ユーロドルは$1.09250でダブルボトム?ポンドドルなど大きな時間足の買いのハーモニックパターン vs デイトレ

ECBでダブルボトムのようになったユーロドルですが、$1.09250はかなりのサポートラインであることがわかります。以前の投稿で触れたこのラインは、年足レベルのピボットポイントS1でもあり、テクニカル分析がシンプルかつパワフルに効いている相場です。ポンドドル、NZDUSDなどは大きな時間足で買いのハーモニックパターンが居座っているため大局の目線はまだ同じです。EURUSD’s support line is too strong to ignore.

BOJ、FED、BOEなどイベント vs ハーモニック & VVIX

Events such as BOJ, FED, BOE take the centre stage but it is intriguing to see bullish harmonic patterns in EUR, GBP, AUD and NZD against USD.

(注:この記事は2019年9月15日に投稿していたものです)

今週はイベント多しの週です。木曜日は英国中銀の発表などがある「スーパー・サーズデー」。イベント前に値動きを予想しても仕方なく、根拠のないまま動いた方向に飛び乗ったりするのは、リスクあり!?の相場環境のようです。

ポンド、ユーロ、ニュージーランドドル、豪ドルについては、米ドルに対して大きな時間足で買いのハーモニックパターンが居座っていること、そして、明確なサポートラインで反発しているため、大局の目線はどちらかというと売りの手仕舞いが入り、買い目線に傾き始めている相場という認識です。米ドルという一つの通貨に対して、ポンドやユーロが年ピボットポイントS1などをサポートに同じ方向にそろって動く可能性があるということは、米ドルが売りに傾く優位性が高まる根拠になると思います。

前回の投稿で記載した日足や週足など大きな時間足でハーモニックパターンが検出される場合、価格が反転したり、そのパターンが示すターゲットに届くまでには、時間がかかります。デイトレでは、長期の移動平均線が下がっていることもあり、それまでのトレンド(ユーロドルなどの下落トレンド)の方向に、価格がまだ動くため、売りなの?買いなの?と目線がぶれやすい環境になります。

でも、下記のドル円で見るように、デイトレでアップダウンがあっても、時間が経つと、当初の大きな時間足の買いのハーモニックパターン通りになっていたということがよくあります。ドル円は8月17日にキャプチャ―してあったブラックスワンの2番目のターゲットを時間をかけてヒットしています。今日は、今検出されているハーモニックパターンをリマインダーとしてまとめておきます。

今週フォローしたいハーモニックパターン

米ドルストレートペア

  • ポンドドルの買いのブラックスワン
  • ユーロドルの買いのスリードライブパターン
  • AUDUSDの買いのブラックスワンパターン
  • NZDUSDの買いのシャークパターン

ユーロドルの年ピボットポイントS1からのプライスアクション

EURUSD 15 Sep 2019 ユーロドルのスリードライブパターンとプライスアクションECBのイベントで売りが入ったものの、ふたを開ければ、年足ピボットポイントS1で再度反発しています。この2回目の反発の際、安値は微妙に切り上がっています。

これが底値を示唆するチャートパターンであるダブルボトムとなるならば、ユーロドルをむやみに売るのはリスクありの環境に見えます。

ユーロドルのチャートで見えてくるのは、この年足ピボットポイントS1が誰もが意識している防衛ライン。このラインをローソク足の実体が下に抜けない限り、売ってはいけない相場環境のようです。ダブルボトムであれば、ネックラインを上抜けしてほしいですが、金曜日の段階ではネックラインへのプルバックからの押し目形成は失敗しています。

今週のウィークリーピボットは、1.1035あたり。1.1035あたりは木曜日からの上昇に対するフィボナッチリトレースメントレベルの38.2%がほぼ重なってくるのでいったん意識される可能性が高いですよね。4時間の20MAは、日足の20MAの下にいるため、プルバックが深くなる可能性もあります。

ECB後の上昇に対して、プルバックした後、スリードライブパターンが示す最初のターゲットまで反発を継続する可能性は十分にあります。大きな時間足のパターンですので、ポジションを持っているのであれば、我慢強くヒットするのを待ちます。

ユーロポンドのブラックスワン

EURGBP 15 Sep ユーロポンドの買いのブラックスワンとキーレベル

ユーロポンドはチャネルの下限で、買いのブラックスワンです。

PRZ(潜在的反転ゾーン)はもう少し下の0.8798あたりにありますので、ここまで下げてきても焦らないことです。

節目に重なるものが増えれば増えるほど、その威力が増します。

ポンドドルのシャークパターン

ポンドドルも、年足ピボットポイントS1から、買いのブラックスワンも手伝って、反転していますが、現在、週足20MAで頭を押さえられそうな場面で、シャークパターンという環境。PRZ(潜在的反転ゾーン)はまだ上の方にあり、現状は、大きな買いのブラックスワン通りに買い目線ですが、短期的にプルバックを待っているトレーダーもいると思います。

