今年最後の週末は、この間のドル円で復習したテクニカル分析の基本をEURUSDでも探索してみようと思います。2022年4月と5月の記事で、ユーロドルが大きなトライアングルにいることを記載していましたが、このトライアングルから見えてきたものがあるのでシェアします。
EURUSDのチャートにはリターンムーブ以外にもお宝あり
EURUSD: A potential return move to the broken trend line.
普段忘れがちなテクニカル分析の基本を学ぶには最高のチャート
EURUSDの3ヵ月チャート
こちらは、EURUSDの3ヵ月チャート。MT4だと1カ月までしか見えないのと、かなり昔のローソク足は表示されないので、トレーディングビューを使ってみました。ユーロってそんな昔からあったっけと一瞬戸惑うのですが、左の方には1970年代のローソク足があります。笑
さて、このチャートから見えるのは、過去に高値を切り上げて上昇していた価格が、2008年から下落しているという様子です。切り上げた安値をつないだトレンドラインと、切り下げた高値をつないでトレンドラインをオレンジ色で引いています。
EURUSDの1ヵ月チャート
こちらは1ヵ月のチャート。先ほどのオレンジ色のトレンドラインとは別に、ピンク色で直近の動きでつけた高値を結んだトレンドラインと、安値を結んだトレンドラインを引いています。
ピンク色のラインだけ見るとトライアングルのようになっていますよね。2022年4月の記事「キーレベルが効いたクールなプライスアクション♪USDJPY、US100、US500、US30とデジャヴなGBPUSD」では、切り上げてくる安値をつないだ下側のトレンドラインがサポートになるか?ということを探索していました。
EURUSDの週足チャート
週足チャートまで降りてきました。4月の記事で投稿していたバットパターンをこちらに手動で描画しています。
ピンクのトレンドラインをヒットして、フィボナッチリトレースメントの88.6%を使うピンク色のバットパターンで一度は反転上昇した様子がわかりますね。黄色のボックスになります。
その後は、このトレンドラインを下に抜けています。
EURUSDの日足チャート
こちらは日足のチャート。週足で見た黄色いボックス内の動きで、注目したいものがあります。ピンクのトレンドラインの少し上に、水色で描画した$1.09234の価格ラインがあります。これは年ピボットポイントS1のレベル。
ピンクのトレンドラインとこの水色のラインの間でレンジのようになり、下に抜けないように踏ん張っていたのがわかります。でも年ピボットポイントS1がレジスタンスになり、大きな上ひげローソク足を出してついに下落というプライスアクションが見えてきます。
その後はというと、推進波を描くように続落したのですが、次の水色のラインで示した$1.04726にある年ピボットポイントS2が意識されてリバウンドしています。そして完成したのが黄土色で描画した5-0パターンで、このパターンが効いて続落していますね。
この5-0パターンが完成したD地点の場所は、紫のラインで示した当時のマンスリーピボットと薄水色のウィークリーピボットが重なっていてレジスタンスになっていた場所。ピボットポイントの威力がわかりますね。
さて、問題はここからです。笑
EURUSDの節目(コンフルエンス):フィボナッチ、トレンドライン、年ピボットポイント
先ほどの日足チャートを現在価格がいる場所まで動かしてみました。日足レベルでは、9月末から、結構な上昇トレンドを築いています。
この上昇トレンドがどこまで伸びるかを見るために、フィボナッチツールを2つ使います。ひとつ目は、画像下の最安値と、そこからの反発でつけた最初の高値を使って引いた緑のフィボナッチエクステンション。2つ目は、最安値と最初の高値は同じで、次につけた押し安値で形成されるひとつの山を使って描画したオレンジ色のフィボナッチエクスパンション。
黄色のボックス内を見ると、現在、ユーロドルは、フィボナッチエクステンションの2.618%と、フィボナッチエクスパンションの2.618%のレベルに近づいてきているということになります。
なお、ユーロドルは、週足チャートで見えるように、トレンドは下を向いている相場です。日足レベルの上昇トレンドも、今の時点ではこの下落トレンドに対するカウンタートレンドという認識になります。これを理解したうえで、ピンクで表示されている0.5と$1.09427に注目します。これは、下落トレンドが始まった時につけていた高値と、直近の最安値を使ったフィボナッチリトレースメントの50%の場所になります。下落トレンドに対して半値分戻すことになる場所ですね。
さらに、黄色のボックス内で、ピンクのトレンドライン、上から降りてくるオレンジ色のトレンドラインが交わっているのがわかるでしょうか?この交わるあたりを走っているのは、先ほど見た水色の年ピボットポイントになります。
年ピボットポイント、上からのトレンドライン、フィボナッチエクステンション、エクスパンション、リトレースメントのレベルが集結する黄色のボックスは、かなり重要な節目(コンフルエンス)であることがわかります。
また、これらの基本のツールから何が見えてくるかというと、EURUSDは、バットパターンで踏ん張った後、ピンクのトレンドラインを下にブレイクしたのに、それに対してきっちりと戻してない、つまりリターンムーブをしないままに続落していたということ。9月からの上昇が、このピンクのトレンドラインへのリターンムーブであると考えられるということになります。
日足レベルでのリターンムーブなので、達成するまでにはずいぶん時間がかかるのですが、今回のような右上がりのトレンドラインへのリターンムーブを付けに戻ってくるプライスアクションは、4時間足、1時間足、15分足でも頻繁に発生しています。株式指数やゴールドなどのコモディティでも同じように、リターンを付け損ねたラインがあればそこまで戻ってきます。今年の12月前半、SPXは、¥ずいぶん昔からある右上がりのトレンドラインに2回タッチする動きを見せています。
EURUSDの節目にいるハーモニックパターン
こちらは4時間足のチャートです。黄色のボックスにズームインした形になります。
ここで検出されているのがドラゴンというパターン。でも、ドラゴンはあまり聞かないので、どこまで効力を発揮するかどうかわかりません。笑
それに重なって描画されているのはブラックスワンになりますが、これはまだ完成していない予想パターンなのでグレーで描画されています。
なお、12月半ばあたりからのユーロドルのプライスアクションを見てお気づきだと思いますが、下げそうで下げない、下げ渋りのレンジになっているんですよね。また、年ピボットポイントのS1とS2のミドルポイントとなる$1.06980をサポートにしてさらに上昇かという場面で今年を終了しています。
年明けは、この黄色のボックスにある大きな節目をトライするというシナリオを描けますが、トライした後のプライスアクションやローソク足に注目ですね。
なお、明日2023年1月1日には、新しい年ピボットポイントが表示されるます。サポートやレジスタンスとして役割を変えたり、プライスアクションを引き出した今年の年ピボットポイントは、来年以降も意識される大切なラインとなりますので、ぜひチャート上に引いておくか、メモっておきましょう。
テクニカル分析の基本の参考記事
「フィボナッチはリトレースメントだけではないんです- Making the most of fibonacci tools」
「テクニカルに忠実なポンドドル:マルチタイムフレーム分析も活用してステップアップ♪」
「テクニカルに忠実なポンドドル:マルチタイムフレーム分析も活用してステップアップPart 2♪」
「トレードに活かしたいシンプルで強力なトレンドラインとチャネルの使い方-Trend lines and channels」
「キーレベルが効いたクールなプライスアクション♪USDJPY、US100、US500、US30とデジャヴなGBPUSD」