今週のプライスアクションでは、EURUSDとナスダック(NQ1)が以前から気になっていたターゲットを見事にヒットしてくれたわかりやすい環境でした。一方、フィボナッチリトレースメントの50%をヒットしないまま反発しているドル円が気になりますが、今のチャートの様子をサクッとシェアします。
フィボナッチ5とボラティリティ指数:嵐の前の静けさ?
Fibonacci extension 5, vix, vvix, vxx: Calm before storm?
フィボナッチの主要レベル in play
ドル円:トライアングル、フィボナッチ3.618%と78.6%
ドル円のプライスアクションで先週見ていたのはトライアングル。下に抜けたのですが、すでに記載していたフィボナッチエクステンションの3.618%のレベルを下に突っ切って安値を更新することはありませんでしたよね。
ここで面白いのが、このフィボナッチエクステンションの3.618%でつけた安値に対するフィボナッチリトレースメントの78.6%が強固なサポートになっていたこと。
画像中に、この安値とBの高値を使ったフィボナッチリトレースメントと、同じ安値とその次の高値を使ったフィボナッチリトレースメントを描画しています。微妙に異なりますが、押し安値を付けたエリアが、フィボナッチリトレースメント78.6%(21.4%)で形成されたゾーンになっているのが見えると思います。
ただ気になるのは、画像下にあるフィボナッチリトレースメント50%のレベルをまだヒットしてないこと。その一方、1月14日に投稿していた12月末から居座るブラックスワン効いているのであれば、レジスタンスを抜けてさらに上昇余地があるという目線になります。いずれにしても、昨年のピボットポイントの132.486円と、今年のピボットポイントの132.163円が形成するレジスタンスのエリアでのプライスアクションを見ていく感じになります。
EURUSDはフィボナッチリトレースメント50%のターゲットヒット♪
月足で見える大きなトライアングルの下限ラインを目指したリターンムーブが完了したユーロドルですが、もう一つ気になるターゲットをヒットしてないままでした。
こちらは、2月1日にキャプチャ―しておいたブリッシュガートレー。
画像右に50.0とあるのが、2021年1月の高値と2022年9月の安値を使ったフィボナッチリトレースメントの50%。このレベルにわずかに届いていないというやきもきする環境を打破するのお手伝いをしてくれたのがガートレーということになります。
このガートレーが出るまでは、ヘッドアンドショルダーズパターンが意識されていたと思いますが、ネックラインを割れてから伸びない場合によくあるのが、逆走して高値を更新するというパターン。まさにその通りになりましたよね。
すでにフィボナッチの「ザ・伸び切りゾーン」にいて、大きなトライアングルの下限ラインへのリターンムーブを終え、かつフィボナッチリトレースメントの50%をヒットしたところで、偉業達成みたいな感じになっていたかもしれません。
伸び切っていた最後にワンモアアップをしてターゲットをヒットしたので、その後の約220ピップスほどのプルバックは、特に驚くこともないかなと思います。このままプルバックを継続するのであれば、浅いレベルでみても、$1.04700から$1.05771あたりがターゲットに入ってきます。
ドルインデックス(DXY)は、$103.631あたりに空いた窓があるので、ここを埋めるために上昇してきてもおかしくはないです。
ゴールドは$1946.97がレジスタンス、米国債は今一つ?
ゴールドも、EURUSDと同じで、直近の安値、高値、押し安値を使ったフィボナッチエクスパンションと、直近の安値と高値を使ったフィボナッチエクステンション両方の2.618%のレベルに到達していたという環境でしたね。
やはり、先週記載していた月足のボリンジャーバンドと、年ピボットポイントのミドル値$1946.97がレジスタンスとなり、続落。すでにシルバーが先を行く感じで、下落していた感もあるので下落というプライスアクションはある意味納得です。
先週投稿した米10年債フューチャーズ(ZN1)は、年ピボットポイントと、下の方にある窓の間で荒れ技。FOMC前にどちらかに到達してくれていればわかりやすかったですが、結局、今でもどちらにもいきそうなうろうろ状態ですよね。今のレベルから買いあがるのであれば、ドル円はプルバック、EURUSDは再び上昇圧力が出そうだというシナリオを持っておいてもよさそうです。先週の記事もご参照ください。
DJI、SPX、NDQ vs ボラティリティ指数
ここしばらくの投稿で記載したように、ナスダックキャッシュとダウのキャッシュのチャートには買いのハーモニックパターンがいたので、反転上昇しています。SP500のキャッシュには、引き続きブリッシュな5-0パターンが週足にいすわっております。
US100とNQ1の窓とフィボナッチエクステンション5%
先週、12月末からの上昇の波で見るフィボナッチエクステンションの3.618%に到達してピタッと止められていたのですが、火曜日に押し安値を付けた後、再び上昇。とはいえ、今年のピボットポイントがある$12652.35を目指すシナリオを考慮していたので、何の問題ありません。というか、今週$12652.35をヒットしてくれたので、この方がわかりやすいかもしれません。
クールなガートレーパターンが登場しておりますので、買い目線には慎重になりたいですが、気になるのは、ガートレーのPRZ(潜在的反転ゾーン)がもう少し上で、なおかつ、$13250あたりに窓が開いていること。
そのため、プルバックしても、再び、この年ピボットポイントのある$12652.35を再び上に抜けて、$13250を目指してくる可能性もあるということです。
なお、ここで面白いのでシェアしたいのが、直近の上昇波に潜むフィボナッチエクステンションのレベルの存在。
こちらはトレーティングビューで見たNQ1(ナスダックE-miniフューチャーズ)のチャート。ナスダックキャッシュと同じくガートレーパターンが検知されているのですが、画像にあるオレンジのボックスに注目します。
ボックス内の、左側の安値から上昇して高値を付け、その後下げてきて右側に押し安値を付けた後、強烈に上昇している波がわかります。
このボックス内の高値から、左側の安値に向かって引いた緑色のフィボナッチのレベルに注目してみると、金曜日に上に行こうとしても行かしてもらえなかった理由がだんだんと見えてきませんか?
