先週投稿した落ちてくるナイフのような相場での買い目線は厳しいものがありますが、チャートパターンやフィボナッチを見ていると、’vicious bounce’ (意地悪な反発)には巻き込まれたくないような様相でもあります。今日のNY時間で注目しているETFの動きも併せてみていきます。The markets display a vicious bounce after the chiken is cooked?
頭と尻尾はくれてやれ?行き過ぎもまた相場?
Fibonacci brings a rule to the markets.
(注:この記事は2019年6月4日に投稿していたものです)
フィボナッチがルールをもたらすとき
先週、検出されていたたくさんのハーモニックパターン以降、米株式はさらに売り込まれてきましたね。ハーモニックトレードで気を付けたい点である、「PRZを突き抜ける」という現象がそのまま再現されている相場です。センチメントが強い時、一発目のハーモニックパターンが示してくれるPRZ(潜在的反転ゾーン)を突き抜けることはあります。
PRZはフィボナッチのレベルから構成されるので、これを突き抜けたら、次のフィボナッチのキーレベルを見るということになります。そして、次のフィボナッチのキーレベルまで価格が動くと、バタフライがディープクラブにというように、新しいハーモニックパターンが検出されることもしばしばです。
先週の木曜日以降、伸び切ってきている下落トレンドに飛び乗ってよかったかは、トレードスタイル次第だと思います。デイトレだと、フィボナッチのキーレベルである61.8%、50%、38.2%の間の隙間をいただくトレードをすることは可能ですが、伸び切ったトレンドの最後の方では、手じまいも重なり、反発も強くなるので、ひやひやものです。
同じトレンドの流れが、金曜日まで続くことはしょっちゅうですので、反転しなければ、次の週まで待つのもOKだと思います。で、週が明けて気になるのは、今の下落は、’Chicken is already cooked’.(文字通りの訳は、鶏肉はすでに調理されている。)なのでしょか?
高値からの下落トレンドがフィボナッチのレベルから見ても、伸びてきすぎている場合、ハーモニックパターンが「尻尾」を示してくれている可能性があります。まだ、トレンドが続き「尻尾」が伸びる、いや、「尻尾」の中でトレードしているから上下に荒れる、いやいや、もう調理済みだから反発してもらうのを待って、戻りポイントから新たに参戦すると言った思惑が混じっているような相場です。
ドル円: 日足の買いのシャークパターン
ドル円の日足と週足には、買いのシャークパターンが検出されており、PRZ(潜在的反転ゾーン)のラインである107.818円でぴったり止まっています。
日足のパターンですので、PRZをヒットしてから横向きの動きになったりするので、反転には時間がかかる可能性もありますが、初動の動きが1-2-3-4-5波からなる5波を形成するか見ていきましょう。
そして、先週、ドル円は、連動する金利に引っ張られた格好でした。
下記は日本円のフューチャーズ。トレンドラインとチャネルの重なるあたりに価格がいて、もう少し上は、フィボナッチリトレースメントのキーレベルがあります。
日本円の買いが、少し和らいでプルバックをするのであれば、やはり、ドル円のここからの突っ込み売りはリスクありですね。
ドル円が、Cookされて「尻尾」にいるなら、そろそろ反転が本格化する可能性もあります。107.818が当面のサポートラインとなるか注目です。
米国債・金利関連
米10年債のフィボナッチレベルともう少し下の年ピボットS2
米10年債は、抜けてこなかった長期のサポレジを抜けて、フィボナッチレベルもいい感じになってきましたが、もう少し下に年S2という大きな節目がありますので、ここまで下げるのであれば、ドルがもう少し追随する、つまりドル円はもう少し売られる可能性もありますね。
XLF(SPDR Financial ETF:金融セレクト・セクター SPDR® ファンド )
SPXがもっと「尻尾」を伸ばすには、高いウェイトを占める金融セクターを考え、XLFがもうひと下げする必要がありそうです。すでにギャップアップしていますが、26.50はキーレベル。
窓を埋めて下に抜けるかどうか、非常に重要な場面にいますね。
XLFが下げる、米国債が買われる、ドル円がそれで下げるというように、連鎖して動く可能性があるので、XLFはしっかりとみておいた方がよさそうです。ただ、これだけ相場が下げてきても、大きく上がってこないのがVIX。リスクがないのでしょうか?ならば、相場はやはり反転上昇で、押し目買いなのでしょうか?
あるいは、VIXが、上がるべき本来の動きをしていないだけなのでしょうか?だとしたら、「尻尾」が伸びる可能性があり、「尻尾」は、まだ終わっていない=下落再開と読み取れます。
先週から居座ったり、新たに出ている買いのハーモニックパターン
ラッセル2000とSP200はハーモニックパターンで、すでに反発を開始。バークシャー・ハサウェイのブラックスワンは居座っています。ボーイングにもブラックスワン。
Appleは、フィボナッチが伸び切って、レンジから下にブレイクしましたが、最後の吹き下げであれば、逆走する可能性があり、少しリスクありの様相です。
マイクロソフトのガートレーは先週から検出されており、反発中。豪ドル・米ドルのパターンは日足で出ており、0.68606を割らない限り、さげてくれば押し目で買われる可能性がありますね。
今の相場で難しいのは、米国債、XLFともに、もう少し今のトレンドが伸びる余地があるということです。NY時間で、米株式が再度下げてくるかどうか?下げてこずに反発が継続すれば、直近の下落に対するカウンタートレンドの調整波が開始したことになり、売っても踏まれる嫌な相場になりそうです。日足の20MAからも乖離している状況ですので、長期の移動平均線がどこにいるのか、そして、下落の高値と安値を使ったフィボナッチリトレースメントのレベルを見ていきます。