木曜日から、ドン下げの米株式指数。理由は何であれ、明確なのは、チャート上に形成されたサポレジやトレンドラインなどのテクニカルから見える節目。きわどかったUK100とGER40、そしてUSOILは、来週、目が離せない相場ではないでしょうか?荒れた週を終えた今の相場の様子をシェアします。
長期足のハーモニックパターン:デイトレに気を取られて、忘れた頃に威力を発揮するので焦らない
Are you seeing what I am seeing? Potential counter-trend moves to a further decline.
サポレジ、キーレベルの大切さを思い知らさせるプライスアクション
ドル円:気になるブラックスワン
短期足で売りのブラックスワンがいたのですが、画像を掲載したように週足にも、ブラックスワンが居座ります。PRZ(潜在的反転ゾーン)は116.783円。
今の価格帯からプルバックして上昇を再開するのか、先に上昇してしまうのかは別の話で、考えても仕方ないです。ドル円の現状は、今月のマンスリーピボットが114.942円にあること、そして、サポートが111.073円、レジスタンスが119.560円にあることです。
今月のマンスリーピボットが114.942円には、超長期の移動平均線も下から走っているので、ここまで落ちれば何らかの反応があるということだけは想定できますよね。
ユーロドル:引き続きでかいトライアングル内の動き
ユーロドルは、以前記載したように週足や月足で見ると大きなトライアングルを形成していそうな動きになっています。現状はまだ中途半端。日足では、超長期移動平均線がレジスタンスになっています。このレジスタンスが走る$1.14800あたりを力強く上に抜けてくれば、$1.16359が視野に、一方、$1.09234まで下落するシナリオもオンです。
クロス円:EURJPY、GBPJPY、AUDJPY、CADJPY、CHFJPY
先週投稿していたクロス円。売りのホワイトスワンがいたポン円は、少し下げてから高値を更新、カナダドル円は居座るシャークパターンが効いている様子。スイスフラン円はブラックスワンで落ちて、現在、キーレベルの126.356円を再びテストか?というような絵柄。
そして豪ドル円は、ハーモニックパターンはいなかったですが、82.602円で行ったり来たりです。NZDJPYも78.313円を超えられなければ、ディープなプルバックが考えられますね。
どのチャートも節目となっている価格ラインが意識されている環境ですので、これらのラインを上か下に抜けた後、戻り高値を付ける、あるいは押し目を付けるといったプライスアクションが出るまで待ちます。
ドル円の動き、とりわけリスクオフの円買いと米ドル買いの綱引き状態?にも見えますが、ドル円が下がるとクロス円もつられて下げるか、週明けの動きに注目です。
NZDUSD:スリードライブパターン
引き続き、NZDUSDのスリードライブパターンは健在です。月足と週足に居座っているので、肝のサポートが底になれば、長期的に買いあがってくるシナリオが引き続きオンになります。長期足に出現したハーモニックパターンの場合、すぐに転換しない場合は、数日レンジになったりするので、焦らないで見ていきましょう。なお、このラインを下に抜けてくると、ユーロドルと同じで次のキーレベルの$0.63908まで下落するシナリオも考慮です。
コモディティ:Goldのガートレー、USOILのサイファー
Goldの$1820.38から上昇中
ゴールドは、1月24日に投稿したガートレーから、キーレベルの$1820.38をズブッと刺して続落後、反発し、$1820.38を上に抜けてきましたね。
ゴールドは今年のピボットポイントで支えられて上昇しています。気を付けてみるべきエリアは、下側のブルーのボックスの辺り。高値と安値を使ったフィボナッチリトレースメントのキーレベルがあります。この辺りでは何かしらプライスアクションが出そうですよね。
また、チャート上に描画されているのは、確定ではなく想定されているバタフライパターン。このパターンが想定されたエリアとブルーのボックスは重なるので、ここらあたりから一旦プルバックする可能性が見えてきますよね。
問題はその後で、プルバック後に再び上昇を続ければ、ターゲットとなるのは、3つのエリアになります。まず、上側のブルーのボックスのエリア。ここはフィボナッチリトレースメントレベルの78.6%(画像中は21.4%)、もう一つは、今年のピボットポイントのR1がある黄土色のドットラインで示した$1964.12あたり。最後は紫のチャネルの上限。濃紺の点線で示したような動きをしてくれるのが理想ですが、こればかりは相場に聞かないとわかりません。
ゴールドの場合、現時点での目線は、高値への戻りを付けているというシナリオを優先しています。なぜなら、月足にはずいぶん前からベアリッシュな変形バットが居座っていることと、2021年後半からの動きがジグザグとした勢いのない波を形成しているようにみえるからです。
そして、ターゲットエリアに届いた時に、思い出すべきことは、この前ナスダックで探索したワン・ツーの可能性になるかと思います。高値を超えてこない限り、上昇トレンド継続という目線にはなりづらいチャートに見えます。
デジャブですかね?今の様子と何となく似ているように見えます。この後、ゴールドはダブルのガートレーパターンで撃沈したのを覚えております。
ですので、今回もフィボナッチリトレースメントレベルの78.6%辺りでガートレーパターンが出るかどうか見ていきます。
USOIL Miniにいるマルチなハーモニックパターン
USOIL Miniは、シナリオ通りに、ターゲットの$91.23をヒットした後、この価格レベルを上に抜けましたね。すでに役目を終えていたブラックスワンのPRZ(潜在的反転ゾーン)とチャネルの上限がほぼ重なっている結構なレジスタンスのエリアだったのですが、金曜日に突き抜けました。
ですが、金曜日に止められた価格ラインに注目です。$93.77は、月足で見える2008年7月の高値と2020年4月の安値を使ったフィボナッチリトレースメントレベルの61.8%になります。ピタッと止まってますよね?
