「三割高下に向かえ」、「天井三日、底百日」、「三空叩き込み」などを聞いたことがあると思います。3という数字が気になりますね。ハーモニックパターンにも3が意識されたパターンがあるので、3の面白さをサクッとシェアします。
よく出てくる3:1+1=3で3という数字を使うハーモニックパターン
Harmonic patterns with a hint of the number three
スリードライブパターン:3という数字を使うハーモニックパターン
このブログでよく出てくるスリードライブについて見ていきます。
3ドライブパターンの成立条件
- 最初に形成される三角と、二つ目の三角で、それぞれの三角で使うフィボナッチプロジェクションの比率が1.272%か1.618%(1.382、1.414なども使うことがあります)といった同じ比率になる
- その2つの三角が同じ時間を経て形成されていること(ハーモニックやフィボナッチにある時間の概念)
- 3ドライブパターンの完成地点が、チャートの左に存在する大トレンドに対するフィボナッチリトレースメントやフィボナッチプロジェクションなどの主要レベルと重なるとそこは大きな節目
2番目の時間の概念については、ローソク足の数や日数なども考慮されます。ローソク足の数が同じとか、三角を築くのに要した日数がほぼ同じといった要素が根拠を追加してくれます。
カナダドルはWTI原油の暴落もあり、センチメントがどうなっているんでしょうか?もちろん他の要素も併せて見ていく必要がありますが、4月5日の投稿記事以降、カナダドルには3を使うハーモニックパターンが出ています。ちょっと見てみましょう。
カナダドル円のスリードライブパターン
昨日の投稿で、カナダドル円の1時間足と4時間足に買いのガートレーパターンが検出されていることを記載しましたが、さらに上位足に行くと、スリードライブパターンが潜んでいます。
こちらはカナダドル円の週足チャート。月足チャートでも同じスリードライブパターンが検出されています。
パターンの左側に最初に形成した三角には、1.461という数字、右側の三角には1.336という数字が表示されています。フィボナッチ数値の1.414や1.383とぴったり当てはまっているわけではありませんが、価格は下ひげを付けて反応しているのが見えると思います。
その反対に上側の数値はフィボナッチ78.6や61.8に近い64.7の数値になっていますね。
私達が今いる価格帯の下の73円から69円後半の価格帯は、1998年以降意識されているサポートエリアです。スリードライブパターンが検出されると、この場合だと3回目の安値を付けたのでそろそろ反転か?と警戒することになります。
必ず見なければいけないのは、画像の左に掲載されていないが存在している大トレンドの高値と安値をつかったフィボナッチリトレースメントやフィボナッチプロジェクションなどを使ったレベルのどのレベルにいるかを見ることです。
資源国通貨同士のペアAUDCADの3ドライブパターン
こちらはマイナーですが、資源国通貨を代表する通貨同士のペア、豪ドルカナダドル(AUDCAD)です。売りのスリードライブパターンが検知されています。
カナダドル円の場合は、CADがJPYの前にあるのでJPYに対してカナダドルの買い、AUDCADの場合はAUDが前にあるのでカナダドルに対して豪ドルの売り、つまりカナダドルの買いとなります。
このチャートは1時間足ですが、表示されているフィボナッチの比率を見てみてください。61.6%や1.272%に近い数値で価格はきれいに反応し、上ひげをつけたローソク足が出ています。
AUDCADの場合は、三角が2つというよりは3つあるのが特徴ですが、このように、推進波のようにクリーンで力強い上昇波ではなく、価格がオーバーラップ(重なる)ジグザグとした動きが続けば続くほど、買い圧力が徐々に低下していることを物語っています。
3ドライブパターンとテクニカル分析の基本
スリードライブパターンが検出された場合、相場がどのような環境にあるのかを見るために、他のテクニカル要素にも目を向けます。
その一つがMACD、RSI、ストキャスティクスといったオシレーター。カナダドル円の場合、週足では売られすぎエリアに入っており、日足では3月9日に売られ過ぎから反発したRSIやストキャスティクスは、3月18日に再度下げてダブルボトムを付けた際には、下がっておらず、ダイバージェンス気味です。4時間足では、4月16日の安値と21日の安値とに対してダイバージェンスを築いています。
