高値更新かという感じで上昇してきている米株式指数、買いのガートレーが効いて上昇したゴールド、金曜日には売りのガートレーでプルバックしたシルバー、そして、居座るハーモニックパターンでプルバック進行中のユーロドルやポンドドルなどプライスアクションが活発になっていますね。来週はFOMCがありますが、ボラティリティがカムバックか?注目です。Harmonic patterns are in play in GBPUSD, EURUSD and NZDUSD. Volatility may be back next week!
三角持ち合いとハーモニックパターンがふにおちる時
Chart patterns amd a potential thrust from a triangle
(注:この記事は2019年10月26日に投稿していたものです)
米ドルは、先週の投稿のシナリオ通り買い上がりましたが、「ザ・相場」を全体的に見ていくのが必要な週になるかもしれませんね。
長期の移動平均線とリトレースが浅い環境にいる相場
ポンドドルのバタフライ、ABCDパターン、日足20MA
ブレクジットのニュースを見てトレードすると疲れるのがポンドのようです。
先週木曜日に抑えられた背後には、バタフライパターンの存在があり、今週は月曜日に高値を付けて下落しています。
日足には先週投稿したバタフライが居座っていますが、画像は、25日にキャプチャ―したもの。4時間足など下位足で青のABCDパターンが出ており、チャネル(上昇フラッグ)と押し目を形成中?という目線にもなりますよね。左側の上昇の波と比べ、この下落がジグザグとしているようにも見えませんか?
想定できるシナリオは、このABCDパターンで反発するというシナリオです。ただし、フィボナッチリトレースメントのレベルを見ると、今一つ戻しが浅いです。
現在の価格帯から上昇しても、4時間の20MAがレジスタンスとなり、再度、下落するシナリオも十分考えられます。言い換えれば、今のABCというジグザグが、もう1回繰り返されるダブルジグザグパターンとなる可能性があります。
ユーロドルのジグザグと週足20MAというレジスタンス
ユーロドルも、先週のサイファーパターンが居座っており、ポンドドルと同じように下落の仕方がジグザグしています。木曜日のプライスアクションは結構興味深かったですね。ECBのイベントがあったと思うのですが、この値動きから想定できるのはポンドドル同じ、ジグザグとしてもう少し下げること。
サイファーパターンに表示されている最初の38.2%はヒットしていますが、日足20MAが下から支えとなり、優位性のある押し目の場所は、さらに下の61.8%のターゲットの方になりそうです。ユーロドルの場合は、週足20MAの下に日足20MAがいる環境です。
ドルインデックスはディープクラブからシャーク、そしてまた反発
ドル指数(DXY)は、先週のディープクラブのPRZの最下限から、反発しました。その後、短期足で伸び切ったところで、売りのシャークパターンが検出され、一旦下落した後、上昇再開しました。ですが、DXYの場合も、9月末以降の下落の波を使ったフィボナッチエクステンションを見ると、「伸び切りゾーン」にいたため、このシャークパターンからの下落は、どちらかというと、売り継続ではなく、押し目と捉えるべき相場だったかもしれません。ドル指数は、日足20MAが週足の20MAの上にあり、日足20MAまで上昇できるスペースがあります。
EURJPYの年足ピボットS1とガートレーパターン
ユーロ円は、青の年足ピボットS1という大きな節目でレンジ。過去のプライスアクションを見ると、2回支えられたという経緯があるため、年足ピボットS1を知らなくても、ラインと水平線を使うトレーダーさんなら、このラインを必ず引いていると思います。つまり、多くの人が見ているエッジのあるラインということになります。
ゴールドのトレンドラインとガートレー、シルバーの$17.460
ゴールドは先週のガートレーでつけた安値を更新せず、うろうろした後、木曜日にぶっ飛びました。シルバーの鉄板ラインは、$17.460で、今週前半はここをほんの少し下に突き抜けたものの、木曜日にはこの価格ラインで下げ止まり、上昇しています。
