イースター休暇が昨日から始まりましたね。金曜日はマーケットメーカーのいない閑散相場でしたが、今の相場環境でひときわ目立つのが米ドルの立ち位置。今週検出されて今でも居座っているハーモニックパターンから、週明けのシナリオなどをサクッとシェアします。USD may bring a surprise.
FXの王様米ドル(USD)に聞く
Harmonic patterns indicate USD’s next move.
(注:この記事は2020年4月11日に投稿していたものです)
先週の投稿では、ハーモニックパターンから見える通貨の強弱に触れてみましたが、今週から来週にかけてもこのテーマが引き続き継続しそうです。
基本と新種のハーモニックが勢ぞろいした相場
ドルストレートに潜むハーモニックパターン
左上がドルインデックス(DXY)、右上がユーロドル(EURUSD)、右下がポンドドル(GBPUSD)、左下がニュージーランドドル米ドル(NZDUSD)となっています。すべて4時間足です。
まず、目につくのがドルインデックスの買いのガートレーパターン。
ユーロドルには売りのバタフライパターン、ポンドドルには売りのシャークパターン、NZSUSDには売りのブラックスワンが検出されています。なお、ポンドドルは前回投稿した日足の買いのクラブパターンの中でのプライスアクションが続いています。
この環境から見えるのは、短期的に米ドルが売り込まれても買われるシナリオ、あるいは短期的に先に買われて反発するシナリオです。
すぐにここから米ドルのロング、つまりユーロドルやポンドドルの売りを仕掛けず、週明けにギャップダウンがあるかどうか見ていきます。ギャップダウンすれば、ハーモニックパターンが示唆しているフィボナッチのレベルまで下げてもそこから反発する可能性があることにも留意したいです。
豪ドルはPRZ突破するもネクストムーブに注目
この画像から外れている豪ドル米ドル(AUDUSD)については、今週いろいろなハーモニックパターンが連続して検出されていた相場です。
これは4月8日に検出された売りのブラックスワン。
この時点では、PRZ(潜在的反転ゾーン)と、4時間足の200MAの移動平均線までもう少し上昇余地があったため、この辺りでのプライスアクションを見ることを優先する相場でした。
こちらは8日の15分足で検出されていたブラックスワン。
結果的には$0.62253のレジスタンスで一旦頭を打たれたものの、再び上昇しました。AUDUSDの次のレジスタンスは$0.64735です。
AUDJPY(豪ドル円)も似たような感じで、売りのハーモニックパターンが連続して検出されていたのは事実です。
EURAUDには買いのブラックスワンなど豪ドルの売りを示唆するハーモニックパターンが検出されていますので、豪ドルのロングには注意したい場面です。
WTI原油とゴールド
ゴールドのブラックスワンパターンとレジスタンス
ゴールドは比較的わかりやすい動きではなかったでしょうか?先週投稿したホワイトスワンと年足ピボットポイントを上抜けてターゲットのひとつであった$1684.76まで上昇してきました。問題はここからですね。
ブラックスワンが居座る相場ですが、先週の投稿で記載したように、月足のフィボナッチリトレースメントレベル78.6%まで上昇してくる可能性も十分考慮です。
引き続き、ゴールドのキーレベルは、$1630.45、$1647.12、$1684.76。シルバーは$14.915と$15.23あたりのエリアがレジスタンスです。
WTI原油は、4時間足チャートにいたシャークパターンが効きましたね。
OPECやロシア・サウジの交渉などのニュースは短期的に価格を動かす要因になりますが、WTI原油の場合は、あくまでも長期のトレンドを見ることが重要だと思います。
このシャークパターンから下落後、上昇したのですが、結局30分足で出た売りのブラックスワンで再び下落。ニュースなどで反応する短期的な上下の値動きに振り回されない方が得策のようです。WTI原油のキーレベルは、$26.20、$30.73、$41.85です。
株式指数:ダウ、SP500の節目
こちらは、SP500のキャッシュチャートに9日に検出されたディープクラブパターン。時間足を変えると売りのブラックスワンが居座る環境です。
ダウのキャッシュであるUS30やナスダックのUS100にも同じ売りのブラックスワンが検出されている相場です。
SP500の場合、現在は、$2828.10の大きな節目で攻防中。$2969.28あたりまで上昇する可能性はあるので、もう少しプライスアクションを見ていきます。この上昇が完了すれば、株価指数はワン・モア・ダウン(もうひと下げ)のシナリオを描いています。
先週も触れたのですが、米ドルは、別の要因が買いを支える可能性があります。米ドル買いの状況が続いてしまうと、ゴールドやシルバー、原油の立ち位置がますます不明確になりそうなシナリオも描いています。ドル円も、安全資産の円買いと米ドル買いに挟まれるため、面倒な動きをする可能性もありますね。
余談:英国のロックダウン(都市封鎖)が始まってから3週間が過ぎました。他人と2メートルの距離をおくソーシャルディスタンシング(Social distancing)にも慣れてきた毎日です。食料品や薬局など生活必需品を販売する店舗以外はすべて閉店となり、街や通りが寂しく見えるのには変わりありません。美容院が閉店なので髪のカットにいけない、靴が必要なのに靴を見に靴屋に行けないといったネガティブな考え方になることは皆さん同じだと思います。でも、このソーシャルディスタンシングは、自分を守るだけでなく、他人を思いやっての行動であることには間違いありません。ロックダウンでも家でできることを考え、不便さなどすべてを否定的にとらえないようにしてます。皆様も体にはお気を付けください。