上記のユーロポンドのチャートと合わせると、ポンドはやはり一旦プルバック?とも見えるのですが、ECB後のユーロの動き、木曜日の英中銀のイベント、そして、未だに続くブレクジットのため、FEDのイベント後も、短期的に荒れる動きになりそうです。ただし、ユーロドルと同じく、年足ピボットポイントS1という強烈なサポートを割らない限り、大きな時間足のハーモニックパターンに沿って、まだまだ上昇する可能性を考慮しています。

ドル円の売りのサイファーパターン

覚えていますか?以前投稿した8月17日にキャプチャ―したドル円の買いのブラックスワン。年足ピボットポイントS1で検出されたブラックスワンから反転してきています。このブラックスワンで示されていたターゲットは、107.849円、108.717円、そして109.585円。さらに、年足レベルのピボットポイントもターゲットと重なっているほか、106.30円あたりには年足レベルの移動平均線20MAが走っている環境です。

先週の動きで、すでに買いのブラックスワンで示されていたフィボナッチの最初のターゲットをヒット。その後の上昇で、次のターゲットである108.717円を前に、金曜日には、売りのサイファーパターン検出されています。ドル円のプルバックは予想できますが、プルバックのタイミングと、プルバックした後、下げ止まるかが重要になってきそうです。FEDのイベント前にどこにいるかしっかりと見ていきたいです。

米10年債:年ピボットポイントR1という節目

US10Y 15 Sep Yearly pivot resistance 米10年債の年ピボットレジスタンスドル円の上昇に弾みをつけたのが、米国債の動き。国債は、2年、5年、30年、同じような動きです。この下落は、強烈でしたね。

結果的にゴールドもプルバックしていますね。トレーダーが今シナリオにいれているのは、おそらく、この下落を持って天井を付けたというシナリオと、下げ止まってまた上昇するというシナリオだと思います。FEDのイベント前にどこにいるのか?など、プライスアクションを見ていきます。

いずれにしても、直近の下落は、小さな時間足では伸び切っているので、反発する可能性がありますね。

ディープクラブパターンが出ていたシルバー

前回の記事で掲載していたシルバーは、ディープクラブパターンから、下落継続。ゴールドも同じですね。ディープクラブパターンが示しているフィボナッチリトレースメントレベルの38.2%まで到達し、買いのABCDパターンになっています。

シナリオとして考えられるのは、この下落が、一旦の息抜きで、再度上昇というシナリオ。ゴールドも同じで、下げ止まれば再度上昇というシナリオに優位性がありますが、高値を超えられるかを誰もが見ていると思います。

WTI原油は、またまた$54.94が意識された値動きでサイファー

WTI原油は、以前から記載している$54.94の年ピボットポイントが意識されています。サイファーが検出され、年ピボットポイントにいて、週末のサウジの油田攻撃のニュース。月曜日には、ギャップアップしている可能性がありますね。

株式指数は高値更新?

前回7日の投稿で記載したダウUS30の売りのガートレーパターンの完成するフィボナッチリトレースメントレベルの78.6%は意識されたものの上抜け。それと同時に、SPXは、窓埋めを達成しています。現在、SP500、ナスダックの1時間足のチャートには買いのABCDパターンが検出されていますので、NYセッションが始まるまでは上昇する可能性がありますが、高値更新を目指すのか?それとも戻り高値を付けるに過ぎないのか?プライスアクションを見ていきましょう。

VIXとVVIXは異なるメッセージを出している?

少し気になったのは、VIXとVVIX。VVIXとは、VIX(恐怖指数)そのもののボラティリティを見るインデックスです。7日の投稿で、VIXのチャネルとフィボナッチ比率を描画しましたが、先週、相場が動いている間、VIXは、13.7まで下げてきているのに対し、VVIXは同じ動きをしておらず、むしろ上昇しようとしているようにみえるのが少し気持ち悪いところではあります。

まとめ:今週も、ユーロドルなどの大きな時間足のハーモニックパターンと年ピボットポイントS1が有効であるのかを再度見ていくことになります。ECBで下げたユーロドルが2度目支えられて反発しているというプライスアクションを見ると、安易に売りを仕掛けてはいけないことがまず読み取れます。

ドル円も8月17日に出ていたブラックスワンから、時間をかけて上昇し、ターゲットをヒットしています。このことから、ユーロドルなども、同じように、時間をかけて、現在出ているハーモニックパターンのターゲットをヒットする可能性がありますので、デイトレレベルの短期的な動きに振り回されないことが大切のようです。

また、米株式が高値を更新するのかという場面にもありますが、VIXとVVIXの動き次第では、ボラティリティが炸裂しそうな様相。Fear(恐怖)に傾いていたセンチメントが、急激にGreed(欲)に変わってきているので、こういう時こそ気を付けたいですね。

CNNのFear and Greed Index (恐怖・欲指数)

FOMCなど経済指標のある時のシナリオについての過去記事

2018年6月の「FOMC前の米ドル: ハーモニックパターンなどを活用して無駄な予想を省く Pre-FOMC – USD in focus

9月7日に投稿した「NZドルとユーロの反発は想定通り。シルバーには強烈な売りのハーモニックパターン。ダウ(US30)のガートレーにも注目