最強ラインが意識されている学びの多いアップダウンの相場:ターゲットを狙うUSOILと沈んだGold&Silver

今週のプライスアクションの中でも、とくに目を引いたのはUS30のサポートラインでの行ったり来たりというアップダウンの動きでした。この動きで想定しておきたいシナリオが描けます。US500とUS100のほか、ゴールドやシルバーにも注目です。週末の今の状況を見ながら、ハーモニックパターンやキーレベルをシェアします。

フォー vs ワンツー?

A trend change and an initial roll-over may be still underway: SP500, US30 and US100.

トレンドラインという地味な脇役が居座る

ドル円:当初のホワイトスワンが効く

先々週に掲載していたドル円のホワイトスワンが効いた格好です。検出された一発目から、勢いよく反発し、その後ジグザグと嫌な下落をしてから、再び上昇。115.317円という隠れたキーレベルで攻防中ですが、このレベルを一旦上に抜けてから押し目を付けるかに注目。

ユーロドル:ホワイトスワンからトレンドラインブレイク

先週はユーロドルにも居座っていたホワイトスワンを掲載しましたが、中途半端な場所で跳ね上がり、結果的に、わかりやすい$1.12796というキーレベルまで落ちてくれました。

が、ここに到達した時点で、下からのトレンドラインも下抜けてしまい、さらに続落。このラインがふたになれば、$1.09234というキーレベルまで続落する可能性がある底抜け状態にも見えます。

なお、今月のマンスリーピボットのM3が、$1.1114に走っていて、ここには週足のボリバンも重なっています。ここまで下げたら一旦反発する可能性もありそうです。

ドル円とユーロドルについては先週の投稿もご参照ください。

その他の通貨のキーレベル

今週は米ドル買いに傾いたため、GBPUSD、AUDUSD、NZDUSDも下落しています。これといったハーモニックパターンが検出されていない状況で、言い換えれば、フィボナッチ的には中途半端な場所にいるのかもしれません。確か以前もユーロドルがフィボナッチ的に中途半端な場所にいた時、続落した記憶もあるので、注視したいところですね。以下、サクッとキーレベルを記載しておきます(注:お使いのブローカーにより、価格が異なる場合がありますことをご了承ください)

GBPUSD:$1.133452、$1.130442(この価格まで落ちると急反発する可能性あり)

EURGBP:0.83863がレジスタンス、0.81536まで落ちると反発する可能性あり(なお、現在もスリードライブパターンが居座ったままの環境)

資源国通貨:AUDUSD、NZDUSD、USDCAD

AUDUSD Bullish Shark 買いのシャークとサポート 29 Jan 2022

こちらは、AUDUSD。現在シャークパターンが出ているのですが、もう少し下にキーレベルがあります。ここまで落ちるというシナリオと、反発してくるシナリオを描けるため様子見です。

 

 

NZDUSDのスリードライブパターン

NZDUSD Bullish 3drive 買いのスリードライブ 29 Jan 2022EURGBPと同じで、ブリッシュな3ドライブパターンが居座る相場。また、AUDUSDとは異なり、キーレベルに到達しているのが気になりますね。

NZDUSDの場合、このパターンが月足と週足でも居座っているので、この価格がサポートになれば、長期的に買いあがってくるシナリオも描くことができるのですが、このラインを下に抜けてくると、ユーロドルと同じで次のキーレベルの$0.63908まで下落するシナリオもオンにしておきます。

コモディティ:Goldのガートレーは効いてますね

Goldのベアリッシュガートレーパターン

ゴールドは、1月24日に投稿していたガートレーパターンが効いています。検知された一発目に軽く下げて、上昇を試みましたが、押されましたね。そのうえ、キーレベルの$1820.38をズブッと刺して続落という環境です。

