テクニカル分析の基本:過去のピボットポイントが機能しているチャート達

2021年に投稿したピボットポイントの記事を少し復習したいと思います。すでに忘れてしまっている過去のピボットポイントが、レジスタンスとサポートの機能を見事に果たしているチャートが結構あります。笑

ピボットポイント=忘れた頃に威力を発揮する、仕方ないよね

Technical analysis: Past pivot points in play

2021年には、「ピボットポイントを知らずに、ライン・水平線を引くなかれ – Pivot is a vital tool」の記事で、テクニカル分析の基本ツール、ピボットポイントを探索しました。デイリー、ウィークリー、マンスリーのピボットがありますが、この記事で見たのは長期の年ピボットポイント(イヤリーピボット)でしたよね。

実は、インフレ、金利上昇、銀行関連の株下落など、世界の様子が変わってしまった2023年に入っても、テクニカルの基本は変わってないんですね。

どういうことですか?

例えば、米株式指数のUS100、US30、US500は、6月半ばに一定の場所でプライスアクションを見せています。なぜ、その価格レベルで反応しているの?と思うトレーダーもいるかと思うのですが、答えは簡単です。

プライスアクションを見せたエリアは、2022年の年ピボットポイントがあった場所だからです。ということで、US100などのチャートに潜む現在も有効な過去のキーレベルをサクッとシェアします。

US100のピボットポイント:$15221.08

US100 Year 2022 pivot point ナスダックの年ピボットポイント 27 June 2023こちらはナスダックキャッシュ(US100)のチャート。画像上側の水色のラインがある$15221.08を上に抜けた後、このラインに押し目を付けて上昇を試み、その後、このラインを下に抜けているのがわかりますよね。

下に抜けた後、このラインまで上昇するリターンムーブの動きを見せているのもチャートからわかります。

このプライスアクションがあったのが6月の15日から20日にかけての約6日間。その後はドン下げして、跳ね上がって、また下げてというプライスアクションになっています。

いいかえると、15日から20日かけて、何のイベントがあったのだろう?と考えるのは時間の無駄ですよね。プライスアクションから明確なのは、この価格ラインがレジスタンスとして機能してしまっていることです。要人発言や経済指標の発表よりも、このレジスタンスを上に超えられなかったという事実の方が大切。なぜなら、相場を動かすビッグボーイズがそういうプライスアクションという足跡を残しただけでなく、ダウ理論に、「すべての事象は価格チャートに収束される」とあるからです。

US30のピボットポイント:$34226.57

ダウキャッシュ(US30)には、今日の別の記事でも投稿したように、ブリッシュな5-0パターンが出ています。

PRZ(潜在的反転ゾーン)は、もう少し下にあるので、下げてきても問題ないのですが、注目したいのは、US100と同じ時期に、$34226.57を上に抜けた後、下に押し戻されていること。

このライン、昨年の年ピボットポイントになります。きっちりとリターンムーブをしている見事なプライスアクションが見て取れますね。

US500のピボットポイント:$4414.10

SPXのキャッシュ(US500)も、同じように見事なプライスアクションを見せています。$4414.10にある昨年のピボットポイントがレジスタンスとして機能していますよね。

また、画像の真ん中よりやや下側に黄色いボックスで示した$4216.86は昨年のピボットポイントのミドル値。

$4224に引いたラインは、2022年8月にギャップダウンした際のレジスタンスのレベル。この2つの価格で市場が意識するサポートゾーンを形成しているようです。

DXY(ドルインデックス)のピボットポイントR3:$106.419

DXYは、昨日の記事でも書いたように、窓が3つ空いたまま下落を継続しています。黄色のボックスで示した価格エリアにギャップがあります。

画像真ん中の$106.419は、昨年の年ピボットのR3(レジスタンス3)のレベル。

今年のピボットもレジスタンスの役割を果たしているのですが、ここを上にブレイクしてくると、$106.419と$107.600あたりの窓がレジスタンスになる可能性がありますよね。

EURUSDのピボットポイントS1:$1.09234

こちらはEURUSDの6月27日現在の様子。

まずは右上がりに引いた長期のトレンドラインにリターンムーブを付けているのがわかります。

が、黄色で示したボックスあたりには窓が開いています。この黄色いボックスの上限に引いた水色のラインがある$1.12796は、昨年のピボットポイントのミドル値、現在価格がある$1.09234付近のラインは昨年のピボットポイントのS1(サポート1)になります。

いいかえれば、ユーロドルは結構なサポレジエリアに突入しかけている場面ということになります。窓を埋める動きを見せるのであれば、DXYが下げることも想定できます。

GBPUSDのピボットポイントS2&ミドル値:$1.25580、$1.28011

GBPUSDは、$1.28011に昨年の年ピボットS1とS2のミドル値、その下の$1.25580にS2があります。現在この2つのキーレベルで形成されたエリアの上限をトライしている格好です。

4月末から5月初めにかけては、$1.25580がレジスタンなっていたことがわかりますよね。

ゴールドのピボットポイントR1:$1964.12

ゴールドは、現在ユニークな価格帯にいます。

$1964.12にある上側の水色のラインが、昨年の年ピボットポイントR1、$1892.25にある下側の水色のラインが、昨年の年ピボットとR1のミドル値となります。

5月は、$1964.12の上抜け失敗でレンジになってしまいましたが、ピボットで形成されているエリアにいることは間違いなし。

別の記事で探索したように、窓埋めも兼ねて、今年の年ピボットポイントがある$1836.22まで下げてくる可能性もあるうろうろ相場になっています。

トレーディングビューやMT4では、過去のピボットポイントを表示してくれるものもあります。

こちらは、SP500のE-MiniフューチャーズES1。

黄色で囲った部分の左側に見えるオレンジのラインは昨年のピボットポイント。右側にピンクでピボットポイントを延長しています。プライスアクションが出ていますよね。

以上、簡単ですが、「ピボットポイントを知らずに、ライン・水平線を引くなかれ – Pivot is a vital tool」の記事で探索したように、ピボットポイントも移動平均線と同じで、長期足の方が威力を発します。年足のピボットポイントは、「Mother of All Lines=究極で最強のライン」ともいえますね。

ぜひ、これらのピボットがあるエリアでのプライスアクションをチェックしてみてください。

Exit mobile version