先週はUK100とGER40のドン下げ、米株式指数の行ったり来たりの動きが目についたのですが、ここしばらくのキーレベルの価格ラインがイン・プレーというテクニカル分析を学ぶには最高の相場環境がまだ継続中です。先週と同じく、反発は押し目買いでいいのか?それとも下落トレンドに対するカウンタートレンドなのか?今の相場の様子をシェアします。
テクニカル分析に正解、不正解はございません
Various harmonic patterns vs Key Levels: Various charts show interesting junctures.
キーレベルでの攻防、キーレベルがサポレジという結構な相場
ドル円:ベアリッシュなシャークパターンが効いてから反発。でも下落。
ドル円は、すでに投稿している週足のベアリッシュなブラックスワンが居座る相場で、4時間足にベアリッシュなシャークパターンが登場していた環境から、一旦は下落。「15.317円というラインで下げ止まると、再び上昇するというシナリオをオンにしておきます。」と記載していましたが、短期的にはシナリオ通りでした。その後、水曜日に買いあがって上昇したのですが、木曜日から金曜日にかけて下落してきましたね。
いずれにしても、115.317円という隠れたキーレベルが意識されており、この115.317円に日足の20MAと4時間足の20MAも走っているような環境。
なお、今見ておきたいのは、4時間足と日足の20MAが115.317円のレベルでレジスタンスを形成している可能性。シャークパターンのPRZ(潜在的反転ゾーン)の161.121円はヒットしたものの、週足のブラックスワンのPRZである116.783円まで届かずですが、この115.317円を下抜けているため、当初から居座るブラックスワンの方に優位性があり、プルバック=下落を継続するかどうかを見ていきます。
ユーロドル:$1.12796のキーレベルから、$1.09234へ
ユーロドルは大きなトライアングルの中で、先週金曜日にヒットしかけて終わった$1.12796の隠れ最強ラインからギャップダウン。その後、次のキーレベルの$1.09234まで続落。日足と週足の長期移動平均線がレジスタンスになっている重たい相場です。現在は、$1.09234の最強ラインをヒットして、手じまいが入って少し買いあがっているものの、買いのハーモニックパターンはいません。むしろ、トライアングルの下限のラインが走る$1.07576あたりまで再びズブッと刺してくるのかに注目です。
で、気になるのが、DXY(ドルインデックス)のベアリッシュなスリードライブパターン。ユーロドルが、$1.09234の最強ラインをヒットして、手じまいが入っている傍ら、ドルインデックスは、$98.647という年足ピボットR1をヒットしてハーモニックという米ドル売りの絵。
EURUSDに少し買いが入れば、DXYのプルバックが発生しそうですが、プルバックで終わるのか、米ドルが下落に転じるのか。。。ドルインデックスの場合はレジスタンスを前にしては買わないというのが鉄則ですので、週明けのプライスアクションを待ちましょう。
また、少し厄介なのが、直近でドル買いを示すパターンがいるUSDCNHとUSDTRY。USDCNHには週足でブリッシュなシャークパターン、USDTRYにはブリッシュなホワイトスワンがいますが、PRZがもう少し下の方なので、いますぐには買っていけない環境のようです。
クロス円:EURJPY、GBPJPY、AUDJPY、CADJPY、CHFJPY
ここしばらく触れていたクロス円の現状をサクッとまとめておきます。
CADJPY(カナダドル円):月足と週足という長期レベルのチャートにいるベアリッシュなシャークが効いているほか、91.976円の隠れキーレベルがかなり意識されている様子。
買っていけそうな相場でもなく、週を終えた週足のローソク足は上ひげローソク足。ディープなプルバックがあっても焦らないという目線もありです。
画像真ん中あたりからの上昇に勢いがあり、5つの波をカウントすることも可能のようです。だとすれば、画像右側あたりの高値から昨日までの動きは調整波かもという目線になりますよね。ABCと3つの波からなるチャネル(=下降フラグ)か、フラットパターンを形成かというシナリオを描けます。いずれの場合も黄色のエリアの中にあるフィボナッチのレベルがキーレベルとなりそうです。
