テクニカル分析の基本と相性のよいハーモニックパターン!相場の環境認識と合わせて使おう

このブログでご紹介しているハーモニックパターンを使ったハーモニックトレード。トレード手法の1つとしての地位を確立していることは間違いないのですが、特別のトレード手法なのではと思っていませんか?いえいえ、ハーモニックパターンこそ、テクニカル分析の基本といえるのかもしれません。少し復習してみましょう。The harmonic pattern detection tool and technical analysis go well together.

ハーモニックパターンが出るとわくわくする

トレンドに逆らうんじゃないですか?

バット、ガートレー、バタフライなど、このブログでよく登場するハーモニックパターン。相場が反転する場所を教えてくれるツールとして知られていますね。

でも、トレードの基本はトレンドフォローだと学ぶため、ハーモニックパターン通りにポジションを仕込むのはトレンドに逆らうことになるのではないだろうかとためらいが出るのも事実だと思います。なんのためにハーモニックパターン検出ツールを使うのだろうか?

そんな疑問が出てくるのは当たり前のことです。それでも、ハーモニックパターンが何者であるのかを一歩引いて冷静に考えた時に見えてくるのは、ハーモニックパターンこそが、テクニカル分析の基本であるということなのかもしれません。

どういうこと?

このブログの記事(下記にリストアップした記事)でもシェアしていますが、ハーモニックパターンは、テクニカル分析の基本のツール、フィボナッチを応用したものです。

必ず学習する代表格といえばフィボナッチリトレースメントですが、フィボナッチにはあらゆるタイプのツールが存在していますね。例えば、フィボナッチエクスパンション、フィボナッチエクステンション、フィボナッチプロジェクションは、上がる値動き、下がる値動きといった縦のプライスアクションを計測し、フィボナッチファン、フィボナッチタイムライン、フィボナッチアークなどは、過去のある時点、または今の時点などから時間をかけて形成する値動きとなる横軸を計測します。

名前は違えど、どのツールでも基本となっているのは、当たり前ですがフィボナッチの主要な数値である、0.618、0.5、1.618などです。それ以上のものでも、それ以下のものでなく、フィボナッチ数値です。

フィボナッチリトレースメントを必ず学ぶのであれば、ハーモニックパターンも学んでいいはず。なぜなら、ハーモニックパターンもフィボナッチの数値を基本にし、異なるフィボナッチツールがはじき出すキーレベルをXABCDに使っているからです。

ハーモニックパターンいざ検出。トレンドはどっち?

トレンドに逆らったようなポジションエントリーになるため、ハーモニックパターンは逆張りという考えがあるのも当然ですが、ハーモニックパターンが検出される場所により捉え方が異なってきます。

大トレンドの終焉や転換を示している

週足、日足で下落トレンドで動いている相場で、週足や日足といった大きな時間足で買いのハーモニックパターンが検出された場合。これまでのトレンドが終わりに近づき、転換するよという警告としてハーモニックパターンが出ている場合ですね。

最近で言うと、すでに投稿したUSDCHF(ドルスイス)の週足に出ている買いのネンスター、ドル円に出ている週足の買いのABCDパターンが思いつきますね。

大きな時間足のトレンドが終了を迎えつつある場合のハーモニックパターンでは、まず、ハーモニックパターンが出てもすぐに転換せず、数日から数週間レンジになるケースと、強烈にひげを付けて転換するケースがあることを頭に入れておきます。値動き(プライスアクション)は、小さな時間足から大きな時間足へと波及していくので、今まで続いていたトレンドで、4時間、1時間足など短い時間足のトレンドの波を活用していきます。

例えば、1時間足や4時間足で築いている波に対して、フィボナッチエクステンションやフィボナッチエクスパンションを描画し、それぞれの波が1.618、3.618、4.618、5.0などの主要な数値と重なっていないかを見ていきます。

1時間足で伸びている波を見て、価格が3.618%以上のレベルにいれば、1時間足レベルでは、「ザ・伸び切りゾーン」にいることになり、1時間足のレベルから、反転を始めることが想定されます。ハーモニックパターンのPRZ(潜在的反転ゾーン)内で、1時間足の下落の動きがしばらくレンジになったり、安値を切り上げて逆三尊のようになっていれば、反転が始まりつつあり、これが4時間足のチャートに波及するかというアプローチになりますよね。

日足や週足の大トレンドそのものの反転に優位性が高い場合は、それらの時間足に加え、4時間足や1時間足でも、買いを示唆するハーモニックパターンが出ていることがあります。どのタイムフレームにもフィボナッチを使ったハーモニックパターンが居座る場合、トレンドの終焉という優位性がさらに高まりますね。

大トレンド継続で、小さな時間足でのカウンタートレンドを示している

これは、最近のユーロドルがいい事例かもしれませんね。2020年9月26日の「ホワイトスワンが効いたユーロドルとCHFのハーモニック-Short term CHF move in focus」で、1時間足に検出されたブラックスワンを掲載しました。

ユーロドルのブラックスワン EURUSD Bullish blackswan 26 Sep 2020

同じ画像を掲載しています。ヘッドアンドショルダーズパターンのネックラインをブレイクしてから下落し、その後ブラックスワンが検出されました。

ヘッドアンドショルダーズパターンはトレンド転換のパターンとして知られていますね。ユーロドルがトレンド転換したと想定するのであれば、大きな時間足は下落トレンドなので、その流れを継続するという目線になりますよね。

