フィボナッチの隠れた鬼のキーレベル2と2.24 Fibonacci & Harmonic patterns

あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。Trading Viewではチャートは動いていますね。今日は、これまで画像を投稿しなかったGBPUSDのブラックスワンと5-0パターンの可能性を見ながら、フィボナッチの隠れたキーレベルである2と2.24に注目してみたいと思います。Happy New Year! Fibonacci level 2 or 2.24 is very important level as it carries an implication of a next development in a form of a 5.0 pattern.

あまり気にしてないフィボナッチ数値が効く相場

Technical analysis tool: Fibonacci projection 2 and 2.24

フィボナッチ数値としてあまり表に出てこない数値でも、チャート上で威力を発することがよくあります。特に、フィボナッチツールの中でも、比較的知名度の低いフィボナッチプロジェクションは、ハーモニックパターンを学びだすととても重要なツールであることがわかり、それがはじき出したフィボナッチレベルでは見事なプライスアクションを引き起こしています。

今回は、フィボナッチプロジェクションを使う上で知っておきたいフィボナッチ2.0と2.24というレベルに注目し、そのレベルでよく検出されるハーモニックパターンも併せてみていきます。下記、フィボナッチ数値とエリオット波動など、関連した過去記事へのリンクも掲載しています。

ポンドドルは、ブレクジット後のショートからロングへ

推進波と深い関係のある2と2.24(2.236)- ポンドドルのチャートの事例

まずはこの画像をご覧ください。ブラックスワンというハーモニックパターンで反発を始めて、じりじりと買い上がってきているのGBPUSDです。

GBPUSD Montly Blackswan 01012018

戻り高値をつけに行っているようで、ピンクのライン25MAに支えられるかどうかという場面ですね。

移動平均線を見てトレードされる方は、25MAを上抜けると、50MAあたりまで隙間を狙ってロングと考えているかもしれません。

でも、これ、4時間足なのか、それとも1時間足なのか気になりませんか?

この画像は、月足のチャートです。ポンドドルは、昨年12月から、Brexitの不安をよそにじりじりと上げてきているんです。2つのブローカーのMT4でこのブラックスワンが検出されているので、2016年末にチャートを見ていたハーモニックトレーダーは、ロングポジションを持っている可能性が高いです。

ブラックスワンで価格が上がってくるのであれば、ロングですねと言いたいところですが、月足のローソク足一本あたり約600PIPSですので、さすがに、これを見て今からロングポジションをとるトレーダーはいないと思います。また、短期的には昨日のレビューで記載したように、売りバタフライの出番ですので、いったんは売りでプルバックを待ってからロングを検討するというスタンスに優位性があります。

フィボナッチプロジェクションの2と2.24とブラックスワン

フィボナッチプロジェクションのレベルの2と2.24(正式には2.236)はいったい何者なのかを見ていきましょう。1.618と2.618など主要なフィボナッチ数値はよく知られていますが、2.0と2.24は、その間のポイントになりますよね。

いろんなチャートで1つの波をよく見ると、2と2.24のレベルで価格が反応することがよくあります。そこに到達するまでにチャートが描いた背景にもよりますが、とりわけ、2と2.24が機能するのは、直近の高値や安値を更新したのに、だましとなって反対方向に動いた後です。

GBPUSD Monthly 5.0 010118

グレーのパターンのA地点を見てください。それまで相場は、アップトレンドで高値を更新してきた背景があります。

オレンジの5-0パターンで描画したB地点を見ていただいても、直近の高値を更新し、再度レジスタンスをブレイクし、上昇かと思わせる場面を作ったポイントです。

グレーのブラックスワンパターンであれば、押し安値から高値へというXからAへの波、そして、オレンジのパターンですと、押し安値から高値へのAからBへの波が重要になってきます。

そして、この波を使ってターゲットを導くときに使うのが、フィボナッチ・プロジェクションです。(注:画像中、XDはフィボナッチエクステンションとありますが、フィボナッチプロジェクションです。失礼しました。)

このポンドドルのチャートで見えるブラックスワンのPRZ(潜在的反転ゾーン)であるD地点を見てください。グレーのXAの波を使ったプロジェクションのレベル2.24とオレンジの小さい波のXAのプロジェクションの2が重なっています。また、ブラックスワンというパターンは、エリオット波動分析でいう推進波とも重要なかかわりを持っています。

