先週のホワイトスワンから少し下落したユーロドルはトライアングルを上抜けて今月のマンスリーピボットまで到達。その一方、ドルインデックス(DXY)にはブリッシュな5-0パターンがいた相場。どの相場も、決着がつかないまま一週間が過ぎましたが、今週はターゲットをヒットした後のプライスアクションに準備しておきたい環境に見えます。Targets nearby, harmonic patterns in place.
手ぐすねを引いて待つ相手がいそうな相場達
US500 and US30: Price action after hitting their targets in focus
トライアングルからのスラスト?
DXY(ドルインデックス)のブリッシュ5-0パターン
今年1月の安値と3月の高値を使ったフィボナッチリトレースメントレベルを見ると、半値戻しとなるフィボナッチリトレースメントレベルの50%の少し上で5-0パターンが検出された格好になっています。
この時点では、どちらかというと、きっちり50%をヒットするのを待つというスタンスで、今でも同じです。また、次のフィボナッチリトレースメントレベルである61.8%の価格帯には、週足20MAが重なっており、こちらのレベルも強力なサポートとしての根拠を与えてくれます。
5-0パターンを使う場合は、フィボナッチリトレースメントレベルの50%がパターン成立の第一条件となるのですが、次の61.8%も併せて考慮するのが得策のようです。
EURUSDのトライアングル
ユーロドルは、先週、記載したように、DXYが、フィボナッチリトレースメントレベルをきっちりヒットせずうろうろしている状況ですので、ハーモニックパターンが出ていても、「いや、ちょっと待てよ」という環境が続いています。
ホワイトスワンパターンで反応し、さてどうなるかとどうなるかという場面から、形成したのは横向きの動きからのトライアングル。このトライアングルですが、これを上抜けしたプライスアクションがいわゆる「スラスト(Thrust)」であるならば、ここしばらくの上昇トレンドの終焉を徐々に示唆している可能性があります。
ユーロドルの次のターゲットで、プライスアクションが出そうな価格帯は、$1.20070あたりから$1.20284の価格帯。あと少しのピップ数ですので、週明けに上昇していても「リスクvsリワードが逆転」しつつあることも頭の片隅に置いておきたいですね。
USDJPYのサポートは107.720円、USDCHFはターゲット到着、クロス円はワンモアアップ?
ドル円は、投稿していたベアリッシュなシャークパターンのゴーストが機能したままですが、DXYと同じようにな格好で、もう少し下落してほしいというのが正直なところ。先週と同じく、今年1月の安値から3月につけた高値を使ったフィボナッチリトレースメントのレベルではもう少し下落してもおかしくないので、様子見です。
USDCHFは、キーレベルの$0.91794までプルバックしてきましたね。プライスアクションが活発になり、ダブルボトムのようになっています。
その他、GBPUSDは現在ベアリッシュなスリードライブパターン。PRZ(潜在的反転ゾーン)はもう少し上にあるのと、DXYの動きがまだ不明確なので、上昇しても焦らないという目線です。直近のGBPUSDの節目でありレジスタンスは、$1.38620から$1.38840の辺り。
クロス円は、長期の時間足でベアリッシュなハーモニックパターンが居座ったままで、ハーモニックパターンのPRZの中での動きを継続しており、大きな節目であり、かつレジスタンスとなる価格帯を再度トライする可能性がありそうですね。EURJPYの節目は、130.799円、NZDJPYは79.42円。
国債(金利)のチャートが面白い!
米10年債のフューチャーズの他のチャートのTN1とZN2や、5年債と30年債のチャートでも、価格は年足ピボットをきっちりとヒットしてから、上昇しているのですが、このZN1はヒットしていません。
なお、この画像の真ん中を横に走る濃紺のラインは長期のトレンドラインです。このラインを上に抜けられるかに注目です。抜けた場合、134あたりがターゲットのようです。
また、短期の3か月物の金利は、直近の上昇に対して、フィボナッチリトレースメントレベル78.6%までプルバックし、ガートレーパターンを形成しているように見えます。つまり、3か月物の金利が上昇する可能性があることを示唆しています。
国債(金利)のチャートが面白い!
ゴールドは以前から投稿しているチャートに見える$1807.07がキーレベル。ユーロドルと似た絵柄で、このレベルに週足20MAの移動平均線が上からかぶさってくる、レジスタンスとしては都合の良い価格帯です。ここまで上昇した後のプライスアクションに注目です。
米株式指数はターゲット間近
先週、指数間のダイバージェンスに触れましたが、引き続き、金融関連のETFにはベアリッシュなバタフライパターン、US30などにはベアリッシュなブラックスワンが居座っている相場環境。PRZの上限に達しているわけではないので、もう少しブリッシュな上昇が続く可能性があります。
US30キャッシュの場合、レジスタンスは$34,590.74、US500キャッシュは$4,262.59。ここまで上昇してくるのあれば、ダウはあと約400ポイント、US500は約40ポイント上昇してくることになります。
先週ちょっとだけ触れたマイクロソフト株は、強烈なレジスタンスをヒットしてきましたが、少しだけ上抜け。その一方、アマゾンやアップル株はもう少し上値余地があるので、ナスダックは上昇を再開する可能性もありそうです。
なお、現状では、NDX(ナスダック)とIXIC(ナスダックコンポジット)はダイバージェンスの様相。IXICがNDXに追いついて高値を更新するかに注目です。
SP500などは、ここしばらくの上昇の波を見ると、小さな時間足では、「ザ・伸び切りゾーン」を踏み倒して上昇している相場ですが、ユーロドルと同じく、「リスクリワードの逆転」にはそろそろ注意したいところです。
そして、今週の動きでさらに恐怖指数間でダイバージェンスが顕著に。VIXはずるずると下げていますが、VVIXは木曜日のオープンからの上昇を継続し、現在107.8まで上昇。
また、ここしばらく掲載していたXLF(金融セレクト・セクター SPDRファンド)、KBE(スパイダーS&PバンクETF)、IWM(iShares Trust Russell 2000)といったチャートも併せてみておくと面白い絵が見えてきます。とりわけ、IWMはヘッドアンドショルダーズパターンか?というチャートパターンを形成しているようにも見えます。
週明けは、米ドルがフィボナッチリトレースメントレベルをきっちりヒットするまでは、ユーロドルも米株式も、そしてゴールドも上昇するという大局のシナリオを考えています。DXYがターゲットをヒットするのと同期で、US30(ダウキャッシュ)などが、ターゲットをヒットしていれば、その後のプライスアクションを待つというシナリオになりそうです。
手ぐすねを引いて待っているベアにとって売りポジションを構築するには都合の良いレジスタンスが間近かもしれないですね。