今週は、米CPI(消費者物価指数)の発表を待っていた感のあった相場ですが、ふたを開けてみると、到達していないターゲットに向けて再び進んでいるように見えます。チャートから見えていることをシェアします。
テクニカル分析の基本:フィボナッチツールとリターンムーブ
Basics of technical analysis: Fibonacci and a return move
ターゲットをヒットする手前にいるので、ヒットするのを待つ
ドル円はフィボナッチレベルを前に「ザ・伸び切りゾーン」に突入
昨年のピボットポイントがあった132.486円と、今年のピボットポイントの132.163円がレジスタンスとして機能してしまっている環境です。CPIの発表を待っていた感じでしたたが、前回想定していたように、続落する途中でバタフライパターンを形成しました。
が、覚えてますか?
12月22日の時点で、登場していた買いのブラックスワンが示していたPRZ(潜在的反転ゾーン)は、128.607円。128.243円には昨年のピボットポイントからはじき出したキーレベルがあります。結果的に、このブラックスワンのターゲットと昨年のピボットポイントがはじき出していたキーレベルをヒットしている格好ですので、続落しても問題ありませんよね。
ピンクで描画しているのは想定していたガートレー。そして、オートハーモニックのインジケーターが描画していたバタフライパターンは、続落が続いてフィボナッチ比率が伸びているので、現在はディープクラブパターンへと変化しています。
前回、ガートレーでも、バタフライパターンでもどちらでもよいのですと記載しましたが、ディープクラブパターンでも全然問題ありません。
なぜなら、ディープクラブパターンが完成する予定の126円の後半には、勢い上昇していたドル円の高値と安値を使ったフィボナッチリトレースメントの50%のレベルがあるからです。むしろ、ここまで落ちてくれる方がわかりやすいです。
これは13日にキャプチャ―していたドル円。黄色いボックス内に50という数字が2つあります。
2022年の高値と、2015年の安値を使ったフィボナッチリトレースメントの50%と、同じく2022年の高値と2020年の安値を使ったフィボナッチリトレースメントの50%の両方の数値です。
また、黄色のボックスの左側には3.618%とあるのが見えます。これは2022年の高値と、そこから下落して付けた安値を使ったフィボナッチエクステンションの数値。3.618はフィボナッチの主要な数値で、これを超えてくると「ザ・伸び切りゾーン」に突入ということになります。
黄色のボックスの下の方には、黄土色の点線も見えます。これは月足の20MA。ですので、ここまで落ちてくると手仕舞いが入る可能性が高いなと想定でき、この半値戻しを終える場所で、月足20MAがサポートになり、反転か?というシナリオが描けることになります。
ユーロドルはネンスターパターンでレンジ、そしてリターンムーブ完了へ
こちらはユーロドルのチャート。少し見づらいですが、金曜日のローソク足から左に4本分の所に黄色のボックスを描画しています。このボックスが、検出されていたネンスターパターンのPRZ(潜在的反転ゾーン)。
ネンスターパターンの登場以降、レンジになってCPIを迎えたのですが、それまでに分かっていたのは下げ渋っていること。そして、以前記載していた長期のトライアングルの下限のラインまでのリターンムーブを完了しようとしていること。
画像の中央に2.618と見えます。これは、去年の9月と10月につけた最安値、高値、押し安値で形成されたひと山を使ったフィボナッチエクスパンションの値。この2.618があるエリアに、ジグザグっぽいわずかに右上がりのラインが見えると思います。これが、月足で見えた大きなトライアングルの下限ラインです。
ということは、当初の想定通り、リターンムーブの完了まであとほんの一歩にいるということになります。一方、ドルインデックス(DXY)は、昨年のピボットポイントが形成したキーレベルの$101.677まで下げてきましたよね。あともう少しで、$101.311にある空いた窓を埋めるか?というところなので、週明けのプライスアクションがかなり楽しみです。
その他、AUDUSDやクロス円についてはここしばらくの記事をご参照ください。どのペアも基本は同じ。フィボナッチやピボットポイントでのプライスアクションが活発になっているのが見て取れる、学びの多いチャート達です。
金利は窓埋め完了、ゴールドの$1836.22
ゴールドは、年初に売りの3ドライブパターンが出ていましたが、その後売りのブラックスワンに変わりつつも、どんどん上昇しています。ただし、ユーロドルと同じで、直近の安値、高値、押し安値を使ったフィボナッチエクスパンションと、さらに直近の安値と高値を使ったフィボナッチエクステンション両方の2.618%のレベルに到達しています。
そして、ついに窓を埋めてくれたのが、米10年債フューチャーズ。ZN1のチャートを前回シェアしました。ただし、US2YとUS10Yの金利のチャートでは、今年のピボットポイントがもう少し下にあるので、一旦金利が上昇しても、このピボットポイントを目指す可能性もあります。
ですので、ドル円もフィボナッチリトレースメントの50%の半値戻しで反転しても、金利と合わせてもうひと下げ展開するというシナリオを描くくことができます。その場合、122.276円がまず最初のターゲット候補になります。
US30は5-0パターン、週足20MA、日足ボリンジャーバンド
前回投稿していたナスダックキャッシュの5-0パターンは一旦は効いた格好ですが、5-0パターンのもう一つのフィボナッチレベルを確認しに行っているような動きになり、続伸。
でも問題ないです。結局は、フィボナッチリトレースメントの61.8%、あるいは78.6%を目指していることもシナリオに入れているので、相場に決めてもらうしかないです。
ただし、今のチャートから見えるのは、ナスダックキャッシュは週足20MAと日足のボリンジャーバンドの2シグマがレジスタンスになっていること。週明けギャップアップしても、$11628あたりはフィボナッチリトレースメントの61.8%が控えているので、かなりのレジスタンスが存在していることになります。
SP500のキャッシュも、今年のピボットポイントが$4050.72にあるほか、ここまで上昇すると、先ほどのユーロドルやゴールドと同じくフィボナッチエクステンションの2.618%をヒットしたことになりますので、買いの手仕舞いが入ることをシナリオに入れられますよね。
こちらは、VIXのチャート。しばらく前の記事で黄色のボックスにあるギャップを埋めずに一旦は反発しましたと書いたのですが、えらいことになってますね。ギャップフィリングして続落。
ですが、VVIX(VIXのボラティリティ指数)の方は、1月6日に安値を付けてからは、上昇しています。まさに指数間のダイバージェンスが発生している状況です。
CPIやインフレーションがソフトになっているのでFEDが金利引き上げを緩やかにするだろうというニュースが目立つのですが、今週発表された指標はもうすでに過去のものであるということも忘れたくないです。
最近の記事も下記に掲載しておきます。また何かありましたらアップデートしますね。
「GBPUSDはサイファーとガートレー、AUDUSDは5-0パターン、DXYはA-ネンスターとガートレー」
「米国債のハーモニックパターンとドル円のプライスアクション、5-0パターンが効いたスイスフラン円」
「スイスフランの動きにヒント?CHFJPYの5-0パターン、GBPCHFのブラックスワン、USDCHFのシャーク」