金曜日には、9月頭の高値と下旬でつけた安値のフィボナッチリトレースメントの50%の場所で、絶妙なタイミングで売りのガートレー。この後、ユーロドルなどと同じようにもう少しプルバックする可能性を考慮した場合、$17.770あたりをターゲットに考えることもできそうです。
米株式指数:収縮したトライアングルと78.6%
SP500のチャートでは、チャートパターンとその中で出てきたハーモニックパターンが学びの機会を与えてくれたので見ていきます。
SP500のトライアングルとガートレー
SP500はコントラクティングトライアングルと見えるチャートパターンで、三角持ち合いともいいますよね。コントラクトとは収縮するという意味です。確かに、高値を切り下げながらも、安値が切り上げ、時間が経つにつれて徐々に値幅が収縮しています。
推進波のような勢いがない横向きの動きで、安値を切り上げているというこの動きから、ここで売りを仕掛けるにはちょっと物足りず、どちらかというと、上にブレイクか?というシナリオを想定することができます。金曜日にはトライアングルの中でガートレーが検出されました。
トライアングルとガートレー。これって、とても重要なことを示してくれているようです。
ハーモニックトレードを学びだすと必ず習得する基本パターンのガートレーでは、その完成地点Dにフィボナッチリトレースメントの78.6%を使っています。今回のようにトライアングルというチャートパターンの中でガートレーが出た場合、思い出したいことがあります。エリオット波動分析ではハーモニックパターンを扱いませんが、トライアングルの中で形成される波に対し、フィボナッチリトレースメントの61.8%と78.6%を使っています。
トライアングルの下限でガートレーが出るという相場に出くわしたら、単に「ハーモニックトレードのガートレーで買い!」というだけでなく、トライアングルというチャートパターンと、78.6%を使うエリオット波動分析の基本を当てはめることもできるということになります。
その後はというと、トライアングルを上にブレイクしましたね!
今週のSP500は、ハーモニックトレードでよく知られているガートレーが、トライアングルというチャートパターンの中で果たす重要な役割について理解することができた事例だと思います。
さらに、トライアングルを上にブレイクした後のSP500の動きも学びの機会を与えてくれていますので、もう少し見てみましょう。
SP500のブラックスワンとバタフライ
SP500フューチャーズ1時間足のクラブ-エリオット波動分析こちらは、トライアングルを上にブレイクした後、SP500フューチャーズ1時間足に検出されているバタフライパターンです。画像中のパターンの点の左からXABCDとなります。
このトライアングルを上にブレイクした動きは一直線で勢いがあり推進波に見えますね。
金曜日にトライアングルをブレイクする直前につけた直近高値のBと、その後付けた安値のCを使って計測したフィボナッチプロジェクションが2.84となっているのが見えると思います。
この安値Cは上記で見たガートレーの完成地点のDです。このプライスアクションから想定できることがあります。
- このブレイクで形成した小さな上昇波は、小さなレベルでの推進波で第3波の可能性があるということ
- 仮にそうだとすると、金曜日の終盤のプルバックは、第4波となる可能性もあり
- ここで、有名な「第4波は第1波と重なってはいけない」というガイドラインを思い出す
言い換えると、ブレイク前の高値Bがある$3008あたりにタッチしないで、下げ止まれば、第5波に向けて上昇する可能性があるよということになります。逆に$3008あたりを下抜けたり、価格が重なってしまうと、第3波が成立せず、下落に傾くことを警戒するに越したことはない相場になるかもしれません。
おそらく週明けに、この第5波の上昇が始まると、高値更新となる可能性があるので、センチメントがBullish(ブル)に傾くと思います。ならば、「どんどん上昇トレンド継続なので、みんなと一緒に買いましょう!」と思いたいのですが、ちょっとだけ気を付けておきたいことがあります!
