8日に投稿してから、ドル円とクロス円はギャップダウン。買いのブラックスワンがいたGER40は反転。ホワイトスワンがいるUK100は下げ。そして、窓の空いているDXY(ドルインデックス)は、フィボナッチリトレースメントの38.2%でうろうろ。キーレベルが明確な今の様子を簡単にまとめて復習です。
プライスアクションが出るキーレベルをあなどらない
Technical analysis: Key levels are in play.
ドル円のキーレベル:150.863円とフィボナッチ88.6%のある149円あたり
昨年10月の高値に対するフィボナッチリトレースメントの78.6%と88.6%に注目していたのが、これまでのシナリオですが、8日に投稿した画像から見えるように、78.6%の方は意識されているプライスアクションを展開しています。
こちらは、11日の様子。ブラックスワンというハーモニックパターンが居座ったままですが、ベーシックなテクニカル分析に注目します。
画像にチャネルを2つブルーで描画しています。時間がたつにつれて、これらのチャネルの上限や下限が、サポレジになっているのがわかります。ある意味わかりやすい値動きをしているチャートに見えますよね。
傾きの急なブルーのチャネルの方を見ると、この上限と交わってくるのは、今年のピボットポイントのR1。この辺りには、次の3つのキーレベルが重なってきます。
- 直近の高値に対するフィボナッチリトレースメントの88.6%
- 過去の波を使ったフィボナッチエクスパンションの100%
- 直近の上昇の波を使ったフィボナッチエクステンションの5%
いいかえるとドル円は、フィボナッチの「ザ・伸び切りゾーン」にいるということになり、149円あたりから150.863円までのゾーンは、かなりのレジスタンスになると市場が想定していることが見えてきますよね。
11日に、ギャップダウンしたのですが、軽くプルバックしても、ゾーンの上限までは再び上昇する可能性があるというシナリオが描けそうです。また、深いプルバックの場合、直近安値に対するフィボナッチリトレースメントの38.2%の辺りに、年足ピボットレベルで見えるキーレベルの141.513円が重なっています。都合の良いキーレベルとなりそうです。
これにハーモニックパターンのブラックスワンが根拠を追加してくれているような絵柄ですが、ブラックスワンのPRZ(潜在的反転ゾーン)は150.863円を少し超えたところ。ターゲットをヒットするまでは、下がっても、再び上昇してくる可能性を示唆している感じです。
EURUSDのキーレベル:$1.05771とフィボナッチリトレースメントのレベル
また、テクニカル的には、$1.2742あたりに空いていた窓を埋めたあと、この長期のトレンドラインの下にもぐるという、プルバックのプライスアクションを展開しているのがわかると思います。
7月18日付けた高値は、昨年10月の安値からの上昇の波を使ったフィボナッチエクステンションの3.618%になります。言い換えると、3.618%というフィボナッチレベルが意識されていたことになります。
画像中にある年足ピボットポイントは、$1.05771。今年、すでにヒットしていますが、このあたりを再びトライすると言うシナリオも描けますよね。ここで一旦跳ね上がる可能性があるので、乗り遅れの突っ込み売りは避けたい場面かもしれません。
なお、8日にも記載したように、このレベルを下に抜けてきた場合は、$1.04000あたり、あるいは$1.02000あたりまでプルバックして、A-サイファーのような新種のハーモニックパターン(売り継続と見せかけて反発する鬼のパターンなど)を形成するシナリオはオンです。
DXYのキーレベル:$104.172、$108.966、$113.761。窓埋め継続中
DXY(ドルインデックス)は、以前記載した窓が再び視野に入っている環境です。空いている3つの窓のうち最初の窓は埋めましたね。すでに記載したように、キーレベルの$104.172を上に抜けてきており、次の窓までもうちょっとという場面ですので、プルバックがある場合、このキーレベルで押し目をつけるかに注目です。
経済指標やFEDで短期的に動く値幅など、へ?って感じのチャートではないでしょうか?ビッグな絵を見ると、ここしばらく記載していた空いた窓も、目には見えないので、なんかどうでもいいような感じになりますね。
チャートの左側の動きから、ドルインデックスが、長期的に$140あたりまで上昇しても、焦ることはなさそうです。笑
とはいえ、気が遠くなるようなまだ先の話ですので、一旦ズームインしてみます。マンスリーチャートを見てみると、違った絵が見えてきます。
現在引っかかっているエリアは、2001年の高値に対するフィボナッチリトレースメントの78.6%のエリア。なので、このエリアがレジスタンスになって、窓を開けて落ちてきたのも納得ですよね。
また、ちょっと気になるのは、2008年の安値からの上昇を使ったフィボナッチエクステンションかの2.24%までしか到達していないこと。
このフィボナッチエクステンションの2.24%で終わりというのは、少し中途半端。やはり、プルバックしても、フィボナッチエクステンションの2.618%のある$120あたりを狙ってくると言うシナリオを描くことができます。
こちらはドルインデックスの日足チャート。
窓のほかに注目したいのが、年足ピボットポイントの場所。今年前半に、ピボットポイントを上に抜けたものの、押し戻されたという経緯があります。
今年の残り4カ月ほどで、似たような動きになるのか?この年足ピボットのある$104前半でのプライスアクションに注目ですね。
以前投稿していたUUP(インベスコ米ドルインデックス・ブリッシュ投資信託のチャート)の方も、年ピボットポイントから遠ざかってきている状況ですね。
だとすると米ドルは下がりにくいというシナリオになります。
テクニカル分析の基本から見えるのは、米国株式や個別銘柄などは、空いている窓を埋めるプライスアクションを見せていたのに、米ドルは夏の間しばらく、そうではなかったこと。米ドルだけ特別ということはないので、引き続き、米ドルの動きには要注意かもしれません。
