異なる時間足に現れた3つのハーモニックパターン!USOILのバタフライパターン、ABCDパターン、サイファー

ハーモニックパターンを使っていてよく遭遇するのが、異なる時間足に異なるパターンが出現すること。形こそ違えど、どの時間足でも、同じ方向への値動きを示しているのが肝です。2017年12月に投稿したユーロ円の記事では3つの異なるハーモニックパターンについて触れましたが、今日は、今動いてリアルなUSOILのチャートを使って少し探索してみます。

3つもいれば、そろそろ炸裂でしょうが、少々お待ちを。

USOIL: 3 different types of bearish harmonic patterns

ユーロ円については、異なるブローカーに出た異なる3つのハーモニックパターンについて探索しました。ここでは、1件のブローカ―の異なる時間足に出ている異なるハーモニックパターンについて探索していきます。

USOIL vs 地政学リスク vs センチメント

USOIL:月足にいるサイファー

USOIL Monthly chart Bearish Cypher 原油の月足売りのサイファー 14 Feb 2022こちらはすでに投稿している月足のベアリッシュサイファー。$91.23のキーレベルを上抜けている様子。

サイファーパターンのPRZ(潜在的反転ゾーン)の上限は$97.42。そしてすぐ上に次のキーレベルの$99.29があります。

サイコロジカルな面から言うと、$100ドルまであともう少し、そしてウクライナ情勢もあるので、ヒットしてくる可能性もありますよね。

USOIL:日足にいるABCDパターン

日足のチャートには、ベアリッシュなABCDパターンが登場しています。PRZの上限は$96.47。

USOIL:4時間足にいるバタフライパターン

こちらは4時間足にいるベアリッシュなバタフライパターン。日足で見えるABCDパターンのBCDをつなぐ場所に、バタフライパターンが出ていることになります。

 

 

異なる時間足にハーモニックパターンが出た時の対処法

1つの時間足に限らず、異なる時間足に同じ、または異なるハーモニックパターンが検出された場合、思い出しておきたいことがいくつかあります。

その1:長時間足のチャート > 短時間足のチャート

移動平均線と同じように、長期足のチャートに出てくるハーモニックパターンの方が、短期足のハーモニックパターンよりも力が強くなります。USOILの場合、月足で出ている売りのサイファーは長期的に売りに傾くことを示唆した大きな絵柄。ラフスケッチですね。

日足で見るABCDパターンと4時間足のバタフライパターンが示唆するのは、トレンド転換までに要するのが直近の数時間から数日間というタイムスパン。

大きな時間足にハーモニックパターンが登場した場合、すぐに転換の動きを見せる、あるいは、市場はそれまでのトレンドが終焉したとは意識していないので、売り買いが交錯してレンジやジグザグした動きなることが考えられます。すぐに転換の動きになってドン下げしてくれると非常にわかりやすいのですが、そうならない時があるのが相場です 笑

その2:異なるハーモニックパターンのPRZ(潜在的反転ゾーン)の場所

USOILの月足のサイファーのPRZの上限は、$97.42、日足のABCDパターンのPRZの上限は、$96.47、4時間足のバタフライパターンのPRZの上限は$96.16。$96.16から$97.42の間がレジスタンスゾーンの候補になります。

逆に言うと、月足のサイファーのPRZの上限である$97.42をヒットしていない以上、4時間足のバタフライパターンで下落しても、押し目を付けて再び上昇する可能性が残されている相場ということになります。再び上昇して、直近高値を更新したら、月足のサイファーが示す$97.42を目指しているとみることができますよね。デイトレで1時間足や15分足のチャートだけを見ていると、移動平均線が上向きなので、上昇トレンドが継続という目線から離れずらいということがわかると思います。

その3:他のテクニカルツールとの組み合わせ

ハーモニックパターンは、フィボナッチをベースにしたトレードのツールボックスにあるツールの1つであり、すべてではありません。

こちらは、上記のUSOILの日足のチャートに、フィボナッチとボリンジャーバンドを付け足したものです。画像左にある大きなひと山と、直近の小さなひと山を使ったフィボナッチエクスパンションのレベルを出してみました。

文字が重なって見づらいですが、右端にあるティール色の1.382はフィボナッチエクスパンション1.382%。フィボナッチの肝の数値ですよね。

ピンク色の2.618%というのは、直近の山のフィボナッチエクスパンションの比率。これも肝の数値。これらが示す$94.91のレベルで、ぴったりと止まっていますよね?

