The Moving Average トレードで知っておきたい移動平均線の使い方

移動平均線(Moving Average:MA)は基本のテクニカルツール。FXを始めたばかりのころは、たくさんの移動平均線を色を変えて配置していましたが、使える知識がないままで単なる虹色の飾り物状態でした。ネット上に移動平均線について優れたリソースがたくさんあり、あなたにとっては「もう知っているよ」というものばかりかもしれませんが、普段使っていて感じたことをシェアしています。なぜなら、相場はこれを繰り返しているからです。

虹色の飾り物が使える道具になる時

Technical analysis tool -Multiple moving averages could end up as decoration on the charts.

追記:2020年3月10日に、もう少し読みやすくするために記事を修正し、画像を追加しました。下記に、移動平均線に関する無料公開のイントロ動画へのリンクも掲載していますので、ご参照ください。

MAをシンプルに使いこなそう

表示させる値や種類で悩むよりも、市場の目線を理解しよう

移動平均線(Moving average: MA)には、単純移動平均線(SMA)、指数平滑移動平均線(EMA)など種類がたくさんあり頭を悩ませてくれます。どの設定が正しいのかわからず、色んな期間のMAを表示したくなるのですが、実際に表示すると、チャートが蜘蛛の巣のようになります。

移動平均線の使い方で誰もが知りたいのは、「どの移動平均線をどういった設定値で使えばいいのか?」ということだと思います。20MAを好む人もいれば、21EMAや25MAを好む人もいて、正しい答えはありません。ドル円など通貨ペアごとに相性のいいMAもあります。

単刀直入に言えば、これさえ見ておけば絶対大丈夫なんて移動平線線はないようです。移動平均線を使う上で一番大切なのは、大多数のトレーダーが使っているデフォルトの設定値を使うことが基本ということです。欧米のプロトレーダーや講師の移動平均線の設定値を見ると、デフォルト設定の20MAなどを使っていて、余計なことはしていません。

異なる移動平均線の間で生まれる目線の違いに気づこう

異なる移動平均線がどのようなプライスアクションをもたらすのかをチャート上で見てみましょう。例えば、チャートに単純移動平均線(SMA)と指数平滑移動平均線(EMA)を一緒に表示させて、その位置関係を見た場合、EMAは、直近の価格を使うのでローソク足がより早く反応しているのがわかると思います。

それでも、これまでいろんなチャートを見てきて気が付いたことがあります。50SMAと55EMAを使った場合、この2つの移動平均線の間には隙間ができているのが見えます。値動きを見ると、その間で買いと売りが交錯し、レンジになりやすくなる環境が生まれているのが見えませんか?

USDCADma

この画像で見ると、50EMAで反応したため、ポジションを持ったとしても、価格は、50SMAの方まできっちり戻ってきているのがわかると思います。

これが5分足だとピップ数にそれほどの違いはないかもしれませんが、日足だと、ピップス数が広がります。一番左の箇所では下にスパイクを付けた嫌な動きをしています。

当然、この移動平均線に戻る動きに耐え切れずに、焦って損切りするか、自信を持って耐えられるかが試されることになります。「EMAを見て、先を急いで見切り発車する」か、「SMAを見て、ゆっくりと急がば回れ」かという感じですね。

単純移動平均線と指数平滑移動平均線で迷っている場合は、チャートを開いて、価格がどの移動平均線で反応しているのか?などをじっくり見てみることをお勧めします。

先行指標のフィボナッチと異なり、移動平均線は遅行指標です。移動平均線は、価格が動いた後に形成される終値を使って形成されます。そのため、設定値を変えすぎると、自分が市場とずれた目線でチャートを見ているという可能性が出てきます。移動平均線はトレンドなのか、レンジなのかを示唆してくれる遅行指標であり、それだけで、エントリーを決める手掛かりにはなりづらいということもあります。

移動平均線も他のツールと同じ!上位足 >下位足

チャート分析で学ぶことのひとつに、移動平均線の向きがあります。

Moving average Multi-time frame 10 March 2020 移動平均線の使い方-マルチタイムフレーム分析

ダウ(US30)フューチャーズの4時間足です。画像中にピンクの点線で日足の20MA、水色の点線で週足の20MAを描画しています。

上位足の移動平均線が下向きになり、日足と週足の20MAがデッドクロスし、相場は下げの方向に向いているのがわかると思います。

自分がいつも見ている時間足のチャートに、上位足の20MA、さらには50MAなどを描画しておくと、売っていく相場なのか、買っていく相場なのか、判断がしやすくなります。

移動平均線の設定をしてみよう

上記のダウで見たように、相場の環境を認識するために、週足、日足、4時間足、1時間足など大きな時間足で、相場が上昇トレンドにあるのか、下落トレンドにあるのか、レンジにあるのかを判断し、15分足や5分足に降りていって、トレードのセットアップを考えるマルチタイムフレーム分析を聞いたことがあると思います。

この分析方法でも、使うのは移動平均線で、グランビルの法則や5MA、20MA、50MAなどの移動平均線の絡み具合も見ます。

  • 上位足と下位足のチャートで、日足や4時間足などの20MAなど主要な移動平均線はどこにあって、どちらに向いているか?
  • 各時間足のチャートで、価格(ローソク足)は、その時間足の移動平均線に対して、グランビルの法則のように動いている相場か?
  • 上位足は下向きの相場。15分足では、移動平均線が絡まっており、いずれ上放れする、あるいは下放れするレンジ相場のよう。それなら、どちらに優位性があるか?

