EURUSDのフィボナッチ78.6%&サイファー、ドル円のサポート:センチメント vs フィボナッチ、ダイバージェンス

短期足で押し目を付けてその流れを継続したユーロドルと失速ぎみのポンドドル。木曜日から金曜日にかけのユーロドルのプライスアクションは学びの宝庫ですね。伸びそうで伸びないドル円など、週明けにチェックしたい通貨ペアをシェアします。

デジャブ。短期足のセンチメントと長期足の節目

The next price action may be very important for EURUSD.

(注:この記事は2020年12月5日に投稿していたものです)

78.6というキーレベル

EURUSD – 木曜日に買うと金曜日に疲れた相場

先週触れたキーレベル$1.19160とそれに対する短期足での押し目からの上昇が継続。当初見ていたひとつ目のターゲットの$1.19804もさらに上抜けて、高値を更新しましたね。

8月の高値に対するフィボナッチリトレースメントレベルの88.6%という最後の砦を超えてきた格好ですが、もうひとつ記載していたファイナルプッシュの可能性も視野に入れておきたいです。先週、「5つの波からなる推進波が終了し、その後大きくプルバックすることも想定されます。」と記載したのですが、8月からのレンジをエリオット波動の第4波ととらえた場合、現在のプライスアクションは第5波を形成していることも想定されます。

それ以外、基本のテクニカル分析で見たレジスタンスも機能しています。まずは週足のチャートを見てみます。

ユーロドル週足サイファー EURUSD Bearish Cypher Weekly Chart 5 Dec 2020

今週の陽線が$1.1960から立っているのが見えますね。先週の投稿などで言及していた高値とは、今年8月の高値で直近高値となります。ピンクの3があるところです。

ズームアウトして週足チャート全体を見ると、もっと見える絵があります。2018年初めの高値が目に入ってきますね。既にハーモニックパターンが表示されているですが、今はこのパターンを忘れてください。

2018年初めの高値と今年3月の安値を使ってフィボナッチを引いてみてください。高値から安値に向かって引く、安値から高値に向かって引くどちらでも正解です。(フィボナッチの引き方についてはカテゴリーのテクニカル分析のフィボナッチについて書いた記事をご参照ください。)

この画像の右側に21.4%とあります。100-78.6=21.4(100-21.4=78.6)、つまりフィボナッチリトレースメントレベルの78.6%となります。このラインを意識しつつ、4時間足や1時間足を見ると、このラインを超えたものの押し戻されているというプライスアクションが見えます。

つまり、このフィボナッチリトレースメントレベルの78.6%を前に、水曜日以降、とりわけ木曜日に買いで参入すると行って来い状態になる可能性があったということになります。米雇用統計などニュースは関係ないです。

他のテクニカルツールも見ておいて損がないです。例えば、今私達がいるこの価格帯は、月足と日足のボリンジャーバンドの2シグマを飛びぬけた場所であり、MACDやRSIのオシレーターは上昇していないダイバージェンスを見せています。

ではここから売りなのか?

そう思ってしまうのですが、サイファーパターンのPRZ(潜在的反転ゾーン)は、次の節目である$1.22629に近い場所にあります。長期足のハーモニックパターンのPRZが広い場合、その中で、レンジになったり、数日以上過ごすこともあります。さらに、フィボナッチリトレースメントレベルの78.6%の次は、再び、最後の砦であるフィボナッチリトレースメントレベルの88.6%が待ち受けています。この場合の88.6%は2018年の高値に対する88.6%となります。

週明けにプルバックをしてきた場合、週足の陽線のローソク足の安値がある当初の節目、$1.19160がサポートになるのか、あるいはこれを下に抜けるのかが重要になってきますね。

あるいはレンジになったりジグザグと行ったり来たりの動きで数日間上昇して、$1.22629あたりで、売りのブラックスワンを形成するのを待つのも賢明です。言い換えれば、短期足でトレードする場合、まだ買い目線が継続する可能性もあるわけです。

今の市場はドル売り優勢ですので、ユーロ売りにはなりづらいですが、今年3月からの上昇の波の初動にいるのか、あるいはもうすでにお尻の方にいるのかを長期足のチャートで見ておくといいですね。

GBPUSD、NZDUSD、AUDUSD、ドル円

また、ユーロドルが伸びているのに反して、失速気味なのがポンドドル。EU離脱交渉などニュースは短期的な動きに影響しますが、大きな絵を見る方が大切のようです。同じく、先週記載したNZDUSDは、キーレベルの$0.70559を抜けましたが、結局下に押し返されており、ここでヘッドアンドショルダーズパターンを形成するシナリオもオンです。

AUDUSDも売りのブラックスワンですが、ユーロと同じでもうひと上げある可能性を考慮します。次のターゲットは$0.74741。

そして、ドル円。独自のリズムで動くドル円は、ふたを開けると先週と似たような値動きでレンジですね。

クロス円にはポンド円、豪ドル円に売りのハーモニックがいるのですが、もうひと上げする可能性もあります。

コモディティ:ゴールド&シルバー

$1921.19を超えられないままの状態が続いているゴールド。ユーロと比べても高値を更新していない相場環境です。シルバーには売りのホワイトスワンとブラックスワンが検出されていますが、PRZはもう少し上にあるので、上昇してくる可能性があります。が、高値を更新するのかは微妙なのかもしれません。

DJI:ワン・モア・アップでお願いします

米株式指数の中でも、すでに強烈なレジスタンスを何度もヒットしてしまっているナスダックキャッシュ(US100)のほか、これに追いつけ!とばかりになかなか下落しないSP500とダウキャッシュ(US30)。もうひと上げのワン・モア・アップでこれらのターゲットをヒットしたその時の方が重要になります。ここまで上昇すると買いの手仕舞い、売りの参入が出ると想定しています。

まとめ:米株式は下落目線になりづらく、ドル円も売り込みにくい鬼相場ですね。中長期的には米ドルの買いを示唆したハーモニックパターンが色んなチャートに居座っていますので、プライスアクションをしっかりと見ていきましょう!