先週、米金利の上昇と一緒に吹き上がってきたドル円ですが、今週はプルバックを入れていますね。窓を埋めに売りに売りまくったスイスフランの出番はまだのようです。EURUSDのバタフライはPRZをオーバーシュートしましたが、その次のサポートでまた0.618の買いパターンに来ています。USDJPY retreated with 10Y Treasuries while SPX respected double bullish patterns, a butterfly in 1 hour chart within a Gartley in daily chart. Is SPX aiming to hit a new high? DJI appears to show the opposite in a near term.
フィボナッチ1.272と0.786の関係が取り持った買い場所
SPX: Bullish gartley and butterfly, reaching confluence area
(注:この記事は2018年の5月に投稿していたものです)
SPX:ガートレーとバタフライでの反撃は本物?
さて、今週前半下げていたSPXなどは、先週のレビューで記載したフィボナッチリトレースメントの78.6%が意識されて、後半巻き返してきましたね。
2つあったシナリオのうち2つ目のシナリオ通り、サポートでブルが参入してきたことになります。日足では、ピンクの買いのガートレー、1時間足ではそのガートレーの中にブルーの買いのバタフライが検出されました。
この2つのパターンは、0.786と1.272というフィボナッチ数値から構成されますが、1.272は0.786の逆数、0.786は0.618の平方根です。面白いですね。
ダブルでパターンが出た後のプライスアクションを見ると、恐るべし買い圧力でしたね。市場の今の目線は、SPXは押し安値を付けて、トライアングルを上抜けて、再度上にブレイクという目線だと思います。
そして、市場参加者が注目しているのは、この買いが継続してくれることだと思うのですが、クリアしなければいけない節目があるように見えます。
- ガートレーとバタフライで上がってきた価格は、チャート左端に見えるサポレジエリアに引いた青い線に到達。このラインでは価格が押し戻されたり超えたりとプライスアクションが活発になっています。
- オレンジの切り下げライン このラインの優位性は定かではありませんが、価格は反応しています。
- ピンクのチャネルのミドルライン 週後半の動きでできるチャネルのミドルラインを抜けてさらに上がってくると、オレンジのガートレーになるという目線にはまだ優位性があります。
- 太い右上がりの緑のラインは週足のチャネルの上限 このラインが曲者です。SPXが、オレンジのライン、緑のチャネル上限、ピンクのチャネルのミドルライン、そして青いレジサポラインが交差するエリアで上ひげになっているのは、注目に値します。
- このまま緑のチャネル内に押し戻され、これを上に抜けられないと、以前に書いたDJIと同じように、オレンジのガートレーまで行くまでもなく、買いの手じまいと損切で、下の方向に落ちてくる可能性を否定できません。
SPXの30分足チャートで見るチャネル
30分足に降りていくと、オレンジのラインなどで反応しているのがわかります。
立ち上がりからのフィボナッチエクステンションは4.618%あたりですので、ここから今すぐに買い上がってくることを考える場面ではなさそうです。
青の曲線のようにどこかで下げ止まり、上昇してきた場合、次のレジスタンスは今の価格帯。ここを超えられないことには、上に行くことは出来なさそうです。仮に上抜けした場合、まずは、大きなガートレーに行く前に、薄い紫のサイファーができるあたりの2700-2717あたり。少なくとも4月19日ギャップダウンした際の窓を埋める動きになるかを見ていきます。
SPXは、DJIと異なり、4月2日の安値が切り上がっているので、トライアングルを形成し、さらに新高値を目指す動きになると考えているトレーダーが多いと思います。その一方、DJIが安値を切っているとすると、大きな指数間でダイバージェンスが発生していることになります。
DJIは、現在US30のチャートを見ると、日足の20MAをレジスタンスとして売りのバタフライが24333で出ています。
なお、ブローカーのクウォートの違いでこの数値は少しずれますが、微妙なエリアにいますね。もう少し上の24380あたりにはPRZ(潜在的反転ゾーン)の最上限。その上の24577-590には、4時間足の800MAと日足の50MAが走っていますので、レジスタンスは堅そうです。
ここまで来ると月曜の高値を超えてのフィボナッチプロジェクションの1.13%で、青の売りのシャークパターンになる可能性もあります。グランビルの法則でいう日足の20MAへの戻りを付けた今の価格帯のバタフライがそのままレジスタンスとなるか、それとも、何度も反応している年ピボットのミドル値のある24806あたりをもう一度トライするのか?そして、このあたりを走る週足の20MAまで戻りを付けるのかだと思います。
DJIがバタフライで先に下げ始めると、SPXとNASDAQはどうするのでしょうか?ナスダックも緑のチャネルのミドルラインと、オレンジのチャネルの上限で止まっています。SPX500、ダウ、ナスダックのフューチャーズのチャートを見ても、週足のチャネルの上限が結構なレジスタンスになっています。
ADPに関係なくプライスアクションが出る相場