さらに、先週投稿した月足のサイファーパターンは今でも健在です。月足など長期足でハーモニックパターンが出る場合、数日間は、これまで続いているトレンド(原油の場合は上昇トレンド)がそのまま続いたり、レンジになったりと、トレンド転換には時間がかかります。このサイファーのPRZの上限は、$97.42、また$99.29には隠れたキーレベルがありますので、ここまで上昇する可能性もありますが、焦らないことです。
現時点では、チャートの左にあるギャップも埋めているので、このフィボナッチリトレースメントレベルの61.8%が効くか、もう少し上昇するか?を見守る場面のようです。
なお、4時間足には売りのバタフライパターン、日足にはABCDパターンも出てきているので、オシレーターがヒデゥンダイバージェンスなどを見せていないかもチェックしていきましょう。
こちらの記事もご参照ください。「異なる時間足に現れた3つのハーモニックパターン!USOILのバタフライパターン、ABCDパターン、サイファー」
金曜日は、ウクライナ情勢などニュースで跳ねたとされる原油ですが、「行き過ぎもまた相場」となってしまうのか?週明けのプライスアクションを待ちましょう。
株式指数:ふたとなっているキーレベルからの下落。ABCか、ドン下げか?
US100、US500 、US30
先週投稿していた米株式指数は、最強ラインが意識されているのが明確です。
先々週と先週、波の形を見ながら、幾つかシナリオをシェアしたのですが、週足までズームアウトして、「あら?もう一ついけそうじゃん」と気づいたシナリオがあります。
昨年11月の高値から12月にかけて戻り高値を付けた動きを第1波と第2波とし、今年に入っての下落を第3波とみるシナリオになります。いまさらながらですが、現在大きな推進波が進行中というシナリオもいけそうっすよね 笑
だとすれば、現在いる場面は第4波で、第5波がすでに始まっている可能性があります。この場合、先ほど書いた今年のピボットポイントS1と重なってくるエリアまで続落しそうという目線を持っていても間違いではないです。
このチャートでは、新たにピンクで第1波から想定される5波まで描画しています。先ほどのUS100キャッシュの所で書いたように、ズームアウトして見えてくる波のカウントになります。
以前ブルーで示していた1から5までの動きに比べ、確かにこれだと、第4波が第1波と重なっていないのがわかりますよね。
仮に今週の動きが継続すると第5波進行中で、週明けからボラのある相場になると想定できます。
画像の下の方にピンクで5?と記載したあたりには、今年のピボットポイントのS1がいますので、さすがにここまで落ちると一旦は手じまいと重なり、反発されると考えられます。ここで反発すれば、最初の推進波が完了したと理解してもよさそうです。
NDQは、昨年11月にすでに天井を付けていた可能性が高まってきます。
最初の下落が完了した後、空いた窓を埋めるための上昇の動きが出た場合は、11月に付けた高値に対する戻り高値を付けるためのカウンタートレンドの動き=調整波という目線もシナリオに入ってきます。画像の右に水色の点線で書いたジグザグは、第5波を完了した後のABC調整波の想定航路になります。調整波になるのであれば、上昇の動きはシンプルなABCの3つの波か、3つの波が2回繰り返されるダブルジグザグとなるので、週明けの動きを見ていきます。
この場合、$15121.08がふたになっているUS100キャッシュや、$15114.33がレジスタンスのUS100フューチャーズを見るとわかりやすいですのですが、買いのABCDパターンが検出されています。
このABCDパターンが機能するのであれば、このパターンとA-サイファーが示す深いターゲットを目指す動きになる可能性もあります。この場合、ふたとなっている$15114.33を上に抜けてこないといけませんよね。同じように、NDQもギャップダウンしている価格帯を上に抜けてくれば、窓埋めに向けた動きになる可能性があります。
一方、US500は、金曜日に$4414.10の最強ラインでストップしていますが、US30キャッシュは、中途半端な場所で止まっています。金曜日に支えられたのが、ピボットポイントなどの最強価格ラインではなく、移動平均線という状況。これを下に突っ切ってくれば、$34226.57までのドン下げを考慮できます。
GER40、UK100
先週投稿していたGER40。US500と同じように、年足ピボットの15136.80が意識されていて、サポートになっていたのですが、失速しています。金曜日には再びこのラインで止められているという状況。GER40で明確なのは、15725あたりにあるレジスタンスと、15136.80というサポート。このサポートを下に抜けると、次のキーレベルは14800あたりにあるサポートになります。
そして、UK100は今も居座るブラックスワンが効いているのですが、もう少し上に年ピボットR1があるので、ここまで上昇するのか、攻防劇に注目です。仮に失速した場合のターゲットは7046あたりになります。
欧州株式指数も、米株式指数と同様、今の段階では、シナリオがまだ複数描ける相場環境です。特にUS30が週明けにギャップダウンなんてことになってないかにも注目ですね。また何かあればアップデートしますね。
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