先週は、「ザ・節目」がレジスタンスやサポートとして機能しているペアもある一方、米株式が下落後に再び上昇。米株式の場合は下落した時のプライスアクションから、「いや、また買いが入るかな」という目線も生まれてしまったボラの高い相場です。週明けまでに見ておきたいチャートなど、気になるチャートをシェアします。
またもやバイ・ザ・ディップ(Buy the dip:押し目買い)継続
Key resistances and supports are in play in USDJPY, US500, Gold
チャートパターンと節目を見ておきたい通貨ペア
EURUSDはH&Sか、トライアングルか?
ユーロドルは、以前検出されていたブリッシュなブラックスワンのPRZ(潜在的反転ゾーン)が重なる$1.17227がキーレベルで、引き続き、ここまで下落してくれたほうがわかりやすい相場です。ジグザグとすっきりしない下落の仕方が続いてます。
木曜日は、吹き上げたものの、短期足で売りのシャークパターンが検出され、下落に転じ、その後、金曜日にはレンジになってしまいました。なお、ユーロドルの場合、日足にズームアウトしてみると面白い絵が見えてきます。
昨年の7月から10月にかけて作ったひと山を左肩、今年1月の高値を頭、今年5月の高値を右肩とするヘッドアンドショルダーズパターンが見えてきます。この場合、右上がりに引いている赤のラインがネックラインになると想定できます。
ネックラインを下抜けしたように見えますが、以前出ていたブリッシュなブラックスワンのPRZ(潜在的反転ゾーン)がほぼ重なってくる年足ピボットがある$1.17227を合わせてみると、この$1.17227には、まだ届いていない中途半端な場所にいることも見えてきます。
また、黄色のボックスで囲んだエリアをよく見ると、緑色のフィボナッチリトレースメントの一番浅いレベルである38.2%(画像中は61.8%)があります。ここしばらくは、$1.17227を前にしての「サポートが近いので売りづらい、サポートにタッチしてないのでまだ買いづらい」というプライスアクションになっているように見えます。
さらに、先ほどのヘッドアンドショルダーズパターンのネックラインと合わせてみておきたいのが、画像真ん中あたりの高値である頭と右肩をつないだ赤いライン。この2本のラインから、トライアングルの可能性も考えられます。トライアングルと考える場合、ユーロドルはヘッドアンドショルダーズパターンのネックラインを割ったものの、ブルーのラインで描いたように、やはり一旦反発してくることを考慮することができます。
先週記載したように、EURUSDとほぼ反対の動きをするドルインデックス(DXY)の大きな節目は、$94.371。ここをまだヒットしていないのも気になりますが、先週のベアリッシュなABCDパターンから、現在、ベアリッシュなブラックスワンも検出されている状況。言い換えれば、ユーロ買い、米ドル売りという絵柄を示唆しています。
すっきりとしないプライスアクションになりそうですが、とくに、ユーロドルの$1.17227でのプライスアクションを待ってから判断したいですね。
ドル円はまた109.904円が意識された格好に
ドル円は、キーレベルの109.904円を下抜けたものの、反発して、水曜日にはこのレベルを上抜けしています。ユーロドルと似ていて行ったり来たりですが、下げてきても、再び109.904円がサポートになれば、以前どこかで書いたように、113円前半もターゲットに入ってきます。逆に、109.904円を下抜けた場合は、引き続き、108円前半と107.72円あたりがターゲットとなりそうです。
USDCHFのキーレベルは$0.91794、USDCADのバタフライ
ドルスイスは、先週記載していた$0.91794を行ったり来たりです。
ドルキャドは、週足で検出されていたベアリッシュなバタフライパターンで見事に反応。4時間足でも確認できるパターンで、$1.27172がレジスタンスになっているのが見えますね。
ゴールド:依然としてキーレベルで攻防
ゴールドは、$1807.07のキーレベルでの攻防が続いています。このレベルの少し下で、日足20MAが週足20MAの上にある状況でもあり、移動平均線で支えられて反発するのであれば、このキーレベルを勢いよく上抜けした後、このキーレベルに一旦押し目を付けるプライスアクションが見たいですよね。
レジスタンスになっているキーレベルがサポートに変わる、いわゆるロールリバーサルが確認されたほうが、買い目線の場合はエントリーしやすいかと思います。仮に上抜けしてロールリバーサルが実際に起こった場合、ターゲットは$1880あたりになりそうです。
株式:NDXとUS100のワンモアアップ、下落、そしてプッシュアップ
DJI(ダウ)、SPX(S&P 500)、NDX(ナスダック)
DJI、SPX、NDXなどは高値を更新していますが、テクニカル分析の基本である年足ピボットポイントR1の存在を無視しないではいられない相場環境が継続しているように見えます。先週、ナスダックのキャッシュであるUS100や、DAXのキャッシュのGER30が、年足ピボットR1から下落してきたことで一旦の警告は出ているようですが、またもや逆走。
年足ピボットR1というレジスタンスの大切さを理解しつつも、先週頭には、「いや、また買いが入るかな」という目線も生まれていたのも事実です。
なぜなら、下落の波は、描くはずの5つの波からなる推進波を形成しなかったからです。5波を形成していれば、次の上昇波3波からなるABC調整波を想定できましたが、そうではないですよね。GER30の場合は、キーレベルの15725.23を再度テストするような動きです。
こちらは、NDX(ナスダック)。画像中のオレンジのラインは年足ピボットR1。
また、右上がりに引いているチャネルに注目すると、先週の下落前に、チャネルの上限をヒットし、重なっている年足ピボットR1で押さえられて下落している様子が見えます。
その後、下落したものの、先週のウィークリーピボットS1をサポートに反発し、金曜日にチャネル上限に再び近づいているのが見えます。
描画した2つのハーモニックパターンのようなパターンを見ると、ブルーの3.618%とピンクの5%があります。これらはフィボナッチプロジェクションとなります。
言い換えると、「ザ・伸び切りゾーン」と、年足ピボットR1、チャネル上限というレジスタンスエリアを形成している価格帯まで、すでに価格が到達していることを意味しています。
NDXは$15,000というラウンドナンバーの節目を達成、ダウのキャッシュであるUS30も$35,000を達成。US30はあと少しで日足のボリンジャーバンド2シグマに到達するため、高値を超えたからと安心して飛び乗るのはリスクが高いと判断することもできます。
また、長期足のオシレーターを見ると価格とのダイバージェンスは継続しているので、どこかのタイミングで弾ける可能性があるため、週明けからのプライスアクションが大切になってきます。次の下落が、短期足で5波を形成するかどうかに注目します。短期足で形成する波の形は、長期足に波及していきますので、まずは週明けのプライスアクションを待ちましょう。
お題にある「バイ・ザ・ディップ(Buy the dip:押し目買い)」。年足ピボットR1から下落したものの、センチメントはまだまだブルな相場です。それでも、先週投稿していたDAX、RUT(Russell 2000)、IWM(iシェアーズ・ラッセル2000 ETF)といった指数のチャートも見ると、ちぐはぐしているのが見えてくると思います。