Silver A-Nenstar シルバーのAネンスター27 Jan 2022

こちらは1月27日に出ていたので、キャプチャ―しておいたシルバーのA-ネンスターパターン(アンタイネンスター)。

新種のハーモニックですが、キーレベルの一歩手前で、紫色の移動平均線もレジスタンスになり、ドン下げ。

このパターンまだ居座っていますので、週明けのプライスアクションに注目です。

USOIL Miniのベアリッシュガートレーパターンは少しだけ効力発揮

USOIL Miniは先週掲載していた小さなガートレーパターンが効き、少し下落した後、やっぱり、ターゲットを狙っているんですかね?下げ渋っていますね。

キーレベルの$91.23では、今いるブラックスワンのPRZ(潜在的反転ゾーン)と、先週も触れていた蛍光緑のチャネルの上限がほぼ重なっているので、これだけを見ると、売りで参入したくなる価格が明確に表示されているチャートに見える気もします。

地政学的リスクなどいろいろニュースはありますが、$91.23まで上がってきた時に注目ですね。

株式指数: 第2弾のワンツー vs 第4 vs スイングなアップムーブ

先々週の3つのシナリオのうちABCを展開したナスダックキャッシュ(US100)。US500とUS30も似たようなフォーメーションになっています。そして触れていたのは、テクニカル分析の基本のサポートを形成するラインやゾーン。今週、このラインを行ったり来たりしたのがUS30。

YM1 yearly pivot price action ダウのフューチャーズの年足ピボット 29 Jan 2022

こちらはダウのフューチャーズYM1のチャート。

画像中の黄土色のラインは今年の年ピボットポイント。金曜日にこのラインまで下げてきていたので、ここから反発する可能性にも触れていたのですが、下攻め組と反発組が攻防したのが今週。

そのほか、US500のキャッシュも、しれっと$4414.10の最強レベルに到達していた後、この価格の辺りをうろうろしています。

こちらは、SPXのフューチャーズのES1。茶色の年足のピボットポイントを上抜けてきているのですが、売りのブラックスワンという嫌な終わり方をしています。

ES1 Bearish Blackswan SPフューチャーズ売りのブラックスワン 29 Jan 2022

直近の高値を超えていますが、フェイクな動きであれば、第5波を目指して下落する可能性もあると想定できる相場です。

先週と同じで、こういったサポート、とくに年足という大きな時間足のピボットポイントが形成するサポートがある場合、突っ込み売りと、売りの手じまいが交錯していったり来たりする可能性が想定できますよね。

そして、しばらく前の記事でワンツーのフォーメーションに触れていたナスダック(NDQ)。今の段階である程度のシナリオを想定できるので探索してみましょう。なお、DJIとSPXは年足ピボットポイントでの攻防でNDQとは少し異なるのですが、波のフォーメーションという点からいうと、3つの指数ともに通用するシナリオになります。

シナリオ1:5波からなる推進波の第4波

NDQ potential 5-wave resistance ナスダックレジスタンスと5波 29 Jan 2022

ブルーの1から3までの動きがトレンド転換を示唆する推進波の一発目であれば、今週のプライスアクションは、第3波を終えて、第4波を形成している動きと捉えることができます。

このシナリオが有効になるためには、ブルーの1の価格と、これから上昇して付ける可能性のある高値が重なってはいけないことが条件となります。なぜなら、エリオット波動のガイドラインには、第4波は第1波と重ならないとあるからです。

ナスダックの場合、推進波になるという目線に都合がよろしくなるように居座ってくれているのが、1の価格のすぐ下にある茶色のピボットポイント。ここで押さえられる可能性もありますよね。

ここで押さえられると、1の価格と重ならないので、第4波という調整波が終了したというシグナルになってくれそうです。その後はというと、安値更新に向けて第5波での下落というシナリオになります。

DJI triangle channel ダウの調整波の動き 29 Jan 2022このシナリオで完成するかどうか、見ておきたいパターンがあります。

おそらく皆さんもお気づきだと思いますが、トライアングルか、チャネル(フラグ)を形成してくれればいいですね。こちらはDJI(ダウ)になりますが、こちらも第4波であるならば、紫のチャネル(フラグ)か青いラインで引いたトライアングルの可能性を探ることができますよね。

