ボラティリティのある相場ほどチャートパターンが明確 Volatility creates chart patterns

8月5日から1週間の動きで、チャート分析を学んでいるトレーダーさんに限らず、機関投資家など誰にとっても必見のチャートとなっているのが、ユーロドルとゴールドです。ボラティリティのある相場ほど、チャートパターンがきれいに出てきます。来週の動きがとても楽しみですね。Last week’s moves in EURUSD and GOLD have created interesting chart patterns. Regardless of news, this may be an interesting phase to monitor.

ダウという大黒柱とSP500からのサプライズ?

SPX and DJI may test fibonacci 78.6% but the question is, ‘is it after a pull-back or without a pull-back?’

(注:この記事は2019年8月11日に投稿していたものです)

節目でハーモニックパターンが出ている通貨ペア

ドル円のキーレベルは104.701、買いのブラックスワン

ドル円は、先週の小さな買いの5-0パターンから少し反発したのですが、4時間20MAに抑えられて下落。ドル円は、先々週から居座っている週足の買いのブラックスワンがあり、フィボナッチプロジェクションは2.618%を超えている環境です。

下落が継続すれば、ターゲットは、104.701か、104.996ですが、抜けたチャネルの下限が走る107.730あたりまで、反発する可能性もあるため、警戒中です。8月3日の「ドル円チャネルブレイク、ユーロドルの3ドライブパターン、ドルスイスの5-0パターン- Volatility’s back」をご参照ください。

GBPUSD は節目の1.20223-1.20268エリアをヒット

先週の投稿で記載していた1.20268を見事ヒットしましたね。

GBPUSD bullish butterfly Yearly Pivot S1 ポンドドルのハーモニックパターンと年ピボットS1 11 Aug 2019

現在は、買いのブラックスワンとバタフライが異なる時間足で検出されています。「じゃあ、この節目に到達したし、ハーモニックパターンも検出されたので、買いのポジションを仕込みましょうか?」

それは、まだちょっと早そうです。まず、ポンドドルのトレンドはまだダウントレンドなので、反発があれば戻り売りという目線で見ているトレーダーが多い相場環境です。

バタフライなどのPRZ(潜在的反転ゾーン)は、もう少し下ですので、月曜日のプライスアクションを見ていくことになります。一方、プロトレーダーが見ているであろうデータを見ると、「スマートマネー」は買いに傾いている状況ですので、徐々に反発を強めてくる可能性を想定しています。

ユーロドルはきれいなトライアングル(三角持ち合い)

ユーロドルの動きは、上下に荒かったですが、一週間を終えてチャートを見るとトライアングル(三角持ち合い)となっているのが見えると思います。

このトライアングルの中で、高値や安値に対するフィボナッチリトレースメントのレベルが効いているんですね。水曜日辺りからは、徐々に、「これ、トライアングル?」という感じで見ていたトレーダーもいたかと思います。こういった場面では、トライアングルの中のフィボナッチレベルなどを理解していないと、往復びんたを食らい、損切りとなりやすいです。

また、ユーロドルのこの持ち合いは、日足20MAをサポート、週足20MAと25MAをレジスタンスとして上下しています。月曜日に下げてきた場合、日足20MAがまたサポートとなるかどうか、しっかりと見ていきたい場面であり、今週は、この三角持ち合いをブレイクする可能性を誰もが見ていると思います。

先々週の投稿で記載していた日足のスリードライブパターンはまだ有効です。仮に三角持ち合いであるトライアングルを上抜けすれば、次のターゲットは、1.12976です。ちなみに、ビットコイン(BTCUSD)もトライアングルですね。

コモディティ:ゴールドとシルバーのプライスアクションに注目

 ゴールドのチャートパターンとフィボナッチリトレースメントレベル

GOLD resistance 11 Aug 2019 ゴールドのチャートパターンとレジスタンスゴールドは、8月7日に売りのディープクラブパターンも検出されていたので、今一度チャートを見てみてください。ゴールドは安全資産として買い上がっていますが、短期足だけ見ていると気づかないことがあります。

週足で、左にある2つの異なる高値と、2015年末の安値を使ったフィボナッチリトレースメントのレベルを見ると、$1488.80は、フィボナッチリトレースメントの50%戻し、$1514.50は、61.8%の戻し(画像中は38.2%)。

同じ2015年末の安値、2016年7月の高値、そして2016年末の安値を使ったフィボナッチエクスパンションを見ると1.272%となるのは、$1558.10。

黄土色のABCDで描画したフィボナッチ比率の1.61%は、濃紺のチャネル上限とほぼ同じです。このチャネル上限を少し突き抜ける可能性はもちろんありますが、シナリオとして持っておきたいのは、ここから買いについていくとリスクリワード比が悪いだけでなく、2011年の高値に対するABCという大きな調整波が終了しかけている可能性という目線です。

シルバーの売りのガートレーとフィボナッチリトレースメント50%

シルバーは、$17.46ー$17.5が節目。現在のガートレーパターンで少し下げていますが、もう少し上昇余地があります。ガートレーのPRZ(潜在的反転ゾーン)も、もう少し上ですので、すぐに売りという訳ではなく、警告が出ていると受け止めて月曜日以降のプライスアクションに注目していきます。

株式指数とハーモニックパターンが出ている注目の銘柄

SP500はチャネルでABC、スリードライブパターン、大きなガートレーの可能性

SP500のフューチャーズ(ES1)は、一旦売りのガートレーパターンが出たのですが、「相場は3回値を付ける」という癖を思い出すと、チャネル内の動きがまだ中途半端で、スリードライブパターンを形成する可能性もあります。ここから売りを仕掛けると踏まれる可能性もありという相場環境に見えます。

一気にフィボナッチリトレースメントレベルの78.6%まで上昇してくれると、このエリアには日足の20MAがあります。つまり、日足レベルでグランビルの法則通り、戻ってきていることになります。ダウも同じ環境ですのです。

その一方、フィボナッチリトレースメントの61.8%(画像中は38.2%)である$2932.50をヒットして下げてきています。グリーンの矢印のように、チャネルを抜けて下げて、そこから買い上がるというさらに大きなABCか、グリーンの矢印で想定できるガートレーパターンとなるのか?

こういう場面では、売りだ、買いだという目線を固定しまうと往復びんた状態となる可能性もありますね。仮にグリーンの矢印のように下げてくれば、「おいおい、下落再開か?」となり、ゴールドはターゲットの上限まで伸び、ドル円は、104.701まで下げてくるというシナリオをキープしています。

ボーイング株のシャークパターンと年足ピボットでのプライスアクション

今回、「大黒柱からのサプライズ?」と書いたのですが、ボーイング株が買いのシャークパターンで反転してきています。ボーイング株は、ダウのウェイトが高いので、大きな動きはダウの動きに影響を与えると考えるのは間違いではないですが、さてどうなるでしょうか?

Boeing bullish shark 11 Aug 2019 ボーイング株の買いのシャークパターン

年ピボットを上抜けてきていますので、この年ピボットがロールリバーサルとして、サポートになるか注目ですね。

来週、市場が注目しているのは、金、銀、原油の動きだと思います。原油は、前回の投稿で 記載した$54.94の価格までリターンムーブを入れています。ここで売りのホワイトスワンが検出されていますが、$53.53あたりでサポートされると、もうひと上げある可能性があります。

米ドル・中国元(USDCNH)のキーレベルは7.1528あたり。上抜けすると、プルバックの後、さらに上昇となる可能性もありますね。