NZDJPY(ニュージーランドドル円):こちらは週足のブラックスワン。PRZはかなり上ですが、78.313円というキーレベルを行ったり来たりして、ヘッドアンドショルダーズパターンを形成しているような環境。
日足のチャートまで降りていくと、この価格ラインを上に抜けた時点で、ベアリッシュなバタフライが登場しています。異なる時間足に出現する異なるハーモニックパターンが示唆するのは売り。
また、CADJPYと同じく、画像真ん中あたりからの上昇が推進波であれば、現在は調整波にいることになりそうです。この78.313円をどうするのかに注目です。
このほか、先週触れていたのは、EURJPYとEURGBPにいたベアリッシュなハーモニックパターン。EURGBPとEURJPYともに下落しました。
EURJPY(ユーロ円)のブリッシュなクラブ:とりわけ、現在チャートに居座るのは、ブリッシュなクラブパターン。クラブパターンの特徴は、フィボナッチの黄金比率である、61.8、3.618、1.618に近い数値で出現すること。
このパターンの比率も黄金比率に近く、パターンから想定できるのは第3波がほぼ終了?という可能性。ただし、125.982円というキーレベルもレジスタンスになる可能性があり、クラブが示すターゲットをヒットしないままに、もう一段下げてくるという目線もオンです。
その他、AUDJPY(豪ドル円)は、隠れキーレベルの)84.965円がふたになっている状態。CHFJPY(スイスフラン円)も126.356円のキーレベルがふたになってブラックスワンがいます。GBPJPY(ポンド円)も、キーレベルの156.987円あたりで、高値を更新しましたが、ダブルトップのようになっている状況。ドル円のブラックスワンが威力を発揮すれば、さらに円買いに傾く可能性もあるので、週明けの動きに注目します。
NZDUSDの3ドライブパターンはかなり効いてますね
ここしばらく投稿していたNZDUSDのブリッシュ3ドライブパターンは威力を発揮中。最初のターゲットはヒット。引き続き上昇の動きを見せる可能性がありますね。
USDCADは出現した売りのガートレーで軽くプルバックしてから、原油と連動した感じで吹き上げたものの、$1.28088の隠れキーレベルが壁になっています。それでも日足の20MAは週足の20MAの上にある状態ですので、しばらくレンジになるのか、もうひと下げあるのか、様子見です。
コモディティ:Goldのブラックスワン、USOILのレジスタンス
先週投稿していたベアリッシュなバタフライで軽く下げた後、ターゲット候補の$1964.12まで吹き上げたゴールド。
この価格ラインはかなり重要で、この価格ラインがふたになるのであれば、以前US100 の記事で触れたワン・ツーパターンの可能性も描ける環境です。
仮にワン・ツーパターンが形成されつつあるのであれば、ゴールドは中長期的に下落していくというシナリオを描けます。先週までの投稿と合わせてご覧ください。
USOILはボリバンはみ出し&フィボナッチ78.6%
USOIL Miniは、$99.29、$107.35のレジスタンスを突っ切って爆上げしているのですが、ボリバンはみ出しで、隠れキーレベルに到達。以前投稿した「異なる時間足に現れた3つのハーモニックパターン!USOILのバタフライパターン、ABCDパターン、サイファー」の記事でも探索していましたが、$100という節目を想定通りヒットした後の上昇の動きが継続するかどうかは別の話です。
また、一旦出ていたハーモニックパターンのPRZや、キーレベルとなるレジスタンスラインを突破していくのも、センチメントが強い場合はよくあります。特に月足だと、ここしばらくの値動きで、出ていたサイファーからシャークへ進化したという理解になります。
このまま原油の買いが続けば、次のターゲットは$129.32なのですが、黄色で示したように、高値に対するフィボナッチの21.4(すなわち78.6%)にもほぼ差しかかっている環境。当初会ったハーモニックパターンが進化して上昇しているものの、示唆されているフィボナッチレベルをあなどることもできずといった感じです。週明けの動きが非常に楽しみなチャートですね。
株式指数:5ウェイブダウン、3ウェイブアップ開始?
