フィボナッチ、年ピボット、ローソク足が主役:米10年債、ドル円、ゴールド、UK100

8日金曜日のNY閉場前は、上昇しては落とされるといううろうろ状態の米株式指数の動きが目立つのですが、NFP前から、興味深いキーレベルで抑えられていたチャートがありました。NFP後の短期的な動きはどうでもよく、テクニカルの基本が効いているチャート達をサクッとシェアします。

フィボナッチ、年ピボット、ローソク足

Market’s price actions: Have final legs in bullish moves ended?

ドル円:141.513円という懐かしいキーレベルから反発

USDJPY Key levels ドル円チャネルとサポート 8 Dec 2023

ドル円は、以前から掲載しているチャートのアップデートとなりますが、見るべきは赤のチャネル紫のチャネル緑の長期のチャネルです。

記載していた145円前半から後半のエリアを突き抜けた後、ずいぶん前からシェアしていた141.513円のキーレベルをヒット。

こちらのチャートでは、シェアしていた水色のボックスのエリア内で見事にストップということになります。

で、その後、強烈な下ひげの長いローソク足が出ましたね?

141.513円の上の142.300円あたりは、直近の安値に対するフィボナッチリトレースメントの38.2%のエリア。さらに、日足の200MAや週足のボリバン2シグマも走っているので、結構なサポートエリアでした。この後、もう一度下げるかどうかはわかりませんが、反発継続する場合の最初のターゲットは145円ミドルあたり。

DXY(ドルインデックス):窓埋め、逆三尊?ブリッシュなプライスアクション継続?

DXYは、先週記載していた$102.250あたりまで落ちてきた後、今日の上昇で、逆三尊のようなパターンになっています。

前回と同じく、レジスタンスは$104.172という最強ライン。これを上に抜けてくると話は変わりますので、ドル売りには注意かもです。DXYは、窓が2つ空いたままになっていることにも注意したいですよね。

クロス円:EURJPY、AUDJPY、GBPJPYなど上昇転換は後回し!

クロス円は、ドル円と同じく一旦円買いに傾きましたが、出ているのはバタフライやシャークなどの買いのハーモニックパターン。

こちらはAUDJPY。ドル円と似ていて、キーレベルで反発しています。

このほか、カナダドル円とスイスフラン円にはブリッシュなバタフライパターンが登場。

ユーロ円とポンド円には、買いのハーモニックパターンがいませんが、ユーロとポンド関連の短期的なニュースで独自に動いてから、何かパターンが出てくる気配あり。

ただ、どのクロス円に共通しているのは、PRZ(潜在的反転ゾーン)が、もう少し下の方にあることと、反発継続する場合は、高値を更新する可能性があること。なので、もう少し様子見です。

クロス円のキーレベルをまとめておきます。

CHFJPY(スイスフラン円):154.249円、160.507円、166.765円、174.443円。

CADJPY(カナダドル円):103.643円、108.451円、114.292円、120.133円。

GBPJPY(ポンド円):176.965円、183.106円、188.605円、194.105円。

EURJPY(ユーロ円):151.019円、156.363円、161.708円、168.368円。

AUDJPY(豪ドル円):93.940円、98.469円、103.019円。

ゴールド、シルバー:強烈なうわひげローソク足が見せたプライスアクション

ゴールドは、$2057.73がキーレベル。これまでの動きをおさらいすると、4日月曜日の高値は、直近安値から見たフィボナッチエクステンションの4.618%の場所で、ここで止められて、行って来い状態でしたが、行って来いどころか、続落しています。

テクニカルの基本であるローソク足をあなどってはいけませんでしたね。引き続き、$1946.97までプルバック、さらには$1836.22も視野に入れておきます。

シルバーも、同じ。キーレベルの$25.438をヒットしていって来いから続落状態。プルバックが深い場合は$22.806、さらに深い場合は、$20.742もターゲット。

米国債(ZB1、ZN1):ワンモアダウンはこれから?

米10年債のフューチャーズのZN1には、売りのシャークパターンがいましたが、JOLTS JOB OPENINGとADPの結果で、上昇を試みていたのが経緯となります。

ただ、これらの雇用関連の統計が出て上昇を試みていた5日と6日には、水色のボックスで示したように、フィボナッチの「ザ・伸び切りゾーン」の上限をヒット。

NFPで短期的に上昇を試みても、おそらく反転するだろうというシナリオを想定できていた絵柄です。

そして、いつも投稿している長期のZB1の方にも、ブラックスワンがいたのですが、こちらはブラックスワンもさながら、結構なレジスタンスをヒット。

基本は、右下がりの緑の長期チャネル

オレンジの矢印はJOLTS JOB OPENINGの結果を受けてのローソク足。

その後ADPで上昇を試みたものの、また、緑の長期チャネルの中に戻ってきていますよね。

特に、ZB1は、10月31日につけた安値と翌日の安値の間に、微妙に窓を開けてしまっているので、深いプルバックになるのかもしれません。

そうなると、チャネルの下限を目指すシナリオはオンで、金利が再び上昇する可能性の方が高そうですね。

また、ゴールドが、NFP前から、あの勢いで下げていたので、何かを示唆しているのか?金利アップということでしょうか?笑

こちらは、MOVE(米国債の予想変動率)。

この指数はしばらく年ピボットの下にいたのですが、上昇して、上に抜けてきています。

やはり国債にボラが出る=売り再開となるのか?非常に気になるチャートですので、是非トレーディングビューで見てみてください。

DJI、NDQ、SPX:伸び切って、さて?

