ユーロポンド:チャート分析とハーモニックが学べた相場(続・続編) EURGBP’s analysis Part 3

EUGBPの相場環境についてアップデートを掲載後、結果的に描画していたトレンドラインが効いてEURGBPは下落。シャークパターン、5-0パターン、サイファーパターンというハーモニックパターンとテクニカル分析の基本を組みあわせてみた結果の動きから、次はどうなるのかサクッとまとめます。The Parliament vote on Prime Minister’s Brexit deal brought EUR down against GBP and one simple trendline appeared to have worked.

チャート分析の基本: チャネル、トレンドライン、年ピボットポイント

Bearish shark pattern to bullish 5-0 pattern worked but a trend line has held the price. The area surrounding 0.88984 is a key.

(注:この記事は2019年1月20日に投稿していたものです)

EURGBP: 0.88984のエリアが鍵

今回は、ユーロポンドの相場分析を記載した投稿3つのうち続・続編(最終編)となります。

ユーロポンド相場分析の初回:「ユーロポンド:テクニカルとハーモニックからのシナリオ作り EURGBP analysis (Part 1)

ユーロポンドの相場分析続編:「ユーロポンド:ラインやチャネル、シャーク、サイファーパターンまで EURGBP analysis(Part 2)

EURGBPは、英国議会での投票や不信任投票などポンドにインパクトを与えるイベントが立て続けにありましたが、上記のPart 2で見たように、それ以前に検討していたのがEURGBPの買いと売りの双方の目線。投票までにポンドが売られ、5-0パターンとサイファーパターンで、EURGBPは反発してきたのですが、描画していた水色のラインでおさえられて、下落しています。このラインでは日足の20MAが上からかぶさる形でレジスタンスを形成していたので、このライン際の動きで、買いを利確したトレーダー、新たに売りで参入したトレーダーがいたと思います。

EURGBPのテクニカル分析の基本

ハーモニックパターンでサポートができ反転してきた場合でも、必ず見ておきたいのが、テクニカル分析の基本として習得する移動平均線の傾きなどです。結果的に大きなレンジを抜けていない相場であるという環境認識のもと、再度、ライン・水平線など見ていきます。

移動平均線:日足20MA、週足20MA、月足20MAが上から順番に並んでおり、買い目線が優勢という相場環境が続いていますが、大きなレンジになっています。

サポートとレジスタンス:0.88984あたりを走るラインは、2011年からサポートになったりレジスタンスになったりと長期にわたり効いているライン。

この価格は今年のピボットポイント。このラインとほぼ重なっているのが、週足20MAです。この年ピボットは市場参加者誰もが見ているであろうエッジのあるライン第一候補です。EURGBPが上昇するというシナリオを描く場合、このラインを上抜けて、レジサポ転換で支えられるかどうかが鍵です。

なお、直近の動きを見ると、0.87987に年ピボットのミドル値があり、これに支えられて、反発してきています。このまま反発継続となれば、現在のシャークのパターンのターゲットまで上昇を期待。このままこの0.87987を下抜けると、ヒットしていない0.86990にある年ピボットのS1を再度ヒットする可能性もあり。いずれにしても、上昇を継続した場合、週足20MAと年ピボットがレジスタンスを超えられるのかどうかが鍵ですよね。

ボリンジャーバンド:日足のボリンジャーバンドのマイナス2シグマをはみだして戻り、現在このマイナス2シグマにタッチという相場環境。0.87987は直近のサポートと考えることができます。引き続きグランビルの法則を考えると、日足の20MAまで価格が戻される可能性がありますが、途中に年ピボットと週足20MAがあるので、上値重しと見える相場です。

フィボナッチ:11月13日の安値と1月3日の高値を結んだフィボナッチリトレースメントレベルの78.6%。ガートレーを想定できるリトレースメントレベルです。

ローソク足:日足で下から差し込んでくる陽線。78.6%のレベルが意識されているようです。

RSI・ストキャスティクス:4時間足では、11月の安値に対して今日の価格は上にあるにもかかわらず、オシレーターは売られすぎでヒデゥンダイバージェンスにも見えていたのですが、結果的に価格は下げ。それでも、依然として、4時間足と日足でヒデゥンダイバージェンスに見えます。

ハーモニックパターンを活用したEURGBPの分析

買い目線のシナリオ

先週の投稿に掲載してしていますが、年ピボットのあたりで、5-0パターンと4時間足のサイファーパターンが出て、反発しました。それでも、画像にあるように水色のトレンドラインと日足20MAでおちてきたため、買い継続となりませんでしたね。なお、このまま11月の安値を更新せず、年ピボットも上抜けするような動きになる可能性もありますね。13日に投稿していた大きなガートレーかサイファーの可能性もまだキープです。

レンジ継続か、売りのシナリオ

先週の動きから、現在、78.6%のフィボナッチリトレースメントレベルでシャークパターンが再度登場し反発しています。

EURGBP bullish shark and gartley 20 Jan 201978.6%だとガートレーパターンの可能性があるのですが、ガートレーを構成するXABCDの各地点のうち、B地点がXとAの高値と安値を使ったフィボナッチリトレースメントの61.8%のレベルではなく、51.8%と定義よりも浅いレベルで終わっています。

そのため、ガートレーとは呼ばず、ガートレーもどきとなります。

ですが、市場参加者は、安値に対する76.4%と78.6%でできるエリアと、シャークパターンで見えるフィボナッチプロジェクションの1.128を意識していたことがわかります。緑のチャネルを下抜けしており、まずはここがレジスタンスとなりそうですが、シャークパターンの目指す半値戻しは、オレンジのボックスあたりになります。まずはボックスへ。

ここからまた下がってくるのか、上がるかは誰にもわかりません。大きなレンジの中にいることを考えると、レンジをブレイクしてトレンドが出るまでは、相場が安値や高値に近くなると、サイファーやシャーク、半値あたりで5-0パターンというたくさんのハーモニックパターンが繰り返し出てくる可能性が高いですね。そのたびに焦っても仕方なく、EURGBPは様子見するというのも一つの手段です。

EURGBPとファンダメンタルズなど

通貨や株式などチャート上では見えないが、価格を動かす要因があります。ポンドの場合、ファンダメンタルズと呼ばれる景気動向や金利政策のほか、ブレクジットに関連したニュースや要人発言といった短期的に価格を動かし、スパイク(上ひげなど荒い動き)を作り出す要素が付きまとっているようです。それでも、ディーラーや機関投資家が見ているであろうもっと大きな森があります。

GILT(英国債10年物)

引き続き、英国債10年物のチャートを見ると、チャネルを抜けたように見えますが、直近では、買いのスリードライブパターンが検出されているという相場。このまま価格が反転すると、ポンドは下げ目線=EURは上昇する可能性がありますので、英国債の動きもヒントにしたいですね。さらに、ドイツ国債などとあわせスプレッドなどを見ると思いますが、この辺りは上級者レベルであるため、余力があれば考慮する要素となります。

ブレント原油

ポンドは資源通貨ともいわれます。ブレント原油の価格の動きと連動、あるいは相関関係にあるため、金利だけでなく、ブレントの動きもヒントとなりそうです。

COT:ポジション動向

引き続き、米政府一部閉鎖のため、12月中旬以降、投機筋のポジション動向は発表されていません。