しかも、ボリバンを突き抜けて戻されている格好です。

何が言いたいかというと、テクニカルツールを一緒に合わせることで、根拠が増えるということです。ハーモニックパターンを使い始めると、転換する優位性が先に見えてしまうので、すぐにポジションをとりたくなるのですが、ハーモニックパターンは根拠の一つにしかすぎず、忘れていけないのは、他のテクニカルツールとの調和というか、他のテクニカルツールを使っているトレーダーの目線。

この場合、フィボナッチエクスパンションのレベルや、レジスタンスの役割を果たしていそうなボリバンの存在もあるため、ここからの下落に少し優位性があるかな?という目線にはなります。それは間違いではありません。

その4:オシレーターはダイバージェンス形成?

USOILのチャートで、RSI、ストキャスティクス、MACDなどのオシレーターを見てみます。4時間足と日足のMACDとRSIは、価格が上昇しているのに、オシレーターは上昇していないダイバージェンス状態。月足でなく週足も、徐々にモメンタムが弱くなってきているのがわかります。高値掴みにならないように気を付けていい場面に差し掛かっているようだと判断できますよね。

その5:短期足に何かいないかチェック

USOILで出ているハーモニックパターンで、4時間足のバタフライパターンは、30分足のチャート、1時間足のチャートにも居座ります。ここで気を付けたいのが、5分足や15分足の短期足の動き。

こちらはUSOILの15分足。移動平均線がパーフェクトオーダー状態で上に伸びてる上昇トレンド展開中です。

ここまでズームインすると、先ほど見たフィボナッチエクスパンションの1.382%と2.618%のレベルで価格がきっちりと止まっているのがよく見えますね。

デイトレの場合、5分足、15分足のチャートで見ておきたいのは、日足や週足レベルのピボットポイント。レジスタンスになったり、サポートになったりするので、プライスアクションが出ます。USOILが今いる価格は今月のマンスリーピボットのR1のある価格帯。すぐ下に今週のウィークリーピボットがあります。長期足に表示されていた年足ピボットはもう少し下のブルーのボックスがある場所になります。

そして、注意したいのは、長期足で売りのハーモニックパターンが出ていても、短期足で買いのハーモニックパターンが出ること。今の段階では何も出ておりませんが、買いのブラックスワンだったり、ガートレーパターンだったり、節目の近くで出現します。その場合、長期足が売りだからと言って、むやみに突っ込み売りをするのではなく、短期足での反発が終わるのを待つ方がよさそうです。今の場所から売りエントリーをすると、数時間、数日間、上に持っていかれる可能性があり、マイナスのままで耐えられるかどうか?ということになります。

また、仮にこれからUSOILが反発した場合、その反発の波が推進波なのか、ジグザグした動きになるのかを見ていけばいいかと思います。ジグザグした動きであれば、15分足レベルのトレンド転換の初動のワン・ツーのツー、つまり第2波を形成するため上昇しているのでは?というシナリオを描けます。

同じ方向を示唆する複数のハーモニックパターンを侮らない

ハーモニックパターンのPRZは、Potential Reversal Zone(潜在的反転ゾーン)であり、絶対的であるとは限りませんが、USOILのように3つのハーモニックパターンが同じ方向、つまり売りの方向を示唆しているケースでは、優位性が高くなることが多いです。

今だと、ウクライナ情勢が緊迫しており、市場のセンチメントが手伝っているのかもしれず、短期的にはラウンドナンバーの$100まで上昇してもおかしくはないです。ただし、吹き上げた先にあるレジスタンスやフィボナッチのレベルが結果的に威力を発揮して、振り落とされる可能性もあることは頭の片隅に置いておきたいです。先ほど見たフィボナッチエクスパンションの次の要のレベル1.618%は、$100.45あたり。仮にここまで来た時のプライスアクションも楽しみです。笑

ハーモニックパターンが異なる時間足で複数検出される場合など参考記事

Double Gartleys in Gold – ゴールド vs 2つのガートレーパターン 強烈に決まりましたね^^

ユーロ円に現れた3つのハーモニックパターン EURJPY: 61.8 pattern, butterfly, bat

ハーモニックトレードの気になるデメリット編(前編) Disadvantages of Harmonic trading?

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