今週も、DJI(ダウ)、SPX、ナスダックのプライスアクションは、フィボナッチのキーレベルを意識しながら展開されています。

目につくのは、US100(ナスダックキャッシュ)とNDQのフューチャーズが高値に対するフィボナッチリトレースメントの88.6%でぴったりと止められていたこと。

こちらはアップデート版ですが、空いた窓の一歩手前で、トレンドラインにも突っかかっています。

ワンモアアップで、窓を埋めてくれた方がすっきりしますが、なんともですね。

その一方、ダウは、昨年付けた高値に近い場所に空いていた窓を埋めて、フィボナッチリトレースメントレベルの88.6%もヒットしています。

ギャップのあるボックス内でヘッドアンドショルダーズパターンを形成しているようにも見えますよね。

ダウが行きたがっている方向をすでに見せてくれているのであれば、ナスダックとSPXもいずれは、追いつくことになる。

となると、短期的な反発上昇があっても焦らないことですよね。

指数間のダイバージェンスが出れば出るほど、弾けた時の反動が大きいので気をつけたいところです。

ナスダックと同じで、空いた窓をまだ埋めてないのが、SPX。

SP500のキャッシュでは、結構なレジスタンスが、$4611.67にあり、その手間に空いていた小さめの窓を埋めて、でまた落とされています。

画像にあるように窓まであと少しですが、ベアリッシュなシャークパターンも出ているので、なんともです。

ナスダックと同じで窓を埋めてくれた方がわかりやすいのですが、埋めないで、下落に転じても問題ないです。

UK100:3ドライブパターン

こちらはUK100。

キーレベルの7581.73でぴったりと止められて3ドライブパターンが出ています。

PRZ(潜在的反転ゾーン)は、もう少し上のフィボナッチリトレースメントの78.6%あたりと重なるように表示されていますが、長期の移動平均線も上からかぶさっている状態ですので、週明けギャップダウンするシナリオもありですよね。

AAPL、MSFT、BA、NVDA、GOOGL:レジスタンスとフィボレベルのヒット待ち

こちらは、アップル株。先日、$195.61あたりにある窓を埋めようとして、失速し、今日はトライしていますね。

問題は、窓を埋めた後のようです。

その他テク株では、すでに、フィボナッチリトレースメントレベルの88.6%をヒットして下落しているGOOGL。

$131.17のキーレベルを見事に下にブレイクしたのですが、再びギャップアップ。いずれにしても、この価格レベルが鍵となります。

マイクロソフト株は、$376.32がレジスタンス。現在、反発上昇していますが、この価格レベルで抑えられるかどうかに注目です。

そしてAIブームで、注目を集めているNVDAも、キーレベルは$484.05。一旦は上に抜けていたのですが、押し戻されて、再びトライしている様子。マイクロソフト株と同時に、こうしたレジスタンスをヒットするまではナスダックもSPXも上昇を試みると思われますが、ヒットした後の方が大切になりそうです。

こちらは、バークシャーハサウェイ株。

すでにフィボナッチの「ザ・伸び切りゾーン」にいますね。$353.78が直近のキーレベルになります。

また、同じようにフィボナッチの「ザ・伸び切りゾーン」にいて、ギャップダウンしているのが、LQD、HYG、JNKといったコーポレートやハイイールド系のETF。

フィナンシャル系にボラが出ると、SPXが引きずられてしまう可能性があるので、週明けの動きには注目です。

ずるずると下げているVIXには、$10.13あたりに窓が開いています。これを埋めるのであれば、まだ下げを継続することになりますが、Snap Back (突然の跳ね返り)も想定内です。

今週のプライスアクションで見えてくるのは、レジスタンスで抑えられて下落再開への準備が整ったようにみえる米国債や、フィボナッチの伸び切りゾーンにいてギャップダウンしているハイイールドやジャンクのETFの存在。

その一方で、ナスダックやSPXがなかなか落ちてこないのは、窓埋めや戻り高値を付けるために上昇しているテクノロジー株の存在があります。テクノロジー株の勢いが止まる、あるいはフィボナッチやキーレベルによって止められてしまうと、VIXやVVIXが強烈に炸裂するかも?です。

また何かあればアップデートしますね。

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