昨日の週のまとめで触れたポンドドルですが、ふと思い出した記事があったのでこちらに投稿します。ポンドドルは、NZDUSDやEURUSDと同じく年足レベルのピボットポイントS1という大きな節目で猛反撃。このような最強ラインを事前に見ていないとサポートで売って損切りさせられるという受け身のトレードになる典型的な事例でした。In GBPUSD, a bullish blackswan which had already in play for many months has now re-emerged.
ブレクジットで不透明?同じハーモニック再び!
Sterling bounced from yearly pivot S1 with a blackswan which may tell us what to come regardless of Brexit.
(注:この記事は2019年9月8日に投稿していたものです)
先日(9月7日)に投稿した「NZドルとユーロの反発は想定通り。シルバーには強烈な売りのハーモニックパターン。ダウ(US30)のガートレーにも注目」で少し触れたポンドのペア。
ちょっと気になったので3つのブローカー提供のMT4のチャートを見てみたら、どのチャートにもあの時の買いのブラックスワンパターンが再度登場しています。2018年1月に投稿した「フィボナッチの隠れた鬼のキーレベル2と2.24 Fibonacci & Harmonic patterns」で見たポンドドル。この記事で、フィボナッチプロジェクションの2.0や2.24を使うブラックスワンパターン(5.0という逆数を使うパターンにも少し触れました)について見ていました。あれからずいぶんと時間がたったのですが、この月足の同じブラックスワンパターンが、また居座りなおしている状況です。
異なるブローカーに同じようにいる新種ハーモニック、ブラックスワン
Trading.comで見るポンドドルの月足のチャートには、ブラックスワンーハーモニックパターン。長い年月をかけて安値を付けたけれどオシレーターは切り下がっていない、つまり、ダイバージェンスのような感じです。デイトレなどで短い時間足のチャートばかり見ていると意外と気づかないですが、月足のチャートで出るダイバージェンスだと、反発が長期的なものになる可能性も示唆していますよね。
OANDAの月足のチャートでも買いのブラックスワン。OANDAの場合は、直近の安値を切っていませんが、年足ピボットS1できちんと反応しているのは同じです。AVA Tradeの月足チャートでは、ブラックスワンと年足ピボットポイントS1で反応していますね。
長期足のハーモニックパターンでポンドドルのシナリオ作成
簡単ですが、来週以降、ポンドドルのチャートで、何を見るべきかを見ていきます。日足では、年ピボットポイントS1という節目でピンバーになっており、買い圧力がいることがわかりますよね。売り方は手じまいしています。
安値から木曜日の高値へとすさまじい勢いで上昇しています。年ピボットポイントS1が超えたくないサポートとして意識されているのは間違いないですよね。この上昇は、勢いのある推進波ではないでしょうか?
いや、そうではなくて、年ピボットポイントS1での利確や手じまいが重なって大きく買い戻されただけで、下落トレンドに対する単なる戻しなのでしょうか?
意見は分かれると思います。特に長期で下落トレンドが続いていたわけですから、目線はまだ下というトレーダーは多数派かもしれませんね。
1:反転の値動きは推進波のよう。それなら次はABC調整波?というシナリオ
トレンド転換の初動ではないかと考える場合を見ていきます。この上昇は、カウントを描画していませんが、エリオット波動で言う5波から形成される推進波に見えます。そして、画像中央のブルーで見えるレベルは、3日に上昇を開始して作った一番最初の同日の高値から同日の最安値に向かって引いたフィボナッチエクステンションのレベルです。
この小さなイントラデイ(Intra day)レベルの高値と安値を使ったフィボナッチエクステンションのレベルを見ると、5.0%を超えて伸びているのが見えると思います。
その手前の4.236%や4.618%のレベルでも、上から降りてくる移動平均線がレジスタンスとなり、一旦はプルバックしていますよね。ですが、プルバックしても、日足の20MAがその下を走っていたこともあり、支えられて上昇継続となりました。
画像には、先週のピボットポイントなどが残っていますが、太いピンクのラインは今週の新しいデイリーピボットで、太い水色の太いラインは今週のウィークリーピボットです。デイリーピボットも、ウィークリーピボットも、先週のピボットとほぼ同じ場所にいます。
現状では、先週の上昇の動きが「伸び切りゾーン」にいるため、一旦のプルバックを想定しています。そして重要なのが、先週の上昇がトレンド転換の初動だろうと考えるのであれば、今週起こりうるプルバックが、調整波でなくてはいけないということです。
つまり、1-2-3-4-5波という推進波の後に発生するABCでジグザグという動きを見ていく必要があります。エリオット波動を使っているトレーダーさんは、このABC調整波が完成するのを今週必ず見ていると思います。
仮にABCというプルバックが始まるなら、押し目はどこでつけるのだろう?
ここで、またフィボナッチを活用します。このまま上昇するという目線であるので、木曜日の高値から3日の安値に向かって引きます。(戻り売りを考えているトレーダーさんは、3日の安値から木曜日の高値に向かって引いているはずですが、どちらに向かって引いても間違いではありません。)
まず最初のキーレベルは、水色の太いラインのウィークリーピボットのある61.8%のエリア。フィボナッチを逆に引いているので38.2%のことです。ここだと、1時間足の100MAも下から支えるように上がってきていますね。
次の候補は、リトレースメントレベル50%のエリア。ここには今月のマンスリーピボット(画像中はM Pivot)があります。また、ここでは描画していませんが、日足20MAがここで価格をしたからまた支える可能性が出てきます。
濃紺のラインでは50%のリトレースメントのレベルまでの下落を描画していますが、その後、そのまま上昇を再開という航路と、上昇してもまた下げてきて、深いプルバックを付ける可能性の両方を示しています。
2:トレンド転換の初動で出る忘れてはいけないハーモニックパターン
特に深いプルバックをしてきても、焦らないことです。売り目線のトレーダーは、戻り売りを仕掛けてくる環境ですので、価格が下落するのは当然です。61.8%(画像中は38.2%)のリトレースメントレベルまで下りてきた時に、忘れていけないのは、「買いの61.8%パターン」というハーモニックパターンの存在です。これが検出されると、A)3日からの上昇は第1波、B)木曜日から今週にかけて起こりうる下落は調整波で第2波、C)「買いの61.8%パターン」が検出されれば、次の動きは、大きな第3波での上昇というシナリオに優位性が出ます。
また、ハーモニックトレードを学ぶとよく遭遇するフィボナッチリトレースメント50%の地点で完成する「5-0パターン」も思い出したい場面です。「5-0パターン」は、トレンドの初動の動きを捉える非常に重要なパターンです。
さらに、上記で見たフィボナッチリトレースメントのレベル61.8%や50%から、再度上昇しても、また、さらに深い78.6%や88.6%まで下げてきた場合、ガートレーやバットパターンの可能性もあります。
まとめ:上記でみた3つのチャートで共通しているのは、年ピボットポイントS1でプライスアクションが出ていること。日足では、ピンバーという下ひげの長いローソク足。また、来月にならないとわかりませんが、今月のローソク足が陽線で終われば、月足レベルで、「明けの明星」というローソク足になる可能性もあります。
特にポンドドルは、4時間足20MAが日足20MAの上にクロスオーバーしており、移動平均線の動きにも注目ですね。
なお、買いのブラックスワンのPRZ(潜在的反転ゾーン)の下限は$0.94や$0.98というレベルでかなりな下落幅があります。単なる反発であれば、当然、年ピボットポイントS1を抜ける可能性もあります。今の時点で注意深くフォローするべきは、A)年ピボットポイントS1を割らないこと、B)そのS1より上の価格帯で、上記で見た買いのハーモニックパターンや、ABCの調整波という価格の動きが見て取れるどうかです。
ポンドドルだけではなく、同じ動きがユーロドル、豪ドル米ドル、NZDUSDにも出るか合わせてみていきましょう。対ドルペアが同じ動きをすれば、より根拠が揃い、かつ、わかりやすいトレードセットアップになります。さらに、余力があれば、ドルと連動するものなど他の要素も併せたいですが、今の市場の目線は、年ピボットポイントS1をサポートとして意識していることは忘れたくないですね。