トレードに活かしたいシンプルで強力なトレンドラインとチャネルの使い方-Trend lines and channels

ここ最近のSP500の値動きに触れた投稿で記載したトレンドライン。SP500が爆下げした背景にあったのはこのトレンドラインというシンプルなラインです。トレンドラインは一本のラインですが、2本の平行したラインからなるチャネルという仲間も今後のチャート分析で活用していきたいツールです。復習を兼ねて、事例を交えシェアします。Trend lines and channels are effective in live markets!

1本のラインと2本のラインというお宝が活躍!

Trend lines and channels are vital tools.

トレンドラインが効いた相場から学ぶ

テクニカル分析を学びだすと必ず出てくるトレンドラインは、安値と安値や、高値と高値を結んで引く一本のラインであり、このラインが抵抗線(レジスタンスやサポート)になることはご存知だと思います。移動平均線と同様、相場が動いている方向(トレンド)を示してくれる一つのツールですね。

このブログでは年足や週足のピボットポイントなど、水平のラインをよく取り上げますが、ここしばらくのボラティリティ相場を見ていると、斜めのラインであるトレンドラインが機能している相場も存在しており、「欧米のプロトレーダーが徹底して頭に叩き込んでいるテクニカル分析の基本中の基本なくして、相場では勝てない」ということを実感しています。

そのため、今のライブな相場から、トレンドラインが効いた相場をピックアップしてシェアします。

SP500フューチャーズ(ES1)の日足に見える長期のトレンドライン

3月6日に投稿した「NFP+金曜の手仕舞い+フィボナッチ=まさかのドル買いと株式の反発?ゴールドとシルバーのダイバージェンス」をご覧いただくと、長期のトレンドラインが半端なく効いているのがわかります。

この画像はES1の日足のチャート。

まず、上記の記事内では、高値を結んだ右上がりの濃紺のトレンドラインに焦点を当てていましたが、この画像には、ピンクのトレンドラインも追加しています。

一目瞭然ですね。

ピンクのトレンドライン際をじりじりと上げてきた価格ですが、高値を付けた時には、MACDが日足のレベルでダイバージェンスの状態でした。

また、2月2日に投稿していた「Back to basics:トレンドライン、ボリンジャーバンド、プライスアクション:株式指数、ユーロドル、ドル円」では、ハーモニックパターンから見えるフィボナッチのプロジェクションやエクステンションなどのレベルが「ザ・伸び切りゾーン」に達し、その中での値動きになっていたことも記載していました。

SP500フューチャーズ(ES1)の1時間足で見える長期のトレンドラインからの撃沈劇

ES1 Potential target for a bounce 6 March 2020 SP500フューチャーズ反発のターゲット

この画像は、6日に投稿していた画像。

濃紺のトレンドラインを2回ほど上抜けしたものの、逆走しています。

 

 

SP500フューチャーズ(ES1)の30分足で見える短期のトレンドラインからの撃沈劇

こちらは、ライブで見ていた30分足のチャートです。(トレーディングビューで閲覧できます)

4日に、長期トレンドラインを再度トライしたものの、下に潜り込み、この長期トレンドラインに対して、小さなリターンムーブを付けています。

その後下げてきて、水色のトレンドラインを割ったあと、このラインに対してまたリターンムーブを付けかけて失速しました。また、この長期のトレンドラインを上抜けず、下落すると想定できたもうひとつの根拠は、緑のチャネルの存在。点線のミドルラインがレジスタンスとなっていますね。

チャネルの魅力も知ろう♪

XLF(金融セレクトセクターSPDRファンド)の週足に見える2つのチャネル

3月7日に投稿した「チャートパターン vs センチメント vs 金利:Interest rates at crucial level」で見たXLF。細かいテクニカル分析はこの記事にお任せし、ここでは、2本の平行したラインからなるチャネルに焦点を当てて見ていきましょう。

XLFは週足のチャートで見ていきます。(見づらい場合は、トレーディングビューで閲覧できます)

まず目につくのは濃紺の下げているチャネルと、赤の上昇しているチャネル。

SP500やダウと同じような値動きで、赤のチャネルの下にギャップダウンで潜り込んでいるのがミソです。先週、反発を見せたものの、濃紺のチャネルの上限がレジスタンスとなっているのも見えると思います。

