フィボナッチ vs 年足ピボット vs 移動平均線:節目まであともう少しのEURUSD、USDCHF、GBPUSD

先週の投稿で記載したハーモニックパターンが効いている相場ですが、まだ決着がついておらず、週の前半少しアップダウンがありそうな気配も。今日は少し今週の動きをおさらいをしながら、ハーモニックパターンだけに関わらず、テクニカル分析から見える今の状況をサクッとシェアします。Harmonic patterns and fibonacci levels to watch in EURUSD, GBPUSD and AUDJPY.

指数がダイバージェンス:「え~、困ったな」

US100 vs US500 and US30: divergence or a melt-up? 

移動平均線 vs ピボットポイント vs フィボナッチ

USDJPYのゴーストシャークパターンが効いている相場

ドル円は、すでに投稿したベアリッシュなシャークパターンのゴーストが機能しているような格好で、109円前半まで下落。今チャート上で意識しておくべきテクニカル分析の要素は移動平均線、フィボナッチリトレースメント、年足ピボットではないでしょうか?

まず、年足ピボットのR1という大きな節目は109.904円にありますので、ここにはラインを引いておきます。次に、木曜日に下抜けしたものの金曜日に支えられる格好になっているのが109.540円あたりを走る日足の20MA。年足ピボットのR1と、移動平均線の間で板挟み状態という相場の環境認識ができますよね。

ただ気になるのは、今年1月の安値から3月につけた高値までの流れを考えると、先週記載したように、3月の高値は、フィボナッチエクステンションの4.618%という「ザ・伸び切りゾーン」です。また、この安値と高値を使ってフィボナッチリトレースメントをはじき出すと、最初のキーレベルとなる38.2%は、107.720円。このレベルまでまだプルバックしていないという相場環境が見えます。

この107.720円を前後する価格帯は、週足など長期足のチャートで見た方がわかりやすいですが、2007年など過去からかなり意識されている価格レベルです。また、先週投稿していた日本円のフューチャーズのチャート6J1を見ると、金曜日は年足ピボットR1がサポートになっています。円がこのレベルから買われると、やはり、ドル円は深くプルバックし、107.720円まで下落するという先週のシナリオをキープしたいところです。一応見てみた投機筋のポジションは円売りに傾いているので、弾けて円買いになってもおかしくはなさそうです。

その一方、フィボナッチエクステンションの4.618%という「ザ・伸び切りゾーン」に到達しているものの、5%まで伸びることもよくあるので、週明けワンモアアップの動きがあっても慌てない!ですね。

EURUSDとGBPUSDはホワイトスワン

ターゲットであった$1.17227に到達した後、反発する途中、フィボナッチエクスパンションの2.618%で売りのバタフライが出て、少し失速。その後、同じフィボナッチエクスパンションではじき出していた3.618%のあたりまで上昇してきたのですが、あと少しというところで再度失速。中途半端な場所で下落されても、あまり嬉しくなく、3.618%まできっちりと上昇するかなというシナリオも描けました。

中途半端な場所で下落し上昇するというプライスアクションの背景には、おそらく、ドルインデックス(DXY)が、フィボナッチリトレースメントレベルの38.2%までプルバックをしないままで、上昇を試みていたこともあったかと思います。DXYが38.2%のレベルまできっちり下げてる可能性、言い換えればユーロドルはもう少し上昇するということも記載していました。

そして、DXYは、木曜日にこのレベルをヒットして反発してきましたね。

EURUSD Bearish whiteswan ユーロドルのホワイトスワン 10 April 2021現在、ユーロドルは売りのホワイトスワンパターンと移動平均線で足止めを食らっています。先ほど記載したフィボナッチエクスパンションではじき出していた3.618%と、その手前という中途半端な場所で出ていた上ひげローソク足も見えるかと思います。

週明けは、直近のレジスタンス$1.19130あたりをヒットしても、短期的なDXYの反発と合わせてプルバック、あるいは、先に4時間足に見えるオレンジ色の長期移動平均線まで上昇し、DXYはフィボナッチリトレースメントの次のレベル50%まで下落というシナリオになります。言い換えれば、今の段階ではどっちつかずです。

なお、先週のガートレーから下落を継続しているポンドドルには、一時間足で、売りのホワイトスワンが居座り、下落しています。対ドルペアとして、ユーロがポンドのような動きを見せるのであれば、プルバックするかに注目です。

