株式指数やメジャーな株の下落、ビットコインの上値重しという状況など、なぜ?と考えていても仕方がなく、その一つの要因にすぐれたわき役のピボットポイントが関係しているのではないかということで、見ていきます。Major indexes and stocks fell while BITCOIN lost steam at around $11,490. What stood to stop their upward movements was this usual suspect, the Yearly Pivot.
ピボットポイント=エッジのある最強ライン・水平線
Technical analysis: Pivot point (Mother of all lines)
2月3日は節分の日。「鬼は外、福は内」と豆をまいた、子供の頃を思い出します。株式など、大きく下落した背景に何があったのかといまさら理由を考えたり、ファンダを見直したりしても、結果は下げという事実があります。すべての事象は価格チャートに収束されるというダウ理論の言葉も思い出しますが、テクニカル分析をしているトレーダーにとってはおいしい売りのポイントがすでにあっての売り目線、あるいは利益確定のポイントであったのかもしれません。
いくつかの株式やETFなど、私自身は取引はしていませんが、これらのチャートでは、その売りのポイントらしき場所に、年レベルのピボットポイントという「鬼」が立ちはだかっていたのは事実です^^ 色々見ていて、え?これも?こっちもR1!というように、メジャーなものが節目に来ていたのは事実です。
ピボットポイントの強弱:年足 > 月足 > 週足 > 日足
相場の環境認識のために使うツールで最も有名なのが移動平均線(MA: Moving Average)。週足、日足、4時間足、1時間足の移動平均線の傾きや並びから、今の相場が上昇トレンドにあるのか、下降トレンドにあるのか、レンジなのかを判断すると思います。そして、移動平均線を使う場合に限らず、相場の環境認識で重要なのは長期の時間足で、トレンドがどちらに向いているのか?あるいはレンジなのか?ということを知ることです。
ピボットポイントも同じです。1時間、4時間、日、週、月といった色々なピボットポイントがありますが、とりわけ重要視されるのが、長期のピボットであるウィークリーピボットとマンスリーピボットです。特に、トレーダーは金曜日のトレードを終えると、週足のローソク足を見て、次週のピボットポイントを算出したりします。そして、それよりも堂々と居座るのが年足のピボットポイント。年足ピボットポイントはあまり聞かないかと思いますが、これこそが、Mother of All Lines=究極で最強のラインです。
ラインや水平線トレードご用達のピボットポイント
このピボットポイントは、チャート上でどういう役目を果たすのですか?
例えば、サポートやレジスタンスを見定め、ラインや水平線を引いて、そこに迫ってくる20MAなど移動平均線との絡みを見てエントリーを狙うライントレード手法やブレイクアウト手法があるほか、そのサポートやレジスタンスでロールリバーサル(サポレジ転換)といったプライスアクションがあることを学びますよね。
でも、そのラインや水平線を引くとき、自分だけにわかるラインや水平線を引くのはNG。「この高値も、あの安値も大事そう」と考えて、チャートにラインや水平線を引きまくると本末転倒です。大多数の市場参加者によってつけられたサポートやレジスタンスの中でも、「これは外せない!」と納得できる強固なラインや水平線であり、エッジのあるラインでなければいけないですよね。
そのエッジのあるラインを見つけるのに手を貸してくれるのが、ピボットポイントです。使わない手はありません。
ピボットポイントは、機関投資家などプロが必ずが見ているテクニカル分析ツールです。私も、FXを学び始めてから必ず表示しています。ピボットポイントは、インジケーターによっては、過去のもの表示してくれます。例えば、日足など長期足でサポートやレジスタンスとして何度も反応している価格帯がある場合、チャートの左を見ると、そこには昔の週足や月足のピボットラインが居座っていたことがよくあります。
ドル円で見た年ピボットポイント
画像中の黄土色のラインで、少し色が濃いほうのラインは、年ピボットポイントです。
その濃いラインを挟んで上下にある薄い黄土色のラインは、年ピボットポイントのS1やR1です。
1994年から、ピンクのエリアで示したように、ピボットポイントと翌年のピボットポイントS1が重なったりするなど、ピボットポイントがあるあたりが節目となり、ここでプライスアクションが出て、サポレジ転換(ロールリバーサル)などを繰り返しています。
年ピボット、月ピボット、週ピボット、日ピボットが重なる場所を確認する
年ピボットにウィークリーピボット(週足ピボット)やマンスリーピボット(月足ピボット)を付け加えて表示すると、それらが重なる価格帯は、さらにエッジのあるラインやエリアとなります。言い換えれば、こうした長期のピボットポイントが重なるエリアは、機関投資家が意識するので、プライスアクションが活発になり、手じまい、利確など動きが出るわけです。
