昨日の投稿では、ユーロドルやドル円のプライスアクションとハーモニックパターンを見てみました。テクニカル分析、プライスアクション、ハーモニックパターンなどは、トレードで使いたいツールボックスの中のツール達。FXのチャートでも機能しているように、ボラの高い相場では基本のツールが機能していることが多いです。ここではFX以外のXLFやDAXなどのチャートを探索します。
自分の目線 vs 市場の目線、先読みできるちから vs 後付け解釈
Charts have significant confluences, key levels and so on. Technical analysis with basic tools is a basic thing to utilise.
サポートで売って、レジスタンスで買う:切らされやすい場面
KBE(スパイダーS&PバンクETF)
こちらは、KBE(スパイダーS&PバンクETF)の日足のチャート。7月あたりから行ったり来たりでイライラする相場ですよね。
この画像で描画しているのは、バタフライパターン、そして、途中で切れているのですが緑のボックス、その下に太めの黄土色のライン、右側のピンクのフィボナッチの値となります。
まず、右側のピンクのフィボナッチの値は、2020年3月に安値を付けて上昇してきた過程で形成した最安値、最初の高値、4月頭の切り上げ安値の山を使って引いたフィボナッチエクスパンションからはじき出したレベルとなります。
右側に4.618(53.33)、5(55.75)というレベルが見えると思います。これらの数値が何を意味しているのかというと、フィボナッチエクスパンション4.618%のレベルが$53.33、フィボナッチエクスパンションの5%レベルが$55.75になるよということです。
次に、緑のボックスですが、バタフライパターンのABCの地点を使って描画した一回り大きなフィボナッチエクスパンションがはじき出したレベルあたりをハイライトしたものになります。バタフライパターンのBの上の方にある1.618%という数値などが見えますよね。
こちらは、同じ日足のチャートですが、少しズームインしたチャートになります。
先ほどの緑のボックスとピンクのフィボナッチエクスパンションで示したレベルに、価格が到達していることがわかります。言い換えると、右側のフィボナッチエクスパンションの4.618%や5%のレベルをヒットしているので、2020年3月からの上昇が、「ザ・伸び切りゾーン」に来てしまっているのではないか?という目線を持つことができます。
そして、ここで、もう一つ見ておきたいのが、黄土色のラインです。これは言うまでもなく2021年の年足ピボットポイントのR1(レジスタンス1)。
何となく見えてきますよね。2020年3月から今日までの流れで見えてくるのは、以下となります。
- 2021年3月に価格がフィボナッチエクスパンションの5%である$55.75を上に抜けたものの、スパイクを付けて押し戻される
- この時点で、バタフライパターンが検出されていた可能性あり
- フィボナッチのキーレベル5%で押し戻された後、3月下旬にかけて年足ピボットポイントR1の下までさらに押し戻される
- 4月はこの年足ピボットR1を行ったり来たりして、5月に上抜けたものの、高値更新失敗。バットパターンが検出されていた可能性あり
- その後6月17日の陰線が物語るのは、「ザ・伸び切りゾーン」が有効で、価格が下に行きたがっている?という可能性
緑のボックスと年足ピボットR1のあるエリアは相当なレジスタンスとなっている可能性が高いということになります。
なお、今の段階で検出されている水色のハーモニックパターンが気になるかと思います。これは、ハーモニックパターン検出ツールのトレーディングビュー版が予測しているABCDパターン。(注:トレーディングビュー版では、実際の検出パターンとこれから形成する可能性のある予測パターンが描画されます。)
今日の段階で見えてくるのは、KBEがABCDパターンを形成するという目線であれば、年足ピボットR1を上に抜ける必要があるということです。逆に、このABCDパターンが予測に過ぎなかったとなるには、$55.75から年足ピボットR1までのエリアが再び強固なレジスタンスとして機能する必要があります。
これだけキーレベルが揃ったレジスタンスのエリアを目前にしている相場環境。今のレベルから買いあがってきたとしても、その上昇が「ブルトラップ」となってしまう可能性もあるので、注意したい場面です。
XLF(金融セレクトセクター SPDR ファンド)
少し上に年足ピボットR2のラインがありますが、KBEと同じく、フィボナッチエクスパンションの5%をほぼヒットしている相場です。
DAXのホワイトスワンと年足ピボットR1
こちらはDAXの日足のチャート。ここしばらくの投稿では、DAXのキャッシュの方GER40(トレーディングビューではGER30ですが、私のMT4ではGER40へと変更されたようです)を見ていましたが、大きな絵柄は同じです。
なぜなら、DAXは年足ピボットR1をヒットし、現在ホワイトスワンを形成。ヘッドアンドショルダーズパターンの右肩を形成したようなパターンになっているようにも見えます。GER40は、キーレベルの15725.23を上抜けて大きな上ひげローソク足となっています。
このホワイトスワンが機能するとDAXのサポートエリアは14620.30あたり。ギャップとして空いている窓を埋める形で下落を継続する可能性もあるというシナリオが描けます。
DJIの年足ピボットR1
こちらはDJI(ダウ)の日足のチャート。DAXと同じで、年足ピボットR1を行ったり来たりして、金曜日はこのあたりで閉場。微妙な場所ですよね。
予測パターンとして出ているシャークパターンも気になるところですが、ダウも上昇してきた波のフィボナッチレベルは結構伸び切っているので、何があっても驚かないという目線です。
IXIC(ナスダックコンポジット)のダブルハーモニックパターン
現在、ブリッシュなホワイトスワンから上昇し、ベアリッシュなホワイトスワンが検出されているという絵柄になります。
ホワイトスワンから、ホワイトスワンへ。このまま高値更新失敗だと、ヘッドアンドショルダーズパターンの可能性もありますよね。IXICも、他の株式指数と同じ、年足ピボットR1間際のプライスアクションを展開中です。
米金利のサポートとバタフライパターンの可能性
先日、ドル円が上昇していましたが、もしかしたら、このチャートと連動しているのか?という目線になります。
茶色のラインは年足ピボット。現在バタフライパターンが予測航路として描画されていますが、先日の記事で探索したドル円の「ホワイトスワンからディープクラブパターンへ」という予測航路をつじつまのあう絵柄にも見えます。
マイクロソフト株のホワイトスワンの可能性
アップル株も同じホワイトスワン、アマゾン株はABCDパターンが予測パターンとして描画されており、この航路を進むのであれば、トレンドは下というシナリオになります。このほか、グーグル株には売りのホワイトスワンがすでに検出されています。
テクノロジーセクターがタンブル(崩れる)と、IXICやナスダックも下落するので、週明けのプライスアクションは非常に大切になります。
まとめ:FX以外のチャートを見てみましたが、テクニカル分析の基本をしっかりマスターしておくと、チャートを見た時にどこにレジスタンスやサポートがあるのかを理解することができます。ビットコインなどの仮想通貨も同じです。
テーパリングやFOMCなどのニュースでドル円や株式指数が短期的に動くことは当たり前ですが、チャートをズームアウトしてみると、ニュースだけからは理解できないものも見えてきますよね。
ここではトレーディングビューに実装できるハーモニックパターン検出ツールが実際に稼働している様子もシェアしていますが、ご関心があれば、「トレーディングビューでもハーモニックパターン! 高精度ハーモニック自動検知ツール・トレーディングビュー版」もご参照ください。
2021年9月25日の投稿記事も併せてご参照ください。