シナリオ2:窓埋めのスイングで再び上昇

シナリオ2つめは、空いた窓が鍵となります。これを埋める格好で上昇を継続するケースで、薄い水色でホワイトスワンが想定されているのが見えると思います。

ナスダックと異なり、ダウは年足ピボットで支えられている環境ですので、ここまで吹き上げてきてもおかしくはないのですが、この場合でも、最高値に対してリトレースするABCの3つの波から構成された動きになるかに注目。NY閉場間際に年ピボットを上抜けしてきたSPXも同じです。

仮に、押し目を付けて上昇するのであれば、週明けは、年足ピボットで押し目を付けた ⇒ 高値更新に向けていざ!みたいに、買い圧力が徐々に高まってきているようにみえる動きになりそうかと思います。

なお、高値を更新しないままに戻り高値を付けるだけに終わってしまえば、先ほどのブルーで描画した1と2より一回り大きい1と2になってしまい、第3波としての下落がえらい強烈なことになってしまいそうです。

シナリオ3:2つ目のワンツーで下落モード継続

さらにもう一つシナリオが書けそうです。年足ピボットを超えられなくて急落するようなプライスアクションを見せた場合、先ほどの第4波ではなく、緑で描画した1と2、iとii(1と2と区別するためにiとiiを使っています)というワン・ツーの2つ目を形成している可能性もあります。この場合、次の動きは第iii波での下落。下落を開始すると、センチメントも真っ暗だと思いますが、iiiの次は、ivとv。何もなかったように買いあがってくる可能性があります。

また、この緑でのi, ii, iii, iV, Vからなる5つの波が完了した時点で、忘れていけないのが、iとiiの上にある緑の1と2(最初のワン・ツー)の存在。言い換えれば、i, ii, iii, iV, Vのカウントで形成する一連の5つの波の動きは、緑の1と2に続く第3波を構成していることになると想定することができます。

そして、この大きな1、2、3の動きが終わると、同じように、第4波の調整波の動きをして、再び第5波として下落していくということですね。この場合、下落が継続していくというシナリオになります。

ナスダックの場合、いずれにしても、キーレベルは、茶色の年足ピボット。空いた窓を絶対に埋めるという保証も必要性もあるわけでないですし、下に行きたければ下に行くという相場環境です。

また、MT4のブローカーがメンテ中で、この記事を書いている当初にキャプチャーできていなかったハーモニックパターンをキャプチャーできたので掲載しますね。

US30cash bearish butterfly ダウキャッシュバタフライ 29 Jan 2022こちらはUS30の1時間足のバタフライ。

短期、あるいは市場がオープンした時に軽く下げる動きが想定できますが、下げて上げてを繰り返しながら、赤のトライアングルか、濃紺のチャネルを形成するシナリオも描けます。下落しても下にあるサポートを割らなければ、水色のボックスあたりまで吹き上げる可能性も考慮できますよね。

同じように、US500キャッシュとUS100キャッシュには、短期的には売りを示唆するシャークパターンが検出されています。シャークパターンなので、金曜日の安値に対する半値戻しは想定できますが、いずれもサポートを割った場合は、先ほどのシナリオ1か3がオンになります。

そして、先週投稿していたGER40。描画していた黄色のボックス分は余裕で下げてきましたね。現在は、米株式指数と同じように反発中ですが、GER40も昨年からのキーレベルがあるので、プライスアクションを見ていきます。

先週も記載したように、相場は下に行きたがっているのかもしれません。年足ピボットというキーレベルで攻防するUS30などでは、これが押し目を付けるサポートではなく、レジスタンスとしてふたになる、つまり、ロールリバーサルしてしまえば、どっさりと下落する可能性がありますので、週明けのプライスアクションを待ちましょう。

おまけ:しばらく画像としては投稿していなかったVVIX。VIXそのものの指数になります。

VVIX Bullish Gartley Vixボラティリティインデックス ガートレー 29 Jan 2022茶色の年足ピボットを前に、ブリッシュなガートレーが出ています。VVIXが上昇する=株式指数は下落継続か?というシナリオに少し優位性がありますが、下の方に開いた窓もあるので、週明けに合わせてみていきましょう。

また何かあればアップデートします。