フィボナッチ88.6%、78.6%が活躍中の相場:US500、US30、US100。ポンドドルはバタフライパターン?

引き続き上昇しているドル円のほか、テクニカル分析の基本が意識されている米株式指数のチャートが面白くなっています。ベアリッシュなバタフライが居座るポンドドルの行方にも注目です。10月20日水曜日の相場状況をサクッとシェアします。

デジャブな相場:リターンムーブ、それともブルトラップ?

Fibonacci key levels in play for US30, US500, US100

現在居座るハーモニックパターンとキーレベル

EURUSD:5-0パターンからブラックスワンへ

EURUSD Bullish 5-0 pattern ユーロドルのブリッシュ5-0パターン 18 Oct 2021こちらは18日にキャプチャ―したユーロドルのブリッシュ5-0パターン。

ヘッドアンドショルダーズパターンのネックラインを割ってしまった後、下落を続けているのですが、抜けた赤いチャネル下限のラインがサポートになってしまう可能性もありと記載していました。

今の段階では、その通りになっているという相場環境です。

なお、18日に出たこの5-0パターンから上昇はしているのですが、移動平均線が垂れ下がっている環境でもあることには注意したいです。

そして、この場面で出てきたのが、ブラックスワンというパターン。

EURUSD Bearish Blackswan ユーロドルの売りのブラックスワン 20 Oct 2021

現在は、少しプルバックしていますが、垂れ下がっている日足の20MAを4時間足の20MAが上にクロスするかという微妙な場面。

プルバック完了後、再び上昇を続ける、いや、このパターンで下げてしまうという、まだわかりづらい値動きですね。

ドルインデックス(DXY)は、かなり前からヒットを想定していた$94.371というキーレベルをヒットした後、頭を打たれているというプライスアクションです。

ポンドドルにいるベアリッシュなバタフライパターン

GBPUSD Bearish Butterfly ポンドドルのベアリッシュバタフライ 19 Oct 2021

こちらは、19日にキャプチャ―していたポンドドルのベアリッシュなバタフライパターン。

4時間足にも居座っていますが、PRZ(潜在的反転ゾーン)は$1.38574あたり。軽くプルバックしても再び反発する可能性も考慮します。

ユーロドルとあわせて、一旦、プルバックした後、再び上昇して、PRZをきっちりヒットする可能性があり、短期的に上下に振れるプライスアクションが想定できます。

ユーロポンドのブリッシュなブラックスワン、でかいバットパターン

EURGBP Bullish Blackswan ユーロポンド日足のブラックスワン 20 Oct 2021現在、日足のチャートにはブリッシュなブラックスワンが居座っており、月曜日に反発後、火曜日に下げて、再び上昇を試みている場面です。

ユーロポンドのキーレベルは、0.83249。

ここまで下落すると手仕舞いが入って反発する可能性もありますが、このレベルを下に割ってしまうと、ヘッドアンドショルダーズパターンのネックラインを下割れというシナリオも描けます。

そして、日足からズームアウトして、週足チャートを見てみると、別のハーモニックパターンが居座っています。

EURGBP Bullish Bat ユーロポンドのブリッシュバット 20 Oct 2021強烈にでかいブリッシュなバットパターン。フィボナッチリトレースメントレベルの88.6%を使うハーモニックパターンの基本パターンになります。

フィボナッチリトレースメントレベルの88.6%は、このブログでよく出てくる「最後の砦」的な存在。

さらに、ユーロポンドの場合、このバットパターンのPRZだけではなく、0.83249という最強ラインがほぼ重なっているため、この価格帯あたりで強烈なプライスアクションが出ると想定できますよね。

その他、AUDUSDにはベアリッシュなシャークパターン、USDCADにはブリッシュなバタフライパターンも居座っていますので、コモディティの動きに合わせて資源国通貨にも動きが出る可能性があります。

クロス円は、キーレベルをどんどんブレイクしていますが、円売りの手仕舞いが解消されるときに強烈なプルバックを展開する可能性があるので、プライスアクションをしっかりとみていきましょう。週末の投稿もご参照ください。

USOIL(WTI原油のキャッシュ)は窓埋め&$91.12がターゲット?

