ユーロ円に現れた3つのハーモニックパターン EURJPY: 61.8 pattern, butterfly, bat

ずいぶん前に掲載したユーロ円は、週足で売りを示唆する61.8パターンを形成後レンジ。レンジ上抜けは本物か?3つのブローカーで3つの異なる売りのハーモニックパターンが検出されているのでシェアします。EURJPY’s bearish 61.8 pattern has offered the prz and the pair ranged since September. Currently, three brokers show three bearish patterns, but the bottom line is EURJPY may be a sell.

テクニカル分析トレーダー vs ハーモニックトレーダー

EURJPY: 3 different types of bearish harmonic patterns

(注:この記事は2017年12月31日に投稿していたものです)

ブローカーが扱う銘柄が異なるため、Aのブローカーで通貨、Bのブローカーで金利や株式というように、異なるブローカーのMT4使っていることがあるかもしれません。ブローカーにより、スプレッドなどクウォートが異なるため、チャート上の価格が少し異なるのも気づかれていると思います。1件のブローカーから提供されるMT4だけ見ていると、意外と気づかないことがありますが、異なるブローカーのMT4で同じ通貨ペアを見てみると思わぬお宝に出会うことがあります。

ユーロ円の節目を示唆するハーモニックたち

3つの異なる売りのハーモニックパターンが出たユーロ円

異なる売りパターンとはどういうことですか?

EURJPY 3012あるブローカーで、ユーロ円の週足にグレーの61.8売りパターンが検出された後、レンジとなりました。

現在、別のブローカー2件のMT4上で検出されているのが、大きな時間足の売りバタフライとバットです。

レンジ上抜けで抜けたボックス圏に押しをつけたら買いという目線も優位性はあるのですが、果たしてどうなるでしょうか???

4時間足にズームインします。ピンクのラインのあたりは、日足のボリンジャーバンドの2シグマが重なってくるエリアです。

EURJPY 4H 3012ブラックスワンと小さなディープクラブも検出されており、この辺りはレジスタンスであることがわかります。月足のチャートをご覧いただくと、135.76円あたりには一目均衡表の雲の上限も走っています。

一目均衡表の雲と15分足までの下位足のチャートを見ると、まだ雲が上昇しているため、買い目線にいるトレーダーがいると見えます。

なお、4時間足のMACDとRSIは、ダイバージェンスに見え、モメンタムは弱くなってきています。厄介なのは、各パターンのPRZ(潜在的反転ゾーン)の最上限の価格が、135.95円と140.28円で大きな開きがあることです。

また、ブローカーによっては、週足のボリンジャーバンドの2シグマが136あたりにあるものもあります。

今の段階では、どのブローカーの日足チャートでも、20MAとの乖離があり、日足のボリンジャーバンドの2シグマをヒットしているという事実は確認できますが、ボックス圏を上抜けしたということで、買い目線のトレーダーが多ければ、もう少しだけ上げてくる可能性があります。逆にこのまま下げてくれば、日足の20MAが走る少し上の113.894には今年のピボットポイントのR1があり、ここが意識されるサポレジラインとなりそうです。月曜以降しっかりと動きを見ないといけないですね。

ブローカーの異なるクウォート=異なるハーモニックパターン

例えば、DXY(ドルインデックス)には、あるブローカーでは大きな買いのガートレーパターンが出ていますが、別のブローカーでは買いのバタフライが検出されています。

いずれにしても示唆するものは、短期的なドル買い=EURUSD売りであり、このままトレンド転換で、EURJPYもEURUSDも下落トレンド開始ということを考えるのはまだ早いと思います。逆に、あるブローカーではハーモニックパターンが検出されているのに、他のブローカーでは検出されないという事象も出てきます。

では、複数のブローカーのMT4をダウンロードして監視しなければいけないのか?というと、そうではないと思います。

ハーモニックを使っていないトレーダーさんはたくさんいます。チャート分析の基本は、多くの市場参加者が見ているサポレジ、移動平均線、ピボットポイント、フィボナッチのレベル、MACD、RSI、ストキャス等、コンフルエンス(節目)のエリアでのプライスアクションを見ることです。

ハーモニックパターンがあれば鬼に金棒ですが、あくまでも示唆してくれるのは、反転の可能性があるレジスタンスやサポート。PRZはpotential reversal zone(潜在的反転ゾーン)であり、絶対的であるとは示唆されていません。市場の目線やセンチメント、大口の買い仕込みや売り抜きの価格帯、市場が到達したいコンフルエンスのエリアなどに加え、ハーモニックのPRZ内のプライスアクションを見て、次のステップを判断していくのがベストです。

週足で9月からレンジになった事実を見ると、資金のあるビックプレーヤーも方向性を出せずにいたわけですから、この後、方向性を出してくれるのかを待つのも一つの手です。また明日以降、新しい年ピボットがチャートに表示されるようになります。すでに今年のろうそく足から計算することはできますが、どこに年ピボットが走るかは注目したいところです。

仮に、ユーロ円がこのまま抜けたボックス内に戻ってきた場合、「あれは、だましだった」ということで、買いの手じまいや利確を始めるトレーダーが出てくることになり、この手じまいや利確で売りに目線が転換し、その売りが売りを呼び、下落が加速するということになるかもしれません。

ローソク足がどういったフォーメーションを作るのか、1時間足のレベルで20MAを大きな陰線が突き抜けてきているか、H&Sなど何らかのトレンド転換のパターンが5分や15分足などで出てきているか、高値安値のトレンドが崩れているか、下落の波は12345とインパルシブ(勢いのある)5波かなどを見ていくことになりそうです。

また、EURの買いポジションが膨らんだ一方、円の売りポジションは膨らんだままですので、一旦は短期的に、EURを売る、円を買うというポジション調整の動きになってもおかしくない状況ではないでしょうか?

EURはEURUSDの売りバタフライ、EUR関連の金利も下げ方向を示唆している絵柄の中で、ユーロ円がこのまま上昇するというシナリオが成立するかは月曜以降のろうそく足にかかってきます。

ハーモニックパターンが異なる時間足で複数検出される場合など参考記事

2017年11月投稿の記事

Double Gartleys in Gold – ゴールド vs 2つのガートレーパターン 強烈に決まりましたね^^