ドル円は売りのサイファーパターンでいったん反応し下落したものの、上昇トレンドが強かったので、さらに押し上げ、シャークパターンとなり、その後、年ピボットのミドル値まで来て、1時間足で、小さな売りのディープクラブが出現という流れ。そして、このタイミングでADP。
このミドル値を頭にヘッドアンドショルダーズパターンとなるのか、それとも、レンジとなるのかを想定しつつ、一応、短期では、紫のボックスあたりまでプルバックを入れて来ることは十分に考慮。
ドル円は、110円の節目まできちんとタッチに来てくれましたが、どちらかというとこのレジスタンスでは高値掴みに要注意+売り目線だったので、ADPの結果に関係なく、レジスタンスでプルバックを開始して下げたのは想定通りの動きでしたね。
なお、「ユーロドルのバタフライ, ドル円のサイファー EURUSD’s Butterfly, USDJPY’s Cypher」で投稿したJPYのフューチャーズは、依然としてずるずると下げてきており、この間は、ドル円のショートに手出しをするのは無理で、トレンドに従ったトレードでよかったと思います。
その後、反発したのと合わせてドル円は下げてきているのですが、フューチャーズは何となく中途半端な場所での反発ですので、売りでもうひと下げ来ること=ドル円の直近の下げに対する反発も無視できない、厄介な状況に見えます。
米10年債は、フィボナッチエクステンションの4.618などと3%という節目で一旦頭落ち。この後、引き続きプルバックを入れて、リトレースしてくるのであれば、ドル円は下げ方向に目線が変わります。ABCと3波で落ちてきて、また3波で高値3%に戻しをつけるような動きをするかもしれないですね。
10年債の不思議なところは、価格チャートでいう売りのポジションが若干減ったものの、売りのポジションは依然として積みあがっていることです。売りポジション解消ではじけると、価格チャートにある買いのブラックスワンが有効となり、価格上昇 = 金利は下げで、ドル円はつられて先週までに上がってきた分を戻す展開になる可能性もなき西もあらずです。
ドルインデックスのシャークパターン
DXYは、先週出ていた売りのシャークのPRZ(潜在的反転ゾーン)の最上限でレンジです。小さな下のピンクのパターンでは2.618というレベルが見えると思います。小さな波を見ても初動からのフィボナッチエクステンションの5を超えている勢いです。2017年11月の高値への戻し61.8%と、H&Sのネックラインというレジスタンスにも到達。
いろんな山谷を見ても、1.618などのレベルもここにあるので、こういう時こそ高値掴みのリスクが高くなりそうです。
プルバックが深くなると、黄土色の50%戻しの5.0でここで日足の20MAがサポートとなります。
EURUSDのA・ネンスター(アンタイ・ネンスター)
EURUSDには先週、バタフライが検出され、PRZ(潜在的反転ゾーン)の最下限まで落ちてきています。現在、「A・ネンスター(アンタイ・ネンスター)」というパターンが出ておりますが、この辺りの価格は、先週からのバタフライのPRZでもあり、意識されるサポレジエリアですね。
RSIなどはダイバージェンスのように見るので、ドル買いの手じまいと合わせて、EURなど対ドルペアの売りの手じまいが入ることによる短期的な上昇には注意です。
なお、1時間足を見て5分足でトレードするようなレベルだと、先週の下げ、つまりPRZ内での小さなダウントレンドをサクッと取っているトレーダーさんは多いと思います。来週、仮に上に向かって反発をしてきた場合、長期のレジサポを意識しつつ、1時間足レベルで買ってサクッと逃げ切るトレードも可能だと思います。
EURUUSDは天井を打ったと判断し、長期で売りポジションをとっているトレーダーさんは、少しぐらい買いの反発があってもポジションを解消しないでしょうが、注目点は、EURUSDなど対ドルペアの戻りが38.2,50、61.8%のフィボレベルで収まるのか収まらないのか? 0.786までまた大きく買い勢力が価格を押し上げるのかなどです。
EURUSDは、1.22296あたりで日足と週足の20MAが交差しますのでここまで戻しを付ける可能性はあります。また今の価格がある年ピボットのミドル値は年足の20MAが走っています。これに再度、支えられると、下から、年20MA、週足20MA、日足20MAという順番ですので、まだまだ予断は許せない状況ですよね。
沈み続けるスイスフランさん
USDCHFは1.0033に年ピボットのミドル値もあるのでここまであと50ピップスほど。これをタッチしに来る可能性も含め、様子見とします。なお、先週と変わらず、EURCHF、GBPCHFなどにはすでに日足など大きな足で売りのパターンが継続して出ているのと、フランの売りポジションも積み重なってきているので、いつはじけてもおかしくない状況ではあります。引き続きスイスフランには注目します。
コモディティ:ゴールドは、1300ドルをキープする
1300ドルのサポートが確実になり、今いる日足の200MAが、プールの飛び版みたいにびよーんと価格を跳ね上げてくれればいいですが。
4時間足では、RSIとMACDが、価格が下げ止まっているのに徐々に上がって来ており、ストキャスティクスも日足では売られすぎエリアから反発してきています。いわゆるヒデゥンダイバージェンスでしょうか。
先々週から同じく1435-1480ドルあたりを想定しているので、ぜひ上がってきてほしいです。
3月3日に投稿した「ダウUS30 vs ガートレー, DJI vs サイファー A bearish gartley, US30 tanked」もご参照ください。