だとすると、この1時間足のブラックスワンは、押し目買いではなく、戻り高値を付けるカウンタートレンドの動き(トレンドラインへのリターンムーブ)が始まることを示唆したものではないかと想定できます。

さらに、ブラックスワンに表示されているフィボナッチ数値を見ると、1.822、1.933となっているのが見えます。2.618、3.618などの主要な数値ではないですね。

となると、あることが頭に浮かびます。

下落トレンドの相場で買いのハーモニックパターン(上昇トレンドなら売りのハーモニックパターン)が出た場合で、さらにフィボナッチの数値がこの画像のように1.822や1.933のように物足りない数値になっている場合、本来の下落の波のまだ先に存在する「ザ・伸び切りゾーン」に達していないままになっていることが想定できます。

「ザ・伸び切りゾーン」は、2.618%、3.618%、4.618%といった主要な数値から構成されるそのため、中途半端な数値の場所から反転しても、一時的なカウンタートレンドの動きではないだろうか?と想定できます。

ユーロドルの場合は、ブラックスワンに従って上昇してきましたが、この上昇が短期的なカウンタートレンドであるとするなら、どこかのポイントで戻り売りが参入し、結果的に、元々の下落トレンドの波が示す「ザ・伸び切りゾーン」まで再び下落するというシナリオを立てることができます。また、この「どこかのポイント」も、ブラックスワンが示しているように、必ずフィボナッチの数値を使ってはじき出しているフィボナッチリトレースメントのレベルになります。

大トレンドをフォローし、短期のカウンタートレンドの終焉を示している

トレンドフォローのトレードでもハーモニックパターンを活用することができます。トレンドを形成しながら、途中で戻りや押し目を付けそうな場所までリトレースメントし、そこでその戻りや押し目が完了したことを教えてくれるパターンが出ることはよくあります。

ダウ:フィボナッチ、リターンムーブ、チャネル、ABCを学べる相場 DJI chart analysis example」では、売りのパターンが連続して検出され、トレンドフォローのトレードに一役買っていました。

また、下記の「エリオット波動とハーモニックパターンPart2 : フラットやトライアングルなど調整波(Corrective Wave)」で探索したように、トレンドの出ている波の途中に形成されるチャートパターンの中でもハーモニックパターンは活躍します。例えば、上昇トレンド中に形成されるトライアングルといったチャートパターンの中で、買いのハーモニックパターンが出た場合、その場所により、トレンドフォローで上昇継続を示唆しています。

そして、大トレンド継続中で、短期的な戻しや押し目を拾う場合、ハーモニックパターンと合わせて使いたいのが、RSI、ストキャスティクス、MACDといったオシレーターです。ハーモニックパターンの出た価格帯で、価格とオシレーターがダイバージェンスか、ヒデゥンダイバージェンスという関係になっていないか?とということを見ていきます。

ハーモニックパターンとテクニカル分析

ハーモニックパターンは、何か特別のトレード手法というわけではなく、ダウ理論、移動平均線、サポートやレジスタンス、オシレーターなどのテクニカル分析の基本と合わせて使えるものです。また、フィボナッチを使っている以上、ハーモニックパターンこそが、テクニカル分析の基本であるともいえるのではないでしょうか?

普段使われているかもしれない移動平均線や水平線のトレード手法とも相性が良いです。例えば、移動平均線や水平線を使ってはじき出した「戻り売り」や「押し目買い」のポイントで、ガートレーやABCDパターンなどが検出されると、エントリーの優位性が高まり、そこから想定できるプライスアクションなどをもっとよく理解することができます。

エリオット波動を学んでいる方なら、推進波や調整波(先ほどのトライアングル)という値動きでも、ハーモニックパターンを活用することができるのをご存知だと思います。なぜなら、エリオット波動でも必ず使うのはフィボナッチであり、ハーモニックトレードとは非常に相性が良いわけです。

10月7日現在のユーロドルは、ハーモニックパターンとテクニカル分析の基本を組み合わせたいい事例です。ウィークリーピボットとマンスリーピボットが重なる価格帯で、4時間足と1時間足で売りの5-0パターンが検出されています。この価格帯がレジスタンスとして機能すれば、下落トレンド再開という目線にさらに優位性が出てきます。

米大統領選まで、そしてその後も波乱が続きそうなボラティリティのある相場です。そして、ボラティリティが出ている相場ではハーモニックパターンが活躍します。

ドル円はどこへ?ゴールドは?原油は? と、考えたり予想しても仕方なく、すでに長期足で検出されているハーモニックパターンがある程度の方向性を示唆してくれている相場環境です。もしご関心があれば検出ツールをのぞいてみてください。

高精度ハーモニック自動検知ツール・クラシック版(MT4のみ対応)

私が最初にお世話になったインジケーターで、基本のバットパターン、バタフライパターン、ガートレパターン、クラブパターン、ディープクラブパターン、変形バット(フィボナッチプロジェクションの1.128%を使う少し難しいパターンですが、基本のパターンに分類されています。)の7種類を検出してくれます。

ハーモニック検知ツール・プロフェッショナル版(MT4・MT5対応、メールアラート・カストマイズ機能付)

クラシック版のパターンはもちろんのこと、サイファーパターン、A・サイファーパターン(アンタイ・サイファー)、シャークパターン、5-0パターン、スリードライブパターン、ブラックスワンとホワイトスワン、ネンスターパターン、A・ネンスター(アンタイ・ネンスター)、61.8パターン(エリオット波動第2波や第4波などの調整波ご用達パターン)、ABCDパターン(エリオット波動分析と合わせて使えます)といった新種のハーモニックパターン10種類が追加されています。