デイトレの場合、年ピボットなどの長期のピボットポイントがサポレジとなりプライスアクションを引きおこした価格帯は必ず見ておき、これにデイリーピボット(日足レベルのピボット)を合わせて見ていきます。
例えば、デイリーピボットとデイリーピボットのS1(サポート1)やR1(レジスタンス1)と、ウィークリーピボットやマンスリーピボットのレベルが重なっていることはしょっちゅうです。こうしたピボットが重なるエリアに価格が到達すると、手じまいや利確をしたり、新規にエントリーするトレーダーがいるため、プライスアクションが出ます。
ピボットにはフィボナッチやFHRなどあまりよくわからないものもあるのですが、誰もが見ているスタンダードを表示させておくといいかもしれません。テクニカル分析に使うツールは、多くの人が使っているもの、あるいは設定値でないと意味がありません。
意外かもしれませんが、機関投資家などプロが使っている設定値は、デフォルト値(ボリンジャーバンドならデフォルトの20、移動平均線なら20か25など)が多く、シンプルです。ポイントは、プロトレーダーや多くの市場参加者が見ているであろう節目をあなどってはいけないということだと思います。私にとっても重要なレッスンです。
そしてこれらのピボットピボットに、ハーモニックのPRZ(潜在的反転ゾーン)、移動平均線、ボリンジャーバンドの2シグマ、フィボナッチのリトレースメント、エクステンション、エクスパンション、プロジェクションのレベルが重なってくると、文句なしで、破壊力抜群のプライスアクションになります。ヾ(*´∀`*)ノ
ネット上にピボットポイントの計算方法など基本の情報がたくさんありますよね。今の株式のチャートなどで意識された年足のピボットの例をシェアします。(注:下記は2018年2月の投稿時点で出ていた2018年のピボットポイントを意味します。)
年ピボットポイントが効く!リアルチャートからの事例
年ピボットR1を一度上抜けして、まだまだ上昇かと思わせぶりでいた銘柄や指数
- DJI、SPX, ナスダックコンポジット (Nasdaq Composite)
- XLF:金融関連のETF
- EEM:iShares MSCI Emerging Markets Index(エマージングマーケットインデックス)
- RUSSELL1000 & 2000、FTSE中国A50インデックス
- HYG:iShares ハイイールド債
- その他個別銘柄:Berkshire Hathaway、Microsoft、Google、Amazon(Amazonは年R1をとっくに超えてR2手前で下落)、ボーイング (Boeing)、JPモーガン (JP Morgan)
年ピボットR1までもう少しというところでマンスリーピボットなどで落とされた銘柄
- GER30, JP225
- XLE:エネルギー関連ETF(概してWTIと連動する傾向にあり、WTIはR1をヒットしてトリプルトップ状態です。
- Facebook、インテル (Intel)
APPLE株は、以前投稿したパターンのPRZ(潜在的反転ゾーン)より上に年ピボットR1があり、少し上抜けましたが、ブラックスワンのPRZや大きなフィボナッチや直近のフィボナッチのエクステンションなどのレベルが重なる近辺で落とされています。年ピボットがもう少し下ですのでここまで落ちるかどうか注目。
中でも目立ったのが、画像中Yearly Pivotと表記していますが、年ピボットのR1のライン際で、ヘッドアンドショルダーズパターンを作ったGOOGLE株。強烈な窓開けのプライスアクションです。
グーグル株のチャート GOOGLE formed H&S just on top of the R1, then, plunged.
同じように、ナスダックコンポジットのチャートは、華麗に年ピボットR1あたりでヘッドアンドショルダーズです。
この辺りには、チャネルの上限もあったので、絶好の売り場だった可能性がありますね。
私は上記の銘柄や指数を取引してはいませんが、テクニカル分析の学習という意味で、チャートを使うことはあります。おそらく上記以外の銘柄でも年レベルのピボットかR1をヒットしているものはあると思います。
見逃せない!ビットコインのチャートに現れた意地悪な年足ピボットポイント
お気づきでしょうか?ビットコインも他の仮想通貨も、2017年は、年ピボットなんて760ドルあたりの下の方にしか表示されず、「何だ、使い物にならないな」と思わせるようなチャートでしたが、2018年以降、わき役が主役になったように、チャートは様変わりしています。
ピボットポイントについての関連・参考記事
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ピボットポイントは、節目を見つける際、根拠のひとつとなります。