ハーモニックパターンを使うなら、フィボナッチの隠れた鬼のキーレベル2と2.24も知っておこう

フィボナッチプロジェクションの2.0と2.24のレベルまで価格が下げてきた場合、2や2.24を使うブラックスワンが想定できることが学べます。チャートをよく見ると、高値をつけて下落し、フィボナッチプロジェクションの2や2.24まで価格が到達すれば、一旦はその下落に対して、50%、あるいは61.8%のあたりまで戻しを入れる傾向にあるのがわかります。

2の逆数は0.5、そして2.24の逆数は0.446です。0.446は、あまり使わない数値かもしれませんが、グレーのブラックスワンで見ると、C地点に当たります。その場所は、フィボナッチリトレースメントレベルの48.2%、約半値戻しです。

だとすると、オレンジの5.0パターンの今後も動きも想定できそうですね。C地点で安値を付けた時は、フィボナッチプロジェクションが2.0ですので、フィボナッチ数値2の逆数である0.5が意識されてもおかしくない状況です。

5-0パターンは、シャークパターンとのコンビネーションで捉えられることがよくありますが、ブラックスワンでフィボナッチ数値2が出た後は、その逆数の0.5を使う「逆数5-0パターン」もシナリオにいれることができます。

オレンジの5.0パターンで、D地点ができる50%戻しのレベルまでプルバックした時に、ハーモニック検出インジケーターでも5-0パターンが検出されると心強いですよね。

なお、2009年の安値から2016年の安値までのプロジェクションは、1.414という数字も見えるかと思いますが、これは2の平方根ですよね。サポートとなったエリアでは、2.24と2、さらには2の平方根の1.414が重なる一つ目の重要な節目が出来上がったことになります。

(注:私自身数字が苦手なので、今でも平方根などは覚えきれていませんが、ハーモニックパターンインジケーターを使っていると、フィボナッチ数値はチャートのいたるところに出てきます。)

ブラックスワンのPRZには2.0、2.24、そして2.618もある

このGBPUSDのブラックスワンのPRZが示している最安値は、フィボナッチプロジェクションの2.618が重なる98.4あたり、パリティ以下です。

2.24で現在、反転していてもトレンド転換ではないという認識も必要だと思います。なぜなら、上昇している波の形が、勢いのある(インパルシブ)波ではなく、調整波のようにジグザグしています。つまり、月足でオレンジの5-0パターンが成立までの上昇は、それまでの下落トレンドに対する戻しにすぎず、GBPUSDは長期でショートポジション構築を考えるのに優位性がありそうだというシナリオも可能です。

とりわけ、月足ですのでずいぶん先の話であり、それまでにアップダウンのいろんなドラマが待っているんだろうなと思います。ブラックスワンで2.618まで到達するケースは、その通貨の売りや買いに対するセンチメントが強い時、ボラが高い時などです。いずれにしても、フィボナッチを使う際、2や2.24という数値が、ブラックスワンと5.0パターンと関連していることを覚えておいて損はなさそうです。

1つの波は初動から、フィボナッチエクステンション2.618、あるいは5.0まで到達して、終了されることがほとんどですので、2と2.24は途中下車をして一休みをするようなものと理解するのも大切かもしれません。

見逃せない!まだあるフィボナッチ数値からはじき出す鬼のキーレベル

フィボナッチ2、2.24は主要なレベルではないのですが、非常に重要な役割を果たします。これらを使うブラックスワンが出てきた場合、上昇トレンド、下降トレンドにかかわらず、「尻尾」をつかまされている可能性を示唆するからです。

ブラックスワンが検出されると、まさにブラックスワンのイベントとなり、それまで継続していたトレンドの方向にポジションを持っていたトレーダの手仕舞い、利確、あるいは、逃げ遅れたトレーダーの損切りが始まることがあります。

そして、フィボナッチにはもう1つとても重要な数値があります。フィボナッチプロジェクションでよく見かける1.13(1.128)という数値です。バットパターンで使うフィボナッチリトレースメントレベル88.6%は、1.13(1.128)の逆数です。

このパターンの嫌なところは、直近安値や高値に価格が迫り、いざ更新か!という場面で、確かに更新するのですが、その後、ひげを付けて切り返すというプライスアクションを出すことです。そのため、後付け解釈では、「だましだった」と言われることをよく聞くと思います。

この「だまし」を演出するフィボナッチの数値1.13は、ハーモニックパターンのシャークパターン、そしてエリオット波動のフラットパターンとも関係しているようです。

フィボナッチの隠れた鬼のキーレベル1.13 Fibonacci & Harmonic patterns

フィボナッチ88.6%:最後の砦、エリオット波動、ハーモニックトレード – Fibonacci 88.6%