そう、フィボナッチエクステンションの5%に到達しているからです。上側の画像はMT4のナスダックキャッシュですが、同じような絵柄ですよね。
フィボナッチエクステンションでも、1.272%、1.618%、2%、2.618%、3.618%、4.618%などフィボナッチの主要な数値がはじき出す価格帯では必ずプライスアクションが出ます。そして、5%まで達すると、大体その方向への動きがひと段落する感じになります。
いいかえれば、フィボナッチエクステンションの5%は、このブログでよく使う「ザ・伸び切りゾーン」の上限です。これを超えた場合、ギャップダウンやギャップアップというプライスアクションを展開して、強烈に逆走してくることがよくあります。しかも、ナスダックの場合は、ガートレーパターンがいるので、週明けのプライスアクションが少し怖い?感ありです。
SPXのトレンドラインと上ひげローソク足
こちらは、SPXの日足チャート。濃紺のラインは長期のトレンドラインで、このライン際では何度もプライスアクションが出ています。
金曜日のローソク足は上ひげの長いDOJI。また、SPXも直近の上昇だけを見ると、フィボナッチエクステンションの5%をヒットしている有様ですが、空いた窓があるのでこれを埋めるのかに注目です。
DJI(ダウ)については先週の投稿をご参照ください。DJIもSPXも、長期トレンドラインを下に抜けてきてさてどうなるのかというきわどい場所で止まっている場面です。ギャップダウンがあっても問題ないです。
そのほか、今週、FOMCやNFPに関係なく、幾つか見ていたチャートがあるのでシェアしますね。
APPLE:年ピボットポイントとブラックスワンで抑えられて「ザ・伸び切りゾーン」
先週記載したアップルは、ブラックスワンと黄土色の年ピボットポイントで一旦プルバックしていますが、その後反発。ですが、下げに転ずるシナリオをオンにしています。なぜなら、「ザ・伸び切りゾーン」を突っ切ってしまっていて、5%の次のフィボナッチの主要数値で止められているからです。
AMAZON:ベアリッシュなサイファー
先週記事を投稿した時点では、決算報告もまだで、年ピボットポイントにも到達していなかったですが、発表後到達し、とんでもないことになってますよね。
年ピボットというレジスタンスと、サイファーパターンというハーモニックパターンで止められてしまう決算報告後に起こる典型的なプライスアクションです。
その他Meta、Google、Microsoftも同じようなプライスアクションになっています。これらテク株の動きがナスダックキャッシュとNQ1に現れていますね。
先週投稿したバークシャーハサウェイは、年ピボットポイントの辺りでうろうろ。上の方に窓が開いていますが、ちょっとわかりませんよね。
BOEING(ボーイング)
こちらはBoeingのチャート。直近の上昇の波を見ると、フィボナッチエクステンションの5%を超えているほか、画像中央に築いたひと山の左側の安値と高値を使ったフィボナッチエクステンションは1.618%で抑えられています。
DJIの30種の内訳は、テクノロジーとフィナンシャルの銘柄が、インダストリアル株を上回る比率になっていますが、ボーイングが下げて、テクノロジーとフィナンシャルが一緒にプルバックするとダウにとっては、かなりの売り圧力がかかってくるというシナリオになりますよね。
DAX(ドイツ株価指数)とGER40
こちらは、DAX。英国のFTSE100が高値を更新したので、DAXも更新かよ?と思いたいのですが、現在いる場所はフィボナッチリトレースメントの78.6%。
日足ではブラックスワンがいますが、4時間足ではバタフライパターンなので、いずれにしても、レジスタンス近しという警告が出ている感ありです。
フィボナッチリトレースメントの78.6%を上に抜けたら、次はフィボナッチリトレースメントの88.6%がターゲットになります。
GER40のほうはベアリッシュなサイファーが居座る環境です。
月足のチャートになりますが、フィボナッチリトレースメントの78.6%を見事にヒット。
週足にはブラックスワンが出ている環境ですので、週明けの動きに注目です。
