「フィボナッチはリトレースメントだけではないんです」では、4つのフィボナッチツールの使い方や引き方を探索しました。続編ではこれらのフィボナッチツールを使って実際にはじき出す節目の優位性を見るために、テクニカル分析の基本と組み合わせる事例をシェアしています。
フィボナッチツールの仲間にエッジをもらう!
Fibonacci’s cool friends also help our trade set-up with edge!
いつの時代もテクニカル分析の基本が土台
サポートとレジスタンス、移動平均線、ピボットポイントなどを活用する
前編で使ったフィボナッチエクステンション、エクスパンション、プロジェクション、リトレースメントをそのままにした米10年債先物のチャートに、チャートパターンやテクニカル分析の基本を追加していきます。
チャート分析の基本ツールとして必ず習得するツールを道具箱から出す作業になります。年足、週足、月足のピボットポイント、20MA、50MA、100MAといったよく使われる移動平均線、トレンドラインやチャネル、水平線、ボリンジャーバンド、価格が過去に何度も反応した形跡のあるサポートとレジスタンスのエリア、さらにはヘッドアンドショルダーズパターンのネックラインなどチャートパターンといったテクニカル分析の基本要素になります。
フィボナッチツールを使ってはじき出した価格帯となる節目の近辺に、こうしたテクニカル分析の基本ツールから見える価格帯が重なる場合、そこは、多数の市場参加者が意識している節目(コンフルエンス)となります。その結果、経済指標の発表、要人発言などあるなしに関わらず、プライスアクションが活発になります。
上記の画像では、フィボナッチ以外に以下のテクニカルの基本要素をつけ足してみました。
- 右端にM20MAと書いたブルーの水平線は月足の20MA
- 上部のピンクの2本の水平線は、過去に何度も反応しているサポートとレジスタンスの価格帯の上限と下限
- その下の太い水色の水平線は、日足の20MA
- やや上にある右上がりの濃紺のラインは、下から上がってくる月足レベルの長期のトレンドライン
- 真ん中に右上がりの濃紺のチャネル
- 緑の上昇チャネル
- オレンジの上昇チャネル
- 赤の下降チャネル
トレードセットアップのシナリオを描いてみる
この相場環境から想定できるシナリオのひとつは、前編でも記載しましたが、直近の上昇だけを見ると、フィボナッチエクステンションのレベル3.618%から下落し、フィボナッチリトレースメントの38.2%や今年と今月のピボットポイントが重なるエリアで押し目を付けたと判断した買い目線のシナリオになります。
買い目線のトレーダーが目指すのは、一番最初に見た緑のフィボナッチエクステンションやプロジェクションのさらに上のフィボナッチレベルである4.236%、4.618%、あるいは5.0%などです。
その一方、週足などの上位足では、高値と安値が切り下がっているダウントレンドが形成されている相場環境です。移動平均線の並び具合は、月足20MAの下に日足20MAがあり、さらにその下に週足20MAがある環境です。わかりづらいのですが、画像中下から2番目のピンクのラインが週足20MAで、上から月足20MA、日足20MA、週足20MAと並んでいることになります。
移動平均線、サポレジ、ピボットポイントも、長期足のものの方が短期足よりのものよりも強力ですので、ここでは月足の20MAと週足20MAの間にいて、日足レベルで上昇しているトレンドを形成している相場環境と判断することもできます。
また、画像のやや上を右上がりに走る濃紺の長期のトレンドラインの下に価格が戻ってきて、2本のピンクのラインで描画した過去に何度も反応している長期のサポレジエリアをなかなか上抜けないままです。この辺りは強いレジスタンスとして意識されているのがわかります。月足の移動平均線が価格の上にいる状態ことを考えると、日足レベルで上昇してきたが、超長期ではまだ売り目線ではないかいうシナリオもありです。
米10年債先物の4時間足チャート
4時間足にズームインします。高値を付けて下げている価格の動きを見てみると、一番上の濃紺のトレンドラインの下にもぐり、画像中、中央を右上がりに走る緑のチャネルの下限を下にブレイクしているのが見えます。
緑の小さな売りのガートレーはMT4上で検出されたもので、濃紺のトレンドライン上で完成し、価格は落ちてきています。トレンドラインへのリターンムーブをして、そこでガートレーが完成し、下落という鉄板のプライスアクションですね。
2本のピンクのラインで挟まれたサポートとレジスタンスの価格帯で、24日時点では、再び、ピンクで描画した売りのガートレーが検出されています。
右下がりの赤のチャネルを上抜けしたように見えますが、今後、長期のサポレジエリア、緑のチャネルの下限、長期の濃紺のトレンドラインが重なるエリアも、勢いよく上に抜けられないと、まだ、買い目線にはなれない相場環境です。青い点線の矢印のように、下落継続に優位性があるかという目線も記載していましたが、価格は少し上抜けています。
米10年債先物の2時間足チャート
ピンクの2本のラインで示していたサポレジエリアをオレンジで囲っています。長期のトレンドライン、月足20MA、日足20MAの下に価格があるのがわかります。
短期では、緑の小さなチャネルをつけ足しています。現在、濃紺のチャネルの上限で止まっていますが、これを下抜け、緑の小さなチャネルも下抜けるかどうかという場面ですね。
オレンジ色でフィボナッチエクスパンションを描画し、蛍光ブルーでAB=CDという同じ長さの値幅も付け足しています。ごちゃごちゃとわかりづらいチャートになるのですが、トレンドラインなどが重なるこのような価格帯は、大きな節目として意識されているのでプライスアクションも活発になります。
フィボナッチ4兄弟+テクニカル分析の仲間達=お宝埋蔵場所
この続編では、前編「フィボナッチはリトレースメントだけではないんです- Making the most of fibonacci tools」で見たフィボナッチツールから見える価格帯と、テクニカル分析の基本ツールを組み合わせたチャート分析法を見てきました。
この続きは長くなるので、別途に掲載しています。
前編「フィボナッチはリトレースメントだけではないんです- Making the most of fibonacci tools」