US100、US500 、US30、GER40、UK100
最強ライン間際でプライスアクションを展開してきた米株式指数の背後にはハーモニックパターンがいましたね。
左の画像のうち、右上が今のUS30キャッシュ、右下がGER40。すさまじいですね。左下がUK100。これもえらいドン下げですよね。そして、左上がUS100。
先週投稿していたUS30キャッシュにいたABCDパターンは現在でも健在。結果的にキーレベルまで反発してきていますね。でも、キーレベルの$34226.57が死守されれば、ABCDパターンに潜む異なるシナリオをオンにします。
まず、AからB、CからDへの値幅が同じである今の状態の場合、ABCDパターンが形成しているのはチャネル、またはフラグというパターンでのABCという可能性が見えてきます。価格は、2本の平行線の中で動き、上側のラインをブレイクすると上昇するというシナリオへとつながっていきますよね。
次に忘れたくないのが、ABよりもCDが長くなるパターン。この場合、直近の安値をさらに割ってくるため、調整波のABCというよりは、トレンド継続の推進波、あるいはABCが2回繰り返されるダブルジグザグの可能性が高まってきます。
また、細かく見ていくと一点気になることがあります。
こちらはUS30キャッシュをズームインした画像で、現在のプライスアクションから以下のシナリオが描けます。
シナリオ1:ワン・ツ―というシナリオ
基本的なテクニカル分析から見える最強ラインの$34226.57と、先ほどのABがCDと等しいABCDパターンの存在を前提にします。$34226.57を上に超えてきても焦ることはなく、出現しているABCDパターンのターゲットをヒットしてくる可能性があります。
そして、ハーモニックパターンのターゲットをヒットして、再び下落に転じても、$34226.57がサポートになれば、ABCDパターンはチャネル、あるいは上昇フラグという調整波に過ぎなかったことになります。逆に、$34226.57をも下抜けてきた場合、話が変わります。ティール色の1と2と合わせて、青のiとii(わかりやすくするためにiとiiにしています)の存在をシナリオに入れることになります。つまり、ティールの1と2で第1波と第2波、青のiとiiで2つ目の第1波と第2波。これがワン・ツーです。トレンド転換の初動の動きともいえます。
こんがらがりやすいのですが、今の動きが青のiとiiだとする場合、この後、想定できるのは、iii, iv, vという5つの波を形成していく過程ですよね?そして、この青のカウントのiからvまでの5つの波が完了する場所が、ティールの1と2のカウントに従った第3波の形成にもなります。かなりベアリッシュなシナリオになります。第3波は勢いがあるので、かなり下に伸びる可能性もありますね。
シナリオ2:すでにティール色の1と2のカウントに従った第3波が進行中
この場合、ティール色の2が示す第2波はもう完了し、ティール色のカウントに従った第3波がすでに進行中というシナリオになります。ここで、進行中であろうティール色の第3波の内部の様子を見てみます。画像中に赤で示した1、2、3は第1波、第2波、第3波を意味し、進行中であろうティールの第3波を構成する要素で、かつ、一回り小さい推進波を形成しているのでは?と想定できます。
そして、現在レンジになっている価格帯でつけた最高値に注目します。$34226.57という最強ラインの少し下にある黄色のボックス内に上ひげの付いたDOJIのローソク足が見えると思います。よく見ると、このローソク足の高値は、左側の赤の1の辺りにつけた黄色のボックス内の最安値とかぶさっていません。
つまり、この$34226.57を超えられない、特にこの黄色のボックスでつけた高値を超えられない場合、現在いる場所が赤のカウントに従った第4波になるのではというシナリオになります。なぜなら、エリオット波動分析では、第4波は第1波と重ならないというガイドラインがあるからです。
となると、次は、この赤のカウントに従った第5波を形成するために下落に転じることが想定され、伸び切った先で下げ止まれば、ここで初めてティール色の第3波が終了するということになります。
いずれのシナリオも、かなりベアリッシュですよね。また、US500キャッシュも$4414.10というキーレベルが死守されている環境。そして、一つ気になるのは、US100。先週投稿したように、US100に居座っているA-サイファーのPRZをきっちりとヒットした形で、今年のピボットポイントS1を下抜けて反発していますよね。隠れレジスタンスの$14298.05を超えられない状況ですが、US100の場合、最高値から直近の最安値まで、きれいな5波が形成されています。
となると、反発してきた場合はABC調整波の可能性が高まります。引き続き、週明けからは、今の上昇が下落トレンドの初動に対するカウンタートレンド(調整波)になるかどうか、そして、US30のキーレベルの死守があるかないかを見ていきます。
テクニカル分析に正解、不正解はございません。シナリオを描いておいて、テクニカル分析の基本であるラインやプライスアクションが見えるようになる力を付ける方が大切です。また何かあればアップデートしますね。
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