HYGとLQD
先週少し触れたHYG(ハイイールド社債ETF)のほか、LQD(iシェアーズ iBoxx 米ドル建て投資適格社債 ETF)なども、年ピボットポイントで抑えられています。
LQDにはベアリッシュなハーモニックパターンが出てきて下落。窓を埋めるために週明けに上昇するかはわかりませんので、週明けもフォローしていきます。
また、このほかフィナンシャル系のKBEのチャートも、フィボナッチエクステンションの4.618%をすでにヒットしており、「ザ・伸び切りゾーン」にいるのは間違いないです。
Invesco S&P 500 High Beta (ハイベータ) ETF(SPHB)
こちらは結構マイナーなETFかもしれませんが、先ほどのフィボナッチエクステンションの5%の話の続きという目線で見ると、なんと、5%を超えてから逆走しているようです。フィボナッチエクステンションの5%の次の主要レベルもありますが、そこまで到達するとほとんどの場合逆走しているので、これも同じパターンかもしれませんね。
しかも、ベアリッシュなバタフライパターンが居座っています。おそらく週明けは、フィナンシャル関連にプレッシャーがかかるかもというシナリオをONにしておきます。
iPath S&P 500 VIX Short Term Futures
こちらは、VXX iPath S&P 500 VIXフューチャーズ。このチャートは月足で見るとえらい下の方になるのですが、フィボナッチエクスパンションの1.272%でぴったりと止まり、明けの明星のようなローソク足パターンになっています。
VIXを売り込んできた背景を理解することができるのですが、先週投稿したボラティリティ指数のVIXとVVIXと一緒に合わせてみてみると面白いですよね。
VIXは、バタフライパターンもどきのフィボナッチ比率から見えていたように、もうひと下げあって、年ピボットポイントのS1(サポート1)に見事到達。そして、反転しかけている気持ち悪い絵柄です。笑
ボラティリティ指数とムーンサイクル
週明け6日には満月を迎え、ムーンサイクルが新しくなりますね。6日までは短期的にでも、上昇をトライする動きがあると想定できますが、FOMCやNFPなどの主要なイベントは過ぎ去った過去のこと。ダウ理論でいうところのすべての事象が織り込まれているのが今のチャート達です。
安値を割ってこないVIXとVVIXのほか、VXXがドカーンと反発上昇してもおかしくない、嵐の前の静けさ的な雰囲気になっている可能性もあるので気を付けたいところではないでしょうか?
今回は、マイナーなETFやVXXのチャートも掲載しましたが、こうしたものが節目をヒットしているのは明確。ドル円やユーロドルなどFXのチャートだけを見ていては見えてこない相場全体の環境が、徐々に姿を現しつつあるように見えます。
特に、ナスダックが年ピボットポイントヒットで抑えられて、深くプルバックをするのであれば、イントラデイの超短期的な上昇は戻り高値を付けるための調整であるというシナリオがオンになります。
また、ボーイングのほか、テクノロジーやフィナンシャルの主要銘柄が下げてくると、ダウにとっては、かなりのプレッシャーとなりそうだというシナリオもオンです。さらに、フィボナッチのレベルで伸び切っているフィナンシャル系のXLF、KBE、SPHBなどがギャップダウンしても焦らないことです。
相場全体を見てみると、EURUSD、ゴールド、シルバーがワンモアアップを達成したほか、原油はドン下げしている環境であることにも注意したいですよね。
ドルインデックス(DXY)が、軽いプルバックの後に再び上昇する、米国債が反発しても再び下落するという流れに変われば、ナスダックの売り圧力も大きくなると想定できます。
いずれにしても、今わかっているのは、上記で見た銘柄やナスダックなどが、すでに伸び切った価格帯にいること。ナスダックは想定していた年ピボットポイントで止められています。ここからのギャップダウンになれば、その値幅次第では、ボラティリティ指数がぶっ飛ぶ注意したいですよね。その一方、下げてきたら、押し目を付けるかどうかも見ていきます。
また何かあればアップデートしますね。