マルチタイムフレーム分析の詳細には触れませんが、ポイントは、日足などの上位足の移動平均線に対して、1時間や15分足などの移動平均線がどういう向きで、価格とどういった位置を築いているかを見ることです。下位足で移動平均線が絡まっている相場は、ブレイクを狙ったトレードのエントリー判断にも使われることがあります。

上位足の20MAを下位足のチャートに居座らせることで見える相場環境

マルチタイムフレーム分析は、聞こえは格好いいのですが、ユーロドルやドル円など、それぞれの通貨で、4時間、日足、1時間、15分の個別の時間足のチャートをいちいち開いて見比べるのって面倒くさくないですか?

私には面倒なことです。マルチタイムフレーム分析のコツを知るために教材を買うのも面倒。笑

いろいろチャートをいじってみた結果、今は、上位足の移動平均線を下位足に表示させていますので、その数値をシェアします。

5分足のチャートに表示する移動平均線の数値の例

1時間足の20MA:5分の12倍なので、20X12=240MA

1時間の50MA:5分足の12倍なので、50x12=600MA

4時間足の20MA:5分足の48倍なので、20X48=960MA

15分足のチャートに表示する移動平均線の数値の例

1時間足の20MA:15分の4倍なので、20X4=80MA

1時間の50MA:15分の4倍なので、50X4=200MA

4時間足の20MA:15分の16倍なので、20X16=320MA

日足の20MA:15分の96倍なので、20X96=1920MA

1時間足のチャートに表示する移動平均線の数値の例

4時間足の20MA:1時間の4倍なので80MA

日足の20MA:1時間の24倍なので、480MA

4時間足のチャートに表示する移動平均線の数値の例

日足の20MA:4時間の6倍なので、120MA

週足の20MA:日足の120MAが5日分あるので、120X5=600MA

このほか、ご自分で必要と考える15分足の20MAや4時間足の50MAなど、同じように計算してください。なお、こうした移動平均線を実際にチャート上に描画すると、チャートは蜘蛛の巣になりますのであしからず。私の場合、4時間足にあるブルーとピンクの移動平均線は、それぞれ週足と日足の20MAというように、お気に入りの色から直感的に見えるようにしているので、皆さんも自分にとってわかりやすい色や線の種類を選んでみてください。

後は、MT4のインジケーターで「Multi Time Frame Moving Average」を見ると、いろいろあります。中には、4時間足、日足、週足の3種類の異なる20MAを一括で表示することができるインジケーターもあります。いろんな種類があるので、どれが使いやすいか見てみるのもいいかもしれませんね。

不思議にも効く超長期の800MA

移動平均線でよく使われるのが、5、10、20、25、50、55、75、100、125、200、400などですが、私の場合、とりわけ気になって描画しているのが800MAです。

えー、800MA?

これは、2019年6月の「ドル円・カナダドル円の節目: ビューティフルなUSDCADのABCDパターン – CADJPY in a channel」で触れていたユーロドルをMT4でみたものです。

EURUSD AB=CD pattern 800MA ユーロドルのAB=CDパターンと800MAオレンジの移動平均線が800MA。

見ていただければ、その効力がわかるかと思います。

 

 

移動平均線は道具の一つ。プラスアルファの目線も♪

1時間足の20MAだけを見るとダウントレンドを継続していたユーロドル。この場合、5分足でショートを持っていても価格が日足20MAからかなり乖離したところに到達しているため、下落を開始した高値から、私達がどこにいるのかを探っておくのが得策だった相場です。

また、ここで思い出したいのが、グランビルの法則。ネットで検索していただくと、移動平均線と価格の動きを説明した画像などを見ることができますが、まさにその通りになったのがユーロドルです。

EURUSD MA

これは、大きなヘッドアンドショルダーズパターンが意識されて、ネックラインを下に抜けた後、レンジになっていたユーロドル。

日足20MAが下向きの相場環境で、さらにヘッドアンドショルダーズのネックラインを割ったため、EURUSDは売りだ!という市場の目線があったと思います。

一方、日足の20MAからは乖離し、かつ、日足のボリンジャーバンドのマイナス2シグマが抵抗帯となっていた相場。ボリンジャーバンドが抵抗帯となっていることについては「The Bollinger Band -トレードで知っておきたいボリバンの使い方」に掲載しています。

この場面では、売りと買いが交錯。ロンドン時間でも売りが入っていたのですが、NYでは反転し、ネックライン上抜けとなりました。結果、ヘッドアンドショルダーズパターン通りに期待した下落にはならなかった相場です。

ユーロドルは、テクニカル分析の基本だけから見た場合、移動平均線からの乖離(グランビルの法則)とボリンジャーバンドが抵抗帯となっていたことによって、レンジから反転する可能性があり、突っ込み売りは避けるべきだと想定できた場面でした。また、このような場合、フィボナッチエクステンション、プロジェクション、エクスパンションとういう先行指標のツールを使い、今の価格が下落の波のどこにいるのか、つまり「ザ・伸び切りゾーン」にいるのかなどを合わせて見ておく相場です。

そして、買いの判断をさらに優位なものにし、テクニカル分析と買いポジションにエッジを付け足したのが、ユーロに連動する金利の動き。金利はユーロドルよりも、一足先に上昇していたこともあり、売り継続という目線よりは、ユーロは買いという目線を持てたわけです。(もちろんこういう場面でハーモニックパターンが出ると鬼に金棒です。)

その他、思いついたことは、引き続きここに掲載していきますね。

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