クラブパターンで下落しているUSDCHFのキーレベルは$0.91794

異なる時間足で異なる売りのハーモニックパターンが検出されていたUSDCHFは、現在キーレベルの$0.91794までプルバックするかという場面。このレベルまで約60ピップスほどありますが、このレベルでプライスアクションが活発になる可能性があるので、売りの深追いには注意したいところです。

その他記載していたポンド円は、149.207円が再び意識される相場ですが、売りのバタフライパターンが効くのであれば、145円から142円前半までの深いプルバックも考慮です。

CHFJPYは、先週の変形バットから約70ピップスほど下落して、再び上昇していますが、日足と週足のボリンジャーバンドがレジスタンスになるかという場面。後、ほんの少しで、3月に開始した上昇の波がフィボナッチエクステンションの3.618%に到達しますので、今すぐに買いのポジションを持つよりは、プルバックを待つか、この3.618%の場所で売りもありかなという目線です。

EURJPYの売りのブラックスワンも健在で、やはり、130.799円をトライしているように見えます。あと30ピップスほどですので、リスクリワードから言えば、このレベルをヒットするのを待つ方がよさそうですね。

国債(金利)のフィボナッチ61.8%

ZN1 fibonacci 61.8% 米10年債 フィボナッチレベル 10 April 2021先週末の投稿で触れていた米10年債ZN1のチャート。YP S1とあるのは年足ピボットのS1で少し手前から反発しています。画像中0.382とあるのは、大きな上昇の波の高値と安値を使ったフィボナッチリトレースメントレベルの61.8%のことです。

今週の動きで、この61.8%の価格がある131.27が強烈に意識されていることがわかります。上抜けしたものの下落し、金曜日はこの131.27で止められているのが見えます。

このプライスアクションが本物であれば、下の方にある年足ピボットをヒットしに下げてくる可能性がありますが、なんとも時間のかかるプライスアクションであり、FOMCや雇用統計などのイベントもトリガーにならないという待たされ相場ですね。

その他、ZN2というもう一つの10年債のチャートは、すでにYS S1をヒットして逆三尊かという絵柄。米30年債はもすでに年足ピボットのS1をヒットしているのですが、このまま上昇しても、あと少しで、フィボナッチリトレースメントレベル61.8%がある157.16がかなりのレジスタンスになりそうです。

ZN1が年足ピボットS1をヒットしれくれれば、わかりやすいのですが、もう少し様子見です。月曜日にZN1がギャップダウンするかにも注目ですが、サイド反発してきた場合は、ドル円のプルバックにも注意した方がよさそうですね。

米株式指数はダイバージェンス?

お題に書いた「指数がダイバージェンス:え~、困ったな」というのは、チャートを見ればわかります。

DJIとSPXは、フューチャーズのYM1とES1を含めて高値更新。先週の投稿でABCDパターンの出ていたNDXとNQ1は、まだ高値更新していないダイバージェンス。

Russell 1000も、ダウやSPXと同じく高値を更新していますが、Russell 2000は高値更新していないダイバージェンス。

そして、恐怖指数が面白いプライスアクションを見せており、VIXはずるずると下げていますが、VVIXは木曜日のオープンから上昇しており、ダイバージェンス。そろそろリスクが高まっていることを教えてくれようとしているのでしょうか?

ちなみにマイクロソフト株は後4ドルほどで強烈なレジスタンスをヒットします。週開けヒットしていたら、その後のプライスアクションに注目してみてもいいですね。学習できるチャートはたくさんあるので、ぜひ見てみてください。トレーディングビューではMSFTが銘柄になります。

また、先々週掲載していたXLF(金融セレクト・セクター SPDRファンド)とKBE(スパイダーS&PバンクETF)については、XLFが年足ピボットR1を押し目に反発していますが、すぐ目の前の35.45から36あたりは節目。KBEはギャップを埋められていない相場。ギャップを埋めに来る可能性は大いになりますが、問題はその後のようです。

週明け想定できるシナリオのひとつは、US30(ダウキャッシュ)などが、ターゲットを目指して、さらに上昇してくるというシナリオ。その場合のターゲットは、US30キャッシュは$34590.74、SPXのキャッシュUS500は$4262.59。ナスダックも上昇するのであれば、ターゲットは$14955.69となり、まだまだブリッシュな相場になるかもしれません。

ですが、金利とDXYの動きなどを照らし合わせて、これらの指数が一旦プルバックする可能性もありリスクが高まっていることも留意したいですね。以前、月足ボリンジャーバンドの存在も記載しましたが、ちょっと深追いしずらい、けれど売りでもポジションを持ちづらいという「え~、困ったな。」という相場のようです。笑