AUDCADの場合、4時間足では、価格が高値を更新し、安値を切り上げているにもかかわらず、MACDやRSIは切り下げているダイバージェンスを形成しています。徐々にトレンド転換を示唆している可能性がありますね。またそれ以外にも、ボリンジャーバンド、移動平均線、年足ピボットなどの節目を合わせて見ていき、カナダドルが初動の動きを開始したか判断していきます。
なお、長期足にハーモニックパターンが出たからといってすぐに反転するとは限らず、数日数週間、レンジになる可能性や、今のハーモニックパターンのPRZ(潜在的反転ゾーン)まできっちりヒットするまで動いてくる可能性があります。その場合も考慮し、PRZのある価格帯にラインを引いておきます。
3という数字を使うハーモニックパターンの仲間
3回値を付ける癖がある相場ですが、このようにスリードライブパターンでビジュアルに3回値を付けた動きを見ていて、「あれ?」と思われてはいませんか? このブログでもよく登場していただくブラックスワンを思い出されているかもしれません。
ユーロドルのブラックスワン
ユーロドルに検出されているブラックスワン。基本的にはスリードライブパターンと似ていますよね。大きな違いは、画像真ん中に見える2.700というフィボナッチの数値です。
フィボナッチの2.618%を少し超えた2.7%が意味するのは、画像の左で切れて掲載されていない安値からのフィボナッチプロジェクションの比率が2.618%を超えているよということです。
つまり、スリードライブパターンの成立条件に、フィボナッチプロジェクションによる比率を付けたすことで、さらに精度を高めているわけです。
CADCHF(カナダドルスイスフラン)
フィボナッチ比率や節目を精査し、反転の動きがトレンド転換の初動であるか見ていきます。そういえば、このチャートも、「あれ?」と思われていませんか?
そう、「フィボナッチの隠れた鬼のキーレベル2と2.24 Fibonacci & Harmonic patterns」で見た月足のポンドドルのブラックスワンと似ていますね。(2020年4月現在もポンドドルにはブラックスワンが居座っております。)このほかにも3を意識したホワイトスワンもあります。
3を使う波動やフィボナッチとの組み合わせ
3という数字は、FXや株式などのトレードに関わらず、私達の生活のいたるところで使われています。逆に言うと、生活にのいたるところで使われている数字だから、FXや株式にも使われていて当然だという考えもできますよね。ブログでよく登場いただくABCDパターンやABC調整波の値動きやフォーメーションをよく見ると、3点を使うチャートパターンになっています。
エリオット波動分析では、3つの波から構成されるABC調整波が2回繰り返されるフォーメーションを、3x2回であるため、ダブルジグザグという名称で呼んでいます。なので、3を使うスリードライブパターンが特殊なハーモニックパターンではないことも理解できますね。
「じゃあ、見た目になんとなく、三角が2つできているようであれば、スリードライブパターンと考えていいのですよね?」
そう思いたくなるのですが、ここで忘れていけないのは、やはりフィボナッチです。3という数字と同様、生活のいたるところで使われているフィボナッチがはじき出す比率で完成するスリードライブパターンにはエッジがあります。見た目の判断よりも、フィボナッチの数値の威力です。
「1+1=3」
スリードライブパターンで言うと、最初の三角がひとつ、もうひとつの三角が2つ目になるので、2つの三角でツードライブといった方がよいのではないのだろうか?そんな考えもあると思います。ちょっとこんがらがりますよね。
スリードライブパターンが完成した時、そのパターンが表示する起点となる安値や高値を最初の終値を1つ目とすると、まず最初の三角でつける安値や高値が2つ目となります。そしてさらに値動きが進み2つ目の三角でつける最安値や最高値という終値は3つ目になることから、「三角一つ+三角もう一つ=最安値、または最高値の終値は3つ目」という意味です。
その他の参考記事
2020年4月5日投稿「ハーモニックパターンと通貨の強弱:CAD(カナダドル)の動きが気になりますね♪ – CAD on the focus」
「ドル円チャネルブレイク、ユーロドルの3ドライブパターン、ドルスイスの5-0パターン – EURUSD’s 3-drive」
「原油とドルインデックスのディープクラブ vs ドル円のスリードライブ WTI & DXY sport Deepcrab」
「ハーモニックトレード Part3:新種のハーモニックという仲間達 Shark, Nenstar, Cypher etc」