GBPUSDのキーレベル:$1.26400、$1.27000、ヘッドアンドショルダーズのネックライン
前回記載したように、短期足で、きれいなヘッドアンドショルダーズパターンを形成して、続落中です。このヘッドアンドショルダーズパターンのネックラインをトライするか、このまま続落するかというチャートになっていますが、ネックラインをトライした場合、そのネックラインに日足の25MAが重なってくるので、かなりのレジスタンスになりそうです。
また、画像に示したように、ポンドドルが深いプルバックをする場合、最初のターゲットは、年足ピボットポイントがある$1.27000あたり。また、ブルーの長期トレンドラインとフィボナッチリトレースメントの50%が重なる$1.17500あたりまでさげてくる可能性もありです。
資源国通貨ペアとUSDCHFのキーレベル:USDCHFは$0.88421
USDCHF、資源国通貨のAUDUSD、NZDUSD、USDCADのうち、USDCHFは、GBPUSDと似た感じのプルバックになるシナリオをオンですが、$0.88421のキーレベルがサポートになると、上昇というシナリオになります。
USDCADは、現在売りのシャークパターンにつかまっていますが、$1.33704がキーレベル。このレベルを少し下に抜けても、$1.29729の手前で、押し目をつけるシナリオも描けます。
AUDUSDは、上は$0.68823、下は、$0.61041、そして、その中間にある$0.64932がキーレベル。うろうろ状態なので、ブレイクしてくるかを見ていきます。
クロス円のキーレベル:AUDJPYは93.940円、
前回の投稿でAUDJPYの買いの5-0パターンとカナダドル円の売りのシャークパターンなどに触れたのですが、11日は円買いに傾いたためギャップダウンしています。
シナリオに入れておきたいのは、下げてきても、結果的に上昇するというシナリオ。これまでの投稿にも、クロス円のキーレベルを記載しておりますので、ご参照ください。
クロス円のキーレベル:CHFJPYは166.765円、CADJPYは108.451円、GBPJPYは183.106円と188.605円、EURJPYは156.363円と161.708円、AUDJPYは98.469円と93.940円。
ゴールドのキーレベルは$1946.97と$1836.22、CL(原油)は$92.50、シルバーは$22.806
ゴールドは、テクニカル的には、以前と同じで、過去の節目である$1892.25と$1964.12が形成するゾーンの中でうろうろしているのが目につきます。
8月後半、意識されていたサポートから反発しましたが、$1946.97を超えられないという環境。この価格帯がレジスタンスになっています。続落の場合は、$1836.22まで深いプルバックになるシナリオも引き続きオンです。
シルバーも、キーレベルの$22.806に戻ってきています。反発を試みているのですが、$23.738あたりはかなりのレジスタンスになっていまsう。
価格が少しずれますが、フューチャーズのCL2は、$92.50あたりに年足ピボットポイントがあり、今年はまだヒットしていません。最終的にはここまでは上昇してくると言うシナリオを描けますね。
米国債(ZB1)のキーレベル:$115.07、$110あたりのフィボナッチレベル
ここしばらく掲載している米30年債のZB1は、3週間たった今でもいい感じの続落アクションを展開中!ZB1については前回までの投稿をご参照ください。
JP10Yのキーレベル:0.738%、0.897%、0.914%
先々週も投稿していた日本の10年債金利は、トレンドラインがレジスタンスになっていますが、ついにギャップアップ。フィボナッチ的には、もう少し上昇してもおかしくない絵柄だったので、0.738%を超えて、0.897%、0.914%と狙ってくる可能性があります。
DJI、SPX、NDQ:フィボナッチのキーレベルでうろうろ
US100、US500、US30は、前回の投稿通り、フィボナッチや節目が意識されているプライスアクションを見せており、3週間経っても結果的には大きな絵柄に変更はないです。
US500のキーレベルは$4455あたり。このレベルの上にいるのですが、下に抜けてきて、このレベルがレジスタンスになると、話は変わります。つまり、ブリッシュではなくベアリッシュなトレンド継続というシナリオになります。
US100は$15525.62。US30は、$35055.82。
ナスダックを押し上げているテク株については、前回投稿したMetaのほか、AMZNは$135.28、Googlは$131.18、MSFTは$338.30、Applは$177.28と$154.88、TSLAは$234.48がキーレベルになっているようです。
UK100は7581あたりが結構なレジスタンスになっている様子。GER40は、空いた窓があるのですが、その手前の16144.56がキーレベル。
こちらは、ボーイング株のチャート。フィボナッチの「ザ・伸び切りゾーン」から反転しています。
注目したいのは、年ピボットポイントを今年はまだ、一度もかすめてないこと。続落となるか、プライスアクションを見ていきます。
今回は、8日の投稿のアップデートになります。上下に振れてわかりづらいチャートのように見えますが、フィボナッチや年ピボットポイントから見えるキーレベルがきちんと機能しているのがわかります。
テクニカル分析を学ぶにはもってこいのチャート達であり、早くて今週、でなければ、週明け、何かしらのビッグなプライスアクションが出てもおかしくなさそうなチャート達です。
FOMCや短期的なイベントよりも、長期的にどこにいるのか?今は、これを理解している方がよさそうです。経済指標発表などの全ての事象は、もう価格に織り込まれていますので、米国債、テク関連のETF、原油などの資源価格の動向を見ていきましょう。
何かあれば、アップデートしますね。