XLF(金融セレクトセクターSPDRファンド)の日足に見えるトレンドライン

こちらは日足のチャート(トレーディングビューでXLFの同じ画像を閲覧いただけます)

ここに追加したのは、緑のトレンドラインです。年ピボットと書いた左側にあるライン際のローソク足は、2月26日のもの。

その後、年ピボットをギャップダウンし、上記でみた濃紺のチャネルの上限までリターンムーブとして上昇したものの、再び撃沈しているのが見えると思います。そして3月6日の金曜日には赤のチャネルのミドルラインを下割れという相場環境です。

ドルインデックス(DXY)の長期足のチャネル

DXYはFXトレードで欠かせないチャートですが、過去に投稿した記事でも記載していた長期の紫のチャネルの上限が意識されているのがわかると思います。

青のチャネルのミドルライン際のじりじりとした上げも見えますね。

なお、6日の金曜日にはこの紫のラインを下抜けしているので、ここからのプライスアクションに注目です。

ゴールドが語るチャネルのもうひとつの役割

ゴールドの値動きと波の形から、チャネルが持つもうひとつの役割について、探索していきます。

日足のチャートにズームインします。(見づらい場合は、GC2のチャートをトレーディングビューで閲覧できます)

まず、目につくのが、5波からなる推進波のような値動き。ここで思い出したいのが、推進波でも調整波でも、エリオット波動分析ではチャネルを使うことです。

今のゴールドの場合、第(3)波が第(1)波に比べて短い可能性もあり、推進波でないというシナリオを頭の片隅に置いておきたいですが、推進波であってもいずれは終了を迎えます。

赤のチャネルと、オレンジのチャネルが物語るのは、レジスタンスが近いこと。5波からなる推進波であれ、単なる調整波であれ、その終了が間近であることも示唆しています。

今週は、これらのチャネルのミドルラインがレジスタンスとなっていることにも注目です。ゴールドは高値と安値がはっきりしたチャートなので、比較的チャネルやトレンドラインを引きやすいチャートですので、ぜひ引いてみてください。

赤とオレンジのチャネルと、濃紺のチャネルの上限が重なってくる$1560-1580あたりが節目のようで、上記で見たSP500やXLFのように、これらの価格帯を下抜けした後、リターンムーブを付けるために上昇し、さらに抑えられて濃紺のチャネル上限の下にもぐる可能性など、プライスアクションを見るべき場所がわかりませんか?

ゴールドのチャートを週足で見た場合の画像は、昨日3月6日に投稿した「NFP+金曜の手仕舞い+フィボナッチ=まさかのドル買いと株式の反発?ゴールドとシルバーのダイバージェンス」をご参照ください。

ゴールドは、週足で見える濃紺のチャネルの起点をA波とし、その後のチャネル下限までの動きでB波、そして今は、鬼のC波にいる可能性もあります。つまり、大きな絵では、調整波にいる可能性があります。

トレンドラインとチャネルのまとめ:トレンドラインとチャネルは、テクニカル分析の基本であり、この使い方をおざなりにすることはできません。ボラティリティが高く、暴落のような動きをしている相場でも、トレンドラインやチャネルが形成する節目は必ず意識されています。

ただ、ローソク足のひげの上限や下限を使うのか、ローソク足の実体だけを使って引くのか?ラインがたくさん引けるけどどれが有効なの?といった判断に悩む場合もあり、簡単に引けるものではないのも事実です。言い換えれば、たくさんある高値と安値の中で、どれが優位性のある高値と安値なのかを知ることも必要となります。ゴールドのように、使う高値や安値によっては、チャネルが2つになったりすることもよくあります。

とはいえ、トレンドラインとチャネルは、他のテクニカル分析の基本ツールと合わせて使うべき、基本中の基本のツールです。移動平均線、フィボナッチ、ピボットポイントなどの他のツールと組み合わせることで、エッジのある価格帯が見えてきます。

トレンドラインなどに関する過去記事もご参照ください

トレンドラインのロールリバーサルなどチャート分析の基礎が機能したXLF – XLF’s clear resistance

エリオット波動の基本: チャネルの使い方 -Elliott Wave basics: Using a channel

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