週の前半上昇し、後半に下げてきた米株式指数。理由は何であれ、キーレベルとトレンドラインがイン・プレーというテクニカル分析を学ぶには最高の相場環境です。NZDUSDに居座る巨大なスリードライブパターンなど、来週も目が離せない相場ですね。アップダウンの荒れた週を終えた今の相場の様子をシェアします。
ハーモニックパターン vs 最強キーレベル:決着はまだつかず
Did you see what I was seeing? USOIL has been testing a key level.
キーレベルをゆずるか、ゆずらないか?
ドル円:週足のベアリッシュブラックスワン
ドル円は、先週投稿した週足のベアリッシュブラックスワンが健在。かつ、115.317円という隠れたキーレベルで攻防中のままですね。PRZ(潜在的反転ゾーン)は116.783円。116.25円あたりも、隠れたレジスタンスが存在しています。
現状は、今月のマンスリーピボットのある114.942円と114.810円あたりのエリアがサポートになるかどうかという場面です。吹き上げるか、突き抜けるかは週明けのお楽しみですね。
ユーロドル:$1.12796のキーレベルをブレイクか、ノーブレイクか?
ユーロドルは、以前記載した大きなトライアングルの中で、$1.12796の最強ラインをテストしつつ、上に伸びない状況。日足と週足で長期移動平均線がレジスタンスになっている重たい相場。このレジスタンスが走る$1.14800あたりを力強く上に抜けなければ、$1.16359が視野に入ってくるというもう少し様子見の相場です。
クロス円:EURJPY、GBPJPY、AUDJPY、CADJPY、CHFJPY
クロス円も、キーレベルで止まっているもの、上に抜けられなかったもの、下に少し抜けているものなど、キーレベルで攻防中。ドル円と同じく、今年のピボットポイントが形成する節目をテストするのであれば、ディープなプルバックが考えられますね。どのチャートも節目となっている価格ラインが意識されている環境ですので、週明けのプライスアクションを待ちます。
NZDUSD:3ドライブパターン
ここしばらく投稿しているNZDUSDのブリッシュ3ドライブパターンは今でも健在です。
日足、週足、月足という長期足のチャートに居座り、PRZ(潜在的反転ゾーン)とキーレベルが重なっているのが肝。なお、直近の動きから、しばらくレンジになる可能性もありますが、このキーレベルを死守するかどうかが鍵のようです。
USDCAD:ベアリッシュガートレー
こちらは、USDCAD(ドルキャド)のベアリッシュなガートレー。
軽いプルバックだけで、ディープにドン下げしないかもしれない、微妙な相場です。下の方で、長期移動平均線がサポートとなるエリアで押し目を形成するかに注目です。
コモディティ:Goldのブラックスワン、USOILのレジスタンス
先週、トレーディングビューのXAUUSDのチャートを掲載しました。今週の動きで、そのチャート内に描画した下側のブルーのボックスに到達。ベアリッシュなバタフライは引き続き有効です。
こちらは、MT4で見えるチャート。ブラックスワンがすでに検出されています。ターゲットの候補やデジャブなパターンなど、先週の投稿と合わせてご覧ください。
USOILのマルチなベアリッシュ・ハーモニックパターン
USOIL Miniは、シナリオ通りに、ターゲットの$91.23を上に抜けて$95ぐらいまで上昇。で、「異なる時間足に現れた3つのハーモニックパターン!USOILのバタフライパターン、ABCDパターン、サイファー」で別途投稿したのですが、4時間足に売りのバタフライパターン、日足にABCDパターン、月足でサイファーパターンが出ていた相場。
また、金曜日に止められた$93.77という価格ラインにも注目していましたよね。これは、2008年7月の高値と2020年4月の安値を使ったフィボナッチリトレースメントレベルの61.8%になります。
長期足でハーモニックパターンが出る場合、数日間は、これまで続いているトレンド(原油の場合は上昇トレンド)がそのまま続いたり、レンジになったりと、トレンド転換には時間がかかります。それでも、USOILのキーレベルは$91.23のようで、これを上抜けても、再び下に押し戻されてふたになると、当座はトップを付けたことになるので、週明けのプライスアクションを待ちます。
株式指数:金曜日に留まった場所がクールすぎて怖い!
US100、US500 、US30、GER40
先週投稿していた米株式指数は、最強ラインが意識されているのがまたもや明確。先週投稿したUS100とNDQの画像もまだ有効ですが、居座るA-サイファーのPRZをきっちりとヒットしたいのであれば、やはり、今年のピボットポイントS1と重なってくるエリアまで続落する可能性のある相場です。いずれにしても、US100のふたは、$15121.08。US100フューチャーズのふたは、$15114.33。
ティール色のトレンドラインを下抜けただけでなく、茶色のピボットポイントも下に抜けているのが見えます。ここで今週を終えてしまったきわどい相場。
US30のキャッシュの方も同じ絵柄ですが、4時間足では、この年足ピボットで、買いのブラックスワンが出てきている状態。確かに金曜日の手じまいも重なった格好で、DOJIのようなローソク足になっていますが、問題はここからのようです。
特にキャッシュの方だけを見ていると、「ハーモニックパターンが出ている、年足ピボットポイントでDOJIのようになり、迷いを示している、じゃあ、このラインがサポートになりそうだから、買いで仕込もう!」という目線になりたくなるのですが、このレジスタンスがふたになってしまいギャップダウンする可能性も否定できない相場です。
US500の方は、$4414.10というキーレベルを上に超えられず、一足先にふたになってしまっています。
GER40には買いのガートレーパターンがいますが、15136.80が強固にレジスタンスの役目を果たしてくれるかを見守る環境。
直近の下落の動きはジグザグした動きで推進波での下落ではないので、反発の可能性も残されているきわどい状況です。このガートレーで反発した場合、大きな売りのガートレーを作りそうなブルーのエリアを狙ってくることも想定できます。
週明けに短期的に反発してきた場合は、この価格帯でのプライスアクションが要となりそうです。他の指数と同様に、キーレベルを超えられず、どの指数もギャップダウンなど下落の勢いが強くなれば、ドン下げのようになり、ボラティリティが再び全開となりそうです。
VVIX(VIXの30日後のインプライド・ボラティリティ)のサポート
こうした状況を踏まえ、VIXもしかりですが、VVIXの方を見てみます。VVIXはVIXのImplied Volatility(インプライド・ボラティリティ)の指数、つまり、想定されるボラティリティを示唆しています。
このチャートから見えるのは、ボラが切りあがってきている状態。茶色の年足ピボットポイントがサポートになりうる鬼の環境を読み取れますね。
US30などが短期的なハーモニックパターンで上昇すれば、この年足ピボットまで下落することは想定できますが、年足ピボットポイントで下げ止まった後が怖いという絵柄ではあります。
欧州株式指数も、米株式指数も、今の段階では、キーレベルを上に抜けるのかどうか、テストしている感じですが、続落の勢いによっては、シナリオが「ベアマーケット進行中」ということになることも頭の片隅に置いておいていいのかもしれません。
また何かあればアップデートしますね。
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