USOIL(MT4で見える原油のフューチャーズ)は、キーレベルの$69.65を上抜け後、$80.39も上抜け。週末に想定していた$90.24あたりの窓を埋めるコースをたどっている可能性もあります。が、窓を埋めても、$91.12という強烈なラインがあるので、その後のプライスアクションに注目です。

株式指数: フィボナッチリトレースメントレベルが活躍中

ハーモニックパターンを忘れて、テクニカルの基本を思い出してチャートを見た時、今一番面白いのが、US500(SP500のキャッシュ)、US30 (ダウのキャッシュ)、US100(ナスダックのキャッシュ)またはUS100フューチャーズではないでしょうか?

US30のフィボナッチ88.6%

US30 cash Bearish ABCD ダウキャッシュ ベアリッシュABCDパターン 20 Oct 2021こちらはUS30のキーレベルは、US30キャッシュのチャート。画像中のハーモニックパターンは無視してください。

チャートから読み取れるのは、8月につけた高値に対する「最後の砦」であるフィボナッチリトレースメントレベルの88.6%をヒットしていることではないでしょうか?

これを超えるのか、超えないのか?超えられないと「ブルトラップ」のシナリオがオンになる可能性が高くなりそうです。

US100:トレンドラインとフィボナッチリトレースメントレベル78.6%

US100 Trend line resistance ナスダックキャッシュのトレンドライン 20 Oct 2021ナスダックのDecフューチャーズのUS100は、実は上記のダウキャッシュと同じようにABCDパターンが居座っていました。その後、上昇したので、このパターンが消えたのですが、チャート分析の基本を頼りにすると、見えてくるものがありますよね?

現在、抜けた濃紺のトレンドラインまで、強烈なリターンムーブを展開していること。そして、9月の高値に対するフィボナッチリトレースメントレベルの78.6%(画像では21.4%)をうろうろしている状況です。

なお、US500は、以前記載していた次のキーレベルの$4,528.69の少し手間から現在プルバックしています。なぜここで?$4,522.66あたりには、フィボナッチリトレースメントレベルの88.6%と今週のウィークリーピボットがいるからです。

この3つの株式指数から読み取れるのは、ナスダックのUS100フューチャーズだけがフィボナッチリトレースメントレベルの78.6%をヒットした状況であり、残りのUS30とUS500のように、フィボナッチリトレースメントレベルの88.6%まで跳ね上がってくるという可能性。

US100:フィボナッチリトレースメント78.6% vs 88.6%, フィボエクスパンション

そして、ここでもう少し掘り下げて見ておきたいのが、テクニカルの基本のフィボナッチ。先ほどのナスダックフューチャーズのチャートを使います。

US100 fibonacci levels ナスダックキャッシュのフィボナッチレベル 20 Oct 2021

最初に見えるのは、先ほど書いた9月の高値に対するフィボナッチリトレースメントレベルの78.6%辺りでうろうろしている状況。

次に見えるのは、10月頭からの上昇でつけた高値と、そこから一旦下げて切り上げた押し安値を使ったオレンジのフィボナッチエクスパンションのレベル。今いる価格帯に2.618%とありますよね。ここでぴったりと価格が抑えられています。

その次に見えるのは、一回り大きなティールのフィボナッチエクスパンションのレベルと、2本のブルーの斜めのライン。このラインで伝えたいのは、同じ値幅分上昇するのか?ということになります。

言い換えると、先週の安値から上昇した価格は、今週月曜日に押し目を付けました。その後再び上昇していますが、このブルーの斜めのライン通りに動けば、その先は、黄色のボックスで囲った$15,599あたり

この価格帯に重なっているのは、フィボナッチリトレースメントレベルの88.6%(画像中は11.4%)と、一回り大きなティールのフィボナッチエクスパンションの1.618%。このあたりが、US30のマジな「最後の砦」となりますよね。

最後に、ハーモニックパターンの要素を付け足すと、まず、2本のブルーの斜めのラインが意味するのは、AB=CDのパターン。ABとCDが同じ値幅になるというハーモニックパターンの基本になります。

また、$15,599あたりにあるティールのフィボナッチエクスパンションのレベル1.618%と、フィボナッチリトレースメントレベルの88.6%は、バットパターンでも使われるフィボナッチの値です。

なお、画像からお分かりのように、ナスダックフューチャーズにはハーモニックパターンが登場していません。おそらくこのフィボナッチリトレースメントレベルの88.6%を目指して跳ね上がってくる?それもおかしくないですよね。

引き続き、上がっても下がっても、値幅が広く、ボラが高い状況が続くと想定していますが、テクニカルの基本がしっかりと意識されている相場であることには間違いないようです。