NFPからのプライスアクションとサポレジが効いている相場達:豪ドル円の5-0パターン、ユーロ円とポンド円のレジスタンス

テクニカル分析の基本のサポートとレジスタンスや移動平均線と合わせてハーモニックパターンがタイミングよく出ているチャートがあります。NFP(米雇用統計)の前にキャプチャ―していた豪ドル円のハーモニックパターンが現在も居座る相場で、USOILは節目を再び下抜けるなど、興味深いプライスアクションを見せています。今のハーモニックパターンなどシェアします。

NFPの前と後で居座るハーモニックパターン:リスクリワードの逆転?

A potential volatility on the table, a long wait may be met with a surprise 

移動平均線とサポレジでの攻防を継続中

EURUSDはサイファーからシャークパターンへ

EURUSD bearish cypher ユーロドルサイファー 1 Sep 2021こちらは9月1日にキャプチャ―していた売りのサイファーパターン。

先週記載していた多く存在する節目は忘れたくないのですが、直近の動きだけ見ると、引いていたヘッドアンドショルダーズパターンのネックラインを上に抜けてきた格好になっています。

また、9月に入ったので、マンスリーピボットの価格帯も変わっていますが、その他記載していたフィボナッチのレベルなどには変更はありません。

こちらは、9月3日にキャプチャ―していたシャークパターン。NFPの前にすでに出ていたのですが、上記のサイファーからシャークへとハーモニックパターンそのものが変化した事例にもなります。

Pre-NFP EURUSD Bearish Shark ユーロドルのベアリッシュシャーク 3 Sep 2021

このシャークパターンのPRZ(潜在的反転ゾーン)を見ると、上から降りてくる長期移動平均線のある$1.19346あたりがレジスタンスとなりそうです。

また、このあたりの価格帯は、昨年の7月、さらには2017年にも、サポートとレジスタンスとして役割が入れ替わる、いわゆるロールリバーサルが繰り返されてきた価格帯なので、市場が意識している可能性はあります。

この$1.19346あたりは、サポレジとしてロールリバーサルを繰り返してきた価格帯、ハーモニックパターンのPRZ、長期移動平均線が重なる価格帯となります。現在、このシャークパターンで少し下落していますが、ユーロドルがさらに上昇するのであれば、ターゲットは、$1.19346あたりというシナリオもありのようです。

その一方、このシャークパターンで下落を開始して、下落を継続するのであれば、ヘッドアンドショルダーズパターンのネックラインを再び下にブレイクすることが条件の一つになりそうです。

今回のように、サイファーパターンが出ても、少し反応して下落後、再び上昇するというようなことはよくあります。ハーモニックパターンが使えないというのではなく、サイファーパターンが出た場所で一旦利確の動きがあったと理解するとわかりやすいかもしれません。現在、シャークパターンが出た場所から少し下がっていますが、同じく利確の動きが出たとみることができますよね。

豪ドル円の5-0パターンとAUDUSDのバットパターンからのプライスアクション

Pre-NFP AUDJPY Bearish 5-0 pattern 豪ドル円のベアリッシュ5-0パターン 3 Sep 2021こちらは、NFP前に出ていた5-0パターン。日足のチャートになります。

これもユーロドルと同じで、長期移動平均線とPRZが重なる価格帯まであともう少しというところでしたが、金曜日にヒットして上ひげローソク足となったのが確認できます。

この5-0パターンが機能するのであれば、プルバックを想定できます。

週足のチャートまでズームアウトすると、豪ドルは、年足ピボットR1のある86.253円と、79.654円という節目の間で、上にある年足の20MAと下にある月足の20MAの間に挟まっている状態。年足の20MAに優位性があれば、76.754円あたりまで、この5-0パターンでプルバックする可能性もあるというシナリオが描けます。

AUDUSD Bullish Bat ブリッシュなバットパターン 6 Sep 2021こちらは、AUDUSDの日足のチャート。長期移動平均線で支えられ、見事なブリッシュバットパターンで上昇してきた経緯があります。

現在は、最初のターゲットをヒットしたところ。日足の20MAが追い付いてないのでプルバックするのか注目です。

ユーロ円のブラックスワン

Pre-NFP EURJPY Bearish Blackswan ユーロ円ベアリッシュブラックスワン 3 Sep 2021こちらはユーロ円のブラックスワン。上記のAUDUSDがオレンジの長期移動平均線で支えられたのとは逆に、ユーロ円では、長期移動平均線がレジスタンスとなっています。

また、この長期移動平均線が走るエリアには、130.799円という節目が重なっています。ハーモニックパターン、移動平均線、レジスタンスとなる価格帯が重なったいい事例ですね。

ポンド円のスリードライブパターン

GBPJPY Bearish 3drive ポンド円の売りのスリードライブパターン 6 Sep 2021こちらはポンド円に出たスリードライブ(3-Drive)パターン。ユーロ円とよく似ていて、長期移動平均線がふたになるか?という場面です。

USOIL(WTI原油のキャッシュ)のふたは閉まるのか?

USOIL(MT4で見える原油のフューチャーズ)は、再び$69.65を下抜け。この価格帯は以前から指摘しているキーレベルです。この価格帯がふたとなったのか見ていきます。

ゴールドとシルバーは、反発している相場で、ユーロドルと同じく、ワンモアアップの可能性もあります。ゴールドの場合、$1838から$1840が直近のレジスタンスとなりそうです。

株式:ボリンジャーバンド間際のプライスアクション

テクニカル分析の基本vsセンチメント

SP500 のキャッシュUS500には、先週投稿したベアリッシュブラックスワンが居座っています。ダウのキャッシュであるUS30やナスダックのキャッシュUS100は、テクニカル分析の基本であるオシレーターとダイバージェンスな状態が長期足で続いています。

US500では、$4563が次の大きなレジスタンス。この価格帯はブラックスワンのPRZと、小さな上昇の波を使ったフィボナッチエクスパンションの4.618%が重なっており、さらには、日足のボリンジャーバンドの2シグマも居座ります。

すでに週足のボリンジャーバンドの2シグマ上を行ったり来たりしている相場なので、買うことのリスクの方が大きくなっている、いわば「リスクリワードの逆転」の状況に入りつつあるような相場です。

まとめ:押し目買いが続いている米株式指数ですが、フィボナッチなどのテクニカル分析の基本から見える節目を無視するわけにはいかなさそうです。材料やニュースを待たずとも、大局はリスクが高まっているような相場です。豪ドル円の動きと合わせて、この後のNYセッションからの動きをしっかりとみていきましょう。何かあればアップデートします。