トライアングルのブレイクと「スラスト」というプライスアクションの意味
SP500フューチャーズの日足と4時間足で検出されている新種のハーモニックパターンであるブラックスワン。
PRZはもう少し上ですが、4時間足と日足のボリンジャーバンドの2シグマなども迫っている相場ですね。大きな時間足では、行き止まりを少し示唆しています。
上記で見たトライアングルを上にブレイクしたプライスアクションとあわせてみると、1時間足では、今の価格帯は小さなレベルの波の第4波であり、第5波を完成するまでもうひと上げするというプライスアクションの可能性が残されているものの、大きな時間足では売りのブラックスワンがいるため慎重にならざるを得ない環境であるということになります。
ここで、トライアングルについて、もうひとつ思い出しておきたいことがあります。
トライアングルを上や下にブレイクするプライスアクションは、「スラスト(Thrust」)と呼ばれています。直訳だと急な押しや前進となりますが、重要なのは、トライアングルは、通常、第4波と調整波のB波にのみ形成されるということです。
ベアトラップやブルトラップという言葉があるように、「スラスト」は、そのトレンドにおける「最後の動き(Ending move)」となる可能性が高いということになります。仮に、金曜日のプライスアクションが「スラスト」であれば、月曜日以降のプライスアクションは、最後の第5波、あるいはB波の中の最終段階の動きという認識になります。
さらに重要なのは、このどちらもが示唆しているのは、トレンド継続ではなく、トレンド転換です。
つまり、1時間足といった短期足のレベル(デイトレのレベル)でもうひと上げしても、大きな時間足にハーモニックパターンが居座り、トライアングルからの「スラスト」が進行中の場合、「そろそろ売り目線に切り替えたり手じまいで利確を優先するべき場面にいる」、「どんどん上昇することを期待して枚数をあげるべき相場ではなく、高値掴みをさせられないようにに注意する」ということになりそうです。
おそらく5分足や15分足ばかりを見ていると、移動平均線は上昇しているので、目線が上昇と固定されがちですが、長期足のオシレーターと価格のダイバージェンスなども見ておいて損はないようです。また、9月以降の上昇の波に対するフィボナッチのエクステンションやプロジェクションで「伸び切りゾーン」にいるの確かです。
こういう相場環境にいる来週、FOMCがあります。まずは、$3008まで価格がプルバックして重なるか?どうかが鍵になりそうです。荒れそうですね。
JPモーガンなど金融株の売りのハーモニックパターン
FOMCというイベントがあるため、週明けすぐには相場が動かないかもしれませんが、今週は、JPモーガンやバンクオブアメリカにクラブパターンが検出されていました。金融株は、年ピボットポイントという節目をうろうろしているものもあるので、慎重になりたい場面です。
その後少し上昇が継続しましたが、JPモーガンではABCDパターンに変化し、シティグループは売りのブラックスワンを形成、さらにバンクオブアメリカは週足20MAのほんの少し手前にいる状況です。
こちらは、22日以降居座るアップル株のABCDパターン。画像中チャネルも引いています。
年ピボットR1をとっくに超え上昇していますが、ABCDパターンのPRZとチャネルの上限が重なるエリアでのプライスアクションには注目です。この絵、どこかで見たことがあると思います。
「ハーモニックトレードの嬉しいメリット(前編) Advantages of Harmonic trading Part 1」内の「チャートパターンに根拠を追加してくれる ( ゚Д゚) 」で扱ったアップル株を思い出します。
まとめ:来週は、ボラティリティが戻ってきそうな相場環境ではないでしょうか?とりわけ、高値を更新する可能性のある米株式の動き、ユーロドルなど対ドルのペアの押し目の形成、ゴールドやシルバーの動きには注目したいですね。アノマリーとはいかないかもしれませんが、10月28日には新月を迎え、サイクルが新しくなります。
トライアングルにフォーカスはしていませんが、ブラックスワンの役割など、エリオット波動とハーモニックパターンがつながるべきチャート分析方法であることが見えてくると思います。上記メニューより関連記事をご参照ください。