フィボナッチに忠実なドル円、キーレベルとブラックスワン/5-0パターンで上昇しているナスダックとSP500

2週間ちょっと間が空きましたが、ドル円は想定していた147円台から150円台まで上昇。US100やダウキャッシュもキーレベルから反転しています。長期時間足のハーモニックパターンなどシェアします。

株式はキーレジスタンスに注目

US500, US100, US30:Vicious upward move vs resistance

ドル円のテクニカル分析:次のターゲットだった150円を突破後、一旦下落

ドル円は、前回の投稿にベアリッシュなブラックスワンを投稿していましたが、151.937円に差し掛かったあたりから下落。このパターンが示していたPRZ(潜在的反転ゾーン)の上限は152円あたりでしたので、ブラックスワンが効いた格好になります。

また、10月のマンスリーピボットR2が150円前半、ウィークリーピボットが150円後半にあるため、150円台は結構なレジスタンスや手じまいのためのターゲットエリアになっていました。日銀の介入がありましたが、テクニカル的にも急落しておかしくない価格帯にいたので、焦ることはなかったかと思います。

なお、このブラックスワン、現在は消えておりますが、消えた後でもそれが示していたPRZは威力がある=意識される価格帯となりますので、念のため、ラインを引いておくといいですね。

ドル円のテクニカル分析:フィボナッチエクスパンションとエクステンション

USDJPY Fibonacci levels ドル円フィボナッチレベル 30 Oct 2022ブラックスワンが出た後のドル円のチャートには、ハーモニックパターンがいないという環境なのですが、ちょっとここで、以前から記載していたフィボナッチについて、見てみましょう。

まず、こちらはMT4の画像。2011年の最安値、2015年の高値、その後2016年につけた安値から形成されたひと山を使って、フィボナッチエクスパンションを引いています。画像右端にあるFE100は、フィボナッチエクスパンション100%を意味しています。

これ、どういうことですか?

このフィボナッチエクスパンションが意味するのは、2011年から2015年までの上昇と、2016年の安値から今いる150円台まで、同じ値幅を動きたということ、言い換えれば、ABとCDが等しいAB=CDパターンを形成したということになります。

また、このFE100がある黄色のボックスには、2.618というレベルも見えます。これは、2016年の安値から同年末にかけて付けた高値を使ったフィボナッチエクステンションがはじき出した数値。このレベルで反応していますよね?

USDJPY Monthly Fibonacci levels ドル円月足フィボナッチレベル 30 Oct 2022こちらは、トレーディングビューで見たもの。

ピンクで描画した日本の平行線は、ABとCDが等しいことを示します。黄色のボックスには、MT4と同じフィボナッチのレベルが見えます。

ピンクでハーモニックパターンらしきものも描画しましたが、ここではそれに表示されているフィボナッチの数値に注目してください。XDとBDは、1.618や2.618に近い数値、XBとACはフィボナッチ78.6%に近い数値になっていますよね。

比率だけを見ると、バタフライパターンやディープクラブパターンの成立条件にあてはまらないのですが、このようにフィボナッチの黄金比率に近い数値が揃うと、価格は何らかのプライスアクションが出ます。そして、こういう時に限って、今回のような日銀の介入といったニュースも重なることが多々あります。

さて、問題はここからです。この2つのフィボナッチのレベルとABとCDが等しいパターンから、何となく見えてくるものがありませんか?

このブログでも、フィボナッチを介したハーモニックパターンの大親友的な分析ツールを探索していますが、そう、エリオット波動分析にご登場いただいてもよろしい場面ではないでしょうか?

ドル円のテクニカル分析:エリオット波動分析

まず、ABとCDが同じ値幅である場合、青色で描画したABCの調整波を想定することができます。だとしたら、ドル円は下落?というシナリオも否定しずらい環境です。

その一方、ABCDパターンとABCの調整波をすこし探索してみると、色々なパターンがあることがわかります。メニューの一覧から見える「エリオット波動とハーモニックパターンPart1 続編 Elliott Wave&Harmonic Patterns II」で探索していますのでご参照ください。

ABとCDが等しいABCDパターンが出るときれいな調整波の完了、つまり、青で描画したABCという3つの波からなる調整波が形成されたと考えるのが基本のアプローチになりますが、チャートの解釈によっては異なってくることがわかります。

USDJPY Impulsive wave ドル円の推進波 30 Oct 2022このチャートをご覧ください。同じ月足チャートですが、MT4では見えない1980年ごろの様子が見えてきます。

そうなると、先ほど書いたように、チャートの解釈に幅が出てきて、ドル円、底値ついた後、戻り高値を付けるために、上昇継続かという目線も出てくると思います。だとしたら、青で描いた調整波は本当か?というアプローチも出てきます。

再び、先ほどのズームインしているチャートに戻ります。

とりわけ、今年、ロケットのように上昇したドル円の動きからは、短期的には推進波的な動きと捉えても間違いではなく、それを考慮すると、画像中の緑で描画したi, ii, iii, iv, vの波を形成している可能性も出てきます。

だとすると、現在までの上昇は、第iii波で、プルバックがあれば、チャネル、トライアングル、フラットパターンの何れからなる第iv波になり、再び、上昇を始めるというシナリオが描けます。

数日や数週間の動きでは、円高に向かうように見えても、何れ、押し目が付いて円売りが再開し、今の高値圏である150-151円を再び突破するシナリオ、言い換えれば、青で描画しているABCが、実は、Aが1,Bが2で、現在はまだまだ第3波にいるというシナリオになる可能性もあります。

あるいは、ABCDパターンのバリエーションであるCからDまでの波が、AからBの波に対して1.618倍になるABCDパターンを形成しているのであれば、プルバックは浅くなり、めっちゃ上のターゲットを狙って上昇継続という動きになるかと思います。ただ、この場合でも、円売りのポジションが膨らんでしまうと、どこかでポジション調整が入ってくるので、一直線に上昇するのではなく、下落して押し目を付けて上がるという動きになると思います。

EURUSDとDXY(ドルインデックス):ユーロドルのキーレベルは$0.97601と$1.01163

EURUSD Bearish Butterfly ユーロドルバタフライ 27 Oct 2022こちらの画像は、10月27日にキャプチャ―していたユーロドルのバタフライパターン。

その後見事に下げてきていますね。ターゲットのフィボナッチ38.2%にはわずかに届いてないですが、下から上がってきている移動平均線に支えられた格好で、下げ止まっています。4時間足では消えていますが、日足にはまだ居座っているので、様子見です。

またPRZは上の方なので、下がってもまた反発する可能性があります。逆に反発して上昇してくれる方がわかりやすいです。

GBPUSDは5-0パターンが効く

新しい首相を迎えた英国。GBPUSDにいた買いの5-0パターンが効いた格好で続伸。キーレベルの$1.19560まで吹き上げるかはまだわかりませんが、$1.174あたりはレジスタンスになる可能性があります。

政局がそれほど落ち着いてないので、短期的にはニュースや要人発言で振れやすい相場になると想定しています。

金利&コモディティ:米ドルと同じく失速ぎみ

引き続きシルバーは$19.744、ゴールドは$1681.39というキーレベルにラインを引いておきましょう。株式指数が上昇しているのでリスクオンなのか、うろうろしていて今一つですね。

シルバーの場合、これまでの投稿に記載したように、$20ドル前半はレジスタンス。$21ドルあたりの高値を超えられなければ、すでに下落に転じている、あるいは、もう一回この高値越えをトライするが$22ドルあたりで息切れするというシナリオを考えています。

株式指数: キーレベルとハーモニックパターンで見事なプライスアクション

US30 Bullish ABCD ダウキャッシュABCDパターン 27 Oct 2022こちらは10月27日にキャプチャ―していたダウキャッシュのABCDパターン。

キーレベルの$29485.97をズブッと刺してから、見事に反発して、金曜日には$32998.15のキーレベル目前というすさまじいプライスアクションをみせてくれました。

週明け気になるのは、このレジスタンスを突破してくれば、$33600あたりまで続伸する可能性。プルバックをしても、押し目を付けて、再び上昇してくる可能性があるので週明けのプライスアクションを待ちます。

また、SP500キャッシュには、買いの5-0パターンがいますが、ナスダックには買いのブラックスワンがいます。

US100 DEC Bullish Blackswan ナスダックフューチャーズブラックスワン 30 Oct 2022

ブラックスワンのターゲットはかなり上ですが、ここしばらくは上昇してくる可能性がありそうです。

それでも、株式指数は、すでにベアマーケットに入っているため、上昇する動きはいずれ止まると認識しています。以前記載したワンツーワンツーから、もう一つのワンツーを形成している可能性があります。

11月6日の中間選挙が意識されているのであれば、ここしばらくは、動きそうで動かない可能性もありそうです。米ドルとドル円がプルバックし、株式指数と金銀が跳ね上がるシナリオが描けます。いずれにしても問題はその後なので、焦らずにチャンスを待ちましょう。

また何かあればアップデートしますね。