先週も見事なプライスアクションを展開した相場が多かったですね。NFP(米雇用統計)の結果を受けても上昇しているドル円から少し見えてくるものがあります。ナスダックキャッシュなどキーレベルが居座るボラティリティのある相場の今の状況をシェアします。
チャートで見えるキーレベル、見えない要因
Significant confluences and key levels are in play: Potential higher volatility
チャートパターンとキーレベルが居座る相場達
EURUSD:チャネルの下限を下にブレイク?
今週のプライスアクションから見えるのは、ヘッドアンドショルダーズパターンのネックラインを割ってしまった後、前回投稿していたチャネルの下限も下に抜けてしまっているという相場環境。キーレベルの$1.17227からまた遠ざかっており、$1.14295まで続落するというシナリオは以前としてオンです。
先週投稿した日足の画像にある赤のラインのヘッドアンドショルダーズパターンのネックライン、紺のチャネルを復習しておくとよいかもしれません。また、引き続き、買いを示唆するハーモニックパターンが登場していない相場。買いで参入するにはまだエッジのない価格帯なのかもしれませんね。
DXY(ドルインデックス)とドル円:想定通りの航路進行中
ドルインデックスについては、かなり前に$94.371というキーレベルを掲載していました。先週、ようやく到達した後、下落し、今週水曜日にまたヒットして下落。これだけ強力なレジスタンスを超えられないのだから、このキーレベルの上にストップを置いて、米ドルを売ろう!という目線にもなるのですが、日足のチャートを見ると移動平均線の20MA、50MA、100MA、200MAがパーフェクトオーダーという状況。
また、先々週ぐらいに投稿したシナリオ通りに上昇してきたドル円が、雇用統計の結果を受けても上昇している事実を考えると、何かおかしいですよね?あのような結果なら、米ドルの爆売りになるはずでは?と思いたいのですが、チャートで見えない要因が米ドルを引っ張っているのかもしれません。
少し復習すると、先々週の投稿で、「ホワイトスワンからディープクラブパターンへ」というシナリオを描いていました。画像中、薄いオレンジと黄色が重なって紫の色になっている箇所がありますがこの黄色のボックスあたりに、売りのブラックスワンが出ていました。
USOILのチャートの事例を掲載して、ブラックスワンで下げ止まると、ディープクラブパターンというパターンを形成に上昇するのではというシナリオでした。
濃紺のラインで、想定できるディープクラブパターンの縁取りを描画しています。
で、面白いのは、現在出ている薄いオレンジ色のブラックスワンのPRZ(潜在的反転ゾーン)の場所。想定している売りのディープクラブパターンの完成地点となる場所とほぼ重なります。価格で言うと112.600円から112.770円の間に、抵抗帯ができることになります。
また、画像の上にある黄色のボックスの左側に水色で見える2.618%というのは、ディープクラブパターンで使うフィボナッチプロジェクションの値。そして、もう一つ右側にある水色の3.618%というのは、フィボナッチエクステンションの値で、これらが重なる所に、ブラックスワンのPRZがほぼ重なっているという絵柄です。
このブラックスワンで、素直に切り返してくるのか、あるいは単なるプルバックとなり、再び上昇するのかは週明けのお楽しみとなりますが、ドルインデックスと同じく、現状、移動平均線はパーフェクトオーダーです。ドル円の場合、次のメジャーなターゲットである113.244円まで上昇するのではというシナリオも描けます。
カナダドル円のサイファー
キーレベルを一度ヒットしてから下落し、再びチャレンジして、ベアリッシュなサイファーパターンがご登場という環境です。
そういえば、カナダドルは資源国通貨ですよね。カナダドルが買われているのは、原油が上昇しているから?とも思えるのですが、次の豪ドル円(AUDJPY)も気になります。
豪ドル円:ブラックスワンとチャネル
豪ドル円(AUDJPY)にいるのはブラックスワン。PRZはもう少し上ですが、上からかぶさってくるのは超長期の移動平均線。
また、蛍光緑のチャネル内での値動きでもあり、この移動平均線とチャネルの上限が重なるエリアに到達した場合は、手じまいの動きも入ってくると想定できますね。
USOIL(WTI原油のキャッシュ)、GOLD、Silver
USOIL(MT4で見える原油のフューチャーズ)のキーレベルは$69.65。その後の上昇で近づいたのが次の$80.39。
この原油の動きでカナダドルが買われていると想定できますが、この$80.39がレジスタンスになるか注目です。仮にレジスタンスになってしまうと、上記で見たようにカナダドルが、短期的であれ、ベアリッシュになる可能性もでてきますよね。
ゴールドの金曜日のいってこい相場は、想定内の動きではなかったでしょうか?というのは、$1781あたりには超長期の移動平均線が上からかぶさってきているからです。
シルバーは、$22.602がめちゃ意識されている相場。ドル円と同じように、「ホワイトスワンからディープクラブパターンへ」というシナリオになるか引き続き注目ですね。
株式指数: 最強レジスタンスへのリターンムーブ vs ブリッシュムーブ?
復習となりますが、US500(SP500のキャッシュ)、US30 (ダウのキャッシュ)、US100(ナスダックのキャッシュ)のキーレベルは、それぞれ、US500は$4,400あたり、US30は$34,590.74、US100は$14,955.69となります。
先週想定していた抜けたトレンドラインや節目へのカウンタートレンドでリターンムーブの動きであれば、週明けのシナリオは2つとなりそうです。
こちらはナスダックのフューチャーズ(US100)。
このハーモニックパターンは、ハーモニックパターンで検索しても、なかなかお目にかかることのないパターンですが、かなりのお宝パターンです。
「エリオット波動とハーモニックパターン Part1 前編: Elliott Wave, Harmonic Patterns」で探索したパターンで、エリオット波動分析と相性の良い、実は鬼パターンでもあります。このページにある上から二つ目の画像は、エリオット波動を簡略化したものですが、61.8%というのがみえますよね。
このパターンが意味するのは、高値から下落した価格が、ABC調整波のような動きで上昇し、フィボナッチリトレースメントレベルの61.8%まで到達したよということ。言い換えれば、下落が第1波、今の上昇が第2波、次に想定できるのは強烈なサードウェーブ、つまりエリオット波動で最も長く力強い第3波ということになります。
また、US100のキャッシュの方では、キーレベルの$14,955.69を超えられず、下落していますので、ナスダックの動きには要注意です。
なお、ナスダックのキャッシュとフューチャーズや他の指数をよく見ると、下落の動きがすっきりした推進波には見えないことは気になります。仮にナスダックのフューチャーズがこのパターンで下げても、どこかで下げ止まって、再び上昇して、一回り大きいABC調整波になる可能性があることだけは頭の片隅に置いておきたいです。
そのほか、KBE(スパイダーS&PバンクETF)、XLF(金融セレクトセクター SPDR ファンド)、DAX、DJIなどもプライスアクション満載ですので、ここしばらくの記事もぜひご参照ください。
まとめ:株式指数などには、明確なキーレベルがあり、この価格帯を上に抜けた後、この価格帯に押し目を付けないと、買い目線にはなりづらいです。
今週の「チャートで見えるキーレベル、見えない要因」というお題ですが、例えば、ドル円の場合、チャートだけでは見えてこない他の要因(=他の相場)が作用しているのかなという印象を受けます。経済指標や要人発言だけでトレードすると痛い目に合うという例になったかもしれません。
同じく、ゴールドも、セーフヘイブンと言われる割にはうろうろ状態で、まだドカーンと上げてこないですよね。
テクニカル分析の基本である年足ピボットやレジスタンスの場所はしっかりとチャート上に描画しておくといいですね。特に、米国株式指数の場合、今週の上昇が「ブルトラップ」となりうる可能性も